I Just Dropped By To Say Hello/Johnny Hartman
(Impulse AS-57 jp reissue)
(Impulse AS-57 jp reissue)
クルーン(Croon)とはもともと話しかけるように物柔らかな響きで唄うことを言うらしいですね。元々は,白人的な唄い方でビング・クロスビーがその代表と言われています。この歌唱法はレイ・チャールズやジョー・ウィリアムスにみられるような黒人の本流である溢れるばかりのブルースフィーリングに根ざしたシャウトする唄い方ではなく、よりsensitiveな唄い方に重点を置いたものです。この辺りが最も顕著に出たのが,コルトレーンとの共演盤でこれは彼の作品としては別格でしょう。その録音から約半年を経過して収録されたのが本日アップのインパルス盤です。
バックはコンボで、Illinois Jacquet(ts), Kenny Burrell, Jim Hall(g), Hank Jones(p), Milt Hinton(b), Elvin Jones(ds)からのピックアップメンバーによるサポートでバッキングされています。ジャケーのサックスはこのような歌伴にはやや異色な感じがしますが,ベン・ウェブスターの吹奏を思わせるプレイはなかなかいけてます。他の伴奏陣はこう言った歌伴にはピタッとはまるプレーヤーで申し分ありません。A面はマンシーニのシャレードで始まりますが,コルトレーンとの共演を彷彿とさせるトラックです。華麗なブラシを使ったドラミングがそういう風に思わせるのかも知れません。続くシナトラで有名な"In The We Small Hours Of The Morning"や3曲目の"Sleeping Bee"も素晴らしいできです。B面冒頭のタイトル曲"I Just Dropped By To Say Hello"のバラード唱法もジョニーならではのモノで好ましいですね。ジャケーのサックスに導かれて始まる"Stairway To The Stars" も好トラックと思います。
所有盤は東芝が再発したインパルス、ステレオ盤です。