Jay Hawk Talk/Carmel Jones
(Prestige 7401)
(Prestige 7401)
アメリカのカレッジスポーツNCAAに詳しい方なら,ご存知かもしれないですが、各大学にはそのチームの愛称にもなっているキャラクターがありますよね。自分がちょっと留学させてもらったUCLAではBruinsという熊がそのキャラクターでした。これはアメフトのチームもバスケのチームもすべてBruinsの愛称で呼ばれるわけです。この"JAYHAWK"はジャズの街とも言えるカンザスシティのカンザス大学(K.U.)のマスコットで真紅/ブルーで黄色のくちばしを持った鳥のことです。ジョーンズもこのKUの出身ということもあり、イーストコースト初のリーダー盤作成にあたり,全米で名の通った"JAYHAWK"を持って来たのだと思います。というのもそれまでの彼はパシフィックにリーダーアルバムがあり,主に西海岸でプレーしており,64年ホレス・シルバーのグループに参加してから、ジャズの名門,プレステッジでの東海岸デビューの話が持ち上がたのです。これにインパクトを与えようとしてジョーンズより数段有名な"JAYHAWK"を引っ張りだして来たのだろうとと推測します。下の画像が,その"JAYHAWK"です。
さて本題。メンバーはCarmel Jones(tp), Jimmy Heath(ts), Barry Harris(p), George Tucker(b), Roger Humphries(ds)の五重奏団です。ジョーンズは音色のきれいなトランペットでやや線が細いですが、Ira Gitlerに“パンチングアタック”と言わせたその鋭いアタックが特徴です。タイトル曲A-1の”Jay Hawk Talk”やスウィンギーなA-3の"What Is This thing Called Love"でその演奏がきかれます。A-2の"Willow Weep for Me"でのリリシズム溢れるバラードプレイも良いですし,B-2の"Dance Of Night Child"のようにエキゾチックな佳曲を書く才能にも恵まれています。全体的にパシフィック時代よりもより成熟したプレーが楽しめます。共演陣では,ヒースのトレーン風なプレイもなかなかいいですし、ちょっと録音が薄い感じがするのですがハリスのピアノも健在です。
プレステッジのブルートライデントのステレオ盤です。文字の配列,イメージの使い方もプレステらしいですね。コーティングカバーというのも良いですね。