北海道の山野でとことん遊ぶ!!
I am Amigo!
2019.9.28 『美瑛岳』(2,052m)~『美瑛富士』(1,888m) ポンピ渓谷を抜けて稜線へ
28日(土)は全道的に気持ちの良い晴天に恵まれたようで、
山へ出かけた人々はどこに登っても、
とことん楽しめたことだろう。
私のこの週末は土曜日だけの山行で、
金曜の夕方からHiromiと十勝連峰麓に出かけた。
そして土曜の朝7時05分、
白銀荘の駐車場をスタートし、
『美瑛岳』を目指した。
通常「望岳台」からスタートするところだが、
土日は車があふれるので近付きたくない。
今年は紅葉の訪れが遅く、
『十勝岳』の麓あたりは標高が1,000mほどもあるのに、
木々の葉はほんのりと色付き始めたばかりだ。
林を抜けて広大な火山灰地の中の広い登山道を登って行く。
考えると随分回を重ねて登ってきたこのあたりも、
久しぶりに歩いている。
歳とともに人の多いところから自然に遠ざかってきた。
登山道はやがて「十勝岳分岐」へ。
ここから日本100名山の『十勝岳』方面は、
それこそ人が多いのでなかなか足が向かない。
我々は分岐を『美瑛岳』方面に向かう。
「雲の平」の長いトラバースに入ると、
下界の雄大な風景が高度感をもってはっきり見えるようになる。
その中にはスタートしてきた白銀荘の建物も見える。
私は両大腿がどういうわけかだるくて仕方がない。
毎度お馴染みの言い訳で「歳だわ」。
「雲の平」トラバースの方向が東から南に変わると、
目の前に鋭く尖った『美瑛岳』が迫力ある姿を現す。
これが紅葉を交えると大変美しいのだが、
今回はちょっと物足りない。
Hiromiが相変わらずの勢いでどんどん進んで行く。
そして雪解け水に深くえぐられた枯れ沢へ。
これが年々深くなり、ロープとはしごで昇り降りをするのだが、
正直どれほど強固なものかと案じて怖くなる。
昔はほんの2mほどの登下降だったものだが・・・
危険箇所を過ぎるとポンピ沢に向かって緩やかに下っていく。
9時10分、ポンピ沢出合い。
出合いから沢を登る。
沢登りとは言っても水量が少ないので登山靴で十分だ。
私もHiromiもこの奥の渓谷美が好きで、
何度も足を踏み入れてきた。
ポンピ沢の石がゴロゴロした川原を登って行くと、
だるくて力が入らなかった大腿が慣れてきて、
だるさが抜けていく。
巨岩が立ち並ぶ渓谷の風景を楽しみながら、
ゆっくりゆっくり登って行き、
ほんの小沢となった流れに沿って稜線上の登山道を目指し、
急斜面を登って行く。
背後には『美瑛岳』の南壁が迫力ある姿を見せる。
ここでもHiromiは速い。
ルートファインディングを誤って、
随分後ろにいたと思ったら、すぐに追いついてきて先に行く。
そして水が切れたところから始まる火山灰地の登りがきつい。
斜度がある上、足元がザラザラと崩れてさっぱり進まない。
ここでもHiromiは強い脚力をフル稼働させてグイグイ登って行く。
登りつくところは『十勝岳』と『美瑛岳』のほぼ中間点なのだが、
Co.1780、10時30分、
私が広い稜線に登り着いた時には、
Hiromiの姿が小さな点となって更なる上部を歩いていた。
それにしても素晴らしい晴天だ。
青空と下草の紅葉のコントラストが美しい。
登山道を『美瑛岳』に向かって進む。
するとやがて東の裾野に広がる紅葉が見えてくる。
その昔初めてその紅葉を目にしたときは、
何とも言えない美しさに驚愕し、
慌てて斜面を駆け下りて写真を撮りまくったものだ。
それが今回はナナカマドの色付きがまだ浅く、
全体にぼんやりとした印象だ。
それでも足元の赤く染まったチングルマと合わせてよい風景だ。
相変わらず速くは歩けず、
ゆっくりしたベースで進んで行くと、
東に『石垣山』から『ベベツ岳』を経て、
『オプタテシケ山』へと続く山並みが見えてくる。
これがまた美しく好きな風景だ。
そこでHiromiと記念撮影をしたと思ったら、
何やら見覚えのある人物が上部に見えてきた。
Toshiだ!
この日Toshiがこの山に入ることは、
先週の「サイゼリヤ」の席で聞いていた。
しかし、どう入るのかは確認しておらず、
まあ山中でバッタリというわけだ。
Toshiご一行様は、他にMoccanとF女史の3人パーティー。
冷たくやや強い風が吹く中で記念撮影。
Toshiのパーティーと別れたあとは、
一旦『美瑛岳』の頂上へ。
思えばこの頂上、Hiromiと6年前に知り合って初めて登ったものだ。
それ以来この頂上には立っていなかったことを不思議に思う。
11時45分、『美瑛岳』。
本来はそこで下山するつもりだったが、
あまりの好天に欲が出て『美瑛富士』に足を伸ばすことにした。
ただそこからは350mを下り、
約300mを登り返すことになる。
きついがとにかくこの日はいつまでもほとんど快晴だ。
天気は良いが冷たい風が吹き付ける中を淡々と下り、
12時15分、「美瑛富士分岐」。
そしてこの登りが今の私にはきついきつい。
それに対しHiromiは相変わらずの猪突猛進で、
ガンガン登って行く。
ちょっと前までは立場が逆だったのによ~
きつくてなかなか出ない足を一歩一歩、
なんとかかんとかよちよち歩きで前に出し、
12時40分、『美瑛富士』。
ここでようやく昼食とした。
冷たい風を避けて東側の斜面を少し下ってラーメン準備。
ところがここでHiromiが、
「ああっ、カップ麺忘れた!」。
Hiromiは毎回カップ麺を用意し、
私は袋麺を二つ持ち歩いている。
そこでHiromiに親切心で言った。
「ラーメン二つあるから一つやる」と。
そしたら「いやいいわぁ、カロリーメイトなんかもあるしぃ・・・」。
ああそれならいいかと、
いつものようにラーメン二袋を煮た。
そして食べようとしたところで、
念の為に言ってみた、(しかしそれが間違いだった!)
「食べるか?」。
「うん!」
おいっ!!
なんのためらいもなく人がつくったラーメンをむさぼる、
鼻水たらしながら。
こいつに下手なことは言わんほうがいい!
