goo

2018.11.25 「715mP」~「709mP」(夕張・真谷地)  真谷地林道探索

 日曜の朝はToshiが生まれ育った夕張の真谷地で目覚めた。

夜明けが遅くなり、起きるのが益々辛くなる。

6時に起床して準備を整える。

三連休最終日は久しぶりに『真谷地岳』に登って帰ることにした。

 

 7時ちょうど、真谷地の旧市街地東の端にある大きなゲート前をスタート。

このゲートは無積雪期間開放されている。

従ってここからスタートするのは積雪期だけで、

無積雪期はこのゲートから1kmほど入ったところにある、

森林管理署管理のゲートまで車で入ることができる。

積雪はほんの少し。

ただ、水たまりの氷の厚いこと!

 

 7時15分、森林管理署ゲート。

ここまでも、ここからもわりと直線ルートが続く。

そして駐車地から2kmほどのところで分岐が現れる。

直進すると『真谷地岳』なのだが、

右手に「真谷地林道」ゲートが現れる。

ここで先を行くHiromiを制止した。

「今日は真谷地林道を行く」。

 

 夕張市街地に隣接する低山の中に『754m峰』がある。

これは真谷地の東奥にひっそりとたたずむ端正な山容の山で、

その姿は北の『874m峰』や西の『鬼首山』、

あるいは南の『佐主岳』などから目視できる。

そしてこの山には昨年の積雪期に登川から尾根を伝って登った。

その後この山に真谷地から登ってみたいというのが、

次の目標となり、常に頭の片隅にあった。

地形図を見ると「真谷地林道」を利用して取り付くのが理想であることから、

フットワークの軽い時期に、一度偵察に入山したいと思っていた。

この日のその時になってそれをふと思いついたわけだ。

私の山登りは常に変更、変更の連続だ。

そんな土壇場の変更にもHiromiは異論を唱えることがない。

だからHiromiとの山登りは気楽で、

それ以上の何ものも必要なくなる。

ただ山から降りると、私の言うことにいちいち口ごたえする嫌な奴だけどねえ・・・

 

 7時30分、「真谷地林道」鎖ゲート。

このゲートから足を踏み入れると、急に積雪が増した。

しかし、『754m峰』への新ルート探索で心は軽やか。

林道を進むごとに目指す長尾根が近付いてくる。

目指す尾根とは、南の夕張市登川に端を発し、

シューパロダムで終息する尾根のことだ。

屈曲した林道を進むと、

8時15分、CO.430で分岐が現れた。

そのまま東に向かう林道に入ることを選択。

そのとき地形図を持ち合わせていなかったので、

帰宅して確認してみると地形図には載っていない林道だ。

しかしその時点では迷わずその林道に入った。

明らかに目指す尾根の頭方向に向かっている。

林道はその性質ゆえ大きく蛇行を繰り返す。

そして「真谷地5号作業道」の標識が目に入ったところで標高を稼げなくなった。

8時50分、作業道終了。

林道を伝ってここまで入ることができたことに大きな手応えを得た。

偵察成功だ!

もう目指す尾根の頭は目の前だ。

欲が出てちょつと笹薮に足を踏み入れてみる。

「あれ~っ!?」。

驚いた。

歩ける!

湿って重たい初雪が一気に降り積もり、

背丈以上の笹を押し倒してしまい、

その上をふわふわ歩けるのだ。

そりゃあスタスタとはいかず、一歩一歩時間がかかるものの、

確実に歩を出して登れる。

となると欲が出るわけで、先に進みたくなる。

Hiromiも快くOK!

尾根の頭まではわずかな距離だが、

傾斜がきつい上に歩きにくく時間がかかる。

筋力、腕力が弱い女性は大変な行程だ。

それでも一歩一歩歩を出せば、いつかピークを極められる。

 

 9時35分、「715mP」。

このピークには約2年前、Hiromiと『真谷地岳』方面から歩いてきて立っている。

しかし、目指す『754m峰』が南隣りの「709mP」に隠れて見えない。

そこで更に稜線上の尾根を南下し、

10時ちょうど、「709mP」。

そしてようやく『754m峰』の姿を目にすることができた。

自分の頭の中で描いていた地理感覚とは若干ずれていたので、

次回『754m峰』を目指すときは、

「真谷地林道」を更に奥に進んでから西尾根に取り付くことを確認。

滑る笹の茎に足を取られ、

スッテンスッテン転びながら作業道に戻り、林道をテクテク下山。

気温が上がり、雪が融けだしていた。

そんな林道歩きでHiromiが唐突に言った。

「腹減らないかい?」

「いやあ、減らねえなあ」

「すごい腹だな!」

「おいっ! すごい腹ってなによ!?」

こいつとの会話は常に荒れ狂う。

 

 11時30分、「真谷地林道」鎖ゲート。

ここでお腹がお空きのHiromi様とラーメンタイム。

そして長い直線道路を歩いて、

12時15分、駐車地。

う~ん、「真谷地林道」に足を踏み入れてよかった~

終わりよければすべてよし!

