北海道の山野でとことん遊ぶ!!
I am Amigo!
2019.3.30 『トマム山』(1,239m) 純白の美しい峰を登る
3月も数日を残すだけとなった先週後半に、
3日続けて結構な降雪があった。
スキーで滑るには喜ばしい降雪だが、
スノーシューを主体に登る我々にとっては、
季節外れの厄介な新雪となった。
金曜日の夕方、Hiromi を拾ってトマムに向かった。
占冠で道東道を降りて道道へ。
占冠村を抜けてしばらく走ると、
雪が降りだし、しかもかなり強い降り方だ。
車道は圧雪状態。
トマムを目指したことを後悔した。
土曜の朝、JRトマム駅近くで目覚めると、
青空が広がっており「ホッ・・・」。
トマムだと登る山は色々あるので、
目覚めてから情況を見て決めることにしていた。
前夜のひどい雪はその後、
短時間で済んだようで助かった。
7時20分、『トマム山』を目指して駐車地をスタートした。
駐車地から見上げる純白の『トマム山』に惹かれた。
ただこの時点では『トマム山』に登ったあと、
『落合岳』を往復するつもりだった。
今回のルートは『トマム山』から南に派生する尾根だ。
駐車地からすぐ『トマム山』の裾に入る。
すると「鵡川」を渡る広い橋が現れる。
このルートから最後に登ったのが、
もう10年ほど前になる。
この間にいくつもの災害に見舞われてきたので、
正直橋が崩壊しているのではないかと心配していた。
しかし広く頑強な橋は顕在であった。
この橋を渡ると古い林道が続くものの、
今は使用されていない様子で荒れ果てていた。
そんな林道をすぐに離れて樹林帯に入る。
傾斜がある広い尾根はなかなかきつい。
そして高度が増すほどに、新雪の深さも増す。
Hiromi とラッセルを交代しながら登る。
そして8時40分、
CO.823で森林限界となり、
前方に目指す『トマム山』が姿を現す。
しかし雪は益々深くなり、なかなか進まない。
広かった尾根は細くなり、
東隣りの尾根にトマムスキー場のスロープが見える。
頂上直下の南斜面にはスキーのシュプールが賑やかだ。
スキー場の最上部に設置されたリフトから降りて滑ったスキー客たちのものだ。
この尾根の登行は西風が冷たく、
山はまだまだ冬であることを思わせる。
前方に見える純白の『トマム山』が美しい。
スノーシューを飲み込む新雪はきついが、
その新雪が早春の峰に雪化粧を施した。
一歩一歩ゆっくり歩を進め、
9時40分、『トマム山』。
その昔、積雪期に快晴のこの頂上にたった日のことを思い出した。
そして次に目指す『落合岳』はまだ遠い。
深いラッセルを無理して進むことはやめ、
この日はここでよしとすることにした。
しかしHiromi にとっては積雪期における、
初めての『トマム山』だ。
満足そうなその表情を見て下山を開始。
周りの風景を楽しみながら、
ゆっくりゆっくり下っても、
下山はやはり速い。
11時ちょうど、駐車地。
下山後翌日の天気予報を確認すると、
トマムは雪の予報だ。
それで夕張まで戻ることにしてトマムをあとにした。
2019.3.24 『鬼首山』(641m) 雪の日は夕張へ!
この週末は土曜日が出勤だ。
これからGWまでは日曜日しか休みがなくなる。
ただかろうじて30日だけは休みを入れてある。
今の勤め先でアルバイトを始めて、
今月中旬でまる3年となった。
早いものであり、
繁忙期の土曜出勤もそれなりに慣れた。
しかし、4月の週一休みは辛い。
昨日の終業後、Hiromiを拾って夕張に向かった。
この週末は先週に続き、
浜益を目指すつもりだったが、
天気予報が悪すぎて、
また夕張の山に登ることにした。
2年ぶりに『874m峰』に登ることを予定したが、
今朝旧「石炭の歴史村」近くで目覚めると、
外は雪模様だ。
Hiromiに「おい、どうする?」と尋ねると、
「短い山行こ!」、
即『鬼首山』に決定!