『美瑛富士』からは分岐まで戻ったあと、
明確な登山道をたどってただひたすら歩く。
登山道は『美瑛岳』の北斜面をトラバースして刻まれ、
ポンピ沢への急斜面を下り、
14時20分、ポンピ沢出合い。
その後またはしごとロープの危険箇所を過ぎて、
あとは淡々と歩き、
15時55分、「白銀荘」駐車場。
急いで片付けを済ませ、入浴もせずに帰途についたが、
日が短くなった今、日はすぐに落ち、
途中でHiromiを降ろして帰宅したのが19時を過ぎていた。
しかし、終日快晴の素晴らしい一日に大満足!
この日の行程は約20km。
ちょっと前ならさほど疲労を感じなかったものだが、
今は大変な行程を消化したことを実感せざるを得ない。
しつこいが、歳だわぁ・・・
2019.9.21 『小化雲岳』(1,925m) 素晴らしい雪景色に感動!
今回の『小化雲岳』だが、
はじめからこの山に登ろうと思ったわけではない。
ウィークデーに晴れて、
週末雨が降るという誠にいまいましいパターンから、
ようやく脱することができた。
今回の三連休は土日が晴れると言うので、
金曜の夕方Hiromi を拾って、
天人峡温泉へと車を走らせた。
そして『化雲岳』登山口の駐車場で車中泊。
幸い他に車はなかった。
土曜の朝3時40分、
ヘッドランプ装着で登山口をスタート。
今回の予定は天人峡登山口から、
日帰りで『忠別岳』を往復すること。
それは日の長い7月だった。
しかし日が短くなった今、
この時刻にスタートしても、
帰り着くのが日没ぎりぎりになる。
もうすっかり日が短くなってしまい、
なかなか明るくならない。
真っ暗な中をHiromi がどんどん登っていく。
猪突猛進・・・
第一公園が近くなってようやく夜が明けた。
5時50分、Co.1,300で第一公園入口。
ここまで登ると先日大雪山に初冠雪をもたらした雪の名残が現れ始めた。
第一公園には湿原の中を木道が施設されている。
その上に雪がのり、一旦融けて凍りついている。
その凍った部分が怖い。
ツルッと何の抵抗もなく滑る。
そしてそれに傾斜がついていると最悪。
ツルーッと後ろに戻されて緊張する。
しかし背後に輝く表大雪のなんと美しいことか!
そんな第一公園を過ぎると、
今度は沢道となる。
私が第一公園の奥に足を踏み入れるのは、
今回が9度目になる。
この中で今回の水量が最も多く、
その後第二公園を抜けるまで沢道が続いた。
またこの沢道は登るほどに積雪が多くなり、
雪の重みで周りの笹が倒れこみ、
足元が見えずに時々ドボッと踏み抜いて、
深みに足を突っ込んでしまう。
それでHiromi が靴中を濡らしてしまった。
そして沢道の水が切れると積雪が更に量を増す。
表面が凍って中が柔らかい、
いわゆる最中雪がスピードを鈍らせる。
「鈍らせる」などと言っているうちはいいが、
そのうち股下まで埋まり、
身動きがとれなくなる場面も現れ、
もう一歩一歩がつらくて、
投げ出して引き返したくなった。
しかしほとんど快晴の空の下、
周りの景色があまりにも美しく、
そのまま引き返すことを拒んだ。
ただ、予定していた『忠別岳』はおろか、
手前の『五色岳』にも届かないことは決定的だ。
それで目の前の『小化雲岳』に登ることにした。
いつもこの麓を通りすぎるだけで、
いまだ未踏の一座だったのでちょうどよい。
登山道を離れ、
『小化雲岳』への斜面に取り付くと、
直射日光に照らされているため、
思いの外締まっており、
悩まされ続けたズボズボから解放されて「ホッ・・・」
純白の表大雪を背に楽しく登り、
9時ちょうど、『小化雲岳』。
360度遮るもののない素晴らしい眺めだ。
Hiromi と二人、大満足!
風がほとんどなく、実にのどかだ。
季節外れの雪景色を十分堪能し、
9時20分、下山を開始した。
『小化雲岳』基部まで下ると、
またズブズブ雪にヨチヨチ歩き。
そしてジャバジャバの沢道歩き。
第一公園の木道まで下るとホッとする。
木道に座り込んでパンを食べながら、
ゆっくりゆっくり休んだ。
第一公園を終えて登山道を下りだして間もなく、
意外な人物と出会った。
岳友のChieだった。
ヒサゴ沼で山中泊の予定で、
重い荷物を担ぎ上げて来たが、
我々の積雪情報にガッカリしていた。
そして『小化雲岳』付近で山中泊することにするかなと・・・
しばし談笑したChie パーティーと別れてからは、
残り4.5kmほどをただ淡々と下り、
滝見台で羽衣の滝を眺め、
13時25分、登山口。
予想を超える積雪に悩まされて、
予定を大幅に短縮したものの、
結果は10時間近くの山行となった。
しかし思いがけない雪景色が心に深く刻まれ、
豊かな気持ちで終了することができた。
忠別川でどろどろの登山靴とスパッツをきれいに洗い、
美瑛町から白金温泉へと車を走らせた。
2018.9.2 『富良野岳』(1,912m) 原始ヶ原を縦断して
土曜日の夕方、「ハイランド富良野」で汗を流したあと、
また戻って布礼別から『富良野岳』原始ヶ原登山口に入った。
広い駐車場に車は無し。
この登山口では何度も車中泊しているが、
夜間に車が来たことはない。
ところが無人の避難小屋のドアが開いており、
なにやら人影が見え隠れする。
車がないのにどういうわけだ?
と、興味しんしんでしばらく見つめた。
すると若い男性二人が出てきて、
夕焼けをスマホで撮ろうとしていたので尋ねてみた。
「どうやってここまで来た?」
するとタクシーを利用してきたと言う。
ひぇ~っ!
更に聞けば、京都大学のワンダーフォーゲル部6名パーティーだそうだ。
翌朝スタートで、「カミホロ小屋」、「美瑛富士小屋」を泊まり歩き、
最終は『オプタテシケ山』を予定しているとのこと。
名門京都大学のその学生たちは、
今時にない真面目風そのもの。
Hiromiともども好感がもてた。
日曜の朝6時、原始ヶ原登山口をスタート。
京都大学の学生たちは既に出発していた。
そしてこの日の早朝やってきた単独の男性も先にスタートした。
この朝の気温は予想より低かったので、
秋支度でスタートだ。
もう歩き慣れた古い作業道をゆっくり歩いていく。
前日の慣れない自転車漕ぎで、両大腿が筋肉痛だ。
Hiromiに「お前は疲労残っているか?」と尋ねると、
「全然・・・」、このサイボーグめ!
