青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

寒い夜だから

2018年03月04日 09時00分00秒 | 関西本線

(その光、力強く@5283レ・蟹江駅)

尾張温泉東海センターですっかりポカポカと温まって回復した後は、のんびり回転寿司屋で夕飯。風呂上がりにビールが飲めないのは至極残念なんだが、お茶で我慢しました(笑)。今回は日帰りなんでそろそろ帰らなきゃいけないのだけど、帰りがけの駄賃って事で恒例の5283レで蟹江バルブと洒落込みます。蟹江のホームはなぜか上り線の名古屋方面行きホームがやったら長く、そんな上りホームの四日市寄りが蟹江Bの定番スポット。普通電車の停車位置からは遠く離れており、ホームのこの部分を使うのは鉄道マニアだけと言えなくもない。


特徴的な形のホキ1000を牽引し、蟹江駅の中線にゆっくりゆっくりと入線して来た5283レ。蟹江の中線はDD重連の極上のレッドカーペット、主役の登場に思わずシャッター回数も弾みます。財源は碧南市から持って来た火力発電所の石炭ガラであるフライアッシュ(焼却灰)。最終的には東藤原の太平洋セメント藤原工場で、セメントの材料として使われるものです。


5283レは何本かの普通列車の交換&退避、そしてコンテナ貨物の2088レとの交換を行うので正味15分程度の停車時間があります。この日は19:52着、20:08発だったので参考にされたし。名古屋行き346Mとの交換。この時間から名古屋に行く乗客は疎らですが、313系の車内灯が明るくフライアッシュ貨物を照らしてくれます。


途中からは雪も舞い出し、とにかく寒い夜でした。隣で撮影していたおっちゃんと談笑しながらシャッター数を重ねていたのだけど、地元民かと思ったら平塚の人でご近所さんだった(笑)。昨日から名古屋入りしてDD撮影してるらしく、アタクシと同じように貨物系の好きな人で秩父のデキなんかもよく撮りに行くのだとか。やっぱ同類、似たようなところに現れるもんだ。まあそれだけ鉄道趣味にも選択肢が少なくなっているということだろうけど。


前照灯が再点灯されて、富田へ向けて出発の準備を整える5283レ。5283レを牽引するDDは、フライアッシュを継走駅である富田に運んだ後、その足で四日市まで重単で回送。帰りは四日市から積載のタキを牽引して8078レで稲沢に戻る運用です。フライアッシュ便が重連運用になっているのは8078レのためであって、四日市から石油の出荷がない場合は単機の場合もあるのだとか。


DD51最後の楽園であった愛知機関区。まだ原色が何機か健在だった頃の四日市にて、852と847のコンビ。852は震災対応で磐越西線の石油貨物にも行ったカマです。現在稲沢には2機のDFが配置されておりますが、現在も神戸の川重で3機目が改造中。3月改正からはDFが現状DD重連運用のタキ貨物だけでなく、コンテナ便や炭カル&フライアッシュ便にも進出する可能性があるのだとか…マニア界隈では、悲惨な情報は尾ひれを付けて大げさに語られることが多い傾向もあるので真偽のほどは分からんのですが、いずれにしろ3月改正でどうなるかでしょうねえ。

DDの今後を案じつつ、最後まで見届けて行きたいものです。
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雪、赤熊のちホカホカと

2018年03月03日 19時22分45秒 | 関西本線

(赤熊担当8075レ@新川ストレート)

吹雪の白鳥信号場を後に、ずぶ濡れになった体を全開の暖房で乾かしつつ新川へ移動。クルマの中で通過時間まで待機してたんだけどなあ…僅かに8380レを待って構えてたものの10分間程度でビッショビショになってもうたよ。ホントなら気持ちとしては途中で撮影切り上げて尾張温泉東海センター一択の展開なのでありますが、午後に稲沢からもう一往復DFが出るのでそれはさすがに撮っておきたい…と言う訳で北風ビュービューの蟹江踏切から新川ストレートを。ホントなら夕陽ガッツリ浴びて赤熊さんが走って来る手はずだったのだが、もうクソ雪雲で太陽なんかオヤツの時間の前にログアウトしてしまったよ。


8079レで四日市へ下って行った次位825号機(赤デコ)を今度は先頭に、8072レが新川の鉄橋を渡って来ました。さっきのDFとは隣の春田で交換なので撮影位置動かなかったんだけど、10分くらいインターバルあったから庄内川の土手とか行けたかもしれんなあ。それにしても雪まじりの北風に吹かれて手の感覚がなくなるほどの寒さであった。クルマの温度計で3℃くらいしかなかったんだけど、案外名古屋って北陸の天気そのまま持って来るトコあるよなあ。関東に比べて日本海側の雪雲をブロックする山稜が薄いからなんでしょうけど。うん、DFもDDもカッコいいけど、太陽欲しかった!そしてめっさ寒かった!以上!風呂風呂!


