Here's Lee Morgan/Lee morgan
(VeeJay LP3007)
(VeeJay LP3007)
自分にとって思い入れの深いアルバムの一つです。初めてモーガンに触れたのは,そば屋の出前持ちも口ずさんだと言うモーニンでの起伏にとんだフレージング,ハーフバルブを駆使した音色でした。一方,ジャズロックの名盤とされるサイドワインダーでの縦横無尽なソロ,作曲のどれをとっても彼が自分に与えたインパクトは計り知れません。こう言ったブルーノートでの活躍が真っ先に耳に残っていました。その後、もう30年前になりますが,新潟市のレコードショップの店頭で見かけた本日アップの"here's"のこのカバーはビジュアル的にも超刺激的でしたねぇ。Vゾーンの狭い細身のスーツ,サイドゴアブーツ,坊主頭で煙草とトランペットを持った上目遣いのリーのChuck Stewartによる5枚の写真がレイアウトされたこのカバー,当時ファッション雑誌「メンズクラブ」で紹介されていたいわゆるジャイビー・スタイルですよね。とにかくカッコイイ!!!メンバーを見たらブレイキー,ジョーダン(当時は知らない),ケリー,チェンバース。曲について知らなくても購入するしかないと思い、当時のテイチクが発売していた国内盤を聴いていましたね。10年ほど前に,アップした別テイクの入ってないビージェイ/レインボウ盤を手に入れましたがこのステレオの音がなかなか良い録音です。
皆さんご存知でしょうが,演奏については,このメンバーで悪いわけがありませんよね。A面冒頭の"Terrible T"からリーはぶっ飛ばしです。ブレイキーのサポートにあおられて好調なソロが続きます。ケリーの低音から出るソロもケリー節のてんこ盛り状態です。続く"Mogie"も1曲目に続くリーのオリジナル。マイナーとメジャーが混在するかのようなテーマが印象的です。続いて、このアルバムでしょっちゅう話題にのぼるスタンダードの"I'm A Fool To Want You"。アート・ファーマー~トミフラの演奏が有名でしょうが,明らかにこれよりいいですね。周りのファンキー曲の中にあっての新鮮さが映えますよね。B面のケリーのコロコロ転がるロングソロがすばらしい"Off Spring", 最後の"Bess"でのリーのミュートプレイも最高ですね。
リーに関しては,とかくブルーノート盤が珍重されますが、このVeeJay盤,リーの魅力を余すところなく収録した愛すべきアルバムですよね!所有盤はモノカバーに赤いステレオデカールを貼付けたモノですが、この辺りの妙ないい加減さがVeeJayらしいともいえますね。