北海道の山野でとことん遊ぶ!!
I am Amigo!
2016.9.24 『上ホロカメットク山』(1,920m)~『三峰山』(1,886m)~『富良野岳』(1,912m)
この週末は土曜日、紅葉シーズンに合わせた山行とした。
土曜の朝少しゆっくりで、7時にHiromiを迎えに行き、十勝連峰を目指した。
前日は終日雨模様で、その雲の名残が山では午前中引きずるであろうとの予測で、出発を遅らせた。
そしてその予測は的中し、山ではいい思いをすることができた。
9時40分、十勝岳温泉登山口をスタート。
少し登ると辺りはガスに包まれ、ほとんど景色が見えない。
気温が高いので、私もHiromiもまだ短パン。
この紅葉の時期まで、1,500m以上の高山に短パンで登ったのは初めてだ。
それくらい北海道の気温はまだ高い。
スタートして間もなく目にする台風四連発の爪痕。
登山道に大量の水が流れたようで、深い雨烈ができていた。
安政火口に近い渡渉点も土石が流され、沢底が下がっていた。
ルートはD尾根に刻まれた登山道を進む。
急登だが木段が設置されており、距離も短い。
この登りで荒い呼吸をして苦しみながら登る数パーティーを追い越したが、
彼らはいったいいつ目的地に着くのだろう・・・
ハイマツと灌木のブッシュ帯を抜けて、視界が開けると同時にガスが抜け出し、
みるみる素晴らしい風景が広がった。
もうずいぶん見続けてきた風景なのにガスの中から現れると、やけに新鮮で感動を覚えるものだ。
Hiromiの口からも、感嘆の声が次々と飛び出す。
なんて言ってたか、忘れたけどねぇ~
11時10分、『上富良野岳』。
ここから一旦進行方向とは逆の『カミホロカメットク山』に向かう。
しかしそれは目と鼻の先で、
11時25分、『カミホロカメットク山』。
ここはひっきりなしに人が上がってくる。
すぐにその場を離れて『上富良野岳』に戻り、西の『三峰山』へ向かった。
昼も近いので、『三峰山』を目の前にして昼食。
この頃には再びガスが沸き上がり、辺りをすっぽりと包んでしまった。
昼食後進む『三峰山』は全てガスの中。
12時30分、『三峰山』。
ひどいガスに、「これは富良野岳もダメかな?」と『三峰山』を越えていくと、またまたガスが晴れ出した。
そして『富良野岳』の下部に至ると、『富良野岳』全体のガスが晴れた。
13時25分、『富良野岳』。
頂上にガスはなし。誠に不思議である。
いや、そういう時間的行程を組んだ己をほめてやったしだいだ。
と言うのも、我々が『富良野岳』からの下山を開始し、
『三峰山』北斜面の長いトラバースに入る頃には、またガスで『富良野岳』頂上部が見えなくなってしまっていたからだ。
ふと考えるとHiromiがこのルートから『富良野岳』に登ったのは、これが二度目だ。
最初は3年前に私との二回目の山登りのことであった。
Hiromiは通常風景写真を撮ることがない。
ところが今日はずいぶん山風景や紅葉の写真を撮っていた。
それくらい感動したということだろう。
話しはちょっとはずれるが、『富良野岳』の頂上に立つのは午後がいい。
午前中は『富良野岳』一座だけを目指す登山者であふれかえる。
そして皆昼前に下山していく。
だから私はこの山域を歩くときは、『三段山』、或いは『カミホロカメットク山』から入り、
『富良野岳』を最後にしている。
そうすると、ほとんど頂上に人がいることはない。
『三峰山』北側の長いトラバースを淡々と下り、更に黙々と歩いて、
15時15分、登山口。
Hiromi、「いやあ、今日も楽しかったぁ~!」。
2016.9.22 乃々と遊ぶ秋分の日
今日は乃々と遊ぶ日。
朝ババと乃々を迎えに行き、弟の「虎」の顔を見て帰ってきた。
先日乃々が「スライムを作る」と言って、ホウ砂を買ってくれというので
それを買うと、小さな箱の裏面に「スライムの作り方」と説明書きがあった。
しかしその時は他に必要な洗濯糊が近所の小さなスーパーにはなく、
今日までに用意して作ることにした。
「スライム」って知ってる?
