Jazz At The Santa Monica Civic '72/Various Artists
(Pablo 50MJ3031/2/3)
(Pablo 50MJ3031/2/3)
パブロは、1973年,ノーマン・グランツによって設立されたレーベルでありジャズファンにはモノクロカバーのレーベルとして知られていますよね。クロスオーバー、フュージョンが席巻する当時のジャズ界においてメインストリームジャズ復興の中心的役割を果たしたレーベルとも言えますよね。グランツはその昔,JATPという格好で大々的に興行しVERVEに多くのライブ盤を残しましたが,パブロ版JATPがまさにこの3枚組のアルバムと言えると思います。中でも3枚目のサイド5,6のエラのライブパフォーマンスの素晴らしさは彼女のライブの中でも3本指に入れても良い出来だろうと思います。これに絞ってのアップとします。
サイド5のベイシーバンドをバックに回した"Shiny Stockings"で幕を開けるこのセット,一曲目からノリノリです。フレディ・グリーンのザクザクギターも聞こえるし,選りすぐりの少ない音で対抗するベイシーのピアノ、そしてダイナミックなエラのボーカルと一級品の素晴らしさとはこのことと言わんばかり!続くジェームス・テイラーで有名なキャロル・キングの“君の友達”とマービン・ゲイの"What's Goin' On"には驚いた!今やスタンダードですが,当時は新曲ですよね。素晴らしい解釈で立派なジャズに変えてしまうエラのボーカルの素晴らしさに度肝を抜かれました。続くトミフラトリオのバッキングの2曲はかすみがち。サイド6のポーターメドレー。お得意の"Too Darn Hot"ではKeter Bettsのピチカートをバックにグイグイとスィングするエラが最高です。続く"It's Alright With Me"も完璧です。そしてフィナーレの"C Jam Blues"は自身はスキャットでソロイスト(Al Grey→Stan Gets→Harry Edison→Eddie Lockjaw Davis→Roy Eldridge)を次々と紹介していく演出がこころにくいですね。ライブの楽しさが凝縮した一枚と言えると思います。
所有盤はポリドールが出したBOX SET3枚組です。この一枚だけでも購入に値しますよ!