青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

師走 岳南富士岡/ゆく年に寄せて

2022年12月31日 15時00分00秒 | カレンダー

(赤冴える、師走の青空@岳南鉄道・岳南富士岡駅)

12月。そして大晦日。2022年を振り返りながら綴った24枚、最後は師走の青空に、地域の主要産業であるパルプ・紙の輸送に従事していた岳南鉄道のEDを。平成24年の12月に貨物輸送が終了した後は、側線での留置を経て整備された岳南富士岡駅の「がくてつ機関車ひろば」にて静態保存されています。ED403は、梓川水系のダム開発のため、かつての松本電気鉄道に導入された電気機関車。最後は岳鉄の大荷主でもあった大昭和板紙吉永工場のレタリングを付け、スカーレットとベージュのビビッドなカラーリングで富士山麓の小貨物を運んでいました。

富岳颪の冷たい風に吹かれながら、典型的な私鉄D級電機、といった佇まいのデッキ付き機関車を眺める。他の古豪電機に囲まれながらも、製造年の新しいED402と403は岳南貨物の主力機でもありました。岳南貨物、家から2時間くらいで行ける案件だったんだけど、そう撮る機会にも恵まれず・・・気付けばなくなっていて、そして廃止されてからもう10年も経っていたんだなあと。いつだって後悔は、そのものがなくなった後にやって来る。それは今年も変わりませんでしたね。

そして、今年も弊ブログにお付き合い下さいましてどうもありがとうございました。SNS全盛の時代、ある意味ブログという媒体も続けていく人が少なくなっているような気がしますが、140文字じゃ伝わらん事もありますよね。年々この業界も撮るもんがなくなってますんで、来年はどこまでブログを更新したくなるような楽しい話が拾っていけるかだなあと。鉄道というジャンルは正直掘り尽くされてますし、普通に撮ってるだけでは進歩がないので、鉄道周りに落ちているものに対するアンテナだったり、審美眼だったり。いわゆる感性が問われる時代かなとも思いますが、ここを見ているあなたに何かの一枚が刺さっていれば幸甚でございます。

最後は、師走の三河湾に沈む鮮やかな夕日をバックに・・・
それでは皆様、良いお年をお迎えください。

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霜月 吾野/久留里

2022年12月30日 17時00分00秒 | カレンダー

(ライオンズカラー、重ねて@西武秩父線・吾野駅)

11月。この一ヶ月は天候も落ち着き、今年の関東周辺の山々はそれなりにいいコンディションの紅葉が楽しめたような気がします。錦秋の奥武蔵の山を、秩父に向けて登って行く西武4000系。大勢のハイカーを乗せながら正丸へ向かって峠を詰めて行くその姿。吾野で上下列車の交換シーン。発車して行く西武秩父行き、西武101系由来の原始的な抵抗器が唸る。

この秋の「休おで」三回目の利用で、子供と一緒に久留里線の上総亀山まで。普段は日中6時間くらい列車の来ない久留里~上総亀山間が、JR東日本の「駅からハイキング」の開催に伴って久留里止まりの列車を延長運転するという企画に乗ってみることに。木更津から房総半島の里山を走って1時間、久留里から先は褶曲して流れる小櫃川の谷に沿って丘陵地に入って行きます。大イチョウ輝く久留里の駅に進入するキハE130。以前のキハ35・37・38のラインナップ時代にもう少し来ておけば良かったかなと思うけど、久々に長時間の非電化ローカルの旅を楽しみました。

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神無月 小涌谷/小金城趾

2022年12月28日 17時00分00秒 | カレンダー

(Kowakidani Tornedo@箱根登山鉄道・彫刻の森~小涌谷間)

10月。ちょうどこの頃からプライベートのバランスが悪く、体力的に趣味活動になかなか時間を割けない時間が続いているんですよね。それは現在進行形で続いているんだけど、この秋以降は遠方へ出かけるというよりは関東甲信越小さな旅、って感じで家から日帰り出来る小商いみたいな撮影行を続けておりました。この日も、疲れを癒しに箱根の温泉でも・・・みたいな感じで午後からちょろっと出かけて行ったんだったな。