いい三連休だったなあ。

これで12月の週一休みにも耐えられる。

三連休の締めはもちろん「サイゼリヤ」。

Hiromiと二人、三日間の山旅の思い出を語り合った。

 

 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

2018.11.24 『桜山』(949m)  スノーシュー始動

 金曜日に「レイクイン」で汗を流した後、

翌日『佐幌岳』に登るため狩勝峠に向かったが、

いつも車中泊しているところ二ヵ所が、

除雪車が跳ね上げた雪に阻まれて入れない。

冬季は車載するスコップをまだ積んでいなかった。

それで狩勝峠での車中泊をあきらめ、積雪の少ない屈足に戻った。

そしてこの時期は一日そこにいても車が通るはずもない、

静かな牧草地そばで車中泊。

広々としてゆっくりできた。

 

翌土曜日の朝、牧草地そばを発って狩勝峠頂上に向かった。

起きたときの天候は曇り。

この曇天ではどうなるのかと、モチベーションが上がらない。

狩勝峠頂上に着くと、もう冬を迎えたそこに人影はない。

 

7時20分、狩勝峠登山口をスタート。

前日の『オダッシュ山』と高度は変わらないが幾分北に位置し、

日本海低気圧と太平洋高気圧の狭間にある分、

積雪が多いだろうと予測して、スノーシュー装着でスタートした。

そして正解!

夏道登山道に沿って進むが、スノーシューがないと歩行がきつい。

積雪は高度を上げるほどに深さを増し、吹きだまり箇所では膝上になる。

辺りは降り続く小雪のせいで、ほとんど視界が望めない。

なんだか修行じみてくる。

ラッセルを交代しながら進むが、さっぱり速度が上がらず、

ゆっくりゆっくり歩を進める。

稜線歩行のためアップダウンが激しい。

それが夏道であれば問題ないが、

そこに雪が積もると結構堪える。

ルートはやがて『桜山』への登りにさしかかる。

ここからがなかなか大変だった。

前を進むのは私だったが、雪が膝上まであり、

スノーシューが深く潜ってしまう。

そのスノーシューをいちいち引き上げるのが大変だ。

無理して引き上げて、

スノーシューが壊れてしまうのではないかという不安がよぎる。

そんなちょっとした格闘の末、

9時15分、『桜山』。

そこでHiromiが「ここでやめよう!」と言い出した。

それはいい提案です!

Hiromiがそう言ってくれることを期待していた私。

天候が良ければラッセルの苦悩も報われる。

しかし、辺りは相変わらず降り続く小雪が視界を曇らせ、何も見えない。

はっきり言って嫌気がさした。

 

『桜山』には1分滞在しただけで下山を開始。

復路は二人で付けてきたトレースをたどるので快適だ。

スタスタと下って、

10時20分、狩勝峠登山口。

車に戻っても雪が降り続き、あとかたずけが大変だ。

降り続く雪が車内に入り込み、シートを濡らす。

天気予報に従って向かったが、それでも降られるなら、

どこに登っても同じじゃん!

ということで、夕張まで戻ることにした。

そして早い時間に夕張入りして昼寝。

その後「レースイの湯」で汗を流し、

Toshiの故郷である真谷地に移動して車中泊とした。

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2018.11.23 『オダッシュ山』(1,098m)  悪天候から逃げて・・・

 先週末は今年最後の連休だ。

11月はじめより既に土曜出勤が始まっているが、

今回の土曜は休みを取って三連休とした。

木曜の終業後、

Hiromiを拾って穂別キャンプ場まで走って車中泊。

疲れるので小刻みに走る。

穂別キャンプ場の積雪が5cm。

季節を月単位で刻むと、

現在は晩秋に当たる。

しかし、実際には初冬を迎えた。

 

 金曜の朝目覚めたのが7時半近く。

夜明けが遅くなり、目覚めもそれに習って・・・

今回からシュラフを冬用に替え、

温かくてよく眠れた。

高速自動車道を穂別インターから利用し、

トマムで降りた。

路面は一貫して圧雪、アイスバーン。

そんな路面はトマムで国道に降りても、

狩勝峠を越え新得町まで続いた。

冬がやってきたねえ~

 

新得では積雪が20cmほど。

『オダッシュ山』登山口に向かう砂利道は除雪されていた。

ただ最後の500mほどは手付かずだったが、

ハイエースは難なく奥まで入ることができた。

 

