NPOな人

NPOの現状や日々の雑感などを徒然なるままにお伝えします。

江戸時代と米(その3)

2010年07月19日 | エコでボランタリーな江戸の町
幕府米、藩米など、江戸に流通する様々な米のうち、旗本や御家人からの蔵米を扱ったのが札差です。

「蔵前の札差というのは、幕府の士どもで俸禄を御蔵からいただく者がある。それらの人々のために御蔵米を受取って、入用だけを渡し、不要な分を売るのが札差の仕事なのですが、その際に何々様と書いた札を俵に刺して区別しておく、そこから札差の称が起こったのだと言います。一口に申せば御蔵米受取代理人であります。一石について何程という手数料を取るわけですが、それは瑣細なものに過ぎません。(三田村鳶魚 江戸生活辞典)」

本来、札差の収入は僅かな手数料ですが、御蔵米を抵当にした武士相手の貸金業に手を広げることにより巨富をため込んでいきました。

しかし、幕府は寛政の改革・天保の改革では、借金を棒引きにする棄捐令を出しましたので、米を担保に資金を融通していた札差の多くが廃業に追い込まれました。

いつの世にも、汗を流さずに金を儲け過ぎると、予期しない反動があるのですね。
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