それを作り終えた今でも私にはよくわからん。
ホウ砂液を作り、それに洗濯糊と色水を混ぜてかき回していると、次第に粘性を帯びて流動体となる。
ひんやりした感触はなんというか、気持ち悪い。
スライムができると、それにストローを入れて膨らませる乃々。
ババはスライムの色を明るいものにしたがったが、乃々は赤の次には「ブラック、ブラック」と言い張り、
結局ご覧の通りに。
スライム・・・???
わからん・・・
昼近くになってまた野幌運動公園へ。
乃々は野幌運動公園が好きで、「行くよ~」と言うと、すぐに「いいよ~」と返ってくる。
まずは到着後車中で腹ごしらえをし、外に出た。
今までさっぱり乗れなかったキックスケートに若干乗れるようになった。
札幌の街中に住んでいる乃々は、まだ自転車にも乗れない。
そしてトンボ捕り。
今日はこれに力が入った。
自分の手で網の柄を握り、自らの力で虫を捕ったことがない。
それを今日初めて体験し、勢いにのった。
面白くて仕方がない乃々。
虫かごがトンボでいっぱいになると、みんな逃がしてやった。
そんな乃々が次に興味を示したのがカタツムリ。
笹の葉の上に乗っていたカタツムリを見つけると、異常なほど執着し、ジーッと見つめている。
初めてかな? 殻にも触ってみた。
そんな様子を見ていると、街中に住んでいる乃々がかわいそうになる。
それからは「ジジきょうそうしよう!」と走り出したり、
ババと三人で押しくらまんじゅうをしたり、階段じゃんけんをしたりと、楽しく遊んだ。
そんな楽しい時を過ごして我が家に戻ると、ババは疲れてバタン!
ソファーで高いびき。
それからまた札幌の街中へ送っていった。
まだこのジジとババと楽しく遊べる乃々。
めんこいなあ・・・
2016.9.19 『写万部山』(499m)
18日『雄鉾岳』下山後、国縫(くんぬい)を経て美利河(ピリカ)ダムに向かった。
三連休最終日は『カニカン岳』に登って帰ろうと思ってのことだ。
まだ時間が早かったので、美利河温泉で汗を流す前に、登山口まで行ってみることにした。
それも、ちょっと嫌な予感がよぎっての行動でもあった。
そしてその嫌な予感は的中した。
美利河ダムから島牧に向かう道々を進む(10年ほど前に工事を中止して、開通には至らなかった)と、
ダムの湖畔に開閉式の大きなゲートがある。
5年ほど前、晩秋に訪れるとこのゲートが閉ざされて諦めざるを得なかった。
しかし今回はそれが開いていた。
ところが、そこから約1.5kmほど進んだところにバリケードがあり、
ご丁寧に鎖が巻かれて施錠されていた。
またしても・・・
更に過去の記憶をたどるなら、15年ほど前の忘れもしない11月3日、突然の大雪に見舞われ、
登山口をスタートしたものの、4合目で膝上の積雪となり撤退した思い出がある。
従って登ることを拒絶されたのは、今回で3度目だ。
『カニカン岳』にはつくづく嫌われているようだ。
そこで迷うことなく長万部温泉郷で汗を流し、『写万部山』の登山口に向かった。
『写万部山』の登山口は広く、誰もいない。
地面が綺麗なので、車中泊にも適している。
長万部辺りを車で走っていると、北東にやけに目立つ山がある。
頂上部はゆるい鋭角で、緑が美しい。
それが『写万部山』だ。
海抜がほとんど0mに近い位置から眺めるので、その標高の割には高く見える。
ただ、標高が標高だけに、短時間で登れる。
この美しい『写万部山』を私とHiromiは大好きだし、以前一緒に登ったことがあるToshiも好む。
最終日の朝はゆっくり起きて、
6時50分、登山口をスタート。
行程が短い山ではあるが、針葉樹林帯、白樺林と変化はある。
そして圧巻が、5合目辺りから開ける視界だ。
南側は遮るもののない光景が広がる。
内浦湾の風景をまるごと手に入れたようなものだ。
こんな標高の低い山で、これほどの展望が得られる山がほかにあるだろうか?