スタートして20分ほどで先行の男性を追い抜いた。
それからしばらく歩き、唯一の渡渉地点に着くと、
京大のパーティーが渡渉に難儀していた。
この渡渉は毎年状況が変わる。
水量や災害が影響するのだ。
靴を濡らさず簡単に渡れる時もあれば、
ひどく苦心するときもある。
そして今年は難しい部類に入る。
私は問題ないがHiromiを心配した。
こんなところで足を濡らされると、
先に進むのが難しくなる。
ところがHiromiちゃん、バッチリさぁ~
若者たちにいいところを見せようと、
簡単に渡ってしまった。
ナイスパフォーマンス!
誰も見てなけりゃあ、
ウダウダと渡る地点を迷うところなのによう。
そんなHiromiちゃんは、
勢い余って京大生達と話している私を置いていってしまった。
うっそうとした樹林を抜け、
7時ちょうど、原始ヶ原入口。
ここから原始ヶ原を北に向かって縦断する。
ところがそこに足を踏み入れて驚いた。
草地が水でジャバジャバだ。
例年この時期になると結構ドライになっているのだが、
8月の降水量が平年の2倍だった今年は、
そのままこの原始ヶ原にも水を蓄えたようだ。
美しいが草は濡れ、
地面は水浸しという状況で、
決して心地よくはないが、
ここにはそれらのネックを跳ね返してくれる光景が広がっている。
向かって行く正面には『富良野岳』の迫力ある山容。
ちょっと西に目をやると、
『前富良野岳』の美しい姿。
また振り返れば『トウヤウスベ山』と、
その奥に前日登った『大麓山』がどっしりと構えている。
積雪期、無積雪期を通して何度もここに足を踏み入れてきたが、
そのたびに感動する光景がここにはある。
Hiromiと二人、ズボンの裾をベチャベチャに濡らし、
7時50分、原始ヶ原を北に抜けた。
ここからしばらくうるさい笹に覆われた登山道を歩く。
そしてそれは涸れた沢型に吸い込まれ、
潅木帯とハイマツ帯に覆われた間のガレ場へと続く。
ここからガレの直登となるのだが、この登りがきつい。
足元がガラガラ、ズルズルで滑ったりつまずいたり。
おまけに斜度があるのでさっばり進まない。
それでも一歩一歩足を出せば、
ジリジリと高度を上げて行く。
耐え難きを耐え、忍びがたきを忍んでガレ場を登り詰めると、
西側のハイマツ帯に登山道を確認できる。
ようやくきついガレ場から解放されるが、
うるさいハイマツに邪魔されながらまだまだ急登は続く。
それでも背後に開ける遮るもののない雄大な風景が、
辛い登りを癒してくれる。
そして『富良野岳』西の肩の1,900mPに達すると、
東に『富良野岳』の頂上が見える。
わかっていることではあるが、
そこから目にする頂上には人がたくさん・・・
わかっている。
わかっているんだが、
その光景を目にすると気が重くなる。
そんな私の気持ちがわかるHiromiが気をつかって、
「頂上に行かないでここでやめとくかい?」。
誠にありがたい言葉ではあるが、
Hiromiを頂上に立たせないで帰るわけにはいかない。
9時40分、『富良野岳』。
頂上に着くといきなり口にタバコの煙が飛び込んできた。
見るとそばに立つ女性がタバコを吸っていた。
カッっとなって「このやろう!」と、
口から出かけたのをなんとかこらえた。
だから人の多いところはいやだっちゅーの!
常識もマナーも備わっていない輩が登ってくる。
今世の中で最も吸い込みたくないタバコの煙を、
1912mの頂上で、何故吸い込まなければならない!?
非常識極まりない!
そんな嫌な頂上には1分と滞在せず、即下山を開始した。
ただ、嫌な喫煙女とは裏腹に、
下りゆく風景は圧倒される美しさがあり・・・
ここで気になった。
渡渉地点で追い越した京大生達はどうしたか?
上からガレ場を見通せるのだが、さっぱり姿が見えない。
原始ヶ原まで登ったものの、
あまりのウエット感に撤退したか?
思えば彼らの靴はハイキングシューズみたいなものだった。
ところがガレ場を下りきろうとしたとき、
やってきたのよ~ 彼らが。
ホッとしたねえ。
そうだよねえ、ワンダーフォーゲル部だもの諦めないよねえ。
しかしそれにしても遅い。
小屋泊二日分の荷物を背負っているにしても・・・
原始ヶ原に戻り、二人して無言で淡々と下った。
もう昼近くになった原始ヶ原の水はかなり引いていた。
原始ヶ原自体に結構な傾斜があるので、流れ出たわけだ。
11時20分、原始ヶ原入り口。
その後も淡々と下り、
12時05分、登山口。
この日は前日の慣れない自転車漕ぎで、
傾斜のある林道を10kmも登ったものだから、
両脚大腿に筋肉痛が残り、辛かったわぁ・・・
でも、ご褒美の「サイゼリヤ」ワインで乾杯!
