青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

猫眠り 秋草揺れて 釜ヶ淵。

2022年10月30日 10時00分00秒 | 富山地方鉄道

(雨上がりの小駅@釜ヶ淵駅)

朝から降り続いていた雨がようやく上がった立山線沿線。寺田から真南に向かう立山線の線形は順光が作りやすいので、どうしても撮影する機会が多くなるような気がする。線路っぱたも開けてるしね。秋の柔らかな日差しが雲間から零れる釜ヶ淵の駅。この駅も地鉄の中では雰囲気のある良駅で、下見板張りのしっかりした木造駅舎と、庇を支える柱には大きな柱石がついていて、いかにも雪国らしくがっしりとした作り。そして、「釜ヶ淵驛」の旧字体はその雰囲気をさらに引き立てているような。

かつての出札口と、ホームに繋がる通路上屋。もう随分前に無人化されているのだろうけど、地域の人の手が丁寧に入り、待合室にはベンチに座布団が置かれ、駅を使う人向けの文庫なども整備されている。駅は集落の人々の共有財産としてしっかりと意識されており、壁に貼られた新聞記事などからでも駅に対する地域の奉仕活動の記録が読み取れる。古くはあるけれども丁寧に使われていて、こう言う駅は居心地がいいものだ。

コスモス揺れる秋の釜ヶ淵駅。居心地がいいのか、ホームの下で猫が一匹午睡を楽しんでいた。そろっと近付くと、気配を察したのか、そそくさとどこかへ行ってしまった。猫を上手に撮影するのって難しいね。猫のいなくなったホームにやって来たサークルKの17480形。地鉄に導入された形で言えば、前期の大井町組より後期の田都組の方が好み。スカートが付いてた方が引き締まって見えます。

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ラッピング 色の行方や こはいかに。

2022年10月29日 10時00分00秒 | 富山地方鉄道

(KATALLER TOYAMA-GO!@電鉄富山駅)

元はと言えばかぼちゃ塗装だった14767編成が、今年の2月からラッピングされて「カターレ富山号」として走り始めています。前回来た時は見られんかったので、初めてのご対面。カターレ富山って何ぞや、ってなるのですけど、地元のサッカーチームで現在はJ2。北陸電力とYKKの2社が持っていた実業団チームを母体に、現在は富山県の32社が出資するサッカークラブとなっていて、富山地方鉄道も出資しておりますので、そういうご縁でラッピングが始まったのかな。

2月に、稲荷町で「なんか60形が青い色に塗られている」みたいな噂話を聞いたときは、すわ「14710形のインディゴブルーにホワイトラインのリバイバルか!」と色めきだったものですが、何のこたーない、地元J2チームのラッピングと知ってずっこけたものです。まあ暫くこの塗装で走り続けるのだろうけど、地鉄の関係者の誰か一人でもこのページを見ている人が居たら、ヲタクはカターレ富山との契約が切れたら、下地のブルーを活かして14710形リバイバルを待っていますと伝えたいですね(笑)。

チームのロゴをヘッドマークに誂えたカターレ富山号。その横で、最近はすっかりと出番を失った地鉄のカンが並んでいる。14710形リバイバルが奇跡的に実現したら、ここに並んでるカンをとっかえひっかえ付けて撮影会でも臨電でもやってくんねえかなあと思っている。使われなくなったせいか、来るたび来るたびにここに並ぶカンの数が減っているような気がするのだが・・・

釜ヶ淵の駅の周りは雰囲気も良く、よく撮影に訪れる。立山線でも好きな駅の一つ。彼岸花を横目に立山を目指すカターレ富山号。60形では2編成がかぼちゃ塗装だったのですが、もう1編成のかぼちゃ色であった14769編成は「富山もようトレイン」になってしまいましたので、現在は60形からかぼちゃ塗装は消滅してしまいました。正調雷鳥カラーが減らなかったことは喜ばしい事ですが、60形のかぼちゃもなくなってしまうとまた見たくなるもの。この2編成はラッピングが終わったら何色になって戻って来るのか、そこは興味のあるところです。

