北海道の山野でとことん遊ぶ!!
I am Amigo!
2023.4.29 『支安平奥』(364m) 瑞穂ダムより地震崩壊地帯を越えて
コロナ禍の影響で、
約4年ぶりとなった週一休みの4月が、
ここでとうとう終わる。
一週間のうちで日曜日一日だけの休みだと、
毎日何曜日だかわからなくなる。
とにかく嫌な4月が戻ってしまった。
そして次は7月だ。
7月もまた盆に備えての注文が多くなるので、
土曜日も出勤となり、
やはり日曜日だけ休みの、
週6出勤となる。
そんな嫌な月を迎えるのも、
あと1年ちょっとだ。
来年の8月15日で70歳の定年となる。
今日は久しぶりに「胆振東部地震」の爪跡を眺めながら、
「支安平奥」に登ってみることにした。
ルートは安平町の「瑞穂ダム」奥から、
崩壊した林道跡に入ったあと、
尾根伝いに藪を進み、
上部で「本安平越林道」に当ててピークを目指す。
このルートは昨年単独で歩いた。
また2年前のこの時期、
Hiromiとこのルートに入ったが、
今回とは違う尾根をたどってピークに達した。
そのときは無数の流倒木の山に阻まれ、
ひどく苦労して下山したことを思い出す。
今朝Hiromiを迎えに行き、
安平町から「瑞穂ダム」へと車を走らせた。
そして湖岸に沿って伸びる広い林道を走って、
「高丘越林道」の入口付近を駐車地とした。
「高丘越林道」に入るとすぐ、
左手の林道に入った。
この林道は現在も地理院地図に、
破線林道として載っている。
しかしそこに足を踏み入れた途端、
目の前の林道が消失して、
崩壊地の風景が目に入る。
この後は残った林道部分がほんのわずかで、
ほとんどが崩れ去っている。
その後はそんな崩壊地の風景の中を進む。
そして崩壊地の中を歩いても、
いずれ尾根上に上がらなければならないので、
適当なところで笹の尾根に上がった。
笹は薄いので歩くのにそう苦労することはない。
ただ時期的にダニが血液を欲しているので、
時々立ち止まっては、
ダニの付着を確認する。
崩壊地の凄まじい風景を眺めながら、
尾根筋を進んで行くと、
重機のエンジン音が聞こえてきた。
目を凝らすと倒木の処理をしているところだった。
「胆振東部地震」による森林被害は甚大だ。
いったいどれほどの樹木が、
地滑りで流出したことか?
地震から数年を経ても、
それらをそのまま無駄にすることなく、
再利用するための作業が続けられているのだろう。
ただ昨年は行われていなかったので、
今年から始められたようだ。
上から眺めると、
谷間のあちこちに倒木が、
整った木材として集積されていた。
尾根筋を詰めて行くと、
「本安平越林道」に出た。
しかしこの林道もまたズタズタに崩壊しており、
上部では別方向行から復旧工事が進められた。
そして既に工事が完了した先は、
やはり崩壊したままで、
崩れ去る斜面に手が付けられないように見える。
何とも凄まじい地震のパワーだ。
「本安平越林道」は快適で、
間もなく目指すピークの取り付き点に達し、
楽々笹漕ぎで、
三等三角点「支安平奥」。
何度目のピークだろう?
Hiromiでさえこれが5度目になる。
下山は同ルートを引き返したが、
途中で別の尾根に乗り換えて、
登路より短距離で「高丘越林道」へと下ることにした。
そしてこの尾根の途中で昼食。
最後は林道手前で流倒木群につかまったが、
地震発生から4年半が経過した今は、
そんな障害物を越えるのも容易になった。
2年前はこれにつかまって、
ひどく苦労したものだ。
「高丘越林道」に出ると、
わずかな距離で駐車地へ。
やはり崩壊地の中を歩くのは楽しく、
Hiromiと二人、
納得の山行を終えて帰途に着いた。
2023.4.23 『取富多志内』(とりっぷたしない・491m) 藪山活動開始!
22日はこの時期最後の土曜出勤だった。
これでようやく週6日出勤から逃れられる。
毎週6日も出勤していると、
一週間が長いこと!
そして決してきつい仕事ではないが、
肉体の疲労を感ずる。
立ちっぱなしで歩かないせいだろう。
そんな勤めがまだ1年数か月続く予定だ。
働けるうちは働かなくっちゃね!
日曜の朝Hiromiの車を我が家に置き、
新十津川町に向かった。
その車中で早速Hiromiが天然モードを炸裂!
