木片に書かれた文字は、何度も繰り返し書かれていることから習字簡と
呼ばれる手習いに使われていたもの。(写真)
右から
オ: 再 再再伏地 再再再・・
カ: 史史 令史 史史 史史
キ: 以以以以以以以以以以以以以以・・
ク: 群群土土土元元 塞塞儇儇依斎斎力力疾疾
ケ: 若 若 若
(中国法書選 二玄社より)
紙がない時代でも、人間の「学びたい」という気持ちは同じだったわけだ。
今を生きる私と同じように、何度も何度も難しいなあ、楽しいなあと感じながら
練習していたのかと思うと、見ているだけでいとおしくなってくる。
書きたくて書きたくて、たまらなくなってくる。
何でもいい、湧き上がる思いを感じられたら、書を学ぶことも、毎日を生きることも
楽しくなるんだろうなあって思う。
誰かに評価されることを待つことよりも、自分が好きでたまらない、
そのことをやっているだけで満足できる何かを持っている人はしあわせ。
何の得にもならないことでもいい、なんでそんな無駄なことを?と言われても、
要は自分の信念に基づく、内なる自分との戦いであり、信頼関係であり、そして
それが自信につながると思う。
自信とは読んで字のごとく、自分を信じてあげること。
エゴではなく、自分を信じられるか否かは、自分自身にしかわからないこと。
太古の昔の人々の魂を感じつつ、毎日を同じように繰り返し生きる。
臨書(古典を学ぶこと)の魅力はそこにある。