短答式試験,本当に3科目に削減してしまうのだろうか。
同時に5年3回から5年5回受験に制限が緩和されることで,世にも不思議な「受け控え」という現象が無くなる。毎年2500名程度の受け控えが出ていたのが,出なくなると言うことなので,えらい単純化するとこの数だけ受験人数が増えることになる。
今年で言えば受験者数が1万人強になるということだ。短答突破ラインが,上位74%ライン(基準点未満を切り捨てかつ対受験者比ベースだと今年は74%が基準点をクリアーしている)から,上位51%ラインまで上がることを意味する。単純比較はできないが,今年のデータで言えば,上位51%ラインは242点程度になる。つまり短答突破の難易度が単純に上がるということである。もっとも,毎年の入学者数が激減しているので,そもそも出願ベースで1万人を超え続けるかどうかは別論であるが。
更に問題なのは,ただでさえ条文を引かない傾向があるというのに,短答式試験が憲民刑だけになれば,尚更引かなくなる可能性が高い,という点である。「短答試験が無い=もう条文は引かなくて良い」,というトンでもない勘違いをする人間が続出する危険性は大である。そのため上位受験生と下位受験生の「条文検索能力の個人差」が今以上に拡大することになるだろう。