ここでHiromi、「あの京大生たちにここでご馳走してあげたかったわ~」
そう言わせる清々しさが彼らにはあった。
2018.9.1 『大麓山』(1,460m) 長い林道登りの果てに登山口
この週末は週間予報では良くなかったが、
直前になって晴れに変わった。
週間予報とは真逆になることが多々生ずる予報の、
精度の悪さには慣れている。
それでこの週末は晴れると確信していた。
土曜日の早朝家を出て、
途中Hiromiを拾い金山湖へ向かった。
ところが金山湖に着くと、
どういうわけかそこだけ雨。
湖畔でキャンプしている人々がかわいそう。
そんな雨を避け、
金山湖をスルーして富良野市麓郷へ向かった。
そこに『大麓山』登山口に続く林道入口がある。
こちらは晴れており、上部を覆うガスが晴れ始めていた。
9時40分、広大な東京大学演習林の入口ゲートをMTBでスタート。
この『大麓山』も回を重ねて登ってきたが、
直近では一昨年の秋になる。
連続台風に襲われたその秋は、
この演習林がひどい状況となった。
林道に入ると倒木の嵐の中、
MTBを途中で捨てて徒歩で登った。(2016年の記録)
ところが今回はあれほどの倒木が全て片付けられていた。
この林道は長く、
終点まで約10kmはあるであろう。
それをMTBで登っていくのも大変なんだが、
いくらローギアに落としても、
歩くよりは速い。
ところがHiromiはそれを走れない。
下半身はバランスの良い、
素晴らしい筋肉を持っているのだが、
それがどうにもペダルを踏む力を生み出さない。
山登りと自転車こぎとで、
使う筋肉が違うことを証明しているような光景だ。
Hiromiは淡々とMTBを押しながら登る。
従って、MTBに乗って登る私とは常に間隔が空き、
しばらく進んでは待ち、
またしばらく進んでは待つことを繰り返す。
しかし、一歩一歩歩を出すことを止めなければ、
いつか目標に到達する。
結局HiromiはMTBをほとんど押したまま歩き通し、
12時ちょうど、林道終点。
そこでようやく『大麓山』の頂上部が姿を現す。
大きな山体だ。
林道から続く古い作業道を進んでいくと、
ここでようやく「登山口」だ。
そう、ここまでは大変長いアプローチだったのだ。
12時15分、登山口。
そしてようやく細い登山道に入る。
相変わらず視界が利かない中を登っていくと、
植生が灌木からハイマツ帯に変わり、
背後に夕張山地と富良野盆地の風景が広がり出す。
12時45分、『大麓山』。
頂上のガスは完全に晴れた。
しかし北側の『富良野岳』から『カミホロカメットク山』への山並みは、
上部がいまだガスの中だ。
ただ、それから続く『境山』~『下ホロカメットク山』はすっきり。
いつものラーメンタイムでゆっくりしながら、
素晴らしい風景を楽しんだ。
下山はMTBでの楽な下降を楽しみに下る。
淡々と下って、
13時55分、林道終点。
さあ、MTBで下降だ。
これがなかなか怖い。
ブレーキレバーからちょっと手を離すと、
アッと言う間に猛スピードになる。
そして手首にガタガタと衝撃が伝わる。
しかし登りに比べるとなんと楽なことか。
全くペダルを踏むことなく、
ただただブレーキレバーを握りしめ、
ブレーキのゴムが擦りきれてしまうのではないかと、
心配しながらも走り続け、
14時35分、ゲート。
楽しかったねえ!
あとかたずけをし、MTB二台を屋根に積んで、
「ハイランド富良野」へ汗を流しに走った。
ちなみにこの日の『大麓山』で、
私の中の登山回数が通算3,300回となった。
2017.10.9 『三段山』(1,748m) 短時間登山に癒されて・・・
8日(日)、『オプタテシケ山』から戻って、
白銀荘で汗を流し、そのままそこで二泊目の車中泊をするつもりだった。
ところが駐車場に戻ってビックリ!
すごい車の数だ。
当然入浴者が大勢いるということ。
ここは山登りに関係なく、ただ温泉に浸かる目的で訪れる人の方が多い。
昔は随分この温泉を利用したものだが、ここ10年くらいは利用していない。
入浴者が多くて、洗い場を確保するのが困難だったことが重なって、
ついに嫌気がさしてしまった。
この日も迷わずそこを離れ、白金温泉まで下って入浴した。
そして車中泊地を人が来ないところに切り替えて、「ホッ・・・」
やはり人のいないところがいい。
9日(月)の朝、準備を整えて白銀荘駐車場に戻った。
前日の喧騒が嘘のように、駐車場はガランとしていた。
この日は前日山行の疲労が残ること、
天候が下り坂予報を踏まえて、『三段山』だけに登って帰途に着くことにしていた。
それに紅葉を楽しみもあった。
『三段山』登路から見る紅葉は、例年10月のこの週が最盛期を迎える。
6時40分、白銀荘駐車場をスタート。
すぐく紅葉真っ盛り地帯に突入するが、予想通り×!
今年は紅葉の訪れが早く、ここももう紅葉の名残り程度しか残っていなかった。
まあそれは致し方ない。
登り慣れた登山道はいつも通りドロドロ、ツルツル。
ただ、下部で幅広く笹刈りがなされて、朝露に身体を濡らす心配がなかった。
こういった作業をしてくださる方々には、心より感謝申し上げたい。
Hiromiはこの日も下半身に筋肉痛なし!
前日25km歩き、その間に累積獲得標高1,900mを稼ぎ出したというのに。
下半身には疲労が残っていないというのだ。
私はと言えば、大腿がフツーに筋肉痛。
先週の『夕張岳』後よりは軽いが、筋肉痛は筋肉痛。
ホントにサイボーグだよ、Hiromiは・・・
そんなものだから、この日もスタスタ前を行く。
途中までは着いていったが、最終段階ではジリジリ離された。
あんまり先に行かれると困るんだよねえ、写真撮れなくて。
とにかくもてる体力を全て出し切ってしまわなければ、充実感が得られなくなっている。
それは私が経験してきたことで、Hiromiも今その境地に達したわけだ。
8時10分、『三段山』頂上。
今日も誰もいない。
朝食とも昼食ともつかないラーメンタイム。
空はいかにも天候が崩れていきそうな様子。
しかし辺りの山々が全てガスに包まれることなく望めるので満足。
8時40分、下山開始。
途中で登ってくるであろうと予測した登山者は一人もなく、
ただ淡々と下って、
9時40分、駐車場。
後片付けをして「ハイランド富良野」へ車を走らせた。
どうしても白銀荘の湯に浸かる気にはなれない。
こちら方面に登ったときは、殆ど「ハイランド富良野」で入浴している。
通り道にあり、全く無駄に走る必要がなく、
極端に混むこともない。
最後に『三段山』の素晴らしい紅葉の一部を紹介しよう。
もう12年も前の10月10日の写真だが・・・
おしまい・・・
2017.10.8 『オプタテシケ山』(2,013m) 白銀荘から往復25km
10月に入り、もう早いもので中旬になる。
10月の三連休初日は、Hiromiが午前中出勤だったので、
私も細々としたことをかたずけ、午後十勝連峰に向けて車を走らせた。
白銀荘駐車場で車中泊。
久しぶりに車が出入りする駐車場で車中泊したが、どうにも落ち着かないものだ。
日曜日の朝4時半に起床。
夜明けがずいぶん遅くなり、まだ真っ暗だ。
準備を整えている間に夜が明けてきて、
5時15分、白銀荘駐車場をスタート。
ここから『オプタテシケ山』を往復するのはずいぶん久しぶりだ。
『オプタテシケ山』にはこれまでに13回登っている。
この白銀荘からが1回で、望岳台からが9回、『美瑛富士』登山口からだ4回だ。
Hiromiはこの4年で、二度登っている。
そしてそのどちらもが『美瑛富士』登山口からだったので、
更に長い行程の白銀荘か望岳台から往復することを目標の一つとしてきた。
白銀荘から東に伸びる登山道に足を踏み入れると、笹刈りがされていた。
幅広く刈られていたので、朝露に衣服を濡らさずに済んだ。
誠にありがたい。
アップダウンが続く溶岩大地の中の登山道を進み、
6時、『十勝岳』分岐。
ここから『美瑛岳』方面に向かうのだが、
それまでもその先も、全く人影が見えない。
先日標高1,200m以上では初冠雪があり、そのせいで登山者が激減したのか?
