青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

千曲滔々

2019年05月10日 17時00分00秒 | 飯山線

(硲新線・カーブを抜けて@蓮~替佐間)

豊野~飯山間では随一の撮影地である替佐~蓮間、硲(はさま)の集落のカーブを抜けて来る132D。千曲川のほとりにあるこの集落の西の縁を、新しめのコンクリートガーター橋で跨いでいる飯山線ですが、このカーブは昭和50年代に微妙に線路が付け替えられています。以前はもう少し山側に沿って線路とトンネルがあったようですが、崖沿いを走る線形が悪かったこともあり、防災対策のために付け替えられたようです。今でも飯山線に沿って走る県道から、うっすらと当時の旧線の痕跡を見る事が出来ます。132Dは一般色が先頭となりますが、大ブナの森を横目に、先頭に立った若草色のDCはその存在をお互いに引き立てあっているようです。

飯山盆地と長野盆地を隔てる長丘丘陵の隘路。千曲の流れの向こうに遥かに見えるは志賀高原の山並み。線路沿いの僅かな平地も無駄にはしないぞとばかりに、小さな小さな耕運機で下草の鋤き込みが行われています。河岸段丘に若草萌える千曲の春は、陽光にあらゆるものが光り輝くように見えて、都会の垢に染まりきった身に面映ささえ覚える光景です。里の輝き、空の青さを取り持つように流れる川に沿って、後列にぶら下がった飯山色はなんだかのんびりクルージングモード。先陣を一般色に任せて、替佐へゆったりと向かっていきました。

 

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信濃平花寂

2019年05月09日 17時00分00秒 | 飯山線

(菜の花寂し@信濃平駅)

164Dから一段落ちて、132Dのケツにぶら下がって長野へ向かう飯山色。いつもはこの時期鮮やかな色で我々を迎えてくれる信濃平駅前の菜の花畑だったはずなのですが、何と今年は播種すらされなかったのか全く菜の花が生えておりませんで・・・。菜の花も連作障害があるから畑を休ませているのか、そもそも世話する人がいなくなってしまったりしたのか、理由は定かではありませんが、いずれにしろ春のみゆき野の名物とも言える信濃平駅前の菜の花を、飯山色と合わせる事が出来なかったのは残念です。

それでも、駅から一番離れた遠くの一角だけは僅かに菜の花が咲いておりましたので、そこの菜の花畑をモチーフに。同じように信濃平の菜の花を楽しみにしていた同業者の方々も、絵作りには苦労されていたようです。信濃平の菜の花は、線路際のモクレンと八重桜が一緒に咲くのですが、今年は八重のほうは開花が遅かったみたいですね。

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戸狩反芻

2019年05月08日 17時00分00秒 | 飯山線

(いつもの光景@戸狩野沢温泉駅)

越後川口からのロングランを走り通し、終着の戸狩野沢温泉駅に到着した164D。お向かいには、長野へ折り返す129D→130Dが待ち合わせ。164Dからの長野方面へは、ここで乗り換えになります。飯山色を2年追い掛けて、何気に多かった164Dの追っ掛け。川口から戸狩まで、十日町の僅かな交換時間を持つ以外はひと息で走り切ってしまうので、撮影する方も体力がいるんだよなあ(笑)。

164Dの追っ掛けを終えて、戸狩で憩う飯山色の姿を撮影したのも一度だけではない。駅前の電話ボックスと隣の自販機、ひと息に走り切った飯山色を眺めながらこの自販機で缶コーヒーを買って、同行の氏と駅前で語らうのも、もはや定番の光景となっています。冬場は側線にいるENRなんかと並んだりしてね。昼間の除雪運休を前に、最後に戸狩に着く列車が164Dでした。

北信の地を2年間走り続けて来た飯山色。デビュー直後の鮮烈な色味は薄れ、車体のあちらこちらに塗装のカスレや小キズが目立ち始めています。長い事見ていると小さな違いにも気付くようになりますが、この塗装のうちに、側面の方向幕がLED表示に取り換えられたんですよね。もうすぐ入場らしいので、きれいな塗装で戻って来るんだろうけど、その時は一般色なんだろうなあ。

飯山色とは、色々な思い出があったのが戸狩野沢温泉の駅。初めて飯山色を見たのが、確かこの駅で翌朝の120Dに備えて滞泊していた姿でした。今年の冬には、真夜中の森宮野原への送り込みを撮影した事なんかもありました。すっかり思い出をくちゃくちゃと反芻モードになってしまったのが寂しいが、この日の飯山色とのランデブーはもう少しだけ続くんじゃ。

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上境春景

2019年05月06日 17時00分00秒 | 飯山線

(里の芽吹き@上桑名川~上境間)

いつもならR117の矢垂大橋から逆オメガカーブを望む大俯瞰の辺り、集落の名前でいうと下境のはずれ。ゆっくりと千曲川のカーブに沿って走って来た飯山色。さすがにこの時期田んぼに色はまだなくて、前日の夜半の雨が代掻き前の土を湿らせていました。土手の芽吹きはワラビやゼンマイ、ミズにシドケとフキノトウ。今回は日帰りで帰って来てしまったのですが、野沢温泉なんかに泊まって、山菜料理でも食べてのんびりしたかったね。コゴミのおひたしとかパリパリして美味いもんね。

上境から戸狩の間にかけて、千曲川沿いに並ぶ古民家。この時期は庭にハナモモが咲いて、より春の風情を引き立ててくれます。このトタン屋根、屋根の折り込みが深くて角度が急になっており、タテに溝を付けて積もった雪が下に滑り落ちやすいようになっているのが雪国仕様。この古民家、国道からも旧道からも目立つので、写真のモチーフにした人も多いんじゃないだろうか・・・

戸狩の柏尾橋が遠くに見えて来ました。あのカーブを曲がると、164Dは終点の戸狩野沢温泉へ。
春の千曲が、滔々と車窓に流れます。

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西大滝春遠

2019年05月05日 17時00分00秒 | 飯山線

(西大滝の桜・横から@信濃白鳥~西大滝間)

北信に春の訪れを告げる西大滝の桜。メインであるダムサイト周りの並木道は既に色褪せて散り始めモードでしたが、対岸の国道沿いの桜がまだだいぶ花を持たせていたので今回は横からシュート。というか先達の皆様のアプローチによるものが大きく、持つべきものは友情の列車を繋ぐ趣味人界隈の絆、と言ったところでしょうか。確かこのアングルだと、線路沿いに結構印象深い古民家があったはずなんだけど・・・解体されてしまったんでしょうかねえ。

桜散り始めの西大滝の里は晩春、集落を囲む里山はブナ林の芽吹きの盛春、そして関田山地に連なる鍋倉の山々は雪融けの早春。この時期の北信の風景は、標高の違いで異なった位相を見せる季節のミルフィーユ。そんな季節の境目を縫い合わせるように、飯山色がカタンコトンと走って来ました。

西大滝の駅の一本桜も、盛りを過ぎて散り始め。飯山色の2シーズンで西大滝が満開になったのはいずれも平日だったように記憶してるので、結局満開の西大滝と飯山色は合わせられなかったのは心残り。うーん、撮れば撮るほど心残りが増えてしまいそうなこの感じ、233も落ちちゃったら飯山色ロスは結構激しいかもしれない(笑)。

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