10月以降、「休日おでかけパス」を利用した外出が多くなる。ガソリンも高いし、クルマで無理に出ることねえべ、ってのもあるし、そしてちょっと機材を新しくしましてね。オリンパスペンE-7。レンズと機材でそれなりの金額かかっちゃったけど、ミラーレスで小さくて軽いのがいい。機材がごつくて重いとどうしてもクルマで出かけざるを得ないとこあるじゃないですか。それが機材が小さく軽くなったことで、電車で出かける事に躊躇がいらなくなったというかね。そうガッツリとテツな写真をキメたい時はやっぱフル機材で臨みたいけども、ちょこっと天気のいい日に出かけてって撮るくらいにはいいカメラですよ。という事でフラリと流鉄。黄色と赤の電車を繋ぎ合わせた「オムライス電車」は、故障した編成と検査中の編成の「無事だったヤツ」をそれぞれサルベージした苦肉の策から生まれた、ヒョウタンから駒的な珍編成。赤と黄色でオムライス、いつだって鉄道マニアの想像力は豊かなのであります。

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長月 千垣/淵東

2022年12月26日 17時00分00秒 | カレンダー

(秋雨濡れて山登り@富山地方鉄道立山線 横江~千垣間)

9月。9月は恒例の地鉄訪問。これで5年連続。最近は車中泊を絡めて一泊二日にする事が多い。行きの日に台風が来てて、とにかくもの凄い雷と雨の中でハンドルを握りながら安房峠を超えた。正直、秋晴れを期待した富山の風景はしとしと雨続きで夕方ちょろっと晴れ間が見えた程度だったのだけども、それでも折角の富山行なので精一杯のアングルを探して沿線をウロウロ。ススキ生い茂る千垣への上り坂、雨に濡れたレールを慎重に進む60形。足元をビシャビシャにしながら切り取りました。

富山の帰り道、神岡の道の駅で車中泊。早く起きた朝は、安房峠を戻りアルピコ交通へ。富山帰りに寄るにはいい位置にあるので、最近重宝している被写体。松本から新島々までの短い路線ですが、淵東駅付近は安曇野の農村風景とアルプスの山並みのコラボレーションが望める素敵な空間。駅前のささやかなリンゴ畑、秋に色づくリンゴの実を眺めながら、100周年記念リバイバルカラーの3000系がやってきました。

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葉月 峰山/丹後由良

2022年12月24日 10時00分00秒 | カレンダー

(正しい日本の夏、丹後の夏@京都丹後鉄道・京丹後大宮~峰山間)

8月。夏休みに、今年最大の遠征と思われる京都丹後鉄道への旅。これも全くのノープランで、最初は「只見線にでも行くか」なんて思ってたら二日後には東舞鶴の駅前にいたという・・・(笑)。と言うか、結局最近はどこに行くにも直前まで天候とにらめっこして決めてるから、行動が天気次第なとこがあるよね。この時も台風影響の線状降水帯なんかで、岐阜県内とか前が見えないくらいの雨だったしねえ。そんなこんなで天候不順だったお盆休み、幸いにも訪問中は比較的天気に恵まれた初めての丹鉄。峰山盆地に色付き始めた稲田を渡って、スカイブルーのKTR800形がやって来ました。

そして、京都丹後鉄道と言えばここ、由良川の河口に架かる由良川橋梁が車窓の白眉。結局訪問していた二日間、ここで過ごす時間が一番多かった。空、光、風、雲、流れ、波、そして時間ごとに刻々と変わる長大橋梁の様々な表情に魅了される。朝まづめ、舞鶴市街と由良を隔てる山を越え、渡って来る雲の流れと風が、幻想的な風景を生み出しました。

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