「雲ノ平」の長いトラバースの間で、前方の山並みを越えて日が射してきた。
天気は上々だ。
トラバースの最終段階で、侵食によって垂直に深くえぐられた沢型に降りて登り返す。
これが危険でなかなか怖い。
下降にはロープが垂らされ、一旦沢床に降り立ったあとは、
鉄製の錆びた梯子登りだが、高低差が10m以上あり、転落したなら大変なことになる。
梯子もその安全性を信頼してよいのやら・・・
そんな危険箇所をなんとかクリアして、一旦下ってポンピ沢へ。
この渡渉を終えると、ほぼ垂直と思われる高低差200mの壁に刻まれた登山道を登りきって、
7時25分、『美瑛岳』分岐。
ここからは『美瑛岳』の北斜面を東に向かってトラバースして行く。
このトラバースは結構なアップダウンを繰り返すため消耗する。
8時10分、『美瑛富士』分岐。
この分岐から「美瑛富士避難小屋」分岐までの間は、Hiromiが初めて歩く部分だ。
雪が結構積もっており、歩きにくいとこがある。
そんな雪の上にはヒグマの足跡が残っていた。
この時期はもう山麓に下りているはずなのに、
どうしたことかと首を傾げながら先へ進む。
『美瑛富士』の南から東へ向かう斜面を淡々と下っていくと、
突然前方に目指す『オプタテシケ山』が美しい姿を現した。
素晴らしい眺めにうっとりする。
8時30分、「美瑛富士避難小屋」分岐。
花の時期には見事なお花畑となる平坦地を越えると、『石垣山』への登りだ。
このころになると、北風が強くなりだした。
辛抱強く登り、高度を上げたところで振り返ると、
そこには『美瑛岳』と『美瑛富士』が並び、迫力ある山岳風景を見せつける。
私はこの風景を、最も好きな山風景のひとつと捉えている。
『石垣山』はピークを踏まず、その東側に登山道が刻まれている。
そしてこの辺りで突然快晴だった空に北からガスが入り込んできた。
強風にあおられてどんどん吹き込んでくるガスが、あっという間に辺りを覆い隠してしまった。
こうなるとつまらない。
9時25分、『ベベツ岳』。
全く何も見えない中を一旦大きく下り、いよいよ『オプタテシケ山』の登りだ。
この登りになると私のスタミナが切れてきて、きついきつい。
前を行くHiromiとの差が開いていく。
吹き付ける風は相変わらず強く、辺りは何も見えない。
しかし辛抱強く登っていくと、『オプタテシケ山』頂上直下で突然空が開けた!
貴重な写真をカメラに納めてHiromiの後をついて登るが、やはり間隔は空いていく。
10時20分、『オプタテシケ山』頂上。
往路は結局5時間5を要した。
これまでは白銀荘から登っても、望岳台から登っても、4時間20分だった。
ここでもやはりこれまでの「体力測定登山」通りだった。
頂上付近の風が来ないところで昼食。
頂上には誰もいなかった。
11時、下山開始。
相変わらず何も見えない中を下っていくと、
間もなく男女1名ずつのパーティーが上がってきた。
更に下っていくと、男性一名とすれ違った。
そして下りきったあと、『ベベツ岳』へのきつい登り返しで外国人を含む4名パーティーとすれ違った。
結局この日『オプタテシケ山』を目指したのはこれが全てだった。
復路はガスが濃いまま晴れ間がない。
つまらないし、暗い。
淡々と下って、
12時30分、『美瑛富士』分岐。
更に何も見えず、暗い中を黙々と歩き、
13時10分、『美瑛岳』分岐。
そしてその先のポンピ沢への急下降で、バッタリAyumiと出会った。
Ayumiは6月の『神居尻山』で出会った私の出身高校の後輩だ。
その後どこかの山に連れていってやろうと、
何度か声をかけたのだが、いずれも断ってきたのでそのままになっていた。
Ayumiとはすぐに別れて下山を急いだ。
とにかく何も見えないのでつまらない。
変わらず黙々と歩を進め、
14時15分、白銀荘駐車場。
終わってみれば、9時間45分の久しぶりに長い山旅となった。
私として、登りの最後は大変きつく、正直ヘロヘロになったのだが、下りは何ら問題がない。
そして“サイボーグHiromi”に身体的問題が残らなかったのはもちろんである。
総行程25km、累積獲得標高1,909mというGPS情報を、あとでHiromiが知らせてくれた。
2017.9.17 表大雪お鉢平周遊 快晴の下紅葉を楽しんで
土曜の車中泊地は、旭岳温泉の第三駐車場。
ここは以前砂利が敷かれた広い駐車場で、ニジマスのフカ場が隣接していた。
そしてそこに人が入り込むことはめったになく、
いつも広々とした中で一人車中泊を楽しんだものだ。
ところが最近全面が舗装され、車両区分のペイントが施された。
すると暗くなっても数台が駐車したままだ。
一部はここに車を置いて山中泊しているのだろうが、
我々と同じく、明らかに車中泊とわかる車も数台ある。
そうなると落ち着かない。
常に誰もいないところで車中泊している身としては、
とにかく落ち着かないのだ。
車内のカーテンを全て閉じ、静かに酒を飲む。
『旭岳』登山口は半分観光地だもんなあ・・・
日曜の朝、ロープエェーの始発が6時なので、
5時に起床し、準備を整えてロープウェー駅の駐車場に向かった。
車中泊した駐車場を出ると、広い車道の両側には、
既にたくさんの登山者がロープウェー駅を目指して歩いている。
その光景には驚かされたが、更に有料駐車場の前で車列の最後尾に着いてギクッ!
車が何台も並んでいるではないか!
