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2019.10.29 「音江連山」  Amigo 登山教室!

 今日は早くから休みを取っていて、

AyumiとKasaneと打ち合わせをし、

現地集合で「音江連山」に登ることにしていた。

昨夜のうちに麓まで移動し、一人宴会をした私。

早朝の運転はやはり嫌だ。

今朝集合時刻の7時半前に二人はやって来た。

そしてKasaneがいきなり車から裁ちバサミを取り出して、

何かの枝を切ろうとする。

ところが高くて届かない。

それでどうするのかと見ていたら、

今度は高枝バサミを取り出した。

Kasaneの職業は庭師だったっけえ!?

いやいや違う、山に関する職業だ。

リースを作る枝を集めているのだそう。

それにしても何故車にそういう道具が・・・

 Ayumiと『樽前山』に登ったのが一週間前だ。

その折のブログ記事でAyumiとは2年前の『神居尻山』で出会ったことを紹介した。

そしてその日の『神居尻山』頂上に、

今日初参加のKasaneがいたのだ。

それ以来2年ぶりに会ったKasane。

あの頃はポッチャリして男の子みたいな印象だったのだが、

2年ぶりに会ったKasaneは頬がこけ、

いいお嬢さんになっていた。

いつも連れ歩くHiromiが私の娘みたいな感覚なら、

このKasaneは孫のように感ずる。

Ayumiもまた実の娘と1歳しか違わないKasaneを、

娘のように感じるのは自然なことだ。

 7時35分、旧「鳩の湯温泉」の駐車地をスタート。

先日Hiromiと訪れた時は、

紅葉が素晴らしかったのだが、

その美しかった葉はほとんど落下していた。

登山口を入って早速Kasaneの講義が始まった。

前述の通りKasaneは山に関わる仕事をしているので、

植物に随分詳しいようだ。

木は得意じゃないと言いながらも、

次々と説明してくれ、やはり植物が大好きなAyumiから質問が飛ぶ。

私はといえば、植物にはあまり関心がないのだが、

Kasaneの説明は面白い。

その中で最も印象に残っているのが朽ちたクルミの話し。

Kasaneが朽ちて穴のあいたクルミを拾って説明してくれた。

穴があいているのはネズミがかじったもので、

二つに割れているのはリスがかじったものだと。

へえ~っ!

知らなかったねえ。

今日Kasaneと山に登っていなかったら、

おそらく生涯知らずに終わったことだろう。

  AyumiとKasaneのおしゃべりが続き、

8時40分、『音江山』分岐。

いつもは『音江山』をスルーしていくのだが、

今日はAyumiの希望で立ち寄ることにした。

無積雪期の『音江山』はいったい何年ぶりだろう?

9時10分、『音江山』。

記念撮影をするも、

Ayumiは顔を見せたくないと、後ろ姿のまま。

読者の皆さんすみませんねえ、お尻ばかり向けて!

顔を出したがらないけどねえ、

ホントは美人なんだよ。

今朝初めてそれがわかったさ。

いつも帽子のツバで顔が見えなくてねえ・・・

  9時30分、再び『音江山』分岐。

ここからはいつものように『無名山』を目指す。

Kasaneの首筋に汗が光る。

聞けばKasaneもHiromi同様汗かきなんだと。

しかし汗をかかせたらHiromiの右に出るものはない!

そのことをKasaneに言ってやると、

「私は自分より汗かきの人に会ったことがないんです。

Hiromiさんの話しを聞いて嬉しくなりました!」

ん? 何が嬉しいんだ?

  『無名山』に向かう途中で笹の葉を細く裂き、

笹笛を鳴らしてみせた。

するとすぐに二人が食いついてきて講義。

しかしそう簡単に音は出ない。

Ayumiなんかすぐに飽きて諦めてしまった。

ところがKasaneはやめようとせず、

黙っていたら音が出るまで続ける勢いだった。

 10時20分、『無名山』。

いい天気に恵まれて大満足。

初めて「音江連山」を歩いたKasaneは「いい山だぁ」を連発。

そして手製の大きな握り飯を出して頬張り始めた。

この娘、なんか豪快だ。

『無名山』からまたおしゃべりをしながら楽しく歩いて、

10時55分、『沖里河山』。

ここでホントの昼食だ。

それから柵の下にある動物のウンコを踏まないように、

ハイッ、記念撮影!