『鬼首山』には毎年登っているが、
今年は麓に通じる農道の除雪がされなかったため、
様子を見に行っては諦めていた。
それが2月下旬から続いた高温で路面が現れ、
ゆっくりであれば走れるようになった。
7時40分、『鬼首山』頂上を西に見る地点の駐車地をスタート。
ツボ足でのスタートだ。
但し、樹林帯に入ってからツボ足では無理であろうことと、
下山時に腐れ雪に苦しめられることを想定し、
スノーシューを背負った。
ところが樹林の中に入り、
濃い樹木の影になる部分を歩いても、
ツボ足で全く問題がなかった。
いや、かえって快適でスタスタ登れる。
これで天候が良ければ言うことなしなのだが、
その天候がひどい!
スタート時点で既に降り続いていた雪が、
登るほどに激しさを増し、
二人の頭やザックに積もっていく。
カメラが濡れるので、
写真撮りもおっくうになる。
あとで聞いた話しだが、
この時点でHiromiは下山したくなったそうだ。
一週間に一回しかない貴重な休みなのだから、
雪なんか降らさずにおとなしくしていて欲しいものだ。
登る辛さより、うっとうしい降雪に耐えながら登り、
8時50分、CO.610で稜線に上がった。
ここはなかなかの稜線歩きが楽しめる。
そして西に向かってきた進路を、
稜線の方向に従って北に変える。
小ピークを二つ越えた先に『鬼首山』がある。
9時05分、『鬼首山』。
激しい雪はこの時になってぴたりと止んだ。
いつもはここから同ルートをたどって下山するのだが、
今日は下山ルートを北の尾根としてみた。
この尾根は傾斜がきつく、
Hiromiの滑落を心配する場面もあった。
いや、滑落することはないのだが、
斜度にビビるHiromiの心が怖い。
しかし何の問題もなく下り、
駐車地近くの農地に当てた。
10時15分、駐車地。
思いがけなく登るチャンスを得た今冬の『鬼首山』であったが、
その短い行程にもかかわらず、
やはり夕張の山は面白い。
また来シーズンも登ることになるだろう。
2019.3.17 『754m峰』(夕張・登川) 人知れずひっそりとたたずむ静峰へ
『754m峰』は夕張市登川に端を発し、
シューパロ湖まで続く長い稜線上の尾根の途中に、
静かにたたずむ山だ。
麓からその姿を望むことはできないが、
南の石勝樹海ロードで貫かれた、
登川トンネルの上部に登ると、
その端正な姿を目にすることができる。
二年前に初めて登ったが、
あまり天候が良くなかったので、
晴れた日に登ってみたいと思ってきた。
今回の週末は、
土曜日が終日雪模様でつまらなかった。
土曜日は天気予報が悪かったので、
ゆっくり出で短時間で登れる山を選定した。
そして石狩市浜益区に向かって車を走らせると、
青山ダムを過ぎた辺りから、
急に路面の積雪量が増えだし、
30cm近くに達してしまっていた。
それでは山に入っても、
長くはあるけないので、
そのまま走り続けて一旦帰宅した。
その走行距離180km。
ただ燃料と労力を無駄に使ってしまった。
そんなときは気を取り直して馬追丘陵へ。
Hiromi とトレーニングと割りきるも、
たった254mしかない『長官山』でさえ、
上部がガスで見えない。
Hiromi は「こんな日もあるさ」とポジティブ発言をするが、
もう繁忙期に入るため、
土曜休みがなくなる私としては、
なんともやりきれない。
『長官山』を下りて夕張に移動し、
