青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

秩父支えて30年

2020年05月17日 10時00分00秒 | 西武鉄道

(窓辺のあの子@西吾野駅)

西吾野駅での4000系同士の交換風景。単線で駅間距離もそこそこあるので、秩父線の交換待ちは結構長い。静寂が支配する乗客も疎らな車内から、冬の低い日差しが射し込むホームをぼうっと見ていると、交換の飯能行きが滑り込んで来た。対向電車の窓辺に跳ね返ったライオンズカラーの向こうに、街に向かう女の子の朧な影が見えて、一瞬目が合った。おもむろに走り出した4000系は、奥武蔵の山を詰めながら、正丸峠のサミットへ登って行きます。

武甲山が見守る西武秩父の駅のホーム。シーズンオフの平日ともあって、西武秩父まで各駅停車に乗車して来たのは疎らな観光客と商用客がチラホラといるだけであった。正直、高麗から横瀬までの中間各駅の顧客流動から考えても、秩父線に平日の4連は過剰かなあ・・・という気がしないでもない。4000系の製造から30年が経過して、次世代の秩父ローカル運用を考えるに、新車投入によって日中の短編成化(2両?)はあってもおかしくないのかな、と。新車を製造するほどのニーズはないなら、30000系の増結2連とかをワンマン改造した上で、山岳線区用にバッキバキに改造して突っ込むとかあったら面白そうですが・・・

西武秩父線は昨秋に開業50周年を迎えました。西武の本社自体はニューレッドアローに代わるLaviewの投入や、土休日のS-TRAINによる横浜からの秩父乗り入れの実施と、「祭の湯」を中心とした西武秩父駅の大規模リニューアルなどなど積極的なCMの展開によって秩父観光にテコ入れをしております。そんなこんなで西武秩父駅の跨線橋なんかも、以前に来た時とは見違えるほど観光ムードに包まれていて、飾りつけなんかも華やかになっていました。祭の湯は、週末は仮眠の出来る健康ランド的な使い方で一夜を過ごす事も出来るようなので、秩父の山に朝から登りたいとか、三峰神社でご来光を拝みたいとか、そういうニーズに応えられる施設になっています。温泉好きとしては、秩父にも渋い鉱泉宿いっぱいあるからそっちにも泊まってあげてね!と思ってしまうのだけど。かおる鉱泉とか新木鉱泉とかいいよね。

抵抗制御のモーター音も高らかに、今日も秩父と奥武蔵を駆けるライオンズカラー。西武鉄道が正丸峠を穿ち、秩父盆地に鉄道を通して50年、その50年の歴史のうちの30年を、縁の下の力持ちとして秩父線に捧げて来たのが4000系という車両です。いつかは後進に道を譲る時が来るのだろうけれど、決して華やかな活躍が報じられることもなく、その車歴のほとんどを地域輸送に徹し切った働き。しっかり記録しておかないとならんなと思います。

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奥武蔵徒然草

2020年05月15日 17時00分00秒 | 西武鉄道

(春の芝桜臨@東吾野駅)

神奈川県民である私にとっては、西武鉄道の路線というものはそう縁があるものではありません。西武を使うシチュエーションと言えば、専ら国分寺から電車(多摩湖線)に乗って西武球場へ行く時がほとんどでしたが、オトナになってからは、秩父観光やらなんやらで西武秩父線を使う事が多くなりましたね。まあ観光っていうよりも、秩父にデキ撮りに行くための交通手段として使うことが多かったかもしれん。という訳で、ここでは少し前の西武4000系の姿をプレイバックしてみます。芝桜の多客対応で4+4の8連の普通列車がホームギリギリに停車します。どっかの交換待ちで撮影したと思うんだけど、東吾野かな?昔は方向幕にアルファベットは入っていなかったんですね。