Hiromiともども、うっとりと景色を眺める。
7時35分、頂上。
そこから目にする山の名を挙げるとキリがないほどの山々が見渡せる。
Hiromiに「あの山は?」、「こっちの山は?」と質問すると、だいたいは当たらないが、
それでも随分わかるようになってきた。
そんな楽しい山も下りは速く、
8時15分、登山口。
楽しかった三連休の思い出を胸に高速自動車道を利用して一気に帰りつき、後片付けに追われた。
ガスで見えないこともあったが、おおむね素晴らしい山旅だったと総括できる。
山はいいぜぇ・・・
2016.9.18 『雄鉾岳』(999.5m)
三連休初日、『小鉾岳』から下山して八雲町で入浴し、
移動して『雄鉾岳』の登山口まで入って車中泊。
『小鉾岳』と『雄鉾岳』。
どちらも「おぼこだけ」と読み、その字のごとく頂上付近が鉾先のように鋭い岩稜帯となっている。
私のブログでは、山の標高の1m未満を四捨五入して表記している。
ところがこの『雄鉾岳』を国土地理院の地形図に照らし合わせて見てみると、
「999.5m」となっており、それを1,000mと表記するのは心苦しいので、
この山だけは正確な標高を記すことにした。
6時25分、登山口をスタート。
先行して入山した2組を間もなく追い抜き、快調に歩を進める。
初登のこの山に入山して知ったが、行程の殆どが沢登りだ。
靴中を濡らすことはいので、沢靴を必要とはしないが、渡渉に自身がない人は沢靴の方が安心だ。
Hiromiはあまり渡渉を得意としないが、今回だけはいつもよりスムーズだった。
左岸、右岸と渡渉を繰り返して徐々に高度を上げて行く。
前日から感じていたが、先日たて続けに襲来した台風の影響が、この辺りではあまり感じられない。
このルートでは何本かの倒木が確認されたものの、強風が荒れ狂ったという印象はない。
沢はやがて枝沢の小沢となり、水量が減って行く。
踏み跡はところどころ判然としない箇所があるものの、
注意深くルートファインディングを試みれば大丈夫。
小沢はやがて水が涸れ、それでもルートは枯れ沢の中を進む。
そして傾斜を増し、登行のスピードが鈍ると、眼前に頂上へ突き上げる大岸壁が現れる。
これは凄まじい迫力だ。
枯れ沢は岸壁に向かって右端に向かい、岸壁直下で登山道が左に向かってトラバースを開始する。
岸壁直下のこのトラバースが結構長い。
8時35分、ルンゼ下部。
ここからルンゼの急登だ。
一直線にクライミング要素の濃い登りが続く。
固定ロープは張られているものの、誰がいつ設置したものか不明なので、私は極力それに手を触れない。
それより自生する笹の方が信用できる。
そんな古いロープを頼りにHiromiは登るものの、地面が水分を含んでおり、岩がよく滑る。
大変危険なところだ。
このルートで出会った4組の登山者たちの足元を見ると、ハイキング用の靴やアップシューズを履いていた。
これでは危険を助長する。
高山対応の固い登山靴でなければ歯が立たない。
ハイキングシューズやアップシューズで何とか登ったとしても、下りのことを考えるとゾッとする。
Hiromiはルンゼを何とか登りきって「海見平」と呼ばれる頂上大地へ。
垂直の大岸壁の上は、広い笹の大地たった。
しかし沢からは晴れてすっきり見えていた頂上部が、このころにはすっかりガスに包まれてしまっていた。
9時5分、頂上。
何にも見えねえ~
とりあえず記念撮影をして下山開始。
Hiromiのルンゼ下降が心配だったが、ロープに振られ、岩に身体や顔をぶつけながらも、何とか下りついた。