「昨日は寒くてさあ、
あられみたいな固いものが降っていたよ」、
「ヒョウか?」、
「昨日!」。
新十津川町花月で複雑な農道から、
ようやく「高田五号線川」に沿って伸びる、
名称不明の林道を探り当てて奥へと進んだ。
この林道は「高田五号線橋」のすぐ奥で、
残雪のため進行不能となったので、
その手前の林道分岐を駐車地とした。
そこに着くまで降り続いていた三週連続の雨に、
いいかすげんうんざりしながら、
車中で待機して出遅れた。
ようやく雨が止んだのは9時半だった。
準備を整えて「高田五号線橋」を渡って林道を進む。
この時点で林道はこれしかないため、
迷うことなく進んで行った。
ところがこの林道はじきに終点を迎え、
そこでようやく地形図にはない林道であることが分かった。
では予定した地形図上の破線林道は?
もう引き返してはいられないので、
そのまま沢沿いを進み、
尾根に上がって「取富多志内」を目指すことにした。
「取富多志内」には一昨年二度登っている。
ルートは今回と違い、
北側の「日進貯水池」を起点として、
破線林道を利用した。
そして今回は別の林道を利用してみよう、
と思って未踏のHiromiを連れ出した。
地形図上の沢が消滅した地点から、
実際に存在する小沢に沿って進んで行く。
樺戸山地は砂防ダムの多いところだが、
この辺りもまた幾重にも砂防ダムが続いている。
沢を歩いていると、
砂防ダムを乗っ越すのに苦労することがある。
280で残雪が残る沢筋を離れ、
急な斜面に取り付いた。
これをハイイヌガヤや笹の茎を握って登る。
粘土質の土が雪解け水を含んで滑る。
滑落には要注意だ。
そして登りきって藪へ。
ただ雪の残っている部分も結構あるので、
できるだけ雪渓を利用して登る。
雪渓が切れた部分は藪を漕ぐしかないが、
思ったほど濃くはなかったのでよかった。
390で明瞭な尾根に上がった。
尾根上は日当たりが良いので、
雪が消えて笹がむき出しだ。
藪を漕ぎながら忠実に高度を上げ、
三等三角点「取富多志内」。
Hiromiが初登だったのでバウム儀式。
しかしこの日は風が冷たく、
寒かったのですぐそこを離れた。
下山は既に廃道となっている、
地形図上の破線林道をたどる。
途中風の来ないところで昼食とした。
そして林道を下って行くが、
廃道となって久しい林道は、
この時期でも濃い笹に覆われた部分、
ブッシュがはびこった部分などが現れ、
決して楽には歩かせてくれない。
しかし終盤になると、
きっちり整備された路面となり、
楽をして下って駐車地へ。
そこで最初に見落とした林道入口を探ってみた。
すると「高田五号線橋」のすぐ手前に、
その入口があり、
既に全体が深い笹に覆われていた。
それで気付かずに直進してしまったのだが、
もしそれに気付いたとしても、
とても入って行ける林道ではなかった。
結果として藪漕ぎとなった今回の山行は、
なかなか面白いルートで、
歩行距離も9kmと、
手ごたえのあるものだった。
そして締めくくりはいつものところで「反省会」。
2023.4.20 リフォーム! 屋根、外壁塗装
昔から耳にしていた話し。
「住宅ローンの返済に苦しみ、
ようやくそれが終わった頃に家はボロボロ・・・」。
我が家も25年のローン支払いを、
約4年前に終えた。
そしてこの春で築28年となった。
すると「ボロボロ」とは言わないが、
色々と問題を抱えるようになった。
それはまず水道の水漏れから始まった。
浴室前の水道から水が漏れだしたのは、
もうずいぶん前になる。
ただその量が微量だったので、
水道管の結露によるものか、
と思ってきた。
ところが今年に入って、
垂直の水道管下部に溜まる水の量が増え、
タオルを置いて吸い取るようにした。
しかし時の経過とともに量が増え、
タオルでは間に合わず、
女房が押入れの奥にしまったままだった、
孫の虎の紙パンツを出してきて当てた。
この春小学校に入学した虎の紙パンツが、
こんな場面で役に立つとは!
捨てずにとっておいてよかった。
紙パンツはグングン水を吸い取り、
ずっしりとした重さになった。
と、同時に業者に連絡した。
こんなときに相談する業者は決まっている。
札幌の(株)クレアストさんだ。
この会社は若い。
代表の「梶亮介」氏は私の子供たちより若く、
付き合いはもう10年を過ぎたか?
