先週の金曜日、大腸内視鏡下でポリープ摘除術を受けました。今回は2度目でもあり、準備万端で臨んだつもりでした。「つもり」と言うだけあって、実は大きな “手抜かり” があったのです。
術前に心すべきことはいくつかありました。大きな課題を順に挙げてみますと、まず、6日前からの血液をサラサラにする薬の休薬、前日の検査食主体の食事、入院時の身の回りの品々の準備、それから当日朝の下剤服用となります。その中で今回は少し工夫したことがありました。
先ず前日の検査食ですが、朝の6時半には検査食以外の「たまごとみるくのケーキ」(4コで320 Cal)を別途摂りました。検査食(1日分計730 Cal)だけでは到底一日持たないので、前回検査時の経験を生かしてみたのです。昼食以降は所定の検査食を2回に分けて戴きました。前回は無くて悔やまれた新聞2紙とラジオも、入院中の無聊を慰めるためしっかり持参することにしました。
これで術前の準備は完璧と考えていました。それでもなお、大きな見落としがあったのです。患者説明文書にある術前・術後についての部分をよく読んでいなかったことです。一昼夜点滴を続ける旨、その部分には書かれていたのですが、一度経験したのをいいことに迂闊にも読み飛ばしていたのです。先に述べた “手抜かり” とはこのことでした。
大腸内視鏡下のポリープ摘除術は、午後2時から始まり終了まで1時間強かかりました。5 mm大のポリープ1つの外、大きさがそれ未満の3つもすべて摘除することになったからです。これに加え今回幸運だったのは、施術終了間際に腸内ガスも抜いてもらえたことでした。
大腸内視鏡が辛いのは、何と言ってもエイリアンが腹の中で暴れ回っている感覚の圧迫痛が続くことです。腸内に注入されたガスで大腸が膨張したためなのですが、ガス抜きがないとこれが翌日の朝食後まで続きかねないのです。ガス抜きのお陰で術後のお腹は頗るスッキリ快調でした。
術後3時間は絶対安静を守るよう指示され、点滴が再開されました。点滴は体のよい拘束で、患者に安静を保たせるには絶好の処置なのです。実は、入院手続きを済ませて病室に入った午前10時から既に点滴が始まっていました。術前処置として当然なので何の疑問も持ちませんでしたし、いつまで続くのかも聞かないでいました。
点滴が再開された後も、しばらく安静にさえしていたら、遅くとも翌朝早くには点滴が外されるものと思い込んでいました。病院の敷地内は院内規則で禁煙なのですが、うまくいけば院外に出て喫煙も可能だろうという甘い下心もありました。この思い込みが曲者で、下心は依存症者特有の執着心の化身なのです。
いつの間にやら寝入っていたようです。夜中の12時過ぎ、人の気配で目が覚めました。担当の看護士が体温、血圧、血糖値の測定に来ていたのです。測定結果を聞くと血糖値は122 mg/dLでした。やや高血糖なのは点滴のせいと看護士が説明してくれました。さすがに術中・術後のストレスから気が立っていたようで、私はついこれに噛みついてしまいました。
「丸1日以上の絶食状態なんですよ。それなのにそんな高い数値ですか!? 糖尿病の身なんですからもう点滴を抜いてくださいよ。でなければ自分で勝手に抜きますよ。」
「まぁまぁ、落ち着いて。朝になって出血がないことを確認してから(点滴を)止めることになっていますから・・・。」
「それなら今トイレで確認しましょう! 出血してるなら、もう出ているはず・・・」。
トイレでは小水とガスしか出ませんでした。出血なしと確認できたにもかかわらず看護士は点滴を抜いてはくれませんでした。いくら頼んでも処方権のない看護士には土台無理な話なのです。
「早く終えるため、点滴スピードを速めましょうか?」という看護士の提案がありましたが、これ以上高血糖になるのが怖かったので断りました。
翌朝は6時半に目が覚めました。間もなく別の看護士が見回りに来ました。担当が代わったことをこれ幸いと、早速、点滴中止を申し入れてみました。ちゃんと引き継ぎされていたらしく、しばらくして医者の了解が取れたと点滴を外してくれました。プラスティック・ボトルには輸液が半分ほど残っていました。
さて、点滴が外れたらやることは決まっています。早速着替えると、こっそり院外に出ました。21時間ぶりに吸うタバコの何と効くこと、最初の一服で危うく気を失いそうになりました。なるほどこんな危険を避ける意味でも外出禁止となっているのかと、院内規則に納得させられました。
今回すべての非は、予め患者説明文書をよく読んでいなかった私にありました。あのとき看護士が説明文書に書いてあると念押しさえしてくれれば素直に引き下がったでしょうが、それも詮無きこと。自己管理がうまくできなかったため、看護士には何とも大人気ないことをして気の毒なことでした。もし予め患者説明文書をよく読んでいたなら、下心も起こさず無難に済んだことと残念でなりません。
まぁ、ポリープすべてを始末できたことですし、自分にはまだ依存症気質が健在だと再確認もできたのです。これは大きな収穫です。今回はそんなふうでヨシとしましょう。それにしても、いついかなる時も “平常心” はまだまだ先のことのようです。