しかし久しぶりに沢歩きをしたHiromiの膝が悲鳴を上げていた。
その後の下降には登りと同じ時間をかけてゆっくりゆっくり。
11時45分、登山口。
この山の歩行時間を登山口の案内板で改めて確認すると、登り3時間30分とある。
一般の登山者を対象に3時間30分は無理だ。
4時間30分と表記すべきだと、私は思う。
往復9時間の行程、それがこの山だと感じた。
わずか1,000mほどのこの山は、その標高には似合わない登りごたえがあった。
2016.9.17 『小鉾岳』(792m)
今年のシルバーウィークは17(土)~19(月)日の三連休。
山行計画の作成においては一苦労だ。
道北、道東、北大雪、東大雪、日高山脈という広い地域において、
先日の台風4連発という考えがたい襲来を受け、とても山に向かえる状況ではない。
それに加えて日ごとコロコロ変化する天気予報に翻弄された。
そして土曜の朝、最終変更でHiromiを拾い、道南に向けて車を走らせた。
道央自動車道を恵庭から利用し、落部インターで下車。
高速自動車道をここまで利用したのは初めてだ。
11時5分、登山口をスタート。
登山口には先行者の車が1台だけ。
それがまさか・・・
入山すると、いきなり細尾根の急登が始まった。
この山に登るのは初めてだ。
道南の登山愛好家には申し訳ないが、この地域は高い燃料と長時間に渡る運転という労力を消費して、
わざわざ出かける魅力に欠ける。
定年前は、夏休みを利用してまとめて登り歩こうと、毎年のように考えたものだが、
いざその時が来ると、魅力が増す他の山域へ出かけていた。
登山道は珍しく、両側が切れ落ちた細尾根に刻まれている。
従って、ガスで何も見えない中でも、両側の下方深くが見えるので、それほど退屈はしない。
登り初めて20分も経った頃だろうか、この日我々以外唯一の先行者が下りてきた。
そこで二人パーティーで下山してきた後ろの女性が、「Amigoさん!」、「Taeko!!」。
Taekoは以前『ミニ山の会』にいた女性で、退会してから山でバッタリ出会うのはこれがもう3回目だ。
それにしても、道南のこんなローカルな山でバッタリとはなあ・・・
登山道は細尾根の急登でどんどん高度を稼ぎ、616m標高点に達すると、南寄りに進路を変える。
そのころには辺りが背の高い笹に覆われ、全く視界が効かない。
そういうところは早く消化していまいたく、先を急ぐ。
頂上手前で両手の補助を必要とする急な登りがあるものの、短いのですぐにクリアし、
12時15分、、立派な標識が立つ頂上に至る。
南側が絶壁で落ち込んでいる頂上からは、天気が良いと内浦湾の眺めが素晴らしいのだろうと、
容易に想像させてくれるが、あいにくガスで何も見えなかった。
ちょうど昼時の頂上で昼食を摂り、淡々と下って、
13時30分、登山口。
ガスで何も見えなかったが、やはり初登の山はワクワクするものだ。
2016.9.11 乃々と過ごす初秋の日曜日
今日は月に一度、乃々と過ごす日だ。
朝迎えに行き、連れてきたが、先月は乃々と二人で『藻岩山』登山を楽しんだので、
我が家に来るのは二ヶ月ぶりだ。
久しぶりに訪れたジジとババの家に上がると、早速1階の押し入れの戸をを開ける。
そこには乃々の諸々が詰まっている。
そしてもう一箇所ある自分の物入れを覗き、次に紙を取り出して何かを書き始める。
もう勝手知ったる我が家みたいなもので、自由に行動する。
「ジジとババのうち」と乃々は言う。
回りくどいよね。