もうガックリきて引き返すことを考える。
隣りでHiromiも「帰ろう」と言う。
しかし時は紅葉の最盛期、チャンスは逃がしたくない。
冷静になって車列の前方に目をやると、駐車場はまだまだ空いている。
少し待って駐車料金500円を払い中へ。
「ホッ・・・」
北海道の山の2000m級は、毎年9月の第二週に紅葉の最盛期を迎える。
従ってその時期には何度も訪れているのだが、
こんなに人や車が押し寄せたのを目にしたことはない。
やはり年々訪れる人が増え続けているのだろう。
そんな状況下であることから、ロープウェーは臨時便として5時半が始発となっていた。
そして我々が乗ったのは6時発のこの日の第三便。
まあ、ほぼ予定した時刻のロープウェーに乗ることができたことに、再び「ホッ・・・」。
更に混み合っていることを想定してか、通常15分間隔で運行しているロープウェーが、
どんどん折り返しで行き来を繰り返す。
運営会社のはからいに感謝したい。
6時5分、ロープウェー姿見駅をスタート。
ルートは「裾合平」~「中岳分岐」~『間宮岳』~『荒井岳』~『松田岳』
~『北海岳』~「黒岳石室」~「北鎮岳分岐」~『中岳』~「裾合平」
この日も紅葉狙いだ。
「裾合平」に近付くと前方に『安足間岳』から『当麻岳』の稜線が目に飛び込んでくる。
まずはこの紅葉風景が素晴らしい。
7
時5分、「裾合平分岐」。
何度も立ち止まって写真を撮る私に対し、
Hiromiはスピードを誇示するべく、振り返って私の写真を撮ることもなく、
素晴らしい紅葉の風景に見入ることもなく、ただただどんどん進んで行く。
何のために嫌な混雑を乗り越えてそこに至ったのか、まるで理解できていない。
この日はロングランと位置付けたことを後悔する。
8時、「中岳分岐」。
ここから時計とは逆回りに「お鉢平」を一周する。
まずは『間宮岳』に登るのだが、私が変!
大腿に残った前日の疲労が全く回復していない。
従ってそこに酸素を送り込もうとする心肺機能がフル回転して、きついきつい。
正直よちよち歩きだ。
そんな事情にはお構いなしで、Hiromiはどんどん先へ行く。
ただ、ポイントポイントでは写真を撮る都合があるので、止まって待つように言ってある。
8時20分、『間宮岳』。
ここから平坦な2,000m大地を歩き、
8時30分、『荒井岳』。
そこに立って目にする「お鉢平」や、
遠く『忠別岳』から『トムラウシ山』にかけての風景が美しい。
そしてそんな美しい風景をカメラに収めることもなく、
Hiromiはまた歩き出し、どんどん先へ・・・
後ろからトレランの男性がやってきた時には、
しばらくその男性のあとを追って走っていた。
そして男性が走るのをやめて歩き出すと、ぴたりとついて離れない。
う~ん・・・
なんか違うんじゃないかぁ・・・
9時10分、『北海岳』。
このピークは『白雲岳』との分岐となっており、たくさんの登山者が集っていた。
従ってそのままスルー。
『北海岳』からは深くえぐられた狭い登山道をどんどん下る。
そしてそこには黒岳ロープウェーを利用して登ってくる登山者が大勢やってきて、
道を譲る時間が長いこと。
登りはさっぱりスピードが上がらない私も、
下りはいまだHiromiの数倍のスピードで下りられるのだが、
とにかく人、人、人・・・
「お鉢めぐり」の最低標高である「赤石川」を渡ると「黒岳石室」への登り返し。
ダラダラ、ゆっくりゆっくりの自分が情けない。
10時ちょうど、「黒岳石室」。
ここでHiromiを未踏の『桂月岳』に向かわせた。
疲労困憊の私はパス。
こんなことは初めてだ。
ここから『北鎮岳』』への登山道から、『桂月岳』への登路がよく見渡せる。
Hiromiが登って行き、下降してくる様子もはっきりだ。
速い!
30分ほどで戻ってきた。
それから「北鎮岳分岐」へ向かうのだが、私にとっては辛い辛い登り。
しかしHiromiは相変わらずスーイスイ。
ただ、ヘロヘロの私も写真を撮ることは決して忘れないので、
ところどころのポイントでは立ち止まって風景写真を撮る。
けれどHiromiは風景なぞ目に入っておらず、
身近の登山者を標的として相変わらず暗黙の闘争を繰り返している。
何か違う、私は間違ったことを教えたか・・・
11時20分、「北鎮岳分岐」。
大勢の登山者が休息している。
当初はここから『北鎮岳』」~『比布岳』~『安足間岳』を回って「当麻乗越し」に下る予定だったが、
見上げる『北鎮岳』頂上には人がゴチャゴチャ見える。
即、『中岳』から「裾合平」に下ることにして下山開始。
そして11時40分、『中岳』。
その後、「中岳分岐」で「お鉢平」一周を迎え、「裾合平」目指して下山。
その途中で昼食とした。
いつものようにインスタントラーメンを食べ終わると、
Hiromiが言った、「あれっ!? いつもラーメンの汁を捨てるのに、今日は全部飲んじゃったの?」
そう、無意識に全て飲みきっていた。
それで元気が出た。
塩分が不足していたのだ。
その後「裾合平」から姿見駅までのアップダウンは苦にならず・・・
加齢とともに、これまでには必要としなかったものが必要になる。
気遣う必要がなかったことを気遣わなければならない。
なさけね~っ!
そんなことをつくづく考えさせられる夏山シーズンだった。
13時50分、「姿見駅」。
下りのロープウェーも人がゴチャゴチャで、東京の通勤電車を思わせた。
そんな中で汗だくの我々は気が引け、「早く麓駅に着いてくれ~」と願わずにはいられなかった。
下山後、有料駐車場にはまだまだ入ってくる車列が!
その列は延々数キロに及んだ。
今日は素晴らしい写真をたくさん撮れたし、
この混雑を体験してはもうこの時期にここを訪れることはないだろう。
美瑛町に移動し、いつもの銭湯で汗を流して『十勝岳』麓に移動。
そしていつもの車中泊地で「かんぱ~いっ!」。
Hiromiは二日間未踏の山に登れたことに満足し、
いつまでも興奮冷めやらぬ様子ではあったが、
私は冷静に、近い将来私の元を放れ、巣立っていくであろう弟子の姿を見ていた。
三連休最終日の朝目覚めると、天気予報の通り雨。
しかも台風が目の前に迫っているとのことで、そのまま帰途に着いた。
2017.6.17 『旭岳』(2,291m)~『北鎮岳』』(2,244m) 山中でバッタリ!
一ヶ月ぶりに天気の心配がない週末がやって来た。
金曜の夕方、仕事が終わってからHiromiを拾って大雪山に向かった。
ところが車に乗り込んだHiromiが、「ちょっと心配事があるんです」と切り出した。
「何よ?」という問いに、ウォームアップパンツの裾をまくりあげた。
アッチャーッ!