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術前に心すべきことはいくつかありました。大きな課題を順に挙げてみますと、まず、6日前からの血液をサラサラにする薬の休薬、前日の検査食主体の食事、入院時の身の回りの品々の準備、それから当日朝の下剤服用となります。その中で今回は少し工夫したことがありました。
先ず前日の検査食ですが、朝の6時半には検査食以外の「たまごとみるくのケーキ」(4コで320 Cal)を別途摂りました。検査食(1日分計730 Cal)だけでは到底一日持たないので、前回検査時の経験を生かしてみたのです。昼食以降は所定の検査食を2回に分けて戴きました。前回は無くて悔やまれた新聞2紙とラジオも、入院中の無聊を慰めるためしっかり持参することにしました。
これで術前の準備は完璧と考えていました。それでもなお、大きな見落としがあったのです。患者説明文書にある術前・術後についての部分をよく読んでいなかったことです。一昼夜点滴を続ける旨、その部分には書かれていたのですが、一度経験したのをいいことに迂闊にも読み飛ばしていたのです。先に述べた “手抜かり” とはこのことでした。
大腸内視鏡下のポリープ摘除術は、午後2時から始まり終了まで1時間強かかりました。5 mm大のポリープ1つの外、大きさがそれ未満の3つもすべて摘除することになったからです。これに加え今回幸運だったのは、施術終了間際に腸内ガスも抜いてもらえたことでした。
大腸内視鏡が辛いのは、何と言ってもエイリアンが腹の中で暴れ回っている感覚の圧迫痛が続くことです。腸内に注入されたガスで大腸が膨張したためなのですが、ガス抜きがないとこれが翌日の朝食後まで続きかねないのです。ガス抜きのお陰で術後のお腹は頗るスッキリ快調でした。
術後3時間は絶対安静を守るよう指示され、点滴が再開されました。点滴は体のよい拘束で、患者に安静を保たせるには絶好の処置なのです。実は、入院手続きを済ませて病室に入った午前10時から既に点滴が始まっていました。術前処置として当然なので何の疑問も持ちませんでしたし、いつまで続くのかも聞かないでいました。
点滴が再開された後も、しばらく安静にさえしていたら、遅くとも翌朝早くには点滴が外されるものと思い込んでいました。病院の敷地内は院内規則で禁煙なのですが、うまくいけば院外に出て喫煙も可能だろうという甘い下心もありました。この思い込みが曲者で、下心は依存症者特有の執着心の化身なのです。
いつの間にやら寝入っていたようです。夜中の12時過ぎ、人の気配で目が覚めました。担当の看護士が体温、血圧、血糖値の測定に来ていたのです。測定結果を聞くと血糖値は122 mg/dLでした。やや高血糖なのは点滴のせいと看護士が説明してくれました。さすがに術中・術後のストレスから気が立っていたようで、私はついこれに噛みついてしまいました。
「丸1日以上の絶食状態なんですよ。それなのにそんな高い数値ですか!? 糖尿病の身なんですからもう点滴を抜いてくださいよ。でなければ自分で勝手に抜きますよ。」
「まぁまぁ、落ち着いて。朝になって出血がないことを確認してから(点滴を)止めることになっていますから・・・。」
「それなら今トイレで確認しましょう! 出血してるなら、もう出ているはず・・・」。
トイレでは小水とガスしか出ませんでした。出血なしと確認できたにもかかわらず看護士は点滴を抜いてはくれませんでした。いくら頼んでも処方権のない看護士には土台無理な話なのです。
「早く終えるため、点滴スピードを速めましょうか?」という看護士の提案がありましたが、これ以上高血糖になるのが怖かったので断りました。
翌朝は6時半に目が覚めました。間もなく別の看護士が見回りに来ました。担当が代わったことをこれ幸いと、早速、点滴中止を申し入れてみました。ちゃんと引き継ぎされていたらしく、しばらくして医者の了解が取れたと点滴を外してくれました。プラスティック・ボトルには輸液が半分ほど残っていました。
さて、点滴が外れたらやることは決まっています。早速着替えると、こっそり院外に出ました。21時間ぶりに吸うタバコの何と効くこと、最初の一服で危うく気を失いそうになりました。なるほどこんな危険を避ける意味でも外出禁止となっているのかと、院内規則に納得させられました。
今回すべての非は、予め患者説明文書をよく読んでいなかった私にありました。あのとき看護士が説明文書に書いてあると念押しさえしてくれれば素直に引き下がったでしょうが、それも詮無きこと。自己管理がうまくできなかったため、看護士には何とも大人気ないことをして気の毒なことでした。もし予め患者説明文書をよく読んでいたなら、下心も起こさず無難に済んだことと残念でなりません。
まぁ、ポリープすべてを始末できたことですし、自分にはまだ依存症気質が健在だと再確認もできたのです。これは大きな収穫です。今回はそんなふうでヨシとしましょう。それにしても、いついかなる時も “平常心” はまだまだ先のことのようです。
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