Theme For The Tall One/Bess Bonnier
(Argo LP632)
(Argo LP632)
ボーカルを除けばジャズ界ではインストプレーヤーは多くは男性であり,女流プレヤーは未だにマイナーな存在ですよね。楽器で言うと女性陣が活躍を見せるのはやっぱりピアノです。秋吉敏子氏をはじめメリー・ルー・ウィリアムス、バーバラ・キャロル,ヘイゼル・スコット,マリアン・マクパートランド,ユタ・ヒップ、ジョイス・コリンズ、パティ・ボーンなどが思いつくだけでもすぐ挙げられますね。ベス・ボニアもそんな一人で,リーダーアルバムも自分はこれしか知りません。初めてこのアルバムを知ったのは93年のジャズ批評「ピアノトリオ1600」の巻頭にあったカラーグラビアです。槍を持った人のオブジェとその影を配したカバーが妙に印象に残っていたモノです。当然,聴いたことがなかったのですが、余計にコレクター魂が刺激された記憶があります。Bessは生まれながらの盲目であったようですが、こう言うハンディキャップは結構ピアノプレイヤーには有利に働くのかも知れませんね。アート・テイタム、ジョージ・シアリングなどもそうですね。
さて本日のアップは彼女の初リーダーアルバムですが、ベースのNick Fiore, ドラムのBill Steenによるトリオフォーマットですが3人全員が20歳代で無名ですよね。彼女のピアノはなかなかにアーシーでオリジナルとスタンダードをバランス良く配した選曲も見事です。スタンダードはA-1の"All The Things You Are", A-2の"The Thrill is Gone", B面では"Blue Room", "A Train", "Trolley Song"が取り上げられています。A-4のタイトル曲"Theme For The Tall One"は長身のベスの主人Tomにささげたものです。
所有盤はアーゴのモノラルオリジナル黒レーベルです。こう言ったマイナーなピアニスト、いっぱいいますよね!