A Portrait Of Thelonious/Bud Powell
(CBS SONY SOPZ12 jp reissue)
(CBS SONY SOPZ12 jp reissue)
晩年のパウエル,パリに渡ってからのパウエルに対する評価は当然のようにパーカなどとプレイした40年終わりから数年の絶頂期のプレイに比べれば,神懸かり的なところもないし、パウエル愛好家や一部のジャズ批評家からは軽視される傾向は否めません。でも,自分はパリでリラックスした演奏を聴かせるパウエルが好きで以前にもリプリーズからリリースされたパウエル・イン・パリをアップしています。パリは芸術家に寛大な街でありますが,このパリでののびのびとした生活を、デクスター・ゴードン主演で描いたジャズ映画が“ラウンドミッドナイト”(1986/ワーナー配給)であることは良く知られているところですよね。
本日アップのアルバムもそう言ったパリでの1961年の録音です。先輩でもありライバルでもあった敬愛するモンクの曲を取り上げた,晩年の好調なパウエルの演奏を集めたアルバムです。パーソネルはデクスターの"OUR MAN IN PARIS"に参加した時のリズムセクションと同じで、Pierre MIchelot(b), モダンジャズドラムの開祖,MJQのオリジナルメンバーであるKenny Clark(ds)を加えたトリオです。サイドAの拍手とともに始まるモンクの"Off Minor"で幕が開きます。続くスタンダードの"There Will Never Be Another You"ではうなり声をあげながらのプレイはパウエル評論では名高い佐藤秀樹氏が絶賛した感動すべき演奏と評されたものです。個人的にはこの次のモンクの"Ruby My Dear”,ピアニスティックな魅力溢れるバラードプレイでこれがベストプレイと思います。B面の叩き付けるような"Thelonious", ミステリアスなムード漂う"Monk's Mood"もいいですね。
所有盤はCBSソニーからでた1100円再発盤ですが,良く学生時代に新潟ジャズ・フラッシュで聴いたモノです。ところでこれってオリジナルはどこのラベルなのでしょうか?