Monk's Music/Thelonious Monk
(Riverside RLP12-9242)
(Riverside RLP12-9242)
MONKのピアノは最初どうもなじめなかったです。不協和音?のように聴こえる音色と意表をつくフレーズはどうも苦手でした。彼のピアノはソロでは、以外にもストレートにテーマを弾いたりで聴きやすい印象があり,最初はボーグのソロアルバムやリバーサイドのケーブルカーのモンク,コロンビアのソロモンクを愛聴していたモノです。ところが共演者にジャズジャイアントを迎えたアルバムでは途端に彼のソロはよりユニークになり喧嘩セッションの様相を呈して来る感じがします。マイルスとの共演もそうだったし本日アップのこのMonk's Musicでもその印象がどうも拭えないですね。オーソドックスな他のプレーヤーとのコントラストでそういう風に聴こえているだけなのかも知れません。でも実際は本人はソロだろうが,レギュラーコンボだろうが、こう言った有名どころとのセッションでも同じ心境,同じスタンスで弾いていたのではとも推測できます。あの風貌,トレードマークの帽子、そして演奏スタイル,奇才の名前を欲しいままにしているMONKはやっぱりすごいんですね。
さて、皆さんご存知のこのアルバム。Abide with Meの荘厳なメロディから,一転してモンクがユニークなイントロを弾きだす"Well, You Needn't"が出てくるくだりが素晴らしく唸ってしまいます。モンクに続いて出るコルトレーンもタイトないつものトレーン節で嬉しくなります。コープランドのソロに続くブレイキー。パウエルにはローチでしょうが、やっぱりモンクにはブレイキーですよね。ベストマッチです。B面の"Off Minor"でもMonkのとんがったピアノは健在でここではホークのソロも聴かれます。ホークは40年代にモンクと52丁目で共演歴がありこのセッションはリユニオンとなります。続くEpistrophyもモンクの重要なレパートリーですが,ここでもコルトレーンの圧倒的なソロを聴く事ができます。各人がソロを回すブローイング風の演奏ですね。
MONKは個性が光るモダンジャズの中でも奇才と言われるプレイヤーでファンも多いですよね。自分などがあーだこーだ言えないようオーラを感じてしまいます。違和感は聴いていくにつれうすれていき、特にこのアルバムは好きな一枚ですね。ラジオフライヤーに乗ったモンクの姿を捉えたカバーも大好きです。リバーサイドのブラックマイクアンドリールのステレオ盤です。