「レースイの湯」で汗を流したあと、
登川まで走って車中泊とした。
日曜日の朝7時ちょうど、
登川の公営団地内の駐車地をスタートした。
このルートはアプローチなしで尾根に取り付ける。
日中は気温が上がってベタ雪となるが、
朝はまだ雪面が凍りついて、
スノーシューのアイゼンがよく効く。
北に向かって伸びる尾根を登っていくと、
やがて急斜面となり、
それをなんとかかんとか登りきり、
8時ちょうど、CO.490で稜線状の尾根の頭に出た。
その後は多少蛇行する尾根を北に向かって登って行く。
雪質がところどころで最中状となり、
スノーシューが飲み込まれてしまい、
登るのに四苦八苦する場面があった。
しかし9時05分、「656mP」で、
右前方に目指す『756m峰』の頂上部を視認すると元気が出る。
美しく穏やかな頂上部だ。
そしてここで突然尾根が広くなり、
白樺の樹氷が青空に映えて美しい。
美しい風景に見とれて歩を進めると、
すぐにまた細尾根となる。
細尾根の急登ではHiromiが少々苦戦したが、
もう泣き言を言うことはない。
この尾根の終盤は広い大地となり、
背後には真谷地方面の視界が一気に広がる。
9時45分、「710mP」。
ここに立つと東となりに目指す『754m峰』が、
ドーンと姿を現す。
このピークから一旦深く下り、
約80mを登り返す。
最後の登りではあるが、これがきつい。
登るほどに斜度が増し、
スノーシューでは最中雪の表面が固く、
アイゼンが効きにくくなる。
それで残り50mほどをツボ足で登ることにした。
しかし、これがまた大変!
最中雪の表面を踏み抜いて、
膝まで雪に飲み込まれる。
それが一歩一歩のアルバイトとなるので、
わずかばかりの距離をなかなか登りきれない。
それでも一歩一歩歩を出せば、
いつかは必ず到達する、頂上に!
10時20分、『754m峰』。
やっと晴れた日の『754m峰』に立てた。
頂上は細い白樺で覆われているため、
一部の展望しか効かない。
それでもひっそりとして静かないい山だ。
頂上直下で早めの昼食とし、
下山は滝沢川を下ることにした。
雪崩の危険はあるが、
気温がそれほど高くはないので積雪は安定している。
また下山に登行尾根を利用しても、
細尾根での滑落の危険がある。
どちらも危険であるならば、
時間が短い方を選択する。
また、沢筋の様子も見ておきたかった。
沢筋を淡々と下り、
12時30分、駐車地。
う~ん、満足!
夕張の山で納得の行く山行ができたことに、
Hiromiと二人で感謝!
そして仕上げはもちろん「サイゼリヤ」。
この日はToshiも誘って、久しぶりに話しがはずんだ。
2019.3.10 『別狩岳』(666m) 今年も恒例の山に登る
積雪期には登りたい山がたくさんある。
しかし、登らないではいられない山もある。
私にとって、それが南の『別狩岳』だ。
もう10数年前から毎シーズン登ってきた。
日帰り山行には手軽であり、細尾根登行のスリルが楽しめる上、
増毛山地や浜益一帯の山、樺戸山地の展望が欲しいままだ。
土曜日は青山ダム付近で車中泊し、
日曜日の朝7時05分、
青山ダムから数キロ当別寄りの駐車帯をスタート。
ここを起点にこの山の山頂を往復するのが最短距離となる。
スタートして当別川に架かる唯一の古い橋を渡る。
ただ、この時期はまだ川が凍結しているので、
どこでも渡ることができる。