SL芝桜号を撮影しに行った際の三峰口での一コマ。三峰口乗り入れ車は、午後の返しまで側線で留置されていましたね。秩父鉄道も、まだ国鉄101系上がりの1000系が主力だった時代。たった10年ちょっと前でしかないんですけど、現在の東急車天国とは隔世の感があります。この頃は、パレオの客車もまだ深緑でしたね。

大雪の降った次の日、まだ夜も明けやらない横瀬付近を走る4000系。後方には秩父のシンボル・武甲山がどっかりと聳え立つ。芦ヶ久保から滝の枕を降りて来て、生川の谷を高架橋で渡ったあたりだったと思う。どうしても秩父のデキは両パンの時期(冬季)に撮影に行く事が多いので、いきおい4000系の画像は冬時期のものが多いような気がする。

芦ヶ久保の駅で撮影した快速急行長瀞・三峰口行き。池袋から秩父方面の土休日の行楽列車としてお馴染みでありました。ちなみにこの秩鉄乗り入れの快速急行は、先日の2020年3月改正を最後に運行を終了しております。この快速急行は朝早く武蔵丘の検車区から回送で池袋まで送り込んで運用していたので、面倒くさいっちゃ面倒くさい列車ではあったんですよねえ。3月改正で秩父線系統の特急は全車「Laview(ラビュー)」に切り替わってしまったので、「秩父行きたい人は新しい特急乗ってくださいよ」という事なのだろう。また、土休日に2往復だけとはいえ2ドア車を池袋口に入れるとなると、中長期的にはホームドアの設置計画に影響してしまうとかもあったのかも。

現在の秩鉄乗り入れ列車は、行路を短縮した上で飯能発の各駅停車に置き換えられていますが、こんな活躍の場の狭まり方も「リバティ」の導入により浅草乗り入れが打ち切られた東武6050系と似てるんですよねえ。どちらも落成から30年を経て、私鉄急行型にも曲がり角が来ている事実をヒシヒシと感じてしまうのであります。

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「私鉄急行型」の愉悦

2020年05月13日 17時00分00秒 | 西武鉄道

(栄光のトップナンバー@西武4000系)

コロナ禍の真っただ中にあって、なかなか外へカメラを持って撮影に出るのもままならないのでありますが、そんなこんなで自粛オンリーのGWも終わりました。首都圏は緊急事態宣言が解除されていない、という事で子供の学校も始まりませんし、会社の勤務体系も変更されて変な休みが増えています。休みがあったって出掛けられるわけでもないから余計にストレスが溜まりますね。このまま梅雨に突入してしまうのでしょうか。

という事で、今日からは少し前に乗ったり撮ったりしたままHDDにほったらかしていた西武4000系のお話を。西武4000系ってーと、西武鉄道の車両の中でもだいぶ異端な感じがしますよね。赤青緑のいわゆる「ライオンズカラー」を身に纏う車両は、この車両と山口線のレオライナーくらいでしょう。昭和末期の製造らしく、そのころ大流行したブラックマスクで前面窓を大きく見せるタイプ。機器類は西武秩父線を中心とした山岳線区を走るだけに、大出力モーターであった西武101系のものを流用しております。

西武4000系は、奥武蔵や秩父方面を中心としたフィールドで活躍するクルマでありますので、観光需要に特化した2ドアセミクロスシート・トイレ付きのスタイル。あれ?ついこないだまでそんなクルマの話してなかったか?とお思いのあなたは勘が鋭い。はいそうです、東武の6050系と同じですよね。首都圏大手私鉄における「私鉄急行型」として、東武の6050系と並び立つのが西武の4000系。大手私鉄の「長距離急行列車」に供される両車種には、格別な旅情を引き立てる「何か」があるような気がして、趣味的にも注目している存在でもあります。

