Ella Fitzgerald Sings Songs From LET NO MAN WRITE MY EPITAPH
(Verve MGV4043)
ピアノだけをバックに唄った名盤というのは結構ありますよね。June Christy, Doris Day, Dinah Shoreあたりが有名ですかねぇ?。ならばエラはどうか?、オケをバックに快活にしスウィングするエラがやはりもてはやされますが,ピアノだけをバックに唄うエラも夜ゆったりとした気分で聴くにはなかなかオツな物です。デッカにはエリス・ラーキンスを相手に唄ったアルバムがあり,若々しいエラを代表するアルバムとして有名ですが,円熟期に入って録音されたポール・スミスを相手にバラードばかりを集めたこのアルバムも捨て難い魅力があり愛聴しています。ポール・スミスといえば当時のレギュラーピアニスト,そうあの大名盤「エラ ・イン・ベルリン」で聴けるピアニストですよね。映画の"LET NO MAN WRITE MY EPITAPH"からのsoundtrackからなんてタイトルついてますが,おなじみのバラードばかりで楽しめますよ。
終始同じペースで行きますがA面には"Black Coffee", "Angel Eyes", "I Cried For You", "I Can't Give You Anything But Love", "I Hadn't Anyone Till You", "My Melancholy Baby"がB面には"Misty", "September Song", "I'm Getting Sentimental Over You"と既存のスタンダードをゆったりと唄うエラが全編を通じて聴かれます。バラードになっても,彼女の唄は安定感抜群で本当に安心して聴けますよね。ツボを心得たスミスのバッキングもいいですね。
T字VERVEのモノラル盤で、DGが刻まれており"Verve Records Inc."のアドレス入りです。エラの隠れた人気盤かも知れませんね。