 9時50分、登山口をスタート。

先行者はなく、新雪を踏んで進む。

『オダッシュ山』には回を重ねて登ってきたが、

天候に誘われて、

目指すのがいつもこの時期だ。

積雪が登山口で足首程度だったので、

頂上付近で深くなっても膝程度だろうと予測し、

スノーシューを車に残して出発。

雪が強い西風に吹かれて吹き付けてくる。

それが「白樺平」まで登ると、

遮るものがなくなるため、

吹雪となって初冬にしては厳しい出迎えだ。

しかし、運良く高度を上げるほどに天候が回復し、

「前峰」に達すると上空には青空が広がった。

そうなると辺りの景色が美しく、

足取りも軽くなる。

一旦平坦で美しい白樺林の細道となり、

最後は急登を経て頂上に飛び出すのだが、

同時に背後には、

十勝平野の広大な風景が広がる。

 

 11時50分、『オダッシュ山』。

風が強く、カメラの三脚を立てられない。

ぐるり360度の風景を見渡して、

何も口にせず下山を開始した。

 下山はツルツルと滑り、

雪の下の障害物が見えないため、

スタスタとは下りにくい。

Hiromiはいつも通り慎重だ。

それでも下山は速い。

13時25分、登山口。

三連休初日はまずまず楽しめて何より。

やはり「晴れ」を求めて十勝に向かってよかった。

 

 下山後新得町のコンビニで簡単に昼食。

汗を流すため屈足の温泉、

「レイクイン」に向かった。

 

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2018.11.18 『佐主岳』(619m)  小春日和に長い林道歩きを楽しむ

 日曜日の朝は穂別キャンプ場で目覚めた。

もう夜明けが遅く、そこに曇天が加わると、

7時になってもなんだか薄暗さを感じて、

なかなかシュラフから出る気にならないものだ。

そんな朝、ゆっくり起きて準備をし、

7時55分、穂別キャンプ場の駐車地をスタートした。

 

 晩秋から初冬にかけては、

高山の積雪が不安定で、

足を踏み入れると面倒なことになる。

私はそんな時期に長い林道歩きをしたくなる。

広葉樹の葉がほとんど落下し、

木の間越しに見え隠れする遠くの景色を見ながら歩くのは楽しい。

『佐主岳』(さぬしゅだけ)も長い林道歩きの末登山口に到達するので、

この時期になると必ず歩きたくなり、

このところは毎年登っている。

 

 穂別キャンプ場をスタートして林道を1kmほど歩くと、

登山ポストが現れる。

以前はなかったものだが、

いつからそこに設置されたのか記憶がない。

そして登山ポストのすぐ奥に最初の分岐がある。

それを直進すると今は廃道となった林道が続き、

『佐主岳』の登山口まで行ける。

これは昨年の初冬、「エバ」とともに歩いて確認した。

(昨年の記録)

しかしあれから1年、

その後の荒廃状況がわからないので、

今回は分岐を安定した路面の左に進んで往復することにした。

また、この分岐には鎖のゲートが設置されていて、

一般車の侵入を禁じていたが、

今回はその鎖が外されて出入りが自由となっていた。

但し、そばには「通行禁止」の立札がある。

わけがわからないが、

おそらくシカを狙うハンターに配慮して、

ゲートを開放しているのだろう。

そんな鉄砲を持ったハンターがウロウロしている山域なので、

この日はHiromiと二人、目立つアウターを着用した。

誤発砲で命を落とす人もいる現実が怖い。

この日はハンターが来ないように、

と願いながら歩を進める。

 

 この林道には登山口までに5箇所の分岐がある。

その昔初めてこの林道を歩いた時、

それらの分岐を間違わずに登山口に行き着いた。

地形図も持たず事前の下調べもせずに、

行き当たりばったりで歩いて行き着いた。

持ち前の勘だけが頼りだったが、

そんなことをしながら「動物的勘」を養った。

 

 林道はこれまでにないほど車が往来した痕跡が残っており、

雨水が溜まった箇所では、

ドロドロを避けようがない状態のところもある。

そんなところを車が無理やり行き来している。

また、9月の胆振東部地震の影響と思われる亀裂や段差が、

林道のあちこちで見られる。

更に液状化現象の表れだろうと思われる土砂崩れ箇所も確認した。

なのに車のタイヤ痕が延々と続く。

車体の重量で車ごと林道が崩れ落ちても仕方ないようなところが、

随所で見られるのにどうして乗り入れられるのか、

首をかしげてしまう場面が多々。

 