亮介が以前勤めていた会社に、
住宅の細かい改修作業を依頼したことが付き合いの始まりだった。
亮介には住宅に関する全てを相談できるので、
物置まで依頼して建て替えたことがある。
そんな亮介が近年独立して、
(株)クレアストを立ち上げた。
評判が良くずいぶん活躍しているようだ。
水道漏れの件を亮介に相談すると、
すぐ見に来てくれた。
そしてその場で保険会社に電話を入れてくれ、
この件が保険の適用を受けられることを確認。
結果、こちらからの出費はなく、
全て保険で修理してもらうことができた。
金額は50万円!
助かった~
そのときに「ついで」と言ってはなんだが、
家の外壁や屋根の状態を見てもらった。
するともう塗装の時期に来ていると言う。
以前亮介にそれを見てもらったのは、
もう4~5年前になる。
その時は「まだ3年は塗らなくても大丈夫ですよ」、
と言ってくれたので、
そのまま放置してきた。
そこで今回は外壁と屋根の塗装を依頼することにした。
ただ時期が悪い。
何でもかんでも値上げの時代で、
家一軒を塗装するにも、
120万円が相場だそうだ。
金はないが何とかしなければならず、
すぐに依頼した。
4月6日に足場が組まれ、
工事が開始された。
そして12日に水道工事が入り、
まる1日かけて完了し、
ようやく水漏れから解放された。
また、外壁と屋根の塗装は、
その下準備が念入りで、
実際に塗装が始まったのは13日からだった。
とにかくやることの一つ一つが実に丁寧だ。
もう10数年前になるが、
一度外壁と屋根を別の会社に依頼して塗装したことがある。
そのときは全行程を3日ほどで終わらせてしまった。
従って今回のように、
念の入った下準備なぞなく、
一気に塗り上げて帰って行った。
今思い起こすと業者の選択を間違った。
今回は屋根と外壁の塗装全般に十分時間が費やされた。
そして先日完了し、
あとは足場を解体するだけとなった。
足場の解体も仕事が混んでいるようで、
24日に予定されている。
女房と二で、
実に丁寧な仕事と美しい仕上がりに心から納得し、
やはり「クレアスト」さんに依頼してよかったと話している。
2023.4.16 『天狗山』(栗山・330m) 週一休みがまた雨だ~
この週末もまた土曜の夕方まで仕事をし、
日曜日だけの休日だったが、
その一日がまた雨にたたられた。
先週は「なんとか降らないでくれ」、
と願いつつ降られたので、
モチベーションが上がらず、
車外に出て準備をするまで、
車の中でダラダラとした時間を過ごした。
しかし今回は頭の中で、
しっかりと雨を覚悟して出かけたので、
行動はきびんだった。
日曜日の朝雨の中Hiromiを迎えに行き、
迷うことなく近くの栗山町南角田に向かった。
そして「不動の沢林道」入口に駐車。
降りしきる雨の中、
スタート前から濡れたくはないので、
車内で雨具を着用して外に出た。
もうすっかり雪が融けた風景を眺めながら林道を歩く。
Hiromiはザックカバーのない、
冬用ザック持参だったので、
それを車内に置いて手ぶらでのスタートだ。
この後雨が小降りになることはあっても、
決して止むことはなかったので、
二人揃って雨具のフードは外せなかった。
1kmほど歩くと現れる、
エゾシカ防護柵の扉を開き、
それを越えた地点で、
そばを流れる「多良津川」に下った。
これを渡渉して大きく林道をショートカットする。
雨の中では最短距離で往復したい。
沢の渡渉でふと目にとまったエゾシカの白骨体!
