67camper's Blog

管理人67camperの空冷VW、北米輸入住宅、キャンプ、ジャズ、自転車、アコギ、カメラ、アメカジに関するログです。

ジミー・スミスを追随するパットンのオルガン

2006-10-25 01:55:11 | jazz & vocal
'The Way I Feel'/'Big' John Patton
(Blue Note 4174)


 ブルーノートのオルガンシーンは、もうこれなしでは語れないジミー・スミスの存在が大きすぎ,追随する他のプレーヤーはどうしてもかすみがちです。そんななかジョン・パットンはルードナのナチュラルソウルでBNシーンに登場し,第一作"Along Came John"からコンスタントにリーダーアルバムを録音していきます。

 本作は彼のBN第3弾に当たり,ブルース,バラード,3拍子とあらゆるタイム感覚でファンキーなプレイを披露しています。フロントにBN初録音のトランペット奏者,リチャード・ウィリアムスとハイスクール時代からの盟友フレッド・ジャクソンを加え,ギターのグラント・グリーン、ドラムのベン・ディクソンのクインテット編成です。全5曲,パットンのオリジナルで構成されており,特にA-1の"The Rock"が好きですね。基本的にはブルースですが,ストップタイムを駆使したテーマに次いで現れるウィリアムスのソロにまずニンマリです。続く,パットンのソロもグルービーでバックのリフにのって絶好調ですね。この後のジャクソンのテナーソロもソウルフルです。グリーンはいつものシングルトーンで同じフレーズを繰り返す独特のグリーン節連発で各自の個性が爆発した素晴らしいテイクだと思います。A-2のタイトル曲では、ジャクソンはバリトンに持ち替えアーシーなソロを展開します。続くウィリアムスもやや線が細い感じは否めませんが、なかなかメロディックで大好きなプレーヤーですね。

 BNのNEW YORK, USAレーベルでモノラル,オリジナルと思います。ブルーに白と紫のロゴ,そして煙草を持ったパットンのポートレイトがイカしています。

JMの隠れた名盤

2006-10-24 04:46:53 | jazz & vocal
The Freedom Rider/Art Blakey & The Jazz Messengers
(Blue Note ST-84156)


 ホレス・シルバーと始めたジャズメッセンジャーズは、常に若い力を入れながらブレイキーのタフで若々しいドラミングを背景に進化を続けていったコンボと言えると思います。そば屋の配達人までが口ずさんだというモーニンは一つの頂点でもありましょうが,このメンバーから新しく音楽監督兼テナーサックスプレーヤーをウェイン・ショーターに換えて吹き込まれたブルーノート盤です。1961年の録音であり、丁度日本公演を成功させた後の録音で各人の油の乗り切った演奏が聴かれます。

 メンバーの解説は不要かも知れませんが,モーガン,ショーター,ティモンズ,メリットそして御大ブレイキーの五重奏団です。モザイクよりレコードナンバーでは後になるのですが録音はそれよりも前で3管への移行前になりますね。内容が良かったから後になってプレスされたのかななんて想像します。全曲メンバーのオリジナルで構成され,タイトル曲は御大のソロプレイ、後の4曲はモーガン,ショーターが各2曲ずつオリジナルを提供しています。A-1の"Tell It Like It Is"はショーター作で冒頭を飾るにふさわしい演奏で,モーガンのダイナミックでイマジネイションあふれるソロが聞き物です。ティモンズも得意の3連符連発で小気味よいですね。これぞJMです。A-2はドラムソロですがスネアを多用したプレイが印象的ですがこれはどうもと言う方は多いかも・・・。B面はラテンリズムのEl Toroから始まります。作曲者ショーターのソロがfeatureされますが渦を巻くようなソロは彼ならではと思います。続く"Petty Larceny"と"Blue Lace"はモーガンのオリジナルでここでも好調なモーガンのテクニカルなソロがいいですね。

 NYCのステレオ盤です。あまり話題にのぼるアルバムではないですがこのグループの実力を示した隠れた名盤であろうと思います。

秋の夜長にマイルスを!

