11月末にしては日差しが温かい日だった。
スーパーの店頭のベンチで昼食を摂っていると、一人の老婦人が声をかけて来た。
「ご一緒してもよろしいですか?」
私は素早く荷物を片付け、席を空けた。
「外で食べるのは美味しいでしょうねぇ!?」
「家の中で一人で食べるより格段に旨いですよね。」
「いつもお一人なんですか?」
「昼間は一人です。」
しばらく他愛のない話が続き、現在、彼女は85歳と教えてくれた。
肌に張りのある顔からは、10歳ほど若く見えた。
いつの間にか身の上話になった。
「私は、生まれてずっとここで暮らして来たけど、・・・
住めば都と言うでしょう?! あなたにとって、どうですか?」
「ここはとても住みやすい所ですよねぇ。ずっとここでお住いで?」
と相槌を打った。
「私は一人娘で、ずっとここなんですよ。」
「一度も家を出たことがないんですか?」
「そう、一度も。女学校を卒業すると、すぐにお見合いで、婿を取ったんですよ。女学校は18歳まででしたから、その頃は私も女らしいふっくらした体型だったんですよ。・・・」
どうやら彼女は女学校卒が自慢らしかった。
一人娘、女学校卒、婿取りと聞いて、私はつい自分の母親を思い出してしまった。
「ウチの母親も全く同じでした。一人娘で、婿取りで、我儘放題で、・・・ 自分の思い通りに成らないと父に当り放題でした。父が可哀そうで、・・・正直、自分本位のところが心底嫌いでしたね。」
これで彼女は明らかに気分を害したようだった。
「さぁ、主人が待っているから帰って夕飯の支度をしなきゃ・・・。主人は93歳になるのに元気でネ、今はTVの相撲観戦に夢中なんですよ。」こう言うと、献立の予定を尋ねても答えず席を立って行った。
一人娘だからと言って我儘だと決めつけられては、誰だって堪ったものではないだろう。母親のことになると、ついムキになってしまうのが未だに直らない。初対面の相手ということを弁えず、先入観だけで決めつけてしまう。・・・と反省してもどうにもならない。平常心で他人に応対などと、一体どこの誰が言っていたのだろう? 何とも罪なことをしたとは思う。
それでも気になるのは(彼女にとって)、はたして、お門違いの言いがかりだったのだろうか?
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加中です。是非、下をクリックして順位アップに応援お願いします!
クリックしますと、その日の順位が表示されます。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ
↓ ↓
スーパーの店頭のベンチで昼食を摂っていると、一人の老婦人が声をかけて来た。
「ご一緒してもよろしいですか?」
私は素早く荷物を片付け、席を空けた。
「外で食べるのは美味しいでしょうねぇ!?」
「家の中で一人で食べるより格段に旨いですよね。」
「いつもお一人なんですか?」
「昼間は一人です。」
しばらく他愛のない話が続き、現在、彼女は85歳と教えてくれた。
肌に張りのある顔からは、10歳ほど若く見えた。
いつの間にか身の上話になった。
「私は、生まれてずっとここで暮らして来たけど、・・・
住めば都と言うでしょう?! あなたにとって、どうですか?」
「ここはとても住みやすい所ですよねぇ。ずっとここでお住いで?」
と相槌を打った。
「私は一人娘で、ずっとここなんですよ。」
「一度も家を出たことがないんですか?」
「そう、一度も。女学校を卒業すると、すぐにお見合いで、婿を取ったんですよ。女学校は18歳まででしたから、その頃は私も女らしいふっくらした体型だったんですよ。・・・」
どうやら彼女は女学校卒が自慢らしかった。
一人娘、女学校卒、婿取りと聞いて、私はつい自分の母親を思い出してしまった。
「ウチの母親も全く同じでした。一人娘で、婿取りで、我儘放題で、・・・ 自分の思い通りに成らないと父に当り放題でした。父が可哀そうで、・・・正直、自分本位のところが心底嫌いでしたね。」
これで彼女は明らかに気分を害したようだった。
「さぁ、主人が待っているから帰って夕飯の支度をしなきゃ・・・。主人は93歳になるのに元気でネ、今はTVの相撲観戦に夢中なんですよ。」こう言うと、献立の予定を尋ねても答えず席を立って行った。
一人娘だからと言って我儘だと決めつけられては、誰だって堪ったものではないだろう。母親のことになると、ついムキになってしまうのが未だに直らない。初対面の相手ということを弁えず、先入観だけで決めつけてしまう。・・・と反省してもどうにもならない。平常心で他人に応対などと、一体どこの誰が言っていたのだろう? 何とも罪なことをしたとは思う。
それでも気になるのは(彼女にとって)、はたして、お門違いの言いがかりだったのだろうか?
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加中です。是非、下をクリックして順位アップに応援お願いします!
クリックしますと、その日の順位が表示されます。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ
↓ ↓
たぶん、子供のころにもっと母親に甘えたかったのではないですかね。
家のもめ事の発端はいつも母親でしたから、
できるだけ早く家を出たかったですね。
それでも、散々いびり倒した父親が他界すると、
翌年には後を追いかけるよう逝ってしまいました。
いずれにせよ私の鏡であったことは間違いありません。
このご婦人はただ話しを聴いて貰いたかったんだろうな~
でも相手を間違えた…ではなく、相手が悪かったな~
ご婦人は不快な思いをしただろうな~
ヒゲジイさんも自分自身が不快だろうな~
と思った次第です。生意気言ってすみません(^∧^)
この日のことは、今はもうきっと済んだこと・・・ですね。
交通事故みたいなもので、悪い相手に当たったのです。
まさか相手が自分と同じ境遇の人の息子などとは
想像していなかったのだと思います。
世の中には偶然が多い・・・ですよネ。
油断は禁物、心しておきます。