頭蓋骨が水中に没した状態で、
岸に横たわっていた。
春先は雪の下からこういう、
目にしたくないものが現れる。
正直私はこういうものを見たくない。
渡渉の後見事なトドマツの林を抜け、
再び「不動の沢林道」にのって進む。
路面はいたるところでぬかるみとなって歩きにくい。
そんな林道を160で離れて、
尾根の末端に取り付いた。
急な尾根をときには笹につかまりながら登って行く。
途中トドマツの幹に、
真新しいヒグマのひっかき傷が残っていた。
そして上部を走る「天狗山林道」に出た。
この林道は新しく地形図には載っていない。
相変わらず雨が降り続く林道を登って行き、
「天狗山」頂上基部に達する。
たいした標高でもないのに、
この辺りではガスに覆われた。
最後は若干の藪漕ぎを経て、
四等三角点「天狗山」。
カメラのレンズに水滴がつくような降り方なので、
1分とはとどまらず下山を開始した。
下降も同じく最短距離で駐車地に向かう。
途中あわよくば「ギョウジャニンニク」、
と思っての登行だったが、
まだ少々時期が早かった。
この春は仕事が平常勤務に戻り、
日程的にギョウジャニンニクの採取は無理だな。
まあ、家に持ち帰るわけにはいかないので、
それはそれでかまわないのだが。
最後は「多良津川」を渡渉して、
エゾシカ防護柵を越え駐車地へ。
2時間弱の行程を終えた。
変わらず降り続く雨の中での後かたずけが面倒だ。
結構雨が入り込んで車内を濡らしてしまった。
かたずけを済ませ、
途中のコンビニで昼食。
そして夕方あらためて「反省会」とした。
2023.4.9 「馬追丘陵」 週一休みが雨だもの・・・
約3年半ぶりの土曜出勤が始まった4月だが、
週6日勤務は長いなあ。
世の中には週6日勤務がフツーという方もおられる。
年中6日勤務ということは考えられない。
週一休みの貴重な日曜日は、
起きると雨が降っていた。
まあ、天気予報通りではあるのだが。
一応夕張の山に出かけることにしていたので、
雨が降りしきる中、
Hiromiを迎えに行った。
そしてどうしたものか、
と話し合い、
雨ならどこに出かけても同じ、
という結論に達し、
直近の馬追丘陵を歩くことにした。
コロナ禍以前の4月なら、
週一しかない休みに降られると、
ひどく腹が立ったものだが、
今は平然と受け入れられる。
それほどこの3年間のゆったりした生活は大きい。
馬追丘陵の『長官山』火葬場入山口駐車場からスタートして、
これまでになかった地面の妙な地蔵を目にし、
わずかな藪を漕ぎ、
旧「マオイゴルフ場」に出た。
スタート時点で降っていた雨は、
ゴルフ場に出ると上がった。
広々として気持ちの良い風景だが、
早春の寒々とした景観でもある。
しかし多くの植物がまだ芽吹かぬ、
この寒々とした景観を私は好む。
正に雪が融けたばかりの旧ゴルフ場を歩いて行く。
1kmほど歩いてわずかな藪を抜け、
一段上の新しい「馬追林道」に上がる。
無積雪期のこのルートを歩くのは、
Hiromiにとって初めてのこと。
雪が融けた林道は真新しく、
まだ木材搬出用の大型トラックが走った形跡がない。
伐採は今年あたりだろうか?
林道を南に向かって歩いて行くと、
間もなく東向きの尾根の末端にピンテが現れて、
登山道が続いている。
昨秋新たな草刈り道ができていたところだ。
どなたかがこの尾根上を笹刈りしたようだ。
そしてそれを登って行くと、
今春も既に笹を切り落とした跡が見られ、
完全に登山道が出来上がった。
それを楽々登って「文学台」へ。
そこに中年の男女が、
ベンチに座ってくつろいでいた。
少し話しをすると、
私と同じ江別市在住とのことだった。
「文学台」から一旦『長官山』まで歩き、
引き返して送電線の作業道に入った。
これをたどって中腹まで下り、
樹林の中の作業道から「馬追林道」へ。
そしてこの新しい林道の終点を確認するべく、
南に向かって歩いた。
すると予想した辺りで終点となったので、
そのまま藪に入って尾根を下った。
尾根は長く続かず末端へ。
小沢が現れたので、
これを越えてゴルフ場に戻った。
ここで私が言った。
「この沢筋を入って行くとギョウジャニンニクがあるんだわ」、
「ゴールデンウィーク!?」。
やめてよねえ・・・
また会話が続かない。
ゴルフ場で池を覗きに行ってみた。
そこで我が女房が調理して、
Hiromiにやった煮豆の話しになった。
「あれは何の豆?」、