スタートしてすぐにスキーのトレースが現れた。
続いてツボ足の跡も。
以前は誰も登った気配がない中を登ったものだが、
増毛山地同様、インターネットやGPSの普及とともに、
多くの登山者が入るようになった。
雪面は気温が高く緩んでいるものの、
適度に締まって歩きやすい。
最初はスノーシューを背負い、ツボ足だったのだが、
やはりまだ早くスノーシューの方がはるかに楽だ。
送電線下の広い大地を西進すると、間もなく樹林帯に入る。
樹林は落葉樹からすぐ針葉樹に変わる。
植林された濃い針葉樹林帯を進むと、
やがてまばらになり、先の見通しが効くようになる。
もう随分回を重ねて登ってきた山なので、
ルートは明確に記憶されている。
もう10数年前に動物的勘だけを頼りに入山し、
ミスすることなく確立したルートだ。
小尾根の頭をつないで進むと、
CO.270で尾根が切れて桂沢川に吸い込まれる。
そこで一旦桂沢川の枝沢の底まで70mほど下る。
そして西の大きな尾根の末端に取り付く。
これがなかなかの斜度できつい。
その尾根に取り付くと、今度は急登に耐えながら、
一気に約400mの標高差を稼ぐことになる。
淡々と歩を進めるも、天気が良いと登行の苦痛が小さくなる。
疎林の中の登りはCO.500で一気に前方の視界が開け、
純白の大地が広がる。
これを登って行くと、
背後に樺戸山地の雄大な風景がどんどん広がっていく。
そして今回はこの広い斜面に亀裂がない。
昨年はもっと早い時期に深い亀裂が走り、
それを避けて歩くのが大変だった。
それが見られないというのは、今冬の積雪の少なさを物語っている。
雪が多いとその重量に耐え切れず、
急斜面に堆積した大量の雪がずり落ちて亀裂を生じる。
おかげで久しぶりに純白の美しい斜面を目にできた。
8時50分、「586mP」。
ここから見る樺戸山地の風景が素晴らしい。
そしてここでの色々な思い出が蘇る。
もうずいぶん昔になるが、ここで昼食と思った途端、
誤ってコッヘルを転がしてしまい、
谷底まで回収に下ったことがあった。
またあるときはクレバスに大鹿が落ちて、
そこから抜け出せないでもがく姿を見た。
「586mP」を過ぎると、いよいよこのルートの核心部となる。
そしてここから先には人が入った痕跡は見られなかった。
尾根は進むほどに細くなり、
ここでも積雪の少なさが痩せ尾根を、
いつもの年より更に細くしている。
Hiromiの滑落を心配しながらの登行だ。
それでも私が先を登ってステップを切ってやると、
泣き言を言うこともなく、慎重に危険箇所をクリアした。
以前のHiromiなら
「こんなとこ登ったらおりれないよ~」と、
泣き言を口にしたものだ。
無難に細尾根の登行を終えると広い稜線に出る。
そして頂上が100mほど先に見えている。
9時30分、『別狩岳』。
360度遮るもののない風景が広がるものの、
なんだかぼんやりと霞んでいる。
またPM2.5に覆われているのだろうか?
細尾根の下降もまた心配なので、
頂上に長居することなく下山を開始。
滑落の危険が高いところは巻いてクリア。
10時10分、再び「586mP」。
また雄大な風景を眺めながら下る。
樹林帯に入ってから早めの昼食を摂り、
楽しく下って、
11時30分、駐車地。
いやあ、晴れていると余計楽しいわ~
二人して大満足の二日間に感謝して帰途に着いた。
そしてもちろん仕上げは「サイゼリヤ」で
カンパーイッ!!
