A Jazz Portrait Of Charlie Mariano/Charli Mariano
(Regina R-286)
(Regina R-286)
「巨人/大鵬/卵焼き」、60年代前半の子供が好きだったモノを表した言葉ですよね。今なら,野球はMLBに代わり,相撲などサッカーにとって変わられ,卵焼きなんてとんでもなくって、卵アレルギーの子供が増えて「卵掛けご飯」は小児科医に言わせると殺人食なんて別名を頂戴したりします。時代も変わったものですね。日本文化が海外ジャズメンにどういう風にとらえられていたのかはわかりませんが,少なくとも日本人トシコの亭主となったチャーリーにはそれなりの造詣があったのではないかと思います。
本日のアルバムはこのチャーリー・マリアーノのレジーナ盤です。このA-3の"To Taiho"をご存知でしょうか。相撲が好きだったマリアーノが大鵬関に捧げた曲なのです。このアルバムは,ドン・セベスキーのアレンジで知られるビッグバンドジャズですが,この曲を含めた3曲(他はB-1の"The Shout"、B-3の"Pretty Little Nieda")はMariano(as), Marvin Stamm(tp), Jaki Byard(p), Richard Davis(b), Albert Heath(ds)のクィンテットの演奏です。これがストレートアヘッドなジャズでなかなか楽しめます。チャーリーのエモーショナルなソロ,副題にも挙げられた新人?Marvin Stammのソロもいいですね。リズムのByard, Davisも個性を生かしたプレイで混沌の63年という録音年を象徴するかのような演奏ですね。ビッグバンドで演奏されるラス・フリーマン作のA-2"The Wind"やA-4のジェンキンスの"Goodbye"のチャーリーのバラードプレイも聞き物ですね。
所有盤はレジーナのステレオ/オリジナル盤と思います。ゴールドのセンターレーベルがまぶしいですね。このシリーズ"A Jazz Portrait Of ~"は4枚あって,どれも似たようなジャケットデザインで知られています。このマリアーノ盤,ロジャー・ケラウェイ盤,エディ・トンプソン盤が知られていますが,出来の上ではやはりこのマリアーノ盤でしょう!!!