生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

放射性セシウムの流通

2011年08月13日 17時42分03秒 | 生命生物生活哲学
2011年8月13日-2
放射性セシウムの流通


 時事ドットコムによれば、

  「堆肥から規制値上回るセシウム=新潟

 新潟県は13日、長岡市など県内9カ所の農場で、牛ふん原料の堆肥から国の暫定規制値を上回る最大1キロ当たり3760ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。高濃度のセシウムを含む疑いがある宮城県産稲わらが原因とみられる。県はこれらの農場に対し、ふん尿や堆肥を運び出さないよう要請した。(2011/08/13-16:54)」
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011081300221

 
 島根県からも検出されている。朝日新聞[北海道版]2011年8月13日34面によれば、

  「島根県は11日、宮城県産の稲わらを与えられた牛のふんや尿を原料とした堆肥(たいひ)の一部から、国の暫定基準値(1キロあたり400ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。基準値を超えた堆肥は出荷されていないという。

 島根県は国の指示を受け、同県雲南市のJA雲南の6肥育センターと、同県奥出雲町農業公社などが運営する3堆肥センターを調査。頓原肥育センターで1082.7ベクレル、横田堆肥センターで556.8ベクレルを検出した。残り7カ所のうち5カ所は基準値を下回る152.2~346.7ベクレルで、2カ所は検出されなかった。県は基準値を下回った堆肥も含めて出荷しないよう求めている。」(asahi.com関西)
http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK201108120055.html

 
 したがって、

  宮城県産稲わらに含まれた放射性セシウムを元として、

 →新潟県長岡市など県内9カ所の農場での牛糞原料の堆肥から
    3,760 Bq(ベクレル)/kg(キログラム)の放射性セシウムを検出
    (2011年8月13日、新潟県庁の発表)

 →島根県雲南市6肥育センターと出雲町の3肥育センターでの牛糞尿原料の堆肥から、
   頓原肥育センターで   1,082.7 Bq/kg
   横田堆肥センターで   556.8 Bq/kg
   5か所で         152.2-346.7 Bq/kgの放射性セシウムを検出
   2か所で         検出せず
    (2011年8月11日、島根県庁の発表)

となる。
 北海道新聞の記事
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/307155.html
にもとづくと、

   宮城県産の稲わら
  →浜中町肉牛牧場は6月上旬、宮城県涌谷町から稲わらを4.8トン購入し、うち1トンを使用した

   稲わらから、1,886 Bq/kgの放射性セシウムを検出
   (国の暫定基準値は牧草換算で300 Bq/kg)

  →稲わらを与えられて汚染の疑いがある牛53頭
  →4頭分の肉約330キロが浜中町のスーパーで販売された
   9頭が東京都の食肉処理場で処理された
   2頭が青森県の食肉処理場で処理された
    (2011年7月22日、北海道庁の発表)



北海道電力泊原発3号機の非安全性

2011年08月13日 17時03分43秒 | 生命生物生活哲学
2011年8月13日-1
北海道電力泊原発3号機の非安全性


 北海道の泊村に立地している、北海道電力泊原発3号機は、営業運転再開へと手続きが進んでいる。

 「安全委 傍聴者から怒号も

北海道電力泊原発3号機の営業運転再開について、原子力安全委員会は〔2011年08月〕11日、経済産業省原子力安全・保安院が報告した「安全基準上の問題はない」との最終検査結果を事実上了承した。傍聴者から「丸投げではないのか」などと怒号が飛び、班目春樹委員長が議事を打ち切る一幕があった。〔略〕
2011年08月11日」
http://www.47news.jp/movie/general_politics_economy/post_4807/」
 
  「北海道電力の泊原発3号機は、営業運転への移行に向けて、「海江田万里経済産業相が10日夜、北海道の高橋はるみ知事に、地元の意向を考慮する考えを伝えていたことが11日分かった。これを受け、高橋知事は道議会や泊村などと意見調整し地元の見解を取りまとめ、国へ回答する方針。」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110811dde007040042000c.html