その後はまたぺちゃくちゃと喋りながら、

4.5kmの林道を楽しくのんびり下った。

二人は偶然同じ身長で162cm。

そしてもう駐車地が近くなった頃、

Kasaneが林道脇の気にコクワや山ぶどうがなっているのを発見!

そういう山の恵みは度々目にするが、

私とKasaneが違うところがある。

それはそういうものを絶対放置できないというのがKasaneだ。

山ぶどうは手の届くところになっていたので、

強引にとりまくったが、

コクワは高いところだったので無理。

13時10分、駐車地。

いやあ、天気がよく楽しかったねえ!

すぐにAyumiが帰っていった。

続いて私。

そしてKasaneはと言うと、

先ほど高くてとれなかったコクワを、

高枝バサミを持って取りに行くと言う。

いやあ、すごい根性だが、変わってるわぁ、Kasane~

 

 

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2019.10.27 乃々と虎と過ごす秋の一日  青空と紅葉と・・・

 今日は月に一度の「乃々と虎の日」。

いつものように朝迎えに行って二人を連れてきた。

今年はこの「乃々と虎の日」が天候に恵まれず、

いつも雨が降っており、

なかなか外で遊べなかった。

しかし今日は予報が良かったので期待した。

途中のスーパーで買い物をし、

我が家に着くなり乃々が「スライム」を作り始めた。

わかる? スライム。

ネッチョネッチョした流動体。

乃々は前回来た時もこれに熱中し、

足りなくなった材料を私と二人で調達に出かけたものだ。

それを踏まえて乃々は今回、

二日前に電話をよこし、

ババにまたスライムを作る旨伝えていた。

するとババは必ず期待に応えてすべてを用意しておく。

今回は虎にも材料を与えて、

二人でネッチョネチョ!

 昼食を早めに済ませて野幌運動公園へ出かけた。

久しぶりだ。

そして天気が良くて気持ちいい。

更に期待通りの紅葉が素晴らしい。

この野幌運動公園の紅葉は例年見事なもの。

広い公園の中をゆっくり歩く。

そして面白いものはないかと探す。

子供なんか何にでも興味を持ち、

如何なるものもおもちゃになる。

それは木の枝であったり、落ち葉であったり、

はたまた木の実であったり・・・

どんぐりを見つけた虎はそれを二粒手に握り締め、

絶対にはなそうとはしない。

両手を使わなければならない岩登りも、

グーをしたままの手の中にどんぐりが入ったままだ。

しかしさすがにそれでは岩に対処できず、

思いっきり捨てた、未練を断ち切るように。

また乃々は、小さい頃トンボに触れることができなかった。

それが今では小枝にとまったトンボを上手にとってみせた。

いやあ成長したなあ。

でも、身体も横に成長しすぎ~

最後に遊んだのが枯れ池の縁の岩場歩き。

これを虎が気に入り、すっかり虜になってしまった。

乃々が岩を伝って行くあとに続き、

つまずいたり尻餅をついたり、

つんのめって岩から落ちそうになりながらも着いて行く。

乃々も小さい頃これが好きで、

私のあとに着いて何度も何度も繰り返して行ったり来たり。

それが今は乃々が教官役で虎を率いる。

これを虎はやめたがらず、

最後は「ジュース飲みに行くぞ」と言ってその場を離れさせた。

車に乗ると疲れきった虎は、即爆睡。

抱っこして我が家のソファーでそのまま眠らせた。

  久しぶりに楽しんだ孫たちとの一日は、

夕方送り届けることで終了した。

そしてもう真っ暗になった札幌をあとにし、

ババと二人幸せな気持ちで帰途に着いた。

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2019.10.26 『鬼首山』(641m)~『630mP』  笹漕ぎ労苦も紅葉に癒されて・・・