2006-10-23 02:20:58 | jazz & vocal
Relaxin'/Miles Davis
(Prestige7129)


 静かな秋の夜です。南国高知でも虫の声が聞こえ、夜はやっと涼しくなってきました。こんな夜にはふとマイルスが聴きたくなります。彼のミュート(オープンではダメ!)がぴったりですね。さて、何を?と思って、いつもとり出してしまうのがマラソンセッションのアルバム群です。皆さんご存知のとおりで、契約履行のためにプレステッジに慌ただしく録音した「~in'」とタイトルがついた4枚のアルバムですが,こう言う状況下でも後世に残る優れたアルバムを作ってしまうのが天才の所以ですよね。

 でもって、例のしわがれ声で「後で曲名を教えるよ!」と声が聞こえ始まる"If I Were A Bell"、何度聴いたことでしょう。この時代のマイルスのミュートプレイの美しさといったらないですね。”ビッチェズブルー”以降の訳のわからないスタイルはどうしても結びつきません。コルトレーンを挟んで登場するガーランドの”ゴムまり”ブロックコードのソロもいつ聴いても思わずニヤッとしてしまいます。次の、イントロを弾き始めたガーランドにブロックコードのそれを要求して始まる"You Are My Everything"も印象に残っています。このマイルスのミュートも素晴らしいですね。Aラスの"I Could Write A Book"でもミュートのマイルス,そしてガーランドのバックで活躍するチェンバースのピチカートがとても力強く録音されていて嬉しくなります。いつもの癖でA面しか聴く事がないんです。B面はやや印象が薄い感じでしょうか?

 Prestigeの黄黒レーベルで、Bergenfield, N.J.アドレスです。マイルス最高!!!

1964年のクルーパ/ベンチュラ

2006-10-22 00:01:34 | jazz & vocal
The Great New Gene Krupa Quartet Featuring Charlie Ventura
(Verve V-8584)

  "To most adult Americans, drums mean Gene Krupa."
 ライナーノートの冒頭にこう書かれたように,1935年に参加したべニー・グッドマングループのドラマーとして名を挙げ,米国で絶大な評価を受けているようです。初期のノーグラン,クレフなどにも吹き込みが多く,バディ・リッチとともにこの時代のVERVEを代表するドラマーと言えると思います。

 さて本日のアップは,クルーパ64年の録音。彼の新しいグループによる録音です。 かつて1942年にクルーパのグループに入リ,1940年代中期にこのグループでソロを一手に引き受けたサックスプレーヤー,チャーリー・ベンチュラが再びメインソロイストとして共演しています。ピアノはジョン・バンチ,ベースはノービー・トター(Nabil Totah)のカルテットです。64年の録音であり音の悪さは一切ないですし,演奏時間も短めでスタイル的には古さは否めませんが良い選曲が素晴らしいですね。まずサイドAは魅惑のテーマではじまる"Tickle Toe"始まります。さらに"Come Back to Sorrento", "Undecided", "Sophisticated Lady"とベンチュラのテナーが冴え渡ります。ジュリー・ロンドンで有名な"Cry Me A River"ではアルト,そしてB面にうつり,"I Love You", "Misty", "I'm Getting Sentimental Over You"ではバリトンでの吹奏が聴かれます。

 VerveのMGM盤,T字レーベル,モノラル盤です。ベンチュラ/クルーパにとっては比較的新しい録音ですが,曲が短い事を除けばなかなか聴き応えのあるアルバムと思います。

イルカライブ

2006-10-21 23:43:31 | アコギ

 昨日は,職場の同僚とフォークシンガー「イルカ」のライブに行ってきました。役四半世紀前に彼女のライブは聴いた事があったのですが,相変わらずアルトと言うか彼女の美しい声は健在でした。
 このライブは、「森を復活させて生態系を守ろう」みたいなノリのチャリティライブです。昨年は、「こうせつ」のライブで自分たちが住む街で開催されたのですが,今年はお隣の土佐市で行われました。前半はトークショウでCW.ニコル氏を中心としたチャリティトークがあり後半がお目当ての「イルカ」のライブでした。
 「雨の物語」、「なごり雪」、「いつか冷たい雨が」など名曲を第一列目の特等席(イルカさんの皺まで見える!ごめんなさい)で聴く事ができました。彼女の60年代のD-35も健在で素晴らしい音色でした。チャリティのため¥3000と格安で会場は満杯でした。
 生「なごり雪」!、やっぱりいいや!!!

