この本も図書館で目について借りてきた
私が初めて美術館(博物館だったな)に絵の展覧会を見に行ったのは
中学校で ゴッホ展に連れていてもらってだ
(我が家の親は子供を美術館に連れて行くという家庭ではなかった)
その時は 猛烈感激 衝撃だった
博物館の出口の階段で やっと息がつけた
という感じで ため息
思い出した
その後しばらくして「炎の人ゴッホ」
カークダグラスが演じた映画ができて
カークダグラスと言えば乗ってくるおやじさんを誘って
映画に連れて行ってもらった
これで
ほとんど私はゴッホについて
固定観念ができてしまっていた
抽象画の誕生
というテーマから描かれたこの本を読んで
面白い
そういうことか!と思うことがいっぱいあった
象徴主義って 本来これじゃないかと思った
この絵もどうして
星が渦巻いているのか
ゴッホの病的に揺れ動く心が自然とこういう造形を生むのかと思っていた
ゴッホの手紙も読んだけれど
読み取れていなかったようだ
ゴッホは
猛烈意図的に 自分の魂を表現するために計算して
色も形も創り出していたのだった
ゴッホの絵を見ると 補色づかいが魔法のような効果を表している
黄色と紫
石畳や 麦畑
傍で見ると
こういう補色づかいが 輝いていると思ったけれど
補色の効用を 常に意識していたし
日本の版画から 構図や 平面的要素の組み立てを
取り込んでいたこと
これらが
猛烈理屈っぽく 考えていたらしい
上の映画で 印象的だったのは
ゴーギャンが 生活を無視して描く
デッサンが生きていないことについて意見を言うところがあった
私は勝手な思い込みで
オランダにいたころの農民の暮らしの絵とかみて
ホットな 生活を愛する 素朴な魂の人だと思っていたけれど
そういう
情念で絵を描いた人ではなく
情念を表現するには ということを 論理的に組み立てようと
四苦八苦した人なんだということを初めて知った
この絵もすごく好きなんだが
抽象画への 大事な一歩の絵だというのも
初めて 認識した
あ ゴーギャンのことは又にしよう