 この週末は今日、土曜日だけの山行。

明日は孫たちと遊ぶ日だ。

そして今日はHiromiが土曜出勤だったので、

ひとりの時でなければできないことをすることにした。

『鬼首山』は近年積雪期に毎年登っている山だ。

そんな慣れた山に登りながら、

いつも思っていたことがある。

登路の斜面一帯の笹やブッシュが薄いので、

これは無積雪期にも登れるのではないか、ということ。

それでチャンスを伺っていたのだが、

Hiromiが一緒だとなかなか踏み切れなかった。

笹が薄いとは言っても、

山であるのだから薄いところばかりではない。

必ず深く濃い部分があるはずだ。

そんなとき身体の小さいHiromiではひどく苦労する。

それでも今年こそは登ってみるかと思っていたら、

Hiromiが初夏に二度もダニに噛まれてしまった。

そしたらもう藪こぎをするとは言えないもなあ・・・

 今朝家を出て夕張に向かった。

ほぼ積雪期に駐車する位置に車を止めた。

夕張市沼ノ沢の夕張川右岸に沿う農道脇だ。

雪がないときにそこまで車を入れるのは数年ぶりだ。

準備を整えて7時40分、

駐車地をスタートした。

私が住む江別市を出るときは、

雨が上がったあとで路面が濡れていたが、

夕張は雨の形跡がなく、

道路は乾いたままだった。

しかし笹は朝露で濡れている可能性があるので、

一応雨具着用でスタート。

ところが予想に反して笹は乾いたまま。

これは助かった!

そして紅葉が素晴らしい!

もう盛りを少しばかり過ぎたところだが、

それでもとにかく美しく、楽しい登りとなった。

斜面に取り付く時点で腰上の高さだった笹は、

すぐに消えて苔むした落葉樹の森となった。

下草が低くまばらで、どこでも歩ける。

これは予想通りだった。

グイグイ高度を稼ぎたいところだが、

写真撮りがある。

紅葉の写真もそうだが、

私の自撮り写真に時間がかかる。

私はブログの写真に人物が写り込んでいないと、

なんだかつまらないと思っている。

山風景の写真を見たいなら、

ガイドブックを見ればいいわけで・・・

自撮り写真は三脚を立ててだから、

これが結構な時間を要するわけよ。

 美しい紅葉を楽しみながら登って行くと、

当然想定内ではあるが、

笹の丈が増して密度も濃くなった。

一旦そんな笹の海に入るとこれが苦労する。

笹はやがて私の背丈以上となり、

それは200mほども続いたか。

最後は斜度のきつい急斜面を、

笹につかまりながら登って稜線に出た。

稜線上は積雪期と同じくすっきりしている。

膝の高さ以下の笹を漕ぎながら稜線を進み、

9時35分、『鬼首山』。

積雪期は雪の下で見えない三角点が露出している。

頂上付近は既に木々の葉が落ち、

木の間越しに夕張の風景が見える。

 ここから稜線の北に位置する「630mP」を目指す。

コルに向かって一旦100mほどを下る。

そして再び100mほどを登り返すわけだ。

稜線上は高度を下げるほどに笹の丈が高くなり、

その密度も増すものだから、

コル付近では結構な笹漕ぎアルバイトを強いられた。

「630mP」へ登り返すのだが、

ピークに立つ前に「630mP」西の尾根を少し下ってみた。

『雨霧山』に続く尾根の下見だ。

しかし少し高度を下げると笹の丈が高くなり、

やはり積雪期でなければ無理かな、と引き返した。

10時50分、「630mP」。

地上から『鬼首山』とこのピークを見上げると、

こちらの方が高く見える。

そして存在感はこちらの方がはるかに大きい。

このピークにも積雪期に二度立っている。

さて、ここからの下山だが、

笹が薄いのは『鬼首山』のすぐ北東側だけだ。

そこまで戻るのも面倒なので、

「630mP」から深い笹の尾根をそのまま下ることにした。

これがまた大変だった。

深く密度が濃いだけならいいが、

行く手を阻む倒木が次々に現れ、

深い笹の海でそれらを越えるのに大変な労力を必要とする。

笹の海を泳ぐように下って行くと、

笹が薄くなってきた頃、また紅葉が萌えだした。

赤い色が中心なのでなんとも華やかで美しい。

どれもこれも写真を撮りたくなる。

従ってゆっくりゆっくり下山だ。

そして麓に近くなってから「バッタの沢」に下り、

沢筋を歩いて森を出た。

畑地に出てから少し夕張川右岸の農道を歩き、

12時35分、駐車地。

笹には少々苦労させられたが、

楽しい山行に満足して帰途に着いた。

 

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2019.10.22 『クオベツ山』(506m)  新たな紅葉風景を求めて!