サム・レーザーのオルガンジャズ

2006-10-21 06:43:50 | jazz & vocal
Playback/Sam Lazar
(Argo LP4015)


 正当派ジャズが続いたのでやや軽めのオルガンジャズを行ってみよう!それもあんまりコテコテにならずにリラックスできるオルガンジャズ、そんな内容にピッタシなのがSam Lazarです。セントルイス出身のオルガニストで最初はピアニスト,その後はビッグバンドのオルガンなどを務めていたようですがジミースミストリオの演奏を聴いて,一念発起!オルガニストとしてやっていく事を決めたと言います。

 勿論,アーゴのソウルフルな路線の作品でそれなりにファンキーでグルービーな演奏を聴かせてくれますが、過度にアーシーになってないところが帰って好感が持てます。メンバーはLazar(org), Miller Brisker(ts), Philip Wilson(ds), Joe Diorio(g)のカルテットです。A面のサマータイムを引用したソロでせまるBags GrooveやB面のPleas Send Me Someone to Love等,ジャズスタンダードのアーシーでグルービーなアプローチは見逃せませんね。当然ながらソウルフルなA面の"Deep", "Fuzz Buzz"やB面ラストの"Scootin'"のシングルトーンを生かしたプレイも、コテコテとまでは行きませんがなかなかアーシーで好ましいモノです。テナーのMiIllerの演奏もさえわたります。こう言ったブルースに根ざしたソウルフルな演奏は疲れなくてリラックスできて良いですね。

 アーゴのグリーンレーベル,シルバーロゴのステレオ盤で溝ありです。レイザーのポートレイト的カバーも味があっていいですよ。こう言うバランスの良いオルガンジャズも好きですね。

ベイシー楽団の顔,ジョー・ニューマン

2006-10-20 03:24:20 | jazz & vocal
I Feel Like A Newman/Joe Newman
(Storyville STLP905)
 

 Basie楽団は年代によって,そのスタープレーヤーが入れ替わっていきますよね。顔はやはりベイシー本人ですが,リズムを支えたフレディ・グリーンこそがと言われる方もあろうかと思います。ブラス,リードセクションのサド・ジョーンズやフランク・フォスターやフランク・ウェスなども候補にあがるタレントだと思います。さらに、"The Midgets"の作者としても知られるジョー・ニューマンもトランペットセクションを支えた重要なプレイヤーだと思います。  

 本日アップのストーリービル盤は、最初から12インチとして制作されたアルバムでありますが,初期の彼の傑作として知られるモノです。2つのセッションからなり、4管+ギター入りリズムセクションのオクテット編成のモノ(Newman, Gene Quill, Frank Foster, Billy Byers, Freddie Green, John Lewis, Milton Hinton, Osie Johnson)とクインテット編成のモノ(Newman, Frank Wess, Sir Charles Thompson, Ed Jones, Shadow Wilson)が収録されています。ベイシー色の強いオクテットも良いですが,よりニューマンのプレイにスポット当たったこの5重奏団の演奏を好んで聴いてます。各面前半がオクテット,後半がクインテットの構成でA面の"Sweetie Cake"と"East Of The Sun", B面の"Gee, Baby, Ain't I Good To Me"と"My Blue Heaven"はオープンとカップミュートを駆使したニューマンの唄心あふれるソロが聴かれる快演です。ピアノのトンプソンのプレイも貴重ですよね。  

 ストーリービルのモノラル盤,オリジナルで石畳と人影の想像力をかき立てるカバーも魅力ですね!

ブッカー・アービンのCandid盤

2006-10-19 00:59:52 | jazz & vocal
That's it/Booker Ervin
(Candid 9014 jp reissue)


 60年初頭に現れたキャンディドレーベルはナット・ヘントフを producerとしてアバンギャルドでメッセージ性の強いアルバムを中心に21枚のLPを制作したと言われています。代表的なものはミンガスとかローチとかのアルバムですが,こんな精神性の高いアルバムの意図は,自分のようなノーテンキな人間には到底理解できないわけです。(笑)

 こんなキャンディドにアービンの録音がある事は良く知られていますが,このアービンはどうでしょう?。アフリカンアメリカン色は決して希薄な訳ではなく、充分に黒人パワーを示すような選曲からもメッセージ性は伺えます。しかしストレートアヘッドなモダンジャズアルバムとしても充分に楽しめる内容であると思います。A-1の"mojo"も黒人のヴードゥー魔術を題材にしたミステリアスなオリジナルです。アービンのテナーは、テキサステナースタイルに根ざしたモノでしょうが、豪放でありながらどこかくらいイメージを持った彼独自の個性があり,結構ファンが多い所以だろうと思います。A-3の"poinciana"とB-1の"Speak Low"はいわゆるスタンダードですが彼の実力を計り知る好演と思います。特に、この急速調のspeak lowは自分の好きな演奏で購入時繰り返し聞いた思い入れの強い演奏です。ほかはすべてアービンのオリジナルですが,レギュラーコンボと言うべきFerix Krullのピアノ(ホレス・パーランの変名),太い音のGeorge Tuckerのベース,Al Harewoodのドラムのリズム陣の好演も見逃せませんね。このセットは後のBN盤でもきけますよね。特に、タッカーのピチカートが全編を通じて素晴らしいと思います。

