青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

越前福井の夜明け前。

2024年03月24日 10時00分00秒 | えちぜん鉄道

(福井の美味いもの晩餐@福井駅前・福福茶屋)

福井の夕食は、福井駅前にある「ハピリン」という名前の商業ビルの中にある「福福茶屋」で。この日は平日で、平日では通常の福鉄の一日フリー乗車券は使えないのだ。そのため、平日でも利用可能な「福福茶屋食事券付1日フリー乗車券(1,840円)」を購入していたのであった。ただまあ、フリーきっぷで1,480円の「福井名物定食」がいただけるし、夜7時以降の入店だとグラスビールが1杯サービスになるし、実質はフリー乗車券の部分がおまけになっているような(?)なかなかご機嫌なチケットである。撮り鉄、こういうイベント的なキップがないとひたすらコンビニメシで電車撮り続けてしまうからちょうどいいのよ。大好きな越前おろしそば、ミニ海鮮丼、昼に続いてのソースカツ丼のミニ丼三つに小鉢三種。のんびり食事しながら、せっかくなのでビールをお代わりもう一杯。優雅な時間である。結局何だかんだと福井駅前を出たのが22時前。ほろ酔い加減の田原町行きに乗り、足羽川沿いにあるビジネス旅館へ帰るのでありました。

翌日朝。一晩お世話になったビジネス旅館を辞し、福井の街を歩く。足羽川を渡り、フェニックス通りを田原町方面へ。どこかで朝食でも食べられそうな店はないかなと思い辺りを見回したが、県庁所在地とはいえビジネス街のフェニックス通りに、こんな時間にコンビニ以外のめぼしい店は開いていなかった。フェニックス通りのランドマークである福井地方裁判所の前をFUKURAM Linerが通り過ぎて行く。福大前西福井行き。田原町から一駅だけえちぜん鉄道の三国芦原線へ入る運用です。今日も雨こそ降らねどどんよりとした北陸の曇り空。風が冷たく寒いのだが、雪のかけらもない福井市内、本当の北陸の冬の寒さとは程遠いのだろう。

テクテクと宿から歩いて20分、わざわざ田原町の駅まで歩いてきた。福大前西福井で折り返してきたFUKURAM Linerとえち鉄の三国港行電車。窓口で今日はえちぜん鉄道+福井鉄道の共通一日フリーきっぷ(1,400円)を購入。今日はえちぜん鉄道を中心に乗ろうと思うので、別に福鉄分はいらなかったのだが、共通で買ってもえち鉄オンリーで買っても400円しか変わらんのでな。ささやかな売り上げ貢献である。前回訪れた時は、まだ福井鉄道が三国芦原線へ乗り入れるための工事中で、福鉄のホームは屋根のない仮設ホーム、駅舎も昔ながらのトタン板で囲われた古い駅舎だったのを思い出しながら三国芦原線の福井行きに。福井市街の北部を大回りする三国芦原線、あの時は「まつもと町屋」なんて駅はなかった。高架になって大きく変わった福井口の姿に唖然としながら福井駅へ。北陸新幹線の開業で富山も変わったけど、福井の方が変わったよね。鉄道事情。

JR福井駅、新幹線口の姿。2月の終わり、開業半月前くらいの光景。もう開業して一週間経ったから、この風景もだいぶ変わったものになっているのでしょう。開業後の写真はいくらでも撮れるけど、開業直前の光景というのはあまり記録されないと思うので。だだっ広いスペースが無機質に転がっているこの感じ、引っ越し前の部屋へ内見に来たような静かな期待感・・・みたいなものが感じられるでしょうか。駅の改札口回りだけじゃなくて、高架下の商業スペースも突貫で物産品の販売エリアだとか、カフェだとかのお店の内装工事をやっていた。駅前広場も大規模な植栽の工事が入っていたが、こうやって地元企業に公共工事が落ちて行くのはいいことだ。

JR福井駅3階テラスから眺める、えちぜん鉄道福井駅。このデザイン、あえてディスプレイのようにテラスへ向けて開口部を設け、中を見せることで興味を惹起するような・・・そういう意図があるのだとしたら、なかなか攻めてるなあと思う。ちなみに、この開口部分はホームから先の引き上げ線になっていて、朝ラッシュ時点で運用が終わり、福井口に帰って行く編成や、日中に解放された増結用の単車が置かれたりとそういった用途に使われているようだ。ただ、えちぜん鉄道の前身である京福電気鉄道が、ブレーキが壊れた旧型車両が暴走して正面衝突事故を起こし、それが京福廃線からのえち鉄転換の原因になったことを思えば、冒進事故からの車両落下みたいな可能性を恐れぬデザインは「ご安全に」という思いもある。安全面を考えたら、絶対この開口部は設けない方がよくて、分厚いコンクリートの壁にでもしておけばいいのであって。

一通り福井駅の新幹線口を眺め、改めてえちぜん鉄道のホームへ。勝山行きの単行が発車待ち。勝山行きも三国港行きも日中は1時間に2本、勝山行きは単車と2連が1本おきに、三国港行きは基本2連の運行。勝山方面の方が需要が少ないということなのかな。単車になっちゃうと立ち客が出て混んでるなあという便もあったりするのよね。ホームではえちぜん鉄道のシンボルともいえるアテンダントさんがお出迎え。ルッキズムみたいな物言いには最近批判も多い世の中ですけど、この日私が乗った電車のアテンダントさんは、ちょっとかわいかったことを申し添えておきたい。


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