ウルシにかぶれていた。
一週間前旭川に行き、一人で低山を登り歩いたときにかぶれたようだ。
しかも、長ズボンを履いていたと言うから、
HiromiもまたToshiと同じようにアレルギー体質なのだろう。
そんなHiromiを草の多い登山道を歩かせるわけにはいかないので、
微調整して旭岳温泉に向かうことにした。
その変更で私も気が楽になり、また一刻も早く喉にビールを流し込みたいので、美瑛まで走って車中泊とした。
そして土曜の朝『旭岳温泉に移動。
朝7時、駐車場からロープウェー駅に向かった。
ところが辺りは閑散としており、ロープウェーの駅舎も鍵がかかっていた。
よく見ると、ロープウェーの始発は8時と記されていた。
だったら歩くべ、ということで駅舎横の登山口から入山した。
まだ雪が融けたばかりの登山道はグチャグチャ。
雪の下の地面に横たわっていた笹が立ち上がっている箇所では、それらに触れた衣類が黒く汚れる。
8時40分、姿見駅そば。
少々時間がかかったのは、途中姿見ロープウェー駅の北側を回って『北鎮岳』を目指そうと思ったのだが、
尾根の乗っ越し部分で笹が立ち上がり、やむ無く引き返して無駄な時間を費やしたためだ。
『旭岳』の登りには、予想通りたくさんの登山者がいた。
6号目を過ぎると、北からのすごい風だ。
正に強風!
この私の身体も飛ばされるんじゃないかと思えるほど強い。
そんな中を、この日体調がすぐれないHiromiも淡々と着いてくる。
そして9号目に近付いた時だった、前方の高みに見覚えのある姿が。
「Hiromiぃ、あれAotaじゃねえかぁ? いるいる、Toshiもいるわ! あそこに座ってる」、
「ホントだぁ、Toshiさんだぁ~」。
Toshiがこの週末、自身が主宰する『爽やか登山』の例会を大雪山で開催することは知っていた。
しかしそれは翌日曜だと思っていたし、大雪山と言っても広い。
まさかピンポイントで出くわすとは・・・
というわけで、思いがけない『ミニ山の会』の山行となった。
10時15分、『旭岳』。
そこには大勢の人がいた。
ジーンズにスニーカーの女性もいる。
そのスニーカーで、どうやってグサグサな火山灰地を下って行くのか、首をかしげてしまう。
強風の『旭岳』頂上には長居せず、『間宮岳』に向かう。
ここからは『旭岳』東斜面の大雪渓を下る。
ほどよく融けた雪は足に優しく、走って下れる。
そして、ここから『間宮岳』までは、HiromiもAotaも歩いたことがない。
いやあ、新鮮だねえ。
そして振り返る『旭岳』東斜面の風景が雄大で、ここから先には人影なし。
『旭岳』キャンプ指定地を過ぎると『熊ヶ岳』を左に見ながら登り返し、
『北海岳』方面への分岐を『間宮岳』方面へ。
その後は「お鉢平」を右手に見ながら北進する。
前方に『北鎮岳』、『凌雲岳』の大きな山体を見ながら進む。
『中岳』を過ぎると『北鎮岳』はもう近い。
最後のきつい登りに耐えて、
12時30分、北海道第二の高峰『北鎮岳』の頂上に立った。
HiromiとAotaにとっては初めての頂上だ。
『北鎮岳』までの行程で、Toshiに色々質問してみた。
「あの山は何て名だ?」と。
するとそのことごとくを正解!
なかなかわかる人のない『荒井岳』まで言い当てたのには、正直驚いた。
Toshiと『夕張岳』の金山コースで知り合ってから、今月でちょうど10年になる。
あの頃はどこの山も全く言い当てられなかったのに、成長したもんだなあ・・・
下山は「中岳分岐」から裾合平に下った。
そして「中岳温泉」で3人が足湯。
私は面倒なので、ただ傍観。
Hiromiはウルシにかぶれた患部を湯につけていたわっていた。
「なんかよくなる気がする」と、口にしながら。
その後広い裾合平から小さな起伏を越えて、
15時35分ロープウェー姿見駅着。
おおっと、その前に・・・
Hiromiが途中でカメラケースに入れていたロープウェー料金用の3,000円を落としてしまった。
「忘れ物落とし物兄妹」が二人揃えば、何もなくさないわけがない。
下りのロープウェー料金をToshi兄さんに借りていた。
ロープウェーで下り、駐車場でToshi、Aotaとは別れ、二人は帰っていった。
私とHiromiは予定通り美瑛の銭湯で入浴し、『十勝岳』麓で車中泊。
日が長くて助かる。
そして今朝『上ホロカメットク山』に登る予定で移動すると、
駐車場に入りきれなかった車が延々と狭い車道脇に連なっている。
その光景を目にして即Uターン。
しょうがないので『北の峰』に登って帰ることにした。
富良野スキー場に移動して登り始めると、前回早すぎたワラビがびっしり自生している。
そんな光景を目にすると、放っておけない私。
Hiromiを一人で登らせ、せっせとワラビ採りに励んだ。
我が女房への土産だ。
でもねえ、山菜を持って帰るといつも同じ反応なんだ。
山菜が入った袋を見るなり、「ゲッ!」
「処理が大変なら捨てれや」と言うと、「嫌だぁ、もったいない~」と言って処理に励む。
そして今日もワラビを持って帰ると、「ゲッ!」
何も変わらなかった・・・
2017.5.6 『扇沼山』(1,668m)
6日の朝はなんだかだるく、5時半まで寝ていた。
前夜Hiromiは頭痛がすると言って、夕食後眠ってしまった。
頭痛なんかなくても、腹いっぱいになったらいっつも寝てしまうけどね~
空は晴れている。
スタートが出遅れたし、昼前には雨が降り出すという天気予報も承知の上で、
『扇沼山』に向かって歩き出した。
この山は長い間未踏のままで、
いつかそこに立って十勝連峰を違った角度から眺めてみたいと思い続けてきた。
Hiromiはスキーが苦手なので、ツボ足で歩ける時期まで待ったが、
今年は雪融けが早いので、山麓の斜面にはもう取り付けないだろうとあきらめていた。
ところがこの前日、『鋸岳』の登路で見る林道奥にはかなりの雪が残っていた。
それで急きょ予定を変更して挑むことにした。
車の中には登りたい山の地形図を色々用意しているが、
その中には『扇沼山』も含まれている。
美瑛林道入口を目指して車を進めると、林道ゲートの前まで融雪が進んで、
ゲート前に駐車することができた。
そしてゲートを越えると同時に積雪状態。
なんだか理想的な展開だ。
歩き始めて40分ほど経った頃、突然真新しいヒグマの足跡が現れた。
ヒグマの足跡なぞ、別に珍しくもない。
ところがこのヒグマは子連れだった。
母グマの横に成獣に近い子グマの足跡が、我々の行く手方向に続いている。
これはちょっとまずい。
久しぶりにホイッスルを首にかけ、頻繁に吹き鳴らして進んだ。
歩き始めて約1時間で林道が切れた。
災害で流出したようだ。
そこで「丸山」の斜面に取り付き、高度を稼ぐことになった。
樹林帯の中を黙々と歩く。
ちょっと辛そうなHiromiに「大丈夫か?」と声をかけると、
「大丈夫です、でも頭痛がする」と、やはり前夜からの体調不良が続いている。
無理はさせられないが、「やめろ」と言ってみたところで、やめるはずもなく・・・
やがて「丸山」の南のピークを過ぎると、
突然樹林が開けた地形に変わり、進行方向に目指すピークが姿を現した。
実に感動的な瞬間だ。
しかしまだ遠い。
そして雪質が悪くなり、登山靴をズブズブ飲み込む。
おまけに一面がハイマツ帯のため、
積雪が浅いところでは「ハイマツ地獄」に自由を奪われ、のたうちまわる。
それでも四苦八苦しながらなんとか「1,426mP」に立ち、
『扇沼山』までの最後の登路を仰ぎ見る。
登りにして1時間弱か。
と、Hiromiが一言、「まだ行くの?」(やはり体調が本調子ではない)
「行くさあ」と言ったものの、振り返ると背後には真っ黒な雨雲が迫っている。
頂上に立つ頃には雨が降り出すだろう。
体調が悪い者を長時間雨にさらして良いものか?