 9時15分、穂別側分岐。

この分岐を右に進むと登山口であり、

左に進むと穂別側の道々に至る。

一般にはその穂別側からこの分岐か、

さらに奥まで車を利用して登る人が多いようだ。

但し、私はその林道を利用したことがなく、

いつもキャンプ場側から登ってきた。

また、この分岐までHiromiのGPSによると、

キャンプ場から5.1kmだった。

そしてこの分岐からは車で入った痕跡がわずかしか残っていない。

そんな静かな林道を周囲の景色を楽しみながら、

変わらず淡々と歩く。

 

 9時50分、登山口。

ここまでの歩行距離7.5km。

そしてこの登山口から頂上までは、

わずか1.2kmしかない。

我々はこのアプローチの長さ故歩きたくなる。

 

登山口から先は年々笹がはびこってきている。

ここから林道歩きでは皆無だったシカのフンが一気に溢れ出し、

それらを踏まずに歩くのが大変だ。

視認しづらいフンが目に留まると、

Hiromiとお互いに声を掛け合って回避する。

またこのころから急登が続き、

一気に高度を稼いで頂上に至る。

しかし頂上付近は背丈が低いものの、

深い笹に覆われていてた。

これは今までにない笹の深さだ。

そんな笹の中で強引にラーメンタイム。

小春日和の穏やかな天候に感謝。

思えばこの山ではいつもそんな穏やかな天候に恵まれてきた。

南に見える夕張の山々に心惹かれる。

この冬も夕張の山々に楽しませてもらおう。

  下山はそのままやってきた林道を引き返す。

往路では出くわさなかったハンターと、

いつ接触することになるのかと、

少々緊張しながら歩いたが、

結局この日はハンターどころか、

車や人に出会うことがなかった。

いやあ、静かな山旅をありがとう。

 

 12時50分。

キャンプ場駐車地。

往復17.4kmの楽しい山旅を終えた。

そして仕上げはもちろん「サイゼリヤ」で

「カンパーイっ!!」

 

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2018.11.17 『0の山』(743m)  ついに廃道だ!

 先週末も天気予報に従うと、

やはり東に向かうしかない。

そこで金曜の終業後、

Hiromiを拾って日勝峠に向かった。

時間短縮のため夕張~占冠間を高速自動車道利用。

ETC割引がきかない平日、

Hiromiと割勘でなければ当然利用できないわけで・・・

ところでETC割引が平日適用されなくなったのは、

いったいいつから?

そんなこと聞いてないし・・・

「ETC車載車は割り引き」と打ち出して、

いったいどれほどのETCを売りまくったことか?

「これは政府とメーカーサイドとの陰謀かぁ?」と、

正直疑わざるを得ない。

 

金曜の夜8時過ぎに日勝峠の7合目着で「かんぱ~いっ!」。

そしていつも思う、「いやあ、辛くても前泊予定でここまで走ってきてよかった」と。

ところが翌朝起きて『沙流岳』に向かって林道を歩き出してガックリ。

林道に架かる橋が流されていた。

この一帯に甚大な被害をもたらした台風が2年前。

その後1年を経過して昨秋通行止めだった日勝峠が開通した。

それから1年も経過し、何度も日勝峠を走っていると、

何もかもが流されてしまったことを忘れてしまう。

この林道に架かる橋もその時に流されたのに、全く頭になかった。

この辺りは上流部であるが、沙流川である故結構な水量がある。

靴中を濡らさずに渡渉することは不可能なので断念した。

だったらどうする?

 

ずうっと気になっていた廃道に向かう『0の山』の登山道が、

その後どうなったかを検証することにした。

『0の山』の登山道が廃道になると確信したのは今年の5月、

Toshi、Hiromiと3人で金山湖畔ホテル「LARCH」泊で登った際だ。

その時の記録》

 日勝峠を日高町側に下ってひた走り、

金山湖の「LARCH」そばに駐車し、

準備をしてスタートしたのが9時半だった。

天候はまあまあ晴れ模様。

もう広葉樹だけではなく、

カラマツの葉さえも落ちてしまった樹林帯は、

日差しを遮るものがなく明るい。

『0の山』に向かう林道にはゲートがなく、

常に開放されており、どこまでも車を乗り入れることができるのだが、

それでは歩く距離が短くなってつまらない。

登山ポストを過ぎ、林道から登山道への入口に達したが、

何度もくり返し登ってきた私でも、

笹が密生していてそこが入口なのかどうかわからない状況だった。

しかし間違いなく入口だ。

その手前に新たな踏み跡ができていたので入ってみたものの、

すぐブッシュの中に消えてしまった。

う~ん、どうするか?