関東大手私鉄において、私鉄急行型として君臨する東武6050系と西武4000系。どちらもボックスシートにサイドテーブル付きと長距離向けの設えとなっています。西武4000系はかつては飲料の自動販売機が設置されていた時代もあったとかで、その名残りなのかサイドテーブルの下には今でもビン飲料用のセンヌキがセットされているんですねえ。「フタのカドをひっかけて ビンを下へこじる」という説明書きが何とも古めかしいのでありますが、このご時世、ビン飲料なんて冠婚葬祭の際のビンビールくらいでしかお目に掛らんですよね・・・それと、「こじる」という日本語は果たして令和の御世で理解されるのであろうか。小島瑠璃子のニックネームではないのだが・・・あ、漢字で書くと「抉る」と書くみたいです。今度どっかのコメ屋でビンのプラッシーでも買って来て、ここのセンヌキで盛大にこじってやりたいものです。

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令和初鉄

2019年05月17日 22時00分00秒 | 西武鉄道

(まるいったらありゃしない@西武新型特急・LaView)

世間は新元号になってから半月くらい経つというのに、長々とGWの飯山詣でのお話をしておりましたので、ブログの中はまだ平成でしたね。元号跨ぎの10連休は皆さんいかがお過ごしでしたでしょうか。後半はまあまあ天気良かったから家族サービスでいわき・小名浜方面に行ってきたんだけど、GWでも動いているという話だった安中貨物が動いてなかったのがとても残念。どうもこの頃安中貨物の動きが悪く荷乗りも芳しくないようなんだけど、工場のメンテ時期なのかな?撮り逃すとリベンジしたくなるのが人情というもんで、今年中にどっかのタイミングで福島臨海撮りに行きたいなあ。

という訳で、令和最初のテツ初めは子供と一緒に西武の新型特急「LaView」に乗車。土屋太鳳ちゃんが「窓広っ!」と驚くのも納得の足元までのワイドビュー。包み込まれるような黄色のシート&モケットは近鉄特急のしまかぜを意識したのかなあ。特急料金400円払って乗車時間が所沢から池袋までの20分くらいだったけど、せっかくなんでもうちょっと乗ってたかったね。ってか秩父漫遊きっぷでも買って西武秩父駅前に出来た日帰り温泉でも立ち寄って来ればよかったんだが、神奈川住みには池袋発のLaViewの下りダイヤは早すぎて使いづらい。

池袋から都電で王子へ出て親子で富士そばのそばを手繰り、北とぴあから新幹線見て、もう一回都電で町屋駅前へ。都電の大塚駅前周辺とか荒川区内はこの時期バラが見頃。そういえば現在、都電沿線の最大の行楽スポットであるあらかわ遊園地が大規模リニューアルのため長期休園中なのだよな。リニューアルオープンは2021年の夏というのだからかなりの長期間の改修だ。 大した遊具はなくとも、子供連れが安価に遊べる遊園地としてとても重宝されていたと思うので、再開後は変に値段が上がってなきゃいいけど。

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恐喝未遂

2018年10月30日 23時23分36秒 | 西武鉄道

(イエローカード2枚@小川駅)

先日受けた会社の人間ドックの結果が戻って来たのですが、相変わらず怖いことばかり書いてあるので脅迫状みたいであった。思えば三年前、不摂生が祟って入院の憂き目にあったのですが、どうも最近警戒心が薄れているというか緩み気味。再検査条項もあったりして既往症含めてイエローカード2枚いただいてしまいました。若いうちは医者に多少言われようがどうでもいいやって感じで聞き流せたんだけど、この歳にもなって来ると色々な事にビビる。何もなければいいんだけど。これからまた体の中を色々調べなきゃなんないので、病院通いが増えてしまいそうだ。

という訳で今日の写真は先日乗車した西武国分寺線。本線筋と違ってこっちは西武らしく黄色い電車ばかりで落ち着きます。国分寺線系統は2000系の田窓のふっるい初期型車両も突っ込まれていて良き良き。日中の本川越行きだけじゃなく、夕方は西武園への直通電車もあったりして昔に比べると便利になりましたね。
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