幼い頃から自然にそう呼ぶようになった。
一般的には「おばあちゃんのうち」と言うのであろうが、我が家はこのジジが常に前面に出ているので、
「ジジとババのうち」と言うようになったと思われる。
乃々はしばしば難題をを持ち込む。
私に対してではなく、ババに対してだ。
「リカちゃん人形の着せ替え洋服を作ってぇ!」
だの、「リカちゃんのおうちを作ってぇ!」などと。
それをいつも我が家に来てから言い出し、夕方帰る時には持って行くと言うのだ。
そしてその度にババは驚天して見せるのだが、結局何とかしようと動き出す。
そんな真剣なババを放っておいてやればいいのに、
「ねえ、ババちょっときてぇ」、
「ババいっしょにさがしてぇ」と、なかなか自由にはさせてもらえない。
そんな乃々が今回持ち込んだ難題は、
「ババ、ポシェットつくってえ!」だった。
それもババにおまかせではなく、自ら絵を描いて説明する。
いわゆる乃々オリジナルだ。
そのオリジナルを理解することに時間を費やしていた。
ババはえらい。
絶対にできないとは言わない。
いつも何とかしようと努力し、作り上げてしまう。
そんなババの根気よさを乃々には忘れて欲しくない。
昼近くになってポシェット作成を中断し、野幌運動公園へ遊びに行った。
100円ショップで虫かごを買い、乃々がそれにトンボを入れると言う。
但し虫取り網はなく、乃々はトンボに触れない。
ただひたすら「ジジトンボとってえ!」、「またとってえ!」、「つぎもまたとってえ!」。
素手で10匹ほどとると、もうカゴの中はごちゃごちゃ。
それでようやく全てを逃がすことにした。
そして何とか乃々にトンボの羽を持たせることにも成功!
乃々のパパは昆虫大好き少年だったのにねえ・・・
また、どんぐりがたくさん落ちており、それを拾い集めるのが大好きな乃々だ。
そして一言、「秋なんだねえ~ 秋はいいねえ~」だと。
トンボを全て逃がして空になった虫かごにどんぐりをびっしり詰めて持って帰っていった。
午後帰宅してから、ババはまたポシェット作りに励む。
その形、仕組みを乃々と打合せしながら。
しかし乃々が言っていることは難しく、帰るまでに完成には到らなかった。
ただ、ほんの最後の仕上げだけを残し、その仕上げは乃々のママに託したようだ。
乃々を送って行き、我が家に帰り着く頃には陽が沈み、暗くなりかけていた。
日が短くなったなあ・・・
2016.9.10 『樽前山・西山』(994m)~『東山』(1,022m)~『932mP』
この週末は土曜日だけの山行。
昨日の終業後、Hiromiを拾って支笏湖へ。
『風不死岳』北尾根コースの登山口で車中泊。
ところがここの地面が悪い。
粘土の上に砂が散らばっており、車の床が砂だらけになってしまった。
帰宅してきれいに掃除はしたが、車中泊は極力地面がきれいなところでしたいものだ。
今朝苔の洞門手前の作業道入口に移動。
6時ちょうど、作業道のゲートを徒歩でスタートした。
この作業道からは、もう随分回を重ねて登っている。
今年7月にも登ったが、その時は初めてMTBを利用してみた。
今回もMTBを利用したかったが、先日続いた台風襲来で、倒木のため使用不能と考えた。
しかしこの辺りでは強風が吹き荒れなかったようで、倒木は無かった。
6時35分、作業道終点。
ここで苔の洞門から続く涸れ沢にぶつかるが、それを越えて左岸に上がる。
すると左岸沿いにピンクテープと踏み跡があり、『樽前山』の外輪山方向へ導いてくれる。
そしてこの森が実に美しい。