「金時豆だ」、
「金とり豆!?」、
「金取り豆って何よ!」。
こいつは会うたびに天然モード全開だぁ・・・
池のそばから藪を抜けて駐車場に戻った。
雨で予定変更を余儀なくされ、
のんびり歩いた馬追丘陵。
それはそれで楽しく、
夕方Hiromiといつものように「反省会」。
2023.4.2 『神居尻山』(かむいしりやま・947m) 沢筋から北尾根へ
先日の日曜日は、
以前からHiromiが希望していた、
早春の『神居尻山』に登ることにした。
その前日夕張の『鬼首山』で、
異常なほど早く雪が融けてしまった光景を目にした後だったので、
積雪の状況が心配だった。
当別町から青山奥の「道民の森」へと、
車を走らせた。
途中の「ふくろう湖」では、
まだ大部分が凍ったままの湖の端で、
これから北へと向かう渡り鳥たちが、
のんびりと羽を休めていた。
春先ならではの光景だ。
道々から「道民の森」神居尻地区への入口には、
まだ簡易的なバリケードが設けられ、
一般車の進入を拒んでいる。
オープンは例年GWとなる。
ただ除雪は終わっているので、
公園の施設までは入って行ける。
除雪終点の駐車場を起点とした。
周囲の風景を見る限り、
例年と比較すると数週間先の景色だ。
そこで迷わずツボ足で、
9時30分スタート。
歩き始めて間もなくズボる。
雪面は思ったほど締まってはいない。
しかしスノーシューを取りに戻ることはせず、
そのまま進むことにした。
9時45分、入渓地点。
そう、この度は沢筋を詰めて、
『神居尻山』へ直登する北尾根に取り付くことにした。
このルートはHiromiが初めてなので、
いつか登らせようと思ってきた。
沢もまた予想より融雪が進んでいた。
いつも遅くまでスノーブリッジが残る場面でも、
全くそれがなく、
登山靴の中を濡らさぬよう、
うまく渡渉を重ねる。
この渡渉を繰り返すには、
スノーシューが邪魔になるので、
やはり置いてスタートして正解だ。
しかし足もとの緩んだ雪は柔く、
一歩一歩足が沈む。
Hiromiはこの日も元気で、
スタスタ先を行くが、
前日の『鬼首山』急登で大腿に筋肉痛が残る私は、
ゆっくりマイペースで行くしかない。
従って先を行くHiromiがすぐに小さくなっていく。
登山道Bコースが付けられた尾根末端を、
北から回り込むように伸びる沢から、
11時ちょうど、
北尾根の末端に取り付いた。
ここから一気に標高差500mを稼ぐ急登だ。
これがこのルートのだいご味だが、
この日の私にとっては地獄。
もう脚がだるくてヘロヘロ。
ただ登るほど背後に広がる増毛山地の風景が素晴らしく、
時折振り返って眺めることで癒される。
とにかくいい天気だ!
辛くても一歩一歩歩を出せば、
いつかは届くさ頂上に!
一旦開けた風景は、
その後白樺の疎林に遮られる。
そしてそれを抜けるとあとわずかだ。
但しそこまでもきつかった傾斜が、
更に増してアイゼン装着が微妙となった。
しかしもう距離がわずかなので、
雄大な風景を背にし、
そのままキックステップで突破して、
12時20分、『神居尻山』(三等三角点:三番川奥)。
ほぼ快晴無風の頂上は爽快だ!
苦しかった急登の思いが、
いっぺんに吹き飛んでしまう、
360度遮るもののない眺めがそこにあった。
のんびりと簡単な昼食を摂る。
Hiromiが珍しく腰を下ろして休んでいる。
さすがにHiromiにも堪えたか?
予定では12時までに頂上に立つことにしていたが、
この遅れは今の私の力。
下山は夏道をBコースの途中まで利用し、
750mまで高度を下げ、
そこから西に下り行く尾根に乗り換えた。
そして下界に吸い込まれるように下って行く。
この頂上からここまでの風景がまた素晴らしく、
何度も立ち止まって眺めた。
この日は空気が澄んでいたので、
美しい景色が更に研ぎ澄まされた感じだ。
尾根の急下降を経て最奥の駐車場に下り、
ズボリながら公園の中を歩き、
14時ちょうど、駐車地。
「山は晴れりゃあ100倍楽しい!」。
正にこのフレーズがぴったりの一日に感謝!
これで4月の土曜出勤もあきらめがつく、
というもの。
帰宅して記録をさかのぼってみると、
この日が私にとって160回目の『神居尻山』だった。
もう200回以上登っていると思っていたが、
案外少ないのねえ。
それにしても『神居尻山』は、
本当にいい山だぁ・・・
2023.4.1 『鬼首山』(641m) 西尾根に雪がない!
