先日、コープの店先のベンチに珍しい人が座っていました。去年だったか、ペットのイヌを亡くした老人です。(ここでは仮にペットロス・ジイさんと呼んでおきます。)
「随分お久しぶりですね?! 参議院選挙のとき以来じゃないですか?」
「いや~、今日は直ぐそこ、斜向かいの温泉に来たんだ。歩いても家から2,3分と近いからね。」
このペットロス・ジイさん、朝たま~に自宅マンション4階のベランダから顔を見せるぐらいで、ほとんど外を出歩く姿を見たことがありません。彼は84歳の男ヤモメ、私とは16歳違いです。
「毎日、家に閉じこもってばかりじゃないですか? 外を出歩かなくなったら人生お終いですよ!」
で、骨ホルモンの知識をフル動員して、続けてこんな説教を始めました。
歩かないと足腰の筋肉が弱るし、何よりも心配なのは精神的に “うつ” になってボケが進むこと。“病は気から” で、挙げ句に病気で寝たきりにでもなったら “廃用性萎縮” で二度と歩けない悪循環に陥ること。最低限 “かかと落とし” と “キョウイクとキョウヨウ”(今日行く、今日用がある) ぐらいは心懸けるべき、云々。
やいのやいの私が言ったものだから、ペットロス・ジイさんボソッとこんなことを口にしました。
「これでもジョロヤには行っているんだよ。」
「ジョウロヤって?」
「“女郎屋” だよ。大阪なら、飛田とか松島とかに今でもあるアレだよ!」
「あ~、あの “女郎屋”! 見かけによらず隅に置けないすねぇ?!」
老いた年寄りだと見くびってはいけません。何でも、車ではなく電車に乗ってちゃんと歩いて行くのだそうです。よっぽど楽しいことでもない限り、外を出歩くなどしない性分なのでしょう。
かつて渡辺淳一が、高齢となった自分の性愛について確かこんなふうに述べていました。
「手を握っているだけでも(相手を)満足させられる・・・」(?)
これを額面通りに信じる人はいないと思いますが、全くあり得ない話でもなさそうです。
性愛のかたちは色々で、たとえ役立たずの肉体でも工夫次第でいくらでも楽しめるのが性愛。たとえ老いた肉体でも、やわ肌に直に触れると熱く血が滾ってきて、まだまだ若いんだと錯覚させてくれるのが・・・
と、この辺で止めときましょう。
それにしても今の時代に “女郎屋” という言葉が出て来るとは! 照れもあってのことと思いますが、ペットロス・ジイさんとの世代のギャップを感じてしまいました。
こちらの記事もご参照ください。
『“骨” のある耳寄りな話?』(2017.3.10投稿)
『“かかと落とし” は本物』(2018.4.17投稿)
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「いや~、今日は直ぐそこ、斜向かいの温泉に来たんだ。歩いても家から2,3分と近いからね。」
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で、骨ホルモンの知識をフル動員して、続けてこんな説教を始めました。
歩かないと足腰の筋肉が弱るし、何よりも心配なのは精神的に “うつ” になってボケが進むこと。“病は気から” で、挙げ句に病気で寝たきりにでもなったら “廃用性萎縮” で二度と歩けない悪循環に陥ること。最低限 “かかと落とし” と “キョウイクとキョウヨウ”(今日行く、今日用がある) ぐらいは心懸けるべき、云々。
やいのやいの私が言ったものだから、ペットロス・ジイさんボソッとこんなことを口にしました。
「これでもジョロヤには行っているんだよ。」
「ジョウロヤって?」
「“女郎屋” だよ。大阪なら、飛田とか松島とかに今でもあるアレだよ!」
「あ~、あの “女郎屋”! 見かけによらず隅に置けないすねぇ?!」
老いた年寄りだと見くびってはいけません。何でも、車ではなく電車に乗ってちゃんと歩いて行くのだそうです。よっぽど楽しいことでもない限り、外を出歩くなどしない性分なのでしょう。
かつて渡辺淳一が、高齢となった自分の性愛について確かこんなふうに述べていました。
「手を握っているだけでも(相手を)満足させられる・・・」(?)
これを額面通りに信じる人はいないと思いますが、全くあり得ない話でもなさそうです。
性愛のかたちは色々で、たとえ役立たずの肉体でも工夫次第でいくらでも楽しめるのが性愛。たとえ老いた肉体でも、やわ肌に直に触れると熱く血が滾ってきて、まだまだ若いんだと錯覚させてくれるのが・・・
と、この辺で止めときましょう。
それにしても今の時代に “女郎屋” という言葉が出て来るとは! 照れもあってのことと思いますが、ペットロス・ジイさんとの世代のギャップを感じてしまいました。
こちらの記事もご参照ください。
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