この程度の山、それであきらめて撤退するわけにはいかない。

そのまま林道を進み、薮が薄そうなところをめがけて登ることにした。

頂上直下を通り越して、北側から尾根に取り付こうとしたが、

笹の背丈が結構高い上に濃い。

それならばと、林道を少し戻って頂上南側の東向き急斜面を登って、

頂上手前の登山道に出ることにした。

斜面に取り付いてしばらくは枯れたイタドリの林を登って楽をしたが、

その後密生した上に、融けかかった雪を載せた笹薮に飲み込まれた。

笹薮の先が全て斜面の下方に倒れかかっているので、

登る我々にとってはひどい抵抗となる。

それでも力のある私はいい。

ジリッ、ジリッと進んで行ける。

しかし、生意気な口をきいていても、

Hiromiはやはり女性だ。

強い笹の抵抗に耐え切れず、

「もうのぼれなーいっ!」と泣き言を言い出した。

それを聞いては行動を速めるしかない。

そんなところで引き返したくはないので、

Hiromiを無視し強引に登って登山道に出た。

しかし登山道も笹が密生し、その面影すら残っていなかった。

とにかく頂上でひとり記念撮影。

写真に収まるのが好きな64歳なのよねえ~

そして笹の斜面に戻ろうとすると、

何か叫び声が聞こえてくる。

Hiromiがなんだかんだと叫んでいるようだ。

笹の海に身を投じると、間もなくHiromiの頭が見えた。

「おいっ、もう下りれえ~」

「いや、待っててくれるんなら登りたい」

と言うことで、また登り返して頂上へ。

ようやく二人揃って記念撮影。

思えばこの頂上ではToshiも含め、

いったい何度記念撮影をしたことか・・・

Hiromiの通算「500回登山達成」の山もここだった。

そんな山が廃道だ。

 

 この頂上付近から眺める金山湖が美しい。

そんな風景を眺めながら、

かつて登山道があった笹の海を下り、急斜面に突入。

下りは笹の根元から先に向かって足を運ぶことになるので大変楽だ。

それでも後ろで時折Hiromiの悲鳴が聞こえる。

「あうっ!」、「ああっ!!」

笹の茎に滑って尻餅をついての悲鳴だ。

 

 林道に下り立ってからは、

半ば放心状態のような様子で淡々と下るHiromi。

手には融けかかった雪でぐっしょりと濡れた冬用手袋が下げられている。

それでもこの日は残り少ない小春日和。

12時半、駐車地。

 

 『0の山』の登山道が廃道になったのは残念だ。

しかし地元南富良野町は日勝峠と同じく、2年前の連続台風で甚大な被害を被った。

現在はまだ復興への途上にあり、

年間何人の登山者が利用するのかわからない、

登山道の草刈りをしている余裕なぞあるはずがない。

薮漕ぎ大嫌いの私でも、この程度の距離ならたいして負担にもならないので、

この山はこのままでいいのだろう。

但し、藪漕ぎ登るのはダニがいなくなったこの季節限定だ。

 

 

コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )

2018.11.11 『781mP』  南ふらのスキー場を登る

 

 土曜の午後金山湖に移動して入浴したものの、

雨が降り出してなかなか止まない。

そんな嫌な雨は夜まで続いた。

そして天気予報をチェックするも、

翌日曜日も天候がパッとしない。

そこで、かねてより登ってみたいと思っていた、

「南ふらのスキー場」の斜面を登ってみることにした。

我々は広々としたスキー場を登るのが大好きだ。

「南ふらのスキー場」は「富良野」が平仮名表記だ。

これは地理院地図でも平仮名表記となっているので、

それに従って表現することにした。

 

スキー場の麓から見るピークは近い。

それでも初めて登るスキー場はワクワクする。

このスキー場の最高標高点は、

地理院地図によると781m。

 

 日曜日の朝、いつも通り目覚ましをセットして起床したが、

Hiromiは全く起きる気配がなく、ピクリとも動かない。

ひとりエアマットをたたむのだが、

そんな私の気配にも反応がなく、

シュラフの中に頭までスッポリと潜り込んで寝入っている。

そんなときは「こいつ死んでいたらどうしよう?」などと、

考えてはいけない不安がよぎる。

しかし、「起きれ!」の号令にすんなり反応した。

「ホッ・・・」

 

初めて登るが、距離は短いであろうこのスキー場は、

斜度がきつく下半身に結構な負荷がかかる。

つまり短い割にはいい感じぃ~

東から登る太陽が我々の背を温める。

きつい斜度をグイグイ登り、

背後にはアッという間に南富良野町の市街地風景が広がる。

その南富良野町は実にコンパクト。

ほんの僅かな面積に、この街の全てが集約されている。

なんだかほのぼのとした気分にさせられる。

ただ2年前の集中豪雨で、この街は大きな災害を受けた。

水害を受けて運休となったたJRは、

あれ以来開通していない。

南富良野町の鉄道は線路が真っ赤に錆びて、

レールとレールの間には雑草が茂っていた。

 