 
 さて、付近での活断層の存在が指摘されている。

  「  2011年08月07日
 ■「泊沖に活断層」改めて存在指摘
 ■渡辺・東洋大教授

 北海道電力泊原発(泊村)の沖合に長大な活断層があると指摘している東洋大の渡辺満久教授(変動地形学)が6日夜、札幌市内で講演した。泊周辺の海岸段丘などの地形写真を示して、「近くに海底活断層があることを示す地震性の隆起だ」と改めて指摘。この地域での活断層の存在を否定している北電に対し、「この特徴的地形を考慮しないのはなぜなのか」と疑問をなげかけた。

 渡辺教授はさらに、原発立地にあたっての「活断層評価のずさんさ」とともに、地震や津波の「予測研究の限界」も指摘。「原発災害という人災で、想定外という言葉が使われているのは責任逃れ。確率が低いからと想定しなかっただけで、最大規模のものが起きることを前提に安全審査をすべきだ」と主張した。〔略〕」
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001108080011

 
 また、朝日新聞2010年5月13日[道内]29面に、「泊原発近くの「黒松内低地断層帯」 北海道電力見解より大規模」
という記事がある。

  「〔略〕調査した産総研の活断層・地震研究センターの杉山雄一主幹研究員は「マグニチュード(M)7・5級の地震がいつ起きてもおかしくない」と指摘する。〔略〕

  北電の泊原発の耐震安全性評価報告書については、経済産業省原子力安全・保安院と内閣府の原子力安全委員会が妥当性を審査中だが、同断層帯を耐震安全性を評価する際の「検討用地震」には加えていない。
 北電はすでにこの調査結果を把握しているが、「保安院や安全委の審査を踏まえて適切に対応したい」(広報部)とするだけで、泊原発の耐震安全性への影響や、同断層帯を検討用地震に加えるかどうかについて具体的な言及を避けた。

原発耐震評価 揺らぐ信頼性
 黒松内低地断層帯が太平洋の海底まで達する規模だったことが判明したことで、原発の耐震安全性評価の信頼性が揺らぎ始めた。
 活断層研究者らによると、この断層帯が太平洋に達しているのではないかとの指摘はかねてあったが、北電は「陸域内で途切れる」との見解を取り続けた。
 北電の見解への疑問が顕在化したのは原子力安全委での審査。09年7月に東大大学院の池田安隆准教授ら活断層の専門家が「太平洋の内浦湾の海底につながる可能性がある」とするなど、問題点が繰り返し指摘された。ただ、原子力安全・保安院は「すでに結論が出ている」と北電の見解を追認するだけだった。〔略〕」

 
 福島第一原発事故に関連した審査と同様に、泊原発についても、原子力安全委での審査がいかに杜撰であるかがわかる。
 武田邦彦氏は、泊原発の再開について、下記のように述べている。
 

  「北海道、泊原発の再開:科学的にはNO

北海道の泊原発の再開が問題になっています。でも、あまりに簡単なことですが、科学的には完全にNOです。

1) 震度6の地震で青森県東通原発から、石川県志賀原発まで、すべての原発が100%の確率で破壊された(破壊=地震が終わっても数ヶ月以上、立ち上がれない破壊)、

2) 特に、東通、福島第一、茨城第二は、全電源を失った。たまたま福島原発だけが爆発に至っただけで技術的には、同じ危険があった、

3) 泊原発に震度5以上の地震が来る可能性がある、

4) 東日本の原発の安全性をすべて間違った原子力安全委員会、経産省保安院に安全を審査する能力はない。

実にハッキリしています。再開は技術的にはとうてい無理です。しかも、未だに「救命ボート」も準備されていませんし、住民の避難訓練もされていません。」
http://takedanet.com/2011/08/post_1a18.html