緑の苔が広い面積で生えており、目を楽しませてくれる。
苔好きのToshiが見たら喜ぶだろう。
そんな風景を楽しみながら、樹林を抜けて溶岩台地へ。
ここからは苔の洞門コースに合流する。
苔の洞門コースは、苔の洞門がその入口で災害による崩落のため立ち入り禁止になっていることから、
登山道も立ち入り禁止となっている。
そのため踏み跡も年々薄くなっている。
溶岩台地に出ると正面に外輪山と頂上ドームが目に飛び込んでくるのだが、
今日は濃いガスに包まれて見えない。
やがて外輪山への急登となり、一汗かいて外輪山を周回する登山道に合流だ。
この標高となるとガスの中で何も見えない。
何も見えないまま『西山』へ。
8時ちょうど、『樽前山・西山』。
何も見えないし、そのまま下山しようかとも思ったが、まだ時間が早かったので、
トレーニングと割り切って予定通り進むことにした。
ところが、『西山』から『東山』に向かって一旦下って高度を下げるとガスが晴れだした。
輝く太平洋が美しい。
その後はガスがかかったり晴れたりを繰り返したが、概ね良好。
全道的に良くない天気予報の中、僅かな望みを託して登った山なのだから、上々の条件だ。
8時40分、『樽前山・東山』。
『東山』は7合目登山口から短時間で登ることができるので、軽装の登山者がどんどん登ってくる。
少々賑やかな『東山』をスルーして『932mP』へ。
ガスは相変わらず激しく動く。
淡々と下って一旦コルに下り、『932mP』へ登り返す。
このピークへは見た目ほど時間がかからず、
9時10分、『932mP』。
今までなかった「932m」の標識があった。
『932mP』からは一旦コル近くまで戻り、西側の急斜面を下る。
登ってきた溶岩台地の踏み跡に戻るべくショートカットをするのだ。
Hiromiが苦手とする場面だが、今日はなかなか調子が良い。
新調した登山靴が安定しているせいか?
踏み跡に合流してからは、登路でガスのため見えなかった外輪山方向の風景を振り返りながら下った。
そして苔の美しい森へ。
登りとは違い、多少なりとも日光の影響を得ると更に美しく見えた。
Hiromiはいつもと同じように、「楽しい」を連発。
そして「なんか足りない。もう一回同じルートを登れるな」だと。
ホント、たくましくなったねえ。
10時45分、作業道ゲート。
天候を見据えての山選び、今回はうまくいった。
楽しかったねえ・・・
2016.9.4 「ポンピ渓谷」~『平ヶ岳』(2,008m)~『十勝岳』(2,077m)
土曜の夜は、『十勝岳』麓の標高約1,000m付近で車中泊。
運転席と助手席のウィンドウを下げ、網戸状態にして寝たのだが、暑くて夜中にシュラフから抜け出て寝た。
そんな標高でも結構な気温なのだから、平地は暑い夜だったと思う。
日曜の朝5時に起床すると心配していた雲は高曇りで、十勝連峰がすっきり姿を現している。
天気予報では「曇り」。
確かに地上は曇りだ。
大雲海が広がっている。
この「曇り」だが、登山愛好家として勝手なことを言わせてもらうと、
「地上から○○mまでが雲の中で、その上は○○mまで雲がかかりません」などと予報をしてもらえると、
山選びが大変楽になるのだが。
いやいや、誠に勝手なことを言っている。
5時50分、望岳台をスタートした。
この望岳台だが、現在センターハウスの建て替え工事が実施されている。
そのため二段に設けられた駐車場のうち、下のハウス側が車両進入禁止となっている。
駐車場が狭くなっているので、前泊か早朝の早い到着をお勧めする。
