試験制度変更の余波(予想)

2013-07-30 17:13:39 | 司法試験関連

短答式試験,本当に3科目に削減してしまうのだろうか。

同時に5年3回から5年5回受験に制限が緩和されることで,世にも不思議な「受け控え」という現象が無くなる。毎年2500名程度の受け控えが出ていたのが,出なくなると言うことなので,えらい単純化するとこの数だけ受験人数が増えることになる。

今年で言えば受験者数が1万人強になるということだ。短答突破ラインが,上位74%ライン(基準点未満を切り捨てかつ対受験者比ベースだと今年は74%が基準点をクリアーしている)から,上位51%ラインまで上がることを意味する。単純比較はできないが,今年のデータで言えば,上位51%ラインは242点程度になる。つまり短答突破の難易度が単純に上がるということである。もっとも,毎年の入学者数が激減しているので,そもそも出願ベースで1万人を超え続けるかどうかは別論であるが。

更に問題なのは,ただでさえ条文を引かない傾向があるというのに,短答式試験が憲民刑だけになれば,尚更引かなくなる可能性が高い,という点である。「短答試験が無い=もう条文は引かなくて良い」,というトンでもない勘違いをする人間が続出する危険性は大である。そのため上位受験生と下位受験生の「条文検索能力の個人差」が今以上に拡大することになるだろう。

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重要基本事項の重要性

2013-07-30 13:55:04 | 司法試験関連

入門講義テキスト掲載の「博士君マーク」の論点と,引用判例は,「重要基本事項」です。これらに関する問題が出たときは,「分かった」かどうかが問題ではありません。「即レス」できたかどうかが問題です。しかも重要基本事項に関しては,記述の「精度」の勝負になります。曖昧な記述,不完全な記述ではライバルに競り負けますし,このレベルで競り負けることは不合格にも直結します。

また,この問題は「現場思考型・応用問題なのか,基本問題なのか」のジャッジがその場その場でできないとお話になりません。前者であれば,「問いにきちんと答える+問題文の事情を上手く取り込む」ことができれば御の字です。しかし後者であれば競り負けるようなことは許されない。そのような判断がつかなければ,答案構成そのものも歪んできます。

また,「あれ,知らんなこんな問題」という場合,守りきれば良いという判断ができます。大事なのは「知らんな」の基準で,問題研究や入門講義テキストに記載されていない問題であれば,「まぁ,みんなも知らないだろな」というジャッジが可能になるのです。伊藤塾のテキストは,東大・慶應などトップローの受験生の多くが使用経験がある,というのは他の受験指導校のテキストにはない大きな強みと言えます。

というわけで,入門講義テキストは完全にモノにしないと駄目なのです。

因みに吉野クラスで使用する「論文突破レジュメ」は,完全に本試験対応のアドバンス的な内容のモノに絞り込んでいますので,加点事由になるような内容になっています。攻めるときは攻めきりましょう。「ベーシック」と「アドバンス」が内容面のみならず,テキスト的にも分離させている点が大きな強みになっています。

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