4月に入って最初の土曜日は、
ゴールデンウィーク前最後の土曜休日で、
今週末からは土曜出勤となり、
休日は日曜日1日だけになる。
これが今のアルバイト先の、
本来あるべきカレンダーだ。
これまでの3年間は、
新型コロナウィルスの影響で、
ずいぶん休ませてもらい、
それを無駄にすることなく活動してきた。
コロナ禍で苦しまれた方も多い中、
私は誠にありがたい時間を頂いた。
GW前最後の連休ということだったので、
車中泊一泊で土日山行の予定を立て、
土曜の朝外に出た。
そしてガックリ!
なんと雨が降っていた。
天気予報では雨の話しなぞ微塵もなかったので、
それまで外を見ることさえしていなかった。
とりあえずHiromiを迎えに行ったが、
車窓から眺める遠くの山々は、
ほとんどが黒雲の中だった。
Hiromiを乗せて即、変更!
夕張で『鬼首山』に登り、
下山後Hiromiの車のタイヤ交換をすることにした。
この夏タイヤへの交換は、
翌日曜日の午後に予定していたのだが、
これも急遽変更とした。
『鬼首山』には通常夕張市沼ノ沢地区の、
「夕張川」河岸の農道からアプローチするが、
数年前にヤマッパーを連れて登ったところ、
その軌跡を利用して、
ヤマッパーがぞろぞろ登るようになって、
すっかり足が向かなくなった。
そこで一昨年の秋、
西側の「草木舞林道」を利用して登るルートを開拓した。
夕張市滝ノ上から「草木舞沢川」に沿って伸びる、
「草木舞林道」に入った。
そして上部を走る「道東自動車道」の下辺りの、
広いところに駐車。
そこから歩くことにした。
またそこに着いて驚いたのだが、
融雪が異常な速さで進み、
もうすぐ全てが融けてしまいそうだ。
7時55分、駐車地をスタート。
5分で林道ゲートを通過した。
林道脇の「草木舞沢川」は、
夕張市と栗山町の境界線となっており、
右岸側が栗山町、
左岸側が夕張市となる。
まずは右岸の栗山町に続く林道を歩いて行く。
奥で林業が活動したようで林道は除雪され、
既に雪がなくなりドロドロだ。
そんな林道を2kmちょっと歩くと分岐が現れるので、
左岸の奥へと続く支線に入る。
ここから先は夕張市だ。
路面に残雪が現れ、
残雪面と露出面のミックスとなる。
緩やかに高度を上げて伸びる林道を歩いていると、
大きな「サルノコシカケ」が落ちていた。
それを目にしたHiromiが、
「なにこれ!? アンモナイト?」。
この日も「天然街道まっしぐら」のHiromiであった。
林道分岐から2kmほど歩き、
9時10分、
適当なところで斜面に取り付いた。
急斜面を登って尾根の頭に上がる。
そしてこの標高差200m近い急登が、
ルート中の難所だ。
傾斜がきつくストックで身体を支えて登る私に対し、
Hiromiは両手を地面につきながら、
強力な下半身の力で登って行く。
急斜面は地形図上の「466m標高点」で終息した。
ここからは明瞭な尾根上を忠実に登って行く。
中間あたりには、
両側がすっぱりと切れ落ちた細尾根があるので、
慎重に越えて行く。
林道周辺で消えつつあった雪だが、
この尾根上からは雪上歩行となると確信していた。
ところが尾根上にも雪がなく、
北斜面だけが白いままだった。
そこで心配したのが、
目指す頂上直下の笹原だ。
一昨年の秋、
その深く濃い笹原を越えるのに苦労した。
しかしその場面に達してみると、
そこだけまだ雪に覆われており、
ホッと胸をなでおろした。
そして前方に『鬼首山』の頂上部が現れ、
最後はまた両手をつきたくなるような急登だ。
ただ一面エゾシカのフンが、
まるで敷き詰められたように広がっているため、
絶対に手はつけない。
きつい急登に耐え、
10時30分、『鬼首山』(二等三角点:紅葉山)。
東側には夕張の市街地風景が広がる。
昨春は『人漁山』(487m)経由でここに立ったっけ。
また紅葉が美しい山だ。
四季を通して登ってきたこの山には、
色々な思い出がある。
この日は冷たい北風が吹き、
寒いので簡単な昼食を済ませて下山を開始した。
下山は早めに沢筋へ下ることも考えたが、
Hiromiに何かあると大変なので、
登路のルートを忠実に戻ることにした。
そして安全に林道に下り、
支線林道から「草木舞林道」へは、
「草木舞沢川」を渡渉して、
けっこうなショートカットをした。
その後淡々と林道を歩き、
12時50分、駐車地。
この後Hiromiのところに寄り、
冬タイヤを夏タイヤに交換して帰途に着いた。