青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

昭和レトロ、粋を集めて。

2023年05月11日 10時00分00秒 | 上毛電気鉄道

(何年振りのご無沙汰だ・・・?@西桐生駅)

上毛電気鉄道・西桐生駅。瀟洒な折屋根の山小屋風駅舎。こーいう駅舎をマンサード屋根と言ったりギャンブレル屋根と言ったり・・・まあ正確なところはお詳しい方に任せますが、個人的には小田急線の向ヶ丘遊園駅北口を思い出してしまうビジュアル。この駅舎は、昭和3年に建設されたものですけど、遊園の駅舎も小田急線の開業が昭和2年なのでそれを考えるとほぼ同期の桜。建物というものはその時々の流行りみたいなものが如実に表れる傾向がありますが、往時はこのようなデザインが流行していたのでしょうね。

春麗らかな一日。始発電車で神奈川の片田舎を発ち、横浜から小山経由で北関東は桐生の街までやって来ました。上毛電気鉄道の西桐生駅は、JRの桐生駅から北に300m程度歩いた場所にあり、独立しています。この路線、西桐生と中央前橋という起終点のターミナルがどちらもJRの駅には接しておらず、何だかとってもインディペンデントな雰囲気。上電、実際に来るのは二回目くらいなんですけど、前回来たのは相当前の話なんですよねえ。たぶん15年ぶりくらいなんじゃないかと・・・(後で調べたら14年ぶりでした)。

高天井と格子窓、コンクリートで土間が打たれた駅舎内は、朝の空気の中で少しひんやり。次の列車が来るまで改札口が閉まっているので、待合室のベンチに座ってコンビニおにぎりで朝食を食べながらレトロな雰囲気に浸ってみる。どっかでこんな感じの駅舎あったよなあ・・・なんて思いを巡らせていると、ことでんの琴電屋島駅の雰囲気と似たような感じがある。琴電屋島駅の建設時期を調べると昭和4年・・・やっぱりこの世代なんだねえ。ホントに昭和初期の駅舎デザインのスタンダードだったんだなあって。

中央前橋からの電車が到着し、乗客の主力だった高校生たちが改札口を抜けて行くと、自分の他の僅かな乗客がホームへの入場を許された。新緑眩しい春の西桐生、日差しだけは初夏を思わせる眩しさ。ファーストショットはパステルブルーの716-726編成。番線表示を飾る金属製の飾りがお洒落ですが、この手の飾りモノも昭和初期のレトロ車両とかレトロ駅舎にはよくある意匠。近代の建築物のデザインにはない装飾は、その鉄道の顔たる駅の建造物に精一杯の趣向を凝らした当時の建設技術者の気持ちが伝わって来るようです。


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