67camper's Blog

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コージー・カルテット

2007-02-08 00:38:53 | jazz & vocal
Toshiko Meets Her Old Pals/Toshiko Mariano(秋吉敏子)
(King SKA3019, reissue)

 我が国を代表するジャズメンと言うと、この方をおいていないと思います。最近は、ナベサダやヒノテルもメジャーになったかもしれないですが、このアルバムが録音された61年という時代には日本人では彼女以外、世界に認められたジャズメンはいなかったといっても過言ではないと思います。この時代はチャーリー・マリアーノと結婚しており日本語ライナーにはToshiko Marianoのクレジットも見られます。ここで共演するナベサダと宮沢昭のフロントラインは彼女にとっては旧友であり,ある意味師弟関係にあったのかも知れません。特に,その後の活躍で知られるナベサダを含む四重奏団,即ちコージーカルテットは我が国のジャズ史を紐解くときに避けては通れないスーパーバンドであったと思われます。このアルバムは渡米していた敏子が一時帰国したときに旧友を集めて東京は杉並公会堂および文京公会堂で録音されたアルバムです。

 メンバーは敏子(p), ナベサダ(as), 宮沢昭(ts), 原田長政・栗田八郎(b), 富樫雅彦・白木秀雄・猪俣タケシ(ds)のクインテットです。A-1の"So What"からしびれまくりです。原田の力強いウォーキングベースに導かれて始まり,富樫のゆったりとした多彩なドラムが絡んでいき敏子がピアノソロをかぶせていくあたりの緊張感は最高です。続く宮沢も良いプレイなのでしょうが,やはりナベサダの第一人者の片鱗を見せたアルトが素晴らしいです。続く"A Night Has A Thousand Eyes"でも富樫と敏子のインタープレイがいいですね。B面トップの"Quebec”は夫,チャーリーの作品ですがここでも敏子/ナベサダのプレイが群を抜いています。ラストの”わたすのビートーヴィン”もノン・リズムの部分が多いこった作りの敏子のオリジナルです。 ノンリズムのため音の出だしに敏子はタクトを振ったため音のつながりが出来ずその部分の2音を夫チャーリーが弾いたと言われています。

 当時の敏子の楽旅スタイル,日本のホテルの玄関で微笑むイラストカバーが生かしています。60年代初頭の日本のジャズシーンが目に浮かぶようなアルバムだと思います。