コープ手前の公園で久々に、ペットロスの老人を見かけました。一人でベンチに腰掛け、新聞を読んでいるところでした。
この老人、ペットのワンちゃんが生きていた頃は、この公園までよく散歩に連れ出していたものですが、亡くなってからは滅多に外を出歩かなくなったようで、このように会うのも久々のことです。
私は歩きながら歩数を数えていた真っ最中。声を掛けようかと思ったのですが、会話を交したらせっかく数えていた歩数を忘れます。敢えて声を掛けず、挨拶代わりに手で合図を送るだけにしました。老人の方も手で合図を返してくれました。
コープからの帰り道、件の老人がまだ公園にいました。私の方は、相変わらず歩数を数えていたのですが、切りのいいところで声を掛けてみました。
「さっきは失礼しました。お久しぶりですねぇ!」
「ここに来るまでが精一杯さ。歩くと直ぐに足が重くなってね、シンドくて長くは歩けないんだよ。」
老人の自宅マンションは、公園から歩数にして精々200歩ばかり、こんな近距離でも歩くのがシンドイようです。
「あぁ、わかりますよ、その感じ。足に、2、3 kgの重しを付けている感じでしょう?
そう言えばあのワンちゃんも、生きていた頃はこの公園でへたっていましたよねぇ。それをいいことに、飼い主の方も当時からあまり歩いていなかったような、・・・ですよねぇ?」
「そうそう、もう2年になるかなぁ~! あれからめっきり歩けなくなって、今はこのザマよ」。
ここで話題となった、文字通り足が重くなる感覚ですが、50代まではちっともわかりませんでした。はっきりわかるようになったのは60代になってから、正確に言えば断酒してからです。
「歩けなくなるって、歩いていて脛から足首にかけて痛くなってくるんじゃないですか? それって間欠性跛行というらしいですよ。ひょっとして座骨神経痛もあるのでは? 元はと言えば、脊柱管狭窄症が原因でくるらしいんですがね。実は、私も・・・」
最近はずっと、座骨神経痛で頭が一杯の私です。自分の関心事の方へと、他人を無理矢理巻き込むことが多くなりました。
さて、持ち合わせの知識を一通りお披露目した後、最後にこう付け加えました。
「歩けなくなったらお終い、寝たきりになるまで直ぐらしいですよ! お互い頑張って歩きましょう!」
「おぉ、お互いにな、頑張ってな!」
脚に問題を抱えている老いた者同士、こうエールを交換してその場を離れました。よくよく考えてみるとはて、前回会ったときに交したエールと同じだったような? ヤレヤレこれも老人ボケ?
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この老人、ペットのワンちゃんが生きていた頃は、この公園までよく散歩に連れ出していたものですが、亡くなってからは滅多に外を出歩かなくなったようで、このように会うのも久々のことです。
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「さっきは失礼しました。お久しぶりですねぇ!」
「ここに来るまでが精一杯さ。歩くと直ぐに足が重くなってね、シンドくて長くは歩けないんだよ。」
老人の自宅マンションは、公園から歩数にして精々200歩ばかり、こんな近距離でも歩くのがシンドイようです。
「あぁ、わかりますよ、その感じ。足に、2、3 kgの重しを付けている感じでしょう?
そう言えばあのワンちゃんも、生きていた頃はこの公園でへたっていましたよねぇ。それをいいことに、飼い主の方も当時からあまり歩いていなかったような、・・・ですよねぇ?」
「そうそう、もう2年になるかなぁ~! あれからめっきり歩けなくなって、今はこのザマよ」。
ここで話題となった、文字通り足が重くなる感覚ですが、50代まではちっともわかりませんでした。はっきりわかるようになったのは60代になってから、正確に言えば断酒してからです。
「歩けなくなるって、歩いていて脛から足首にかけて痛くなってくるんじゃないですか? それって間欠性跛行というらしいですよ。ひょっとして座骨神経痛もあるのでは? 元はと言えば、脊柱管狭窄症が原因でくるらしいんですがね。実は、私も・・・」
最近はずっと、座骨神経痛で頭が一杯の私です。自分の関心事の方へと、他人を無理矢理巻き込むことが多くなりました。
さて、持ち合わせの知識を一通りお披露目した後、最後にこう付け加えました。
「歩けなくなったらお終い、寝たきりになるまで直ぐらしいですよ! お互い頑張って歩きましょう!」
「おぉ、お互いにな、頑張ってな!」
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