52nd Street Scene/Tony Scott And His All Stars
(Coral CRL757239)
(Coral CRL757239)
ジャズ黎明期のニューヨークはマンハッタン,52丁目の5番街と6番街のこのワンブロックは毎晩のようにジャズメンが集い熱いジャムセッションが展開されたことは歴史が語る有名なお話ですよね。いくつものジャズクラブ、バーが立ち並びそこを行き来するジャズを作った男達そしてここで修行を積んでいった当時の若手ジャズメン達,さぞかし熱い演奏が展開されたことでしょう。本アルバムはこの52丁目の熱かった時代を再現しようとした企画ものですが単なる企画物に終わらない中味の濃い内容のアルバムです。リーダーを勤めたトニー・スコットもこの52丁目スクールに参加していた一ジャズメンでありました。彼はここではベン・ウェブスターにとても世話になったと語っています。
まずメンバーが素晴らしい。Joe Thomas, Red Rodney(tp), J.C. Higginbotham, Wilbur De Paris, Jimmy Knepper(tb), Pee Wee Russell(cl), Tony Scott(cl, bs), Coleman Hawkins, Al Cohn(ts), Sonny White, Tommy Flanagan, George Wallington(p), Al Casey, Mundell Lowe(g), Oscar Pettiford, Gene Ramey(b), Denzil Best, Walter Bolden, Roy Haynes(ds)からのピックアップメンバーです。サイドAがまずCaseyのブルージーなギターで始まり2人のクラリネットがfeatureされる"Blues For The Street", ホークの圧倒的ソロが素晴らしい"Body And Soul"がききものです。サイドBは"Lester Leaps In", "Lover Man", "Woodyn' You", "Round Midnight", "Ornithology"とジャムセッション向きの曲が並びます。中でも"Lover Man"の音色的にスコットのバリトンだと思います(あるいはアル・コーン?タコ耳です。すみません。)が、このソロは音色ともどもウットリする出来ですね。
コーラルのバーガンディラベル、ステレオ盤です。52丁目の夜景を描いたイラストが抜群に美しいカバーでとても気に入っています。トニー・スコットの中でも一番ターンテーブルに載ることが多いアルバムです。