そしてこの日のが、
私にとって通算3,400回目の山登りとなった。
2019.3.9 『鳥越山』(669m)~『630m峰』~『700m峰』 樺戸山地未踏の鋭鋒に挑む
東側から樺戸山地を眺めると、
南の『分監山』(460m)と、
左奥は『三角山』(708m) 中央が『700峰』 右端は『686m峰』 手前の鋭鋒が『630m峰』
北の『樺戸山』(890m)のほぼ中間に、
ピラミダルな山容を持つ山が三山目にとまる。
そしてそれを『鳥越山』から『樺戸山』への尾根歩きで眺めると、
何とも言えず登行意欲が湧いてくる。
その光景はずいぶん昔から目にしてきたのだが、
これまで足を踏み入れずにいた。
深いアップダウンを懸念してのことだったが、
あまりにも時間が経ちすぎた。
今回は迷うことになく挑んでみた。
金曜の夕方Hiromiを迎えに行き、浦臼町まで走った。
この時期いつも車中泊する地点に着いて「のどごし生!」。
土曜の朝6時30分、駐車地をスタート。
まずは二週間前に登った『鳥越山』を目指す。
暖気が続いたので、足元の雪はそこそこ締まっていて歩きやすい。
天候が予報とは裏腹に、
どんよりとして気分が晴れない。
二人してほとんど無言で歩き、
8時20分、『鳥越山』。
風が強い。
頂上をスルーして『樺戸山』に続く尾根を登って行く。
強風に耐えながら尾根を進むが、
「これはちょっとしたら撤退になるかも・・・」という、
ひじょうに嫌な思いがよぎる。
8時55分、CO.770で明瞭なピークに立つ。
ここから南に伸びる稜線にのる。
単純に「のる」とは言ってみたが、現実は急下降だ。
一気に170m下り、このルート中の最低標高点に下り立つ。
クラストした急斜面の下りはなかなかきつかった。
そんな下りを終えると、前方に『630m峰』が望まれる。
時間をかけずにスタスタ登り、
9時25分、『630m峰』。
初登の峰はこの界隈にあっては高度が低いものの、
樹木が開けたピークをもつ山だった。
『630m峰』をあとにして進む稜線は、
アップダウンの連続だ。
積雪の深いところもあり、スピードは上がらない。
そして歩を進めて行くと、
前方に『700m峰』が姿を現す。
その山容はとにかく鋭角で、
スノーシューではとても登れないように見える。
しかしザックにはピッケル、アイゼンを用意したので心配ない。
ところが更に近付いてみると、
遠くで目にしたほど傾斜はきつくなく、
そのままスノーシューで登行した。
ただ、頂上目前で滑落危険箇所となり、
アイゼンを装着し、スノーシューはその場にデポ。
10時25分、『700m峰』。
ずいぶん長いこと登りたいと思い続けてきたピークに、
何事もなくHiromiと二人で立てたことに感謝!
このピークから空知平野を眺めたかったが、
発達した雪庇を踏み抜く危険があるのでやめた。
その後、次なる『686m峰』を目指して進むも、
稜線は地形図で見るより急峻で細く、おまけに雪も深い。
足元の雪はもう少し締まっていると想定したのだが・・・
Hiromiとしばらく格闘したが、
『686m峰』の姿を確認した地点で引き返すことにした。
南隣りには容姿端麗な『三角山』(708m)が鎮座している。
復路はきつい。
アップダウンを越えて「770mP」への登り返しが大変だ。
それでもHiromiは元気だ。
クラスト斜面にスノーシューのアイゼンを突き立てて、
元気一杯スタスタと登って行く。
そして登るほどにまた冷たい風が強くなる。
12時15分、「770mP」。
ここから『鳥越山』へ戻る途中、
風を避けられるところで昼食とした。
昼食後の13時05分、再び『鳥越山』。
相変わらず空がどんよりと重苦しく曇り、
下界の風景も同様に暗い。
あとはもう淡々と下るだけだ。
『鳥越山』からの下りに入って、
ようやく足元の雪が緩み出した。
気温がプラスに変わったのだ。
そして14時20分、駐車地。
総行程8時間ちょうどの、
久しぶりに長い山旅を終えた。
ようやく重い腰を上げて、
登りたかった山に登れたことに感謝しつつ車を走らせた。
まだ時間があったので、
先月他界された我が恩師の奥様を訪ね、
その後の様子を拝見。
元気そうではあったが、
恩師が亡くなられたあとの諸手続きに疲れ、
食物が喉を通らないとこぼしておられたことが今も心配だ。
2019.3.3 『807m峰』~『840m峰』(夕張・鹿島) 夕張市の800m超峰 全12座完登!
