<続き>
前回は、縄文時代から古墳時代前半にかけて、煮炊きに用いられた土器類を紹介した。今回は、5世紀後半の古墳時代の鍋・釜・竈を紹介する。
5世紀も半ば以降になると、鍋・釜・竈を煮炊きに用いるようになる。それらは朝鮮半島の影響が見受けられる。
食糧を蒸すという調理法は、弥生時代にも存在したであろう(弥生期の木製甑を見たような、見なかったような曖昧さがある)が、専用土器が出現するのは古墳時代からである。コメを甑を用いて強飯(こわいい)にして食したであろう。
古代の歴史は面白いと云うか、一面では面白くもないが、渡来文化は様々である。弥生期の印象は呉越の江南の文化の影響が大きく、古墳時代に至ると朝鮮半島の影響が出てくる。それと共に騎馬民族の影響と思われる品々が出土する。日本の文化は単純なものではなく、中国や朝鮮半島、その背後として遠くはスキタイなどの騎馬文化、弥生人の源流の一部はインドシナ半島人のDNAと一致するという。しかし、ベースは縄文人である。
<続く>