Jazz For Everyone/Ronnie Brown Trio
(Philips PHS 600-130)
(Philips PHS 600-130)
ここのところインストものはもっぱらピアノトリオ,それも比較的マイナーな(リーダー盤があまりリリースされていない)ピアニストを連続アップしています。このアルバムを初めて知ったのは先日から連続登場の93年刊のジャズ批評別冊”ピアノ・トリオ1600”です。それも巻頭グラビアに珍盤・希少盤がカラーで紹介されてますが,これがなかなか魅力的で,この盤もその中「吉祥寺のオヤジ」のセレクションにあったアルバムでした。また、オヤジの「辛口!JAZZ名盤1001」にも無名で安値“勿怪の幸い”と評されたアルバムである。自分自身も勿論,この一枚しか所有してませんが、ハリウッドPJでのご機嫌なライブパフォーマンスを収録したモノでなかなかにリラックスした演奏を聴かせてくれます。ピアノトリオと紹介されてますがブラウンはバイブも駆使しての演奏で純粋な意味でのピアノトリオではないのです。ピアノのテクニックもクラシック出身ということもあり相当なものでアンドレ・プレビンに似た印象もあります。piano&vibeも組み合わせではEddie Costaが有名ですが。Ronnieのバイブも単なるオヤジ芸に留まらない好プレイで,ボビー・ティモンズのバイブやライオネル・ハンプトンやミルト・ジャクソンのピアノのようなメイン楽器が有名すぎるプレイヤーのアナザー・インストルメントとは若干趣きが異なります。
メンバーはRonnie Brown(p, vib), Bob Cicccarelli(b), Nick Adams(ds)のトリオですが、例によって無名な方ばかりです。選曲も好ましいモノでA面の"I Could Write A Book", "Angel Eyes", "Star Eyes", B面の"My Heart Stood Still", "You'd Be So Nice", "Gone With The Wind"そして"It Ain't Necessarily So"とスタンダードが目白押しで聴衆を意識したライブならではのパフォーマンスがうれしいですね。急速調の "My Heart Stood Still"や"You'd Be So Nice"で聴かれるお得意のバイブラフォンのプレイは唸り声も入っておりピアノとの両刀使いで画期的です。
所有盤はPhilipsのプロモ,ステレオ盤です。「吉祥寺のオヤジ」さんが好きそうなアルバムですね。