Stretching Out/Zoot Sims
(United Artists UAL4023)
濃紺のBed Cover?の上で寝そべるゴールドの衣装を身にまとった美女の姿が極めて印象的なカバーですよね。カバーデザインはStephen Haas。この時期のUnited Artistsのオリジナル盤はカバーの紙の厚さ,コーティングともに上等で,カバーの写真の美しさも素晴らしくコレクターにとっては格好の対象だと思います。自分もUAは特に気に入っているレーベルです。録音もビビッドですばらしいモノがありますね。
本日は,ファンの多いズートとブルックマイヤーの双頭コンビによる8重奏団の"Stretching Out"です。メンバーはZoot Sims(ts), Bob Brookmeyer(vtb), Al Cohn(ts, bs), Harry Edison(tp), Freddie Green(g), Hank Jones(p), Eddie Jones(b), Charlie Persip(ds)という申し分のない渋めのメンバーです。音が聞こえてきそうなメンバーというのはこのことですね。Zoot, Al, Bobのプレイはいつも通り。キーポイントはグリーンのザクザクギターです。こうなるといきなりベイシーフレイバーになりますね。トランペットのスウィーツの好調なプレイも聞き逃せませんね。さてこのピアノです。全体的なサウンドはグリーンの参加でベイシー風なんですがピアノはどう聴いてもハンク・ジョーンズですよね。裏カバーにははっきりジョーンズの名前がクレジットされているのですが,何故かフロントカバーにはナット・ピアースの名が・・・。この辺り詳しい方がおられましたらコメントいただければ幸いです。いきなりのスウィーツのトランペットから始まり,テーマに次いで現れるジョーンズのブルージーなピアノに完全にKOされてしまうA面冒頭のタイトル曲"Stretching Out"の素晴らしさ,最高ですね。B面の"Ain't Misbehavin'"と並びアルバムの白眉ですね。
所有盤はUnited Artistsの赤ラベル,両溝ありのモノラル盤です。58年,ズート会心の一作という感じです。