八っつぁん「このところ話題のアベノマスクってのは、何のことかね?」
熊さん「確か、そんな名前の人が百人一首の中にいたけど、どんな歌だったかは分からねぇな。そうだ、横丁のご隠居さんに聞いてみよう。」
ということで、二人でご隠居さんを尋ねました。
熊さん「ご隠居、百人一首でアベノマスクって人はどんな歌を詠んだんですかね?」
ご隠居「それはアベノマスクではありません。安倍仲麻呂と言いましてな、『天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも』という歌が古今集にあります。」
熊さん「いいえ、安倍仲麻呂じゃなくてアベノマスクなんですがね。」
ご隠居「うーむ、あっ、思い出しました。コロリ和歌集に安倍真須久が詠んだ歌がありました。」
八っつぁん「どんなヤツですかね?」
ご隠居「確か、『封筒をかざして見ればマスクなる小さき布に出でしアゴかも』でしたな。」
(この物語はフィクションです。)