2011年8月20日-3
大本営発表、良質の情報を探し出す
今回の福島第一原発事故をきっかけとして、日本社会の様々な欠陥または不具合が明らかになった。
マスコミによる報道はその一つである。
「「大本営発表」体質とは、情報の意図的な隠蔽や歪曲や操作のことです。うそ、ごまかしのことです。〔略〕情報の隠蔽や歪曲をされたら、情報の有効活用どころの話ではないのです。〔略〕
わが国では、今なお政治家や官僚、大企業を中心に「大本営発表」体質が色濃く残っています。彼らは都合の悪い情報は平気で隠したり、うそをついて知らん顔です。
そうでなければ、薬害エイズ事件など起こりません。金融機関が倒産してはじめて、不良債権の額は公表された数字の十倍あっただの、巨額の簿外債務があっただの、粉飾決算だっただのといったうそが次から次へと明らかになる様は、敗戦後に「大本営発表」がいかに大うそであったかが明らかとなった構図と同じです。
人は誰でも都合の悪いことはなんとかそれを隠蔽したいと思うものです。これは洋の東西を問わず変わりません。ですから、隠蔽がしにくいように、それが割に合わないように、厳しい監視と罰則のシステムが社会には必要なのです。またこれが確立してはじめて民主主義社会と言えるのです。〔略〕
本来ならマスコミも重要な監視役なのですが、これが意外に当てにならないのです。記者クラブで公的機関から流された情報をうのみにして流すだけで、情報の歪曲や操作に一役買っているだけ、ということも少なくありません。
また、いろいろな思惑から報道が差し控えられることもあります。」(中山治 1999『「ひとり勝ち社会」を生きぬく勉強法』: 35-36頁)。
では、そのような日本社会で、どうすれば質の良い情報を得ることができるのか。
「日本社会の「大本営発表」体質を打ち破って、活用度の高い良質の情報を探し出すにはどうしたらよいでしょうか。それには、非公式なメディアと外国メディアを上手に活用することです。これは公式メディアを活用するなということではなく、わが国の公式メディアの発表する情報を外国メディアや非公式メディアからの情報で厳しくチェックしろ、ということです。
私が公式メディアと呼んでいるものは、記者クラブに所属するメディアのことであり、新聞とテレビのことです。非公式メディアとは、記者クラブからは締め出されているメディアであり、週刊誌や月刊誌がその主なものです。それ以外に、書物や口コミ、インターネットもそれに入ります。」(中山治 1999『「ひとり勝ち社会」を生きぬく勉強法』: 37頁)。
[N]
中山治.1999.「ひとり勝ち社会」を生きぬく勉強法:勝ちぬくためにどう知力をつけるか.227pp.洋泉社.[B000124, y1,500]
大本営発表、良質の情報を探し出す
今回の福島第一原発事故をきっかけとして、日本社会の様々な欠陥または不具合が明らかになった。
マスコミによる報道はその一つである。
「「大本営発表」体質とは、情報の意図的な隠蔽や歪曲や操作のことです。うそ、ごまかしのことです。〔略〕情報の隠蔽や歪曲をされたら、情報の有効活用どころの話ではないのです。〔略〕
わが国では、今なお政治家や官僚、大企業を中心に「大本営発表」体質が色濃く残っています。彼らは都合の悪い情報は平気で隠したり、うそをついて知らん顔です。
そうでなければ、薬害エイズ事件など起こりません。金融機関が倒産してはじめて、不良債権の額は公表された数字の十倍あっただの、巨額の簿外債務があっただの、粉飾決算だっただのといったうそが次から次へと明らかになる様は、敗戦後に「大本営発表」がいかに大うそであったかが明らかとなった構図と同じです。
人は誰でも都合の悪いことはなんとかそれを隠蔽したいと思うものです。これは洋の東西を問わず変わりません。ですから、隠蔽がしにくいように、それが割に合わないように、厳しい監視と罰則のシステムが社会には必要なのです。またこれが確立してはじめて民主主義社会と言えるのです。〔略〕
本来ならマスコミも重要な監視役なのですが、これが意外に当てにならないのです。記者クラブで公的機関から流された情報をうのみにして流すだけで、情報の歪曲や操作に一役買っているだけ、ということも少なくありません。
また、いろいろな思惑から報道が差し控えられることもあります。」(中山治 1999『「ひとり勝ち社会」を生きぬく勉強法』: 35-36頁)。
では、そのような日本社会で、どうすれば質の良い情報を得ることができるのか。
「日本社会の「大本営発表」体質を打ち破って、活用度の高い良質の情報を探し出すにはどうしたらよいでしょうか。それには、非公式なメディアと外国メディアを上手に活用することです。これは公式メディアを活用するなということではなく、わが国の公式メディアの発表する情報を外国メディアや非公式メディアからの情報で厳しくチェックしろ、ということです。
私が公式メディアと呼んでいるものは、記者クラブに所属するメディアのことであり、新聞とテレビのことです。非公式メディアとは、記者クラブからは締め出されているメディアであり、週刊誌や月刊誌がその主なものです。それ以外に、書物や口コミ、インターネットもそれに入ります。」(中山治 1999『「ひとり勝ち社会」を生きぬく勉強法』: 37頁)。
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中山治.1999.「ひとり勝ち社会」を生きぬく勉強法:勝ちぬくためにどう知力をつけるか.227pp.洋泉社.[B000124, y1,500]