昨日の朝、夕張のシューパロ湖畔で目覚めた。
もう夜間の最低気温が高くなり、
エンジンがかからないという心配がなくなった。
そしいて外に出ると快晴だ。
ただ、PM2.5は多少薄くなったものの、
まだ大気中にかなりの濃度でただよっており、
シューパロ湖の東に美しい姿を見せる『夕張岳』がぼやけている。
以前はそういう外的要因を気にもしなかった私だが、
今は気にするばかりではなく、
気をつけなくてはならない年齢となった。
このところ名の無い山にばかり登っており、
いったいどこのことかわからない方が多いと思う。
しかし、名が付けられていない山にも素晴らしいところがたくさん有り、
積雪期だからこそそういう無名山歩きを楽しめる。
そして人に出会うことがないというのが、
こうした行動の中で最大の楽しみかもしれない。
今回は夕張市街地に隣接した山間部における800m超峰全12座のうち、
最後に残っていた未踏の2座への挑戦とした。
この12座だが、今年の1月までは9座だと信じていた。
ところが先月の山行で新たな2座を発見し、
この日にまた予期せぬ1座に立ったことで、
全12座と確信するに至った次第だ。
地形図で夕張市街地に隣接した山間部を眺めていると、
800m超峰が8座見て取れる。
この800m超峰に共通した点が、
いずれも800m以上ではあるが、
900mには満たないということ。
これは面白いと興味を持ち、
全山に登ってみようと思いついたのが3年前か?
また、それらには地理院地図上で標高点の高さが示されている。
そして残りの4座は実際に登ってみて、
周囲の山と比較し800m超峰と確信して帰宅後、
等高線からその高度を拾ったものだ。
昨日の朝7時05分、駐車地をスタートした。
すぐにカラマツの見事な林を通り抜けた。
植生がトドマツの樹林に変わると、
間もなく急登が始まる。
前日のモナカ雪とは違い、
そこそこ締まってグイグイ高度を稼げる。
尾根筋はCO.620で一旦平坦になる。
そしてそこで初めて進行方向に、
目指す『807m峰』の姿を木の間越しに捉えることができた。
そのピークに立つことを楽しみに更にグイグイ登って行く。
頂上直下の急登では背後の視界が一気に開け、
自然の雄大さと高度感を楽しむこととなった。
8時40分、『807m峰』。
本当はここで800m超峰全座完登のはずだった。
いやいや、そこで完登したつもりだった。
しかし時間も早いので稜線を北に進み、
『850m峰』を回って下山することにした。
ところが晴天の中、稜線歩きを楽しみながら進んで行くと、
頂上部分が平坦な峰が見えてきた。
地形図でその存在を読んでいなかったので、
「あれぇ、変だなあ・・・」という思いでそこに立ってみると、
先ほどそのピークに立ち、後方にまだ見えている『807m峰』より明らかに高い。
そして目指していた『850m峰』は稜線の北に見えている。
HiromiにGPSで確認してもらった。
すると840mを超えていた。
はっきりしたピークを持つこの峰も、
800m超峰の一座であることは間違いない。
そこでこのピークも含め、
夕張市の市街地に隣接した山間部における「800m超峰」は12座と結論ずけた。
帰宅して地理院地図でこのピークを確認すると、CO.840であった。
9時20分、『840m峰』。
新たな800m超峰発見でHiromiと握手!
そこで『850m峰』への進行はとりやめ、
『840m峰』から東に下った。
すると素晴らしい光景に出会った。
広いところ大好きの私が好む一大オープンバーンだ!
来シーズンはHiromiとここをスキーで滑ろう。
その後稜線上から見て読んでおいた尾根筋を下って、
10時20分、国道452号線に下り立った。
それから国道脇を2kmほど歩いて、
10時50分、駐車地。
いやあ、満足満足!
「800m超峰」全12座完登 の喜びを胸に、
夕方「サイゼリヤ」でかんぱーいっ!