かぼちゃ時代の14767F。秋の電鉄黒部にて。まだ特急が動いていた。たった2年前の話なのですが・・・

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コロナ禍の 悲運の新車 20020。 

2022年10月26日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(How Do You Like TOYAMA?@横江駅)

ススキ揺れる秋の横江を通過するは、元西武ニューレッドアローこと20020形。導入されてから1年以上寝かされていたのは、コロナ禍の中でデビューのタイミングを逸してしまったからなのだろうか。今年2月から営業運転を開始して以降は、主に上滝線の輸送力列車に使われる程度で華々しい活躍の場がありません。本当はもっと大々的にお披露目もして、立山へ、宇奈月へと縦横無尽に活躍をしていたはずの新型車両ですが、そもそも減便ダイヤで特急もないのであれば、3連は輸送力過剰で使い道がないのかもしれないですねえ・・・

最近になって、土休日の電鉄富山~立山間の臨電に起用されている20020形。
初めて迎える富山の秋は、どないでっか?

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復活の アルペン走れ 立山へ。

2022年10月24日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(ALPS is Back@有峰口駅)

現在は、コロナ原因の減便ダイヤにて特急列車の運行もなくなってしまった地鉄の列車ですが、この夏から富山県の補助を受けて土休日のみ宇奈月温泉→立山間の特急(いわゆるアルペン号)が暫定的に復活しています。2号車はJTBが販売するツアーによる貸切で、2,500円で宇奈月→立山の乗車券に富山の寿司店で食事ができるクーポン券が付いてくるらしい。あくまで補助金事業なので、今後恒久的に復活するのかは神のみぞ知るところではありますが、ひとまず地鉄に特急列車が帰って来ました。

有峰口にて交換待ちのシーン。アルペン運用は16010形のアルプスエキスプレスの定期運用となっているようです。真ん中のサハを挟んだ3連は、平日朝は上滝線の輸送力列車、そして土日はかつてのアルペン運用というルーティン。UNやらTYやらが全線を跋扈していた時期に比べればまだまだ寂しい話ではありますが、それでもアルペン観光がかつての活気を取り戻すための第一歩なのかなと。

ちなみにJTBのツアー券、2,500円で寿司のチケットは3,500円分のモノがついているらしく、単純に宇奈月→立山の運賃2,140円+寿司3,500円=5,640円分が2,500円だというのだから補助金サマサマの内容らしい。ただ、期間は10月30日までなので今年は事実上終了になっているのが惜しいですけどね。

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雷鳥や 捕まえさせて その翼。

2022年10月22日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(霧咽ぶ山麓に@横江~岩峅寺間)

まだまだ9月では青々としていた岩峅寺の大銀杏。そろそろ色付き始めた頃合いだろうか。霧咽ぶ立山山麓を降りて来た60形。秋と言っても、初秋と晩秋の雰囲気は大きく違う。夏と冬は季節の中で色合いは割と固定されるけど、春と秋は出口と入口で植物の装いが大きく異なるものだ。好きな路線だからこそ、季節を変えて十二節季を回ってみたくなる。そんな地鉄沿線の四季彩。

米どころであるはずの富山平野、下段の一角にあったそば畑。秋そばが可憐な白い花を咲かせている。近所を通りがかった散歩中の爺さんが、「ここの持ち主はそばやってんだよ、珍しいでしょう?」と声を掛けて来た。確かに、米が出来る肥沃な土地では米を作るのが日本の農業のお作法で、地味が痩せていて荒涼な場所でも生育出来ることに特徴があるそばや雑穀の類は、米が出来ない場所に植えるものと言う概念があるんよね。

この日の地鉄、お目当ての60形は比較的立山線の運用に入っているものが多く、そのせいでなかなか立山線を離れられませんでした。一回見失っちゃうと、どこ行ったか分からなくなっちゃうのが地鉄運用。立山まで行けば絶対折り返して帰って来るので、立山線は比較的掴みやすいけど、本線は宇奈月方面とかに行ったと思いきや戻らずに黒部-宇奈月の折り返し運用に入ったり、電鉄富山に上ったら稲荷町入庫があるしでねえ。飛んで行ったらなかなか捕まえられないのが雷鳥カラー。基本的には見たままを優先するしかないのであります。

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