我々が駐車場に入ったのが5時40分。
その時点で既に3~4台の駐車スペースしか空いていなかった。
100名山はこれだから好きではない。
我々の服装は、9月に入っても暑いなら半袖、短パン。
そしてこの日はそれでもちょうど良い気温。
いや、暑くて汗も大量に流した。
高曇りで直射日光があまり射して来ないのが助かる。
「雲の平」の長いトラバースを終え、ポンピ沢に下ってゆく途中に一箇所、深い沢形を越える場面がある。
ここは年々火山灰を多く含んだ土砂が流され、どんどん深くなって行く。
以前はそんなに深さがなく、簡単に越えていた。
それが今では10m以上の深さがあり、大変怖い。
誰がいつ備え付けて下さったのかわからないロープは、不安なので使わずに一旦沢床まで下るが、
そこからの登り返しを、またどなたがいつ備え付けて下さったのか不明なはしごを登る。
これも頼りなくて怖い。
そんな危険箇所を越えると、下りきったところがポンピ沢だ。
7時30分、ポンピ沢出合。
このポンピ沢を渡渉して登山道を進むと『美瑛岳』だ。
しかし我々はここからポンピ沢を遡行する。
遡行とは言っても登山靴のまま、濡れないように登るのだ。
しかし、ポンピ沢もやはり増水していた。
それに深く掘られ、沢床が下がっている。
大量の流水に土石が流されたのだ。
以前は楽に渡渉できた『美瑛岳』へのルートも、今はその渡渉が大変だ。
さて、このポンピ沢出合いから遡行してポンピ渓谷に入るのだが、増水でHiromiがちょっとピンチ。
渡渉個所がなかなか見つからない場面が多々。
しかしなんとかかんとか水量の少ない地点まで登ると、荒々しい風景が広がるポンピ渓谷だ。
私はこのグランドキャニオン(行ったことないけどねえ…)のような風景が好きで、しばしばこの渓谷に入る。
そして沢は小沢となり、二股が現れる。
これをまっすぐに進むと、やがて『美瑛岳』の核心部に吸い込まれる。
我々はここを右の枝沢に入る。
水量が少ないときならば、ほとんど水を目にすることのない枝沢だが、
今回は水量が少ないながらも音を立てて流れていた。
高度をグイグイ上げて、水が涸れると火山灰地となり、火山灰に深く足をとられながらもがき続けて、
9時15分、『十勝岳』~『美瑛岳』間の登山道のほぼ中間地点に合流。
ここからは遮るもののない広い山風景の中を『十勝岳』へ向かう。
ただ、広々とした風景は素晴らしいのだが、火山灰で歩きにくい。
9時40分、『平ヶ岳』。
この『平ヶ岳』だが、その存在を知る人は少ない。
地形図にも「2,008m」としか記されていない。
『美瑛岳』から『十勝岳』に向かって進むと、右手に『鋸岳』の頂を見、次に現れるピークが通称『平ヶ岳』だ。
その存在は知られなくとも、れっきとした2,000m級の山だ。
この『平ヶ岳』の辺りでガスが出てきた。
ここから『十勝岳』までは、濃いガスに見舞われると進行方向を失う危険性がある。
そこで訓練のため、Hiromiを前に立たせた。
しかしガスは薄く、やがて晴れてしまった。
いや、晴れてよかったっていう話しなんですけどねえ…
10時10分、『十勝岳』。
日本100名山のその頂上には、積雪期でない限り人がいる。
それも大勢。
ただ、この日は人の数も少ないよう。
それでもそこにとどまる気にはなれず、そのままスルー。
下り出すと一旦ガスがすっかり晴れた。
いつもは下山途中で背後の景色を振り返ることなぞほとんどないHiromiがしきりに振り返り、頂上に目をやっている。
いったいどうしたんだろうね?