関西本線にDDを追っ掛けに来ると、シメは必ずここにしている。いつも尾張温泉は優しく旅人を迎えてくれる。別に温泉街なんてものはなく、「尾張温泉街」というアーチには今となっては看板に偽りありな感じもするけれども、それでも昭和40~50年代は温泉を中心とした歓楽街が広がっていて、その中核をなす「尾張温泉東海センター」は東海地区の庶民の娯楽として不動の地位を築いていたそうだ。「常磐ハワイアンセンター」とか「船橋ヘルスセンター」とかの一連の温泉系レジャーランドっつーか、ヘルスセンターブームの流れなのだろうね。


尾張温泉東海センター。入浴料620円。源泉100%かけ流しのスベスベトロリとした良いお湯と爆発する昭和レトロの融合。湯気に煙って見えなくなるほどの広い広い岩風呂に身を任せると、昼間の冷えた体が溶けて行くような快感がある。今日は寒かったからいつも以上に温泉が体に染み渡ったなあ。カラン・シャワーからも温泉が出て来るのだからどんだけの湯量なんだと思うのだけど、6本の源泉をこの1軒で使っているそうで、贅沢な湯遣いだわなあ。あまりに気持ち良すぎて長湯してたおっさんが脱衣所でぶっ倒れてたけど大丈夫だったんだろうか。趣味も温泉も、のぼせぬ程度にほどほどに。
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白鳥はピョンチャンより寒かった

2018年03月02日 22時56分29秒 | 関西本線

(晴れ間、一転@吹雪の白鳥信号場)

昼過ぎ頃に桑名界隈で撮影していた時は時折薄日も射したりしていたのに、午後になって白鳥信号場で撮ろうと思ったら何だか知らんが猛烈に北風が強まり、みぞれ混じりのベッチャベチャの吹雪が…。本当にこの日は安定しない一日でしたが、さすがにこんな中で田んぼの真ん中まで行ってゲバ立てて待ってらんないマン。そもそも同じ場所でグチャっと固まって撮るのが好きじゃないので、一歩引いた踏切道から構える事にして、8380レの通過直前までクルマの中で待機する事に。折しもNHKではピョンチャンの羽生結弦くんフリーの時間なのでそちらを優先してしまうのでありました(笑)。


日本時間の午後3時少し前。羽生くんの金メダルが確定したころ、8380レが白鳥の信号場を通過して行ったのですが、構えながらRadikoずーっと聞いていたのでイマイチ撮影に集中し切れてない感じが良く分かる「白鳥で撮っただけ画像」になってしまった(笑)。天気も雪なら雪でもうちょっと降ってくれる事を期待して構えたんだけど、通過直前になって小やみになってしまってこれも中途半端だったなあ。


2月とは言え8380レの時間ではまだ日も高いし、雪雲の空にあまり表情もないし、田んぼは真冬で枯れて寒々しいし、DDが重連で走っている事だけが救い。正直白鳥って何度か来てるけどあまり相性がよくないんじゃないかと思っている(笑)。まともに晴れたためしがないしなあ…。DD重連をここで撮影する事がまた出来るとしたらリベンジしたいけれど、3月改正は刻一刻と迫っているのでありました。
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蛤の ふたみに分かれ 行く春や

2018年02月27日 22時05分26秒 | 関西本線

(浮浪雲の隙間から@桑名~朝日間)

テキトーに撮るとこないかロケハンして、何となく開けてそうな員弁川沿いに行ってみたのだが、ちょっと空が高圧線とかでガチャガチャしているよね。それでも浮浪雲の隙間からこぼれてくる光と青空の下、旋回窓の1147号機で2085レがやって来ました。コンテナ便ですが、機関車次位から化成品らしきタンクコンテナやホッパコンテナがいくつか乗っかっているのが2085レの特徴。おそらく四日市周辺のバケガク系工場のどっかのメーカーが使っているのでしょう。