 スキー場には二本のリフトが施設されていた。

しかし、下からから数えると第二リフトは、

既にその営業を休止して時を経たようだった。

このスキー場も冬の訪れに備え、

斜面の全てで丁寧な草刈りを終えていたが、

第二リフトから上部にその手は加えられていなかった。

そして第二リフトの太くて頑丈なロープが地面近くまで落下していた。

ただ、かつてのスロープあとは平坦で歩きやすい。

薮漕ぎなぞ大嫌いな我々だが、

軽いブッシュを漕いで行くくらいは野性味があって面白く、先へと進む。

薄いブッシュ帯を登って行くと、

やがて第二リフトの終点に到着した。

その施設はもうボロボロで、足元の板もバラバラだった。

そしてその先は通称『タケノコ山』(1,039m)を経て、

『社満射岳』(1,063m)に続く稜線だが、

期待した踏み跡はなく、リフト終点から北側のピークに笹を漕いでよじ登った。

それが今回の最高標高点で、

HiromiのGPS数値によるとちょうど800mとなる。

地理院地図とGPSの誤差ってのは、

いったいなんなんだろうね?

まあ、さして気にもならんが・・・

 

 下山はまた楽しい。

南富良野町に吸い込まれるように下って行く。

スキー場の下部で針葉樹林の伐採作業が進められていた。

この日は日曜日だったので休止していたが、

大量のトドマツとカラマツの大木が、

切り倒されて集積されていた。

そんな場面に遭遇したHiromiが「う~ん、いい匂い!」

Hiromiは木を切った後の自然臭が好きだと、以前から言っていた。

 

 短い山行を終えて後始末をしていると、

ポツリポツリと雨が落ちてきた。

空を見上げると真っ黒い雲が覆いだした。

いやあ、絶妙なタイミングで山を楽しめた。

まだまだ午前中の早い時間ではあったが帰途に着き、

帰宅して洗濯ほかの後片付けをし、

余裕を持って早い時間から「サイゼリヤ」で乾杯!

今週も楽しかったねえ~

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2018.11.10 『トマム山』(1,239m)  広い世界をのんびりと・・・

 この週末は久しぶりに土日とも自由だった。

ところが天気予報は思わしくない。

東に向かうしかないのでそれに従って、

土曜の朝Hiromiを拾ってトマム方面に向かった。

そしてトマムに着くと、

『トマム山』が頂上までスッキリ見えていたので、

「だったら登りましょ」ということにした。

 

もう夏の観光シーズンを終え、

スキーシーズンを待つばかりのスキー場は静かだ。

おまけにスロープの全てが草刈りを終えて歩きやすい。

到着してスタートしたのがすでに10時だった。

それでも時間にゆとりがあるので、

ゆっくりゆっくり登る。

いや、速く登れない訳が他にあった。

それはシカのフンだ。

フンがそこらじゅうに点在し、

それらを避けて歩くのが容易ではない。

うっかり周りの風景に見入ってはいられない状況の中、

足元をしっかり確認しながら歩を進める。

シカのフンはその生息数が増えて行くのに従って、

年々広範囲に広がってきている。

 

トマムスキー場は最下部の緩斜面を過ぎると、

どこも長い急斜面が続く。

従ってその距離の割には登りごたえがある。

そんな急斜面を登って行くと、

グイグイ高度を上げ、

振り返るとヨーロッパの、

とある山村を思わせる美しい風景が広がる。

そしてその中に建つツインタワーが、

10年近く前に外壁の塗色を変えた頃は違和感があったものの、

今ではすっかり風景に馴染んでいる。

トマムは何度訪れてもいいところだ。

 

急斜面を登りきると、

ゴンドラの終着駅まで平坦地を歩く。

このゴンドラの終着駅が、

夏場「雲海テラス」として観光客で賑わうところだ。

そしてその近くに設置された新たな展望施設前に、

ゴンドラの夏営業が9月末日で終了したことを告げる貼り紙があった。

と、このときになって雨が降りだした。

そしてアッという間に、辺りはガスに包まれた。

それほど強く降るわけではないが、

雨は雨でやはりうっとうしい。

頂上にはわずかな時間滞在しただけで、即下山を開始した。

それでもゴンドラの終着駅に戻る辺りになるとガスが晴れ、間もなく雨も上がった。

そこでラーメンタイムをとって、

その後はたくさんの陽を浴びて急斜面を下った。

下りではまたシカのフンを踏まぬよう、慎重に足場を探る。

13時近く駐車地に戻った。

まだ十分時間があるものの、

今は午後4時半になるともう暗い。

明るいうちに車中泊地に到着したいので、

そのまま南富良野町に向かい、

「金山保養所」で汗を流した。

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2018.11.4 乃々と虎と遊んだ~っ!!  小春日和の素晴らしい一日