 月曜日に『樽前山』から下山して、

千歳市で銭湯に入り、そのままHiromiを迎えに行った。

そして夕張市滝上地区から道々夕張~厚真線に入り、

道々が林道へと移行する手前で車中泊をした。

 積雪期にこの沿線から数度登っている『クオベツ山』に、

今年の5月初めて無積雪期に登ってみた。

由仁町川端地区から片道10kmの林道を伝ってのことだった。

それを今回は逆の東側から、

同じく林道を伝って登ってみることにした。

時期的に狙いは紅葉だ。

この辺りは広葉樹が多いので、

さぞや美しい紅葉が見られるだろうと期待して挑んだ。

そして大正解!

 

 私の体調が戻った。

毎年この時期に同じようなことをこのブログ上で綴っている。

私は毎年夏場に体調が悪くなり、

秋に入ってそれが回復していた。

「体調が悪く」、と言っても、どこかがおかしくなるわけではない。

何とも言い知れぬ不調が襲い、足が前に出ない。

それでよちよち歩きになってHiromiに置いていかれる。

しかしその原因不明の不調が、

どういうわけか秋が深まる頃に回復する。

今の会社でアルバイトをするようになって3年半、

この会社で7月から8月の中旬まで、

休みが週に一日しかなく、

そこでストレスを貯めることが要因ではないかと感じ始めた。

それでも今年はその間に高齢者となったので、

これはもう回復しないだろうと、

半ばあきらめていたのだが、

先日の『浦臼山』~『隈根尻山』を歩いたあたりで急に回復し、

急登やアップダウンもそれほど堪えなくなった。

私の体内のメカニズムが、

長い周期で不調をもたらしているのかもしれないが、

とにかく今年も元に戻って「ホッ・・・」。

 火曜の朝6時20分、駐車地をスタート。

この駐車地で既に紅葉が美しく、

周りの山々も色とりどりに染まって、

林道歩行に期待をもたせてくれる。

歩き出してまもなく「ここから林道」と書かれた、

道路管理者の標識が現れた。

そして林道「厚真川線」が始まる。

最初は工事中で狭かった林道だが、すぐに広くなった。

周りの紅葉は期待通りだ。

しばらく行くと後方から大型ダンプがやってきた。

道端によけてやり過ごそうとすると、

目の前で停車し、私と同年代くらいの運転手が窓から顔を出した。

「どこまで行くのさあ?」

「クオベツ山に登るんだ」

「それって有名な山かい?」

「いやいや、マイナーで知られていない」

「ふ~ん、おっきいのはこれだけだから」

こんなやりとりだったが、最後の情報は助かった。

彼が言っていたのは、「大型ダンプはこれ一台だけだから」ということだ。

この情報が得られなければ、

ダンプは次々にやってくるものだと信じ、

落ち着かない歩行を強いられるところだった。

そのあと3台車が追い越していったが、

それはいずれも遥か先の方で行われている、

災害復旧工事の関係者のものだった。

それ以外にやってくる車は皆無だ。 

 林道は周囲のたまらなく美しい風景とは裏腹に、

路面が荒れてドロドロの箇所もあった。

あの大型ダンプもスタックの危険を冒して、

やっとの思いで登っていったようだ。 

 とにかく美しい林道を楽しく歩いて、

7時15分、Co.350で林道分岐。

ここに災害復旧工事のプレハブ事務所が設置されていた。

そして駐車地からここまでの道のりが4km。

分岐から入る林道にはその名が記されていないが、

おそらく西側から始まる「タモの沢林道」の東端となるのだろう。

ここまでも、そしてその後も林道は常に開けて明るく、

木の間越しに遠くの風景が見える。

これまで歩いてきた林道の中で、

この林道が一番楽しいかもしれないと、

Hiromiと話しながら歩いた。

それも紅葉が素晴らしいからと言うのも要因だが。

この後林道は地形図に載っている林道分岐もあれば、

載っていないものも現れはしたが、

判断に迷いが生じるようなものではなかった。

そして周りの植生が広葉樹から針葉樹に変わると頂上は近い。

8時05分、『クオベツ山』。

災害復旧工事事務所の分岐から3km。

駐車地からだと7kmの行程だった。

 朝方は空気が湿った感じで澄んではいなかったのだが、

下山に入ると日が差してきて、

紅葉が一段と美しさを増した。

そんな中をまた写真を撮りながら楽しく歩く。

歩いているとHiromiが突然足で何かをへし折った。

更に続けるので確認すると枯れたセイタカアワダチソウだった。

「これ折るとペコッてなって気持ちいいんだ」

弱い者にはめっぽう強いが、強い者