その後、下るほどにガスが濃くなり、ほんの目先しか見えないくらいになってしまった。
下りになると膝に痛みを訴えるHiromiはなかなか下りてこない。
先に進んではHiromiの到着を待ち、また先に進んでは到着を待つことを繰り返しているうちに、
ふと目の前を登ってくる一人の女性が現れた。
そして立ち止まったので顔を見ると、見覚えのある顔だ。
しかし頭の中は「???」。
「マヤです」、「マヤぁっ!!」。
ブログ、「エーデルワイス日記」の主宰者「マヤ」だった。
マヤとは2年前の『オプタテシケ山』下山で出会い、声をかけられた。
先週の『三頭山』での「Keishi」との出会いに続き、二週連続だ。
不思議だねえ。
山なんかそこらじゅうに存在するのに、再び三度、いやそれ以上出会いを繰り返す山友がいることに、
ある種のロマンを感ずるのは私だけだろうか…
マヤとは記念撮影をし、またどこかの山で出会うであろうことを約して別れた。
11時50分、望岳台。
う~ん、登りなれたルートではあるが、なかなかいい山旅であった。
Hiromiも「楽しかった!」を連発。
まあ、Hiromiの場合は毎週その繰り返しだけどねえ。
二日間の楽しい山行を終え、豊かな気持ちで帰途に着いた。
この日の山行が、私にとって今年100回目の山登り。
これで16年連続で、年間100回以上の山登りを継続したことになる。
山はいいぜえ・・・
2016.9.3 『大麓山』(1,460m)
この二週間の間に、北海道には3つの台風がやってきた。
こんなことはかつてなかった。
台風の影響が皆無という年もあるというのに。
そしてそれらの台風が各地に甚大な被害をもたらした。
被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
台風の被害は我々登山愛好家にも大きな影響を及ぼす。
林道が倒木と決壊の嵐に見舞われていることが、容易に想像できる。
そこでこの土曜日は林道を覗いてみることにした。
富良野市麓郷の奥から広大な東大演習林の林道を利用して登る『大麓山』(だいろくさん)には、MTBを利用する。
登山口が約11kmの林道を進んだ奥にあるためだ。
東大演習林のゲートに向かう途中の麓郷では警備員が道路に立っており、
大洪水に見舞われた南富良野町方面への通行を規制していた。
9時30分、東大演習林のゲートをスタート。
スタートしてすぐ、沢が増水して林道を横断していた。
MTBを押して沢を渡るHiromiがよろめいて、危うくMTBごと沢に身を投じるところだった。
その後林道に横たわる倒木が現れたものの、ひょいとMTBを担ぎ、難なくクリア。
それからは倒木が現れても同じようにクリアでき、汗をかきかきペダルを踏む。
途中に現れる複数の災害復旧用重機には、皆「東京大学」と名称が入っている。
すごいねえ東大って。
広大な演習林を所有するだけでなく、一台数千万はするであろう重機が何台もあるのだ。
その種類だってブルドーザ、ショベルカー等。
ゲートから随分汗をかいてペダルを踏み、倒木を越えるも、とうとうMTBを持っては越えられない倒木が現れた。
10時35分、MTBをデポ。
徒歩に切り替えて登ることにする。
ここまで約5km。
その後は6kmで林道終点。
この6kmが長い。
そこに大木、巨木の倒木の嵐だ。
倒木が次から次に現れ、それらを越えて行く。
なんだか木登りに出かけたみたいだ。
そして林道歩きは単調だ。
12時10分、林道終点。
この終点から1kmほど古い作業道を歩き、ようやく「大麓山」登山口となる。
12時20分、登山口。
MTBでは低速ギアに入れっぱなしで、さっぱり着いて来ないHiromiだったが、最後は元気に頂上へ!
12時45分、頂上。
Hiromiは初めての頂上だ。
先週の『三頭山』に続き、また初登の山。
幸せだねえ~
下山はまた長い林道をただただ淡々と下り、MTBデポ地で「ホッ・・・」
あとはペダルを踏むことのない下りを楽しんで、
15時15分、ゲート着。
そこでHiromi、「いやあ、楽しい自転車の下りだったぁーっ!」
でしょ~っ!
この山行で日高山脈における林道の状況が、おおよそ把握できた。
おそらく今シーズンはどこの林道も利用できないだろう。
下山後『十勝岳』麓へ移動して、いつもの車中泊地で「かんぱーいっ!!」