 一昨日の日曜日は久しぶりに「乃々と虎の日」だった。

先月は雨もようの日にあたり、外遊びができなかったため、

ブログにアップせずに終わった。

 

 日曜日の朝、いつものようにババと迎えに行った。

今回はSa~も休みが重なったので一緒だ。

いつもは車を30分ほど走らせて、

一旦我が家に連れてきてから外遊びに出かけるのだが、

今回は我が家がある江別市を通り越して長沼まで出かけた。

せっかくの晴天の下、子供たちを広い世界で遊ばせてやりたかった。

長沼にはたまらないほど広くて、緑美しい公園がある。

「長沼公園」だが、ここを今年の初夏、Hiromiがその存在を教えてくれた。

「乃々と虎を遊ばせるのにどうかなあ?」と言って。

一度そこを見に行った私はすぐ気に入ったのだが、

その後なかなか行くチャンスがなかった。

と言うのも、乃々に「広い長沼公園に行ってみるかあ?」と提案すると、

「何分かかるの?」、

「30分くらいだよ」、

「じゃあ行かない」

車の移動時間が嫌いなのだ。

それで今回は強引に走った。

ただ、「行ったらブランコがあるよ」と言うと、「ブランコがあるならいいやぁ~」

乃々はブランコが大好きだ。

  長沼に着いてまずスーパーに寄り、昼食を調達。

はっきり言うが、このスーパーは「ラッキー」で、「ラッキー」は惣菜がおいしい。

足りないと嫌なので、ずいぶんいろいろなものを購入。

ババがスーパーを出てから、「お店に行って食べた方が安かった」と漏らした。

  「長沼公園」はスーパーからすぐだ。

車から降りて乃々と虎が走る。

まずはブランコや滑り台の遊具に飛びつく。

それよりも私は広い芝生を歩きたい。

ここで気付いたのだが、虎は常に腕まくりをする。

袖がちょっと下がると、思いっきりまくり上げる。

そのことをSa~に伝えると、「どうも長袖が嫌いなんですよねえ~」。

なんにも教えていないのに、自ら妙な癖をつけるものだと感心する。

そんな虎が乃々の掛け声一つで走り出した。

「虎! お山行くよ!!」

「虎もおやまいく~っ!」

この公園には小山があり、なかなか面白い。

そして走る足元は優しい芝生だ。

転んでも怪我をせずに済む。

そして緑の小山を登ったり下ったり。

それだけでも楽しい二人。

空は澄み渡り、どこまでも青い。

そんな空を千歳空港に降りて行く飛行機が頻繁に飛来する。

その光景を初めて目にした虎は、飛び行く飛行機に目を奪われ、しばし呆然とする。

そうこうしているうちにみんな空腹感を感じ、

ちょっと早かったが芝生に備え付けのテーブルセットで昼食だ。

気持ちいいねえ、美味しいねえ~

みんなたくさん食べたあ。

そして「食べたらジジとババのうちに帰りたい」と言っていた乃々が、

満腹になったせいだろうか、またガンガン遊びだした。

ジジとババが虎の相手をしている間中、

ママと二人でじゃれあっていた。

その光景は大変微笑ましく、

乃々にもママと二人だけの時間がないとダメなんだな、と確信した。

虎にとっては見たこともない広い世界を駆け回ることができ、

乃々にとってもママとスキンシップを深められる良い機会を得て、

我が家へと車を走らせた。

車に乗ると助手席のババと、ママに抱かれた虎は即ご就寝。

乃々がママと到着するまで話していた。

 

 我が家に着いて、虎は砂だらけの洋服のまま、

虎の布団で眠り続け、乃々はママとの遊びの続きに没頭する。

そんな時間を借りて、私もソファーに座ったまま寝入ってしまった。

そして何分経過したのか、「ジジ!!」と呼ぶ声で目が覚めた。

虎が目覚めの一発で私を呼んだ。

その後家の中でボール遊びをしたり積み木で遊んだりし、

夕方札幌の自宅に送って行った。

もう日が短くなり、着く頃にはとっぷりと日が暮れていた。

帰り際に乃々が寄り目をして見せると、

虎が「ののこわい~」だと・・・

 晩秋の珍しく暖かな晴天に恵まれた一日を、

可愛い孫たちと楽しく過ごせたことに感謝し、ババと二人家路を急いだ。

いやあ、楽しかったなあ。

しかし、疲れたねえ~

それにしても、外遊びも晴れりゃあ100倍楽しい!