近鉄益生駅脇の員弁街道踏切から2080レ。先ほどの2085レが四日市に到着するとすぐに2080レが発車するダイヤ。四日市から名古屋方面へ向かう関西本線は、この近鉄の益生駅手前の朝明(あさけ)信号場で複線から単線になります。見ての通り一応複線化可能な用地は確保されているのですが、北勢線のガードの部分が拡幅できないせいで単線のままにならざるを得ないのだとか。1800番台はみーんなスノプロ付きなのがいいよね。それだけに国鉄色だったDD51のラストナンバー1805号機を撮影出来なかったのは残念でなりません。


北勢線のガードの向こうへ歩いて行って2080レと桑名で交換するタキ返空の8079レを。背後のビジネスホテルやマンション群は桑名駅を中心にした繁華街。木曽三川の豊かな恵みに育まれ、質のいい海産物が名物だった桑名の街、「その手は桑名の焼き蛤」という啖呵でおなじみでしょうか。今では砂浜は埋め立てられて遠く、地物のハマグリもすっかり高級品になってしまいましたが、たまーに桑名の「貝新」の志ぐれ(佃煮)とか貰うと嬉しいよね。茶漬けも良いけど、炊き込みご飯なんかにするとまた美味い。


8079レは1028と825のコンビ。デコまで赤い825が次位だったのは勿体ないですが、日中でDD重連を見る機会も3月改正でさらに少なくなるのだろうと思うと贅沢は言ってられません。おそらくDFの投入は関西本線におけるDD重連運用のスジから優先されるはずなのでね。重連運用を減らし、DDを予備に回して状態の悪いカマから整理して行く腹積もりなのでしょうから…大垣で詠まれた芭蕉の別離の句を借りるまでもなく、今年の春も別れの春になりそうです。
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ネコの目天気の四日市

2018年02月24日 17時00分00秒 | 関西本線

(頑張るスイッチャー@コスモ四日市専用線)

四日市駅北側の北浜踏切で待っていると、コスモ四日市の油槽所からスイッチャーがタキを引き出して来ました。四日市の入換はDE10と日本通運のスイッチャーが担当していますが、小さい体で大きな体躯のタキを牽き出して来るスイッチャーのパワーには驚かされます。11時台のタキ牽き出しは午後に四日市を出る8380レに向けての準備でしょうか、土曜出荷も盛業のようです。今年の冬は寒いから、出荷高もハネ上がったんじゃないでしょうかね。


さて、港でセメント便を愛でた後は海山道先の大井の川橋南詰へ。塩浜からの5282レが、緩やかに天白川の土手へ上がって来る微Sカーブを狙ってみます。土手の道路からゴリゴリに圧縮して撮るのが人気みたいですけど、ここに来てにわかに風が強くなり予報が大外れの土砂降りの雨。とてもじゃないけど土手上の道路で待ってられる状態じゃないので、通過寸前までクルマで雨宿りしながらの一枚。


小やみになった雨の中を、大井の川橋に向けて登って行く5282レ。ちなみにこの構図は横の道路にクルマが来ちゃうと即死アングルなんで、正直ヒヤヒヤもんでした(笑)。まあそうなったらそうなったでと開き直っていたら幸いにして一台の車も来なかったんだけどそれは結果論。隣の県道6号が混雑する道なんで、結構抜け道してくる車が多いんだよな。日中の撮影時間では平日2便しかない貴重な塩浜線の上り便、遠征組がわざわざ撮るにはリスキーなアングルなんで、リスク回避という観点でも土手上の道から狙ったほうが良いのかもしれぬ。


5282レは四日市で20分強のアイドルタイムを設けているので、北浜踏切へ先回り。何となくこの辺りの動きは四日市に来るともはやルーティンワークのようになっているのだが、カット数を稼ぐには一番ベストな流れなんだよねえ。新味に欠けるのは否めないけど、もう四日市近辺の撮影地なんて開拓され尽してるだろうし…(笑)。

ネコの目天気の四日市、さっきまでの土砂降りがウソのように太陽が出て来て逆光ベース。北浜踏切先は長い貨物列車がカーブしながら加速してくるところを正面からガツンと撮影出来るのが良い。三滝川の土手に向かって上り勾配になっているので、DD重連だと爆煙&大音量のエギゾーストノートを楽しめる場所であったのですが、DFは軽々と涼しげな顔をしてタキ16車を引っ張り上げて行くのでありました。
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