って、こんなことで喜んでるの、私とHiromiだけだけどねえ・・・
私と一緒に登り続けてきたHiromiもまたこの日12座完登なのだ。
夕張大好きの私だからこだわっていることではあるが、
今度は700超峰に絞ってみようか・・・
夕張市街地に隣接した山間部における800m超峰は次の12座となる。
(1)「874」、「835」、「832」
(2)「800」、「810」、「807」、「829」、「807」、「840」、「850」、「820」、「836」
※先月まで「833m」と思っていたピークは地理院地図で「820m」等高線
で示されているため、ここで訂正させていただいた
※上記(1)は夕張市旧石炭の歴史村東奥に連なり、
(2)はシューパロダムに端を発して北に伸びる稜線状の長い尾根上に点在する
また、上記の順列は南から北に向かってのもの
2019.3.2 『936m峰』 PM2.5に翻弄されて・・・
今回の週末は、
金曜の夕方出て石勝樹海ロードを走り、
モトツトンネル手前で車中泊。
その車内で耳にする天気予報から、
嫌な注意報が聞こえてきた。
「PM2.5の値が上がる可能性がありますので、
長時間の外出は避けて下さい」。
そこでHiromi と、
朝起きてひどいようなら山行を中止することにした。
土曜の朝7時05分、
オコタン橋手前の駐車地をスタートした。
この時点では『ハッタオマナイ岳』を目指すつもりだった。
ところが・・・
スタート地点から東の斜面に取りついて登る。
しかしこの斜面はかなりの斜度があり、
それを一気に登って500mの高度を稼ぐ。
更にこの日は期待した雪質が得られず、
最中雪に悩まされた。
急斜面でサラサラと崩れ落ちる雪に、
スノーシューが流され、
さっぱりスピードが上がらない。
そして背後に見え出す風景がひどい。
スモッグがかかったように、
黒ずんでぼんやりとしている。
PM2.5だ。
そんな光景を目にする前から、
前夜の天気予報で言っていたことが、
頭から放れなかった。
そして実際にPM2.5に侵された大気を目にすると、
胸に違和感さえ感ずる。
それで決めた、途中で撤退することを。
また、この急登でちょっとしたハプニングがあった。
ほぼ中間点で休憩したところ、
Hiromiが背中からおろしたザックを転がしてしまった。
ザックは固く締まった南向きの急斜面を、
アッという間に転がっていってしまった。
そして運良く50mほど転げ落ちたところで、
雪の塊にぶつかって止まった。
それを見たHiromiが慌てて、
ストックを持たず、手袋も外したままで追いかけようとする。
大声で制止してストックと手袋を渡した。
全くいつまでたっても素人くささが抜けないやつだ。
8時50分、CO.990で稜線に上がった。
この稜線を南進すると『ハッタオマナイ岳』に至る。
しかし時間がかかるそれは中止することにした。
ただそのまま下山する気にはなれなかったので、
稜線を『ハッタオマナイ岳』とは逆の北に進んでみることにした。
以前からこの北に向かう稜線は興味を抱いていた。
稜線を歩き出すとPM2.5だけではなく、
ガスが出てきた上に雪も降りだしだ。
狭い稜線は少し進むと広くなり、
『936m峰』の姿が見えた。
続いて一旦深く下って、
9時30分、『936m峰』に登り返した。
そしてその先は視界が効かない。
そこで引き返すことにして稜線を戻る。
苦労して登った急斜面も、
下りとなれば楽なもので、
スタスタ下って、
10時45分、駐車地。
それから夕張まで戻ったが、
車窓から目にする風景は、
やはり黒ずんでぼんやりとしていた。
まだ時間が早かったので、
何もなければ『鳩ノ巣山』にでも登るところだが、
ラジオからは相変わらず「外出は控えて」、
の呼び掛けが流れてくるので、
自らの健康を案じて自粛。
有り余る時間を昼寝、
次回山行のための下見等に費やした。
そして「レースイの湯」で汗を流し、
この夜の車中泊地であるシューパロ湖に向かった。