 どこかの中古屋で買った国内盤再発ですが,カバーデザインも好きで不思議な魅力のある愛すべきアルバムとなっています。

コルネットの雄、ナット・アダレイ

2006-10-18 00:00:39 | jazz & vocal
Much Brass/Nat Adderley Sextet
(Riverside RLP12-301)


 アダレイ兄弟の弟,ナット・アダレイといえば自分の頭の中にすぐに浮かんで来るのは、ここでも一緒にプレーするウィントン・ケリーのリーダーアルバム”ケリー・ブルー”でのタイトル曲での演奏や兄の5重奏団での後期の”マーシー・マーシー・マーシー”でのファンキーな演奏です。自身のリーダーアルバムはエマーシーやリバーサイド,アトランティックなどに見られます。

 本日アップのアルバムは,アダレイのリバーサイド盤で"Much Brass"のタイトルが示す如く,フロントにブラス楽器をコルネット(アダレイ),ボントロ(スライド・ハンプトン)、チューバ(レイモン・ジャクソン)と3人揃えた異色の編成です。リズムセクションは、ピアノのウィントン・ケリー,ベースにサム・ジョーンズ,ドラムにアルバート・ヒースと言う6重奏団です。A-1のサム・ジョーンズのcelloのプレイにはじまる"Blue Concept"はアルトのジジ・グライス作のブルースで一曲目からケリーのピアノが全開です。2曲目の"Little Miss"はこのとき新進気鋭のアレンジャー,Duke Pearsonの曲でテーマアンサンブルの後にいきなり4バースが入る一風変わった構成の曲でPearsonの実力を示したモノです。B面のスライド・ハンプトン作の"Moving"と"Accents"はビッグバンド風のアレンジで当時のメーナード・ファーガソン楽団のアレンジをつとめていたハンプトンのアレンジが光ります。この2曲ではジャクソンのレコードデビューを飾るチューバソロも聴かれます。最後の"Sometimes I Feel Like a Motherless Child"のアダレイのバラードプレイも素晴らしい歌心を示した快演ですね。何と言っても全編を通じて好調なのは,この時代のケリーです。文句なし!ケリー聴くために購入しても損はないですよ。

 リバーサイドのモノラル,青レーベル,シルバーマイクアンドリールです。

パーカー派の新世代ソニー・レッド

2006-10-17 05:34:23 | jazz & vocal
Images/Sonny Red
(Jazzland JLP74)


 モーターシティことミシガン州デトロイトはハードバップ期に多くの優れたジャズメンを輩出したジャズシティでもあります。ミルト・ジャクソン,ケニー・バレル、トミー・フラナガン、カーティス・フラー、ポール・チェンバース,ダグ・ワトキンス,ユセフ・ラティーフなどが代表的でありますが、本日アップの"Images"の主役であるソニー・レッドそして共演の彼の親友バリー・ハリスもデトロイトジャズメンとして広く知られています。この年代のアルトサックス奏者は例に漏れず,パーカー直系のスタイルを身上としていますが、これが吹き込まれ1961年にはコルトレーン,マイルスではじまったモード手法が一方で一つの流れを作っていきます。ここでのレッドのプレイも既にモーダルな表現がなされておりレッドの当時のトレンドへの素早い反応を垣間みれます。

 メンバーはソニー・レッド、バリー・ハリスの他にホレス・シルバーバンドのスタープレイヤー、ブルー・ミッチェル、セントルイスから出て来たばかりのグラント・グリーンのギター,ジョージ・タッカーのベース,レックス・ハンフリーズとジミー・コブのドラムと言う2線級おこのみプレーヤーズです。A-1タイトル曲の"Images"が聞き物だと思います。タッカーのベースイントロに導かれスピークロウ風のテーマが現れますがモードっぽいコード展開を見せる佳曲です。レッドの実力を示すチューンでありリーダーのソロも全開です。ここでのミッチェルのプリリアントな音色もこの時代の好調さを示した快演と思います。B面のブルース,"Blue Sonny"も好きですね。こう言うブルースになるとハリスのブルースプレイが急に際立ってきます。タッカーのイントロの後にテーマを提示するハリスの音色,タイム感覚にはしびれます。グリーンの参加もありますがソロはやや??と言う感じですね。Bラスの"Bewitched"はご存知のスタンダードでソニーの歌心を堪能できるバラードプレイが聴けますよ。

 ジャズランド,モノラル/オリジナルのオレンジレーベルです。ハリスの重厚な音色,ミッチェルの音が特に良く録れているように感じます。