良いわけがない。
撤退を決めた。
目の前の『扇沼山』は、また今度体調が万全の時に登ろう。
後ろ髪を引かれる思いで、何度も振り返りながら下る。
雨は真っ黒い雨雲の到来とともに降りだした。
まあ、憧れの山を目の前で見られたことに感謝!
下山後まだ早かったので美瑛町まで走り、買い物をして銭湯で汗を流した。
そしてまた前夜と同じ場所に戻って車中泊。
このころになると、もう頭痛も解消したHiromiだが、
やはり夕食後すぐ横になり、あっという間に熟睡。
そのうちにラジオを聞きながら一人酒を飲んでいると、
突然起きて、「どこ行くの? ・・・ ・・・ なんだ、朝じゃないのか・・・」
寝ぼけたHiromiであった。
2017.5.5 『鋸岳』(1,989m)
私は携電話がいまだガラ携で、
モバイルパソコンも所有していないことから、
ブログの更新は山旅を終えて帰宅し、写真を整理してからのことになる。
従ってタイムラグが生じるので、その辺りはご容赦いただきたい。
また、一日にブログ一本をアップして終えることにしている。
ブログのアップは続けて終わらせてしまいたいのだが、
酒を飲みながらゆっくりした時を過ごすのも、
私にとっては大事な日課なのよねぇ~
私のGW後半の三日間は、Hiromiと十勝連峰へ出掛けることにしていた。
しかし、初日以外は天候が怪しい。
5日の早朝、Hiromiを拾って高速自動車道にのっかった。
真っ直ぐ『十勝岳』麓の望岳台へ。
十勝連峰は先月相当降雪があったようで、真っ白だ。
8時近く、望岳台をスタートした。
まだ残雪が望岳台まで残っている。
時期的にもうツボ足で歩けるので、
ピッケル、アイゼンだけをザックに納めた。
登っていくと、結構な人数の登山者が『十勝岳』に向かって行く姿が見られる。
我々はほぼ夏道に沿って「雲の平」のトラバースに入る。
そしてその頃になると、柔らかい積雪が結構深くなった。
スノーシューがあった方がいい場面だ。
その後ポンピ沢目指して下降する。
進行方向に圧倒的な迫力で迫る『美瑛岳』がドーンと構える。
ポンピ沢に出合うと、沢はまだ開けておらず、全てが雪の下だ。
それを目にして「ホッ…」。
直前で増毛山地の異常に早い融雪を目にして来たので、
正直沢が開けて増水しているんじゃないかと心配していた。
ポンピ沢はところどころ雪が深く、歩行が大変な場面も生じたが、
この山行の最大の目的である、
ポンピ渓谷の美しさを楽しみながら進む。
この渓谷の風景は、まるで海外の山岳地帯のようだ。
そんな楽しい景観を楽しみながら沢筋を詰めて行く。
急登が続くところだが長くは続かず、
やがて『美瑛岳』と『十勝岳』のほぼ中間点に当たる、広い高原に上がる。
足元の雪は、相変わらずズボズボ登山靴を飲み込む。
極力固い雪の上か、地面が露出した部分を選んで歩く。
そしてまた急登の連続に消耗する。
ただ、最後の急登は思いの外雪が締まっており、Hiromiともどもホッとした。
そして我慢のきつい急登を終えたところが『鋸岳』のピークとなる。
この頂だけを目指して登る登山者なぞいない。
しかし私はポンピ渓谷を抜けて終着点とするこの山が好きだ。
何故ならここから『十勝岳』に向かうと、
そこは大勢の人で賑わっているから。
従って、今回も『鋸岳』からそのまま爆裂火口に下り、
風のこないところで遅い昼食を摂った。
昼食後は夏道に合流して下ったが、そこからはもう午後だというのに、
『十勝岳』の頂上を目指して登り行く登山者がたくさん見受けられた。
それに対し、下山方向には人影なし。
タイミングよく下山したものだ。
深いが膝や足首に優しい積雪のクッションを楽しみながら、淡々と下った。
Hiromiは久しぶりの十勝連峰に大満足!
下山後白金温泉に下って温泉入浴。
温泉から出てきて、車の後ろで何やらゴソゴソしていたHiromiが私の前に現れて ドキッ!
一瞬お化けかと思った。
この日は今年最高の紫外線が降り注いだようだ。
こんな日の山歩き、女性は大変だわなあ…
しかし、そんなことより、
顔にパックした写真をブログに載せても構わないというHiromi、なんとおおらかなことか。
そのあたりがHiromiの最大の長所だな。
パック完了後、秘密の車中泊地で、今年初めての車外 かんぱ~いっ!!
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