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

2018.11.3 『有珠山』(733m)  周遊ルートで雄大な風景を楽しむ

 この土日は珍しく素晴らしい天気予報!

こんな予報は今年最後ではなかろうか?

そして私はこの週末も土曜だけの山行。

  金曜の終業後、『有珠山』の登山口まで走った。

酒を飲む時間が遅れる、短くなると、愚痴をこぼしつつも、

そこに着いてしまえば、「ああ、頑張って走ってきてよかったぁ」と、

ホッと安堵する64歳。

このブログ中で以前にも触れているが、

加齢とともに早朝の運転がおっくうでたまらない。

だったら、前夜少々無理をしても走っておいた方がいい。

 

 土曜の朝5時55分、『有珠山』の広い登山口手前駐車場をスタート。

めっきり日が短くなった今日この頃、

まだ薄暗く、デジカメのシャッターが鈍い音をあげる。

シャッターのスピードが上がらず、ゆっくりモードで切れるため、

帰宅してパソコンに写真を落とすとブレブレだ。

そこは保険をかけて余分に撮ってあるから問題ないのだけれど。

 

 『有珠山』にはこの時期になると必ず登りたくなる。

それは美しい紅葉をもとめてのこと。

この山の裾では独特の紅葉を楽しめる。

辺りが黄一色に染め上げられるのだ。

それはそれは見事なもので、「黄金の回廊」と表現したくなる。

しかし今年は既に多くの葉が散ってしまい、

期待した素晴らしい光景は望めなかった。

紅葉自体がいつもの年に比べると、美しくなりきれなかったように思われる。

 

 遊歩道を登って行くと、外輪山まで1kmという地点で林道と交差する。

今回はこの林道を西に進んでみることにした。

私の勘では目指す方向に導いてくれるはず。

今回この林道歩きを決めたのは、外輪山に上がってから遊歩道を外れて進むと、

伸びた下草に付着した夜露で衣服を濡らすことを避けるため。

そしてそんな思惑は的中した。

林道は外輪山下部で西の端まで進み、北へ方向を変えた。

その後すんなりと、いつも外輪山から下降して降り立つ地点に到達。

そこでHiromiが「これ楽でしょ~!」。

と同時に目の前にヒグマの糞が現れた。

その量から察してかなり大きな個体のよう。

これには少々驚かされた。

ヒグマの糞なぞ頻繁に目にし、珍しくもないが、

今回は浅い山域と、それにしては大きな個体がそこに存在することに驚かされた。

しかもこの後「有珠新山」(669m)の西斜面に取り付くまでのわずかな間に、

ほぼ同量の糞の山が3箇所も見られた。

辺りは身を隠すもののない殺伐とした光景が広がる。

そんな中をこの糞を落とした大きなヒグマが堂々と歩く。

その光景を山の上から見てみたいものだ。

  7時20分、CO.450で「有珠新山」の西斜面に取り付いた。

西斜面を直登すると斜度がきつく、足元も崩れやすいので、

一旦北側に回り、しっかりと草のついた斜面を登る。

この急登は見た目ほどきつくも長くもないので、淡々と登って行く。

そして背後には青い洞爺湖や白い『羊蹄山』の風景が広がる。

 

 7時50分、「有珠新山」。

ここに立つと南の外輪山側に荒々しい風景が広がる。

そんな光景を目にしたあとは北東方向にそびえる「大有珠」(有珠山)を目指す。

踏み跡も何もないが、草地なので自由に歩ける。

なるべく草が邪魔にならないところを歩き、最後は岩石帯を慎重に詰めて、

8時20分、『有珠山』(大有珠)。

天気予報通り素晴らしい晴天で、360度遮るもののない頂上から、

雄大な風景を堪能する。

そして登行時間が短いため、空腹感がないのでそのまま下山を開始した。

下山はかつて踏み跡があったガレを下る。

ところどころにピンクテープが付けられていたので、

今でも登る人がいるようだ。

急なガレを慎重に下り、一旦火口原に降り立つ。

枯れたすすきの火口源を縦断して南の外輪山に上がった。

9時20分、外輪山展望台。

その後林道を伝って下山。

10時05分、登山口。

この登山口に戻ってちょうど一周してきたことになる。

いいルートだ。

10時10分、駐車地。

そこには10台の車が止まっており、

その多くがこれから登るというスタイルだった。

「早くにスタートしてよかった」、と思える光景をあとにして帰途に着いた。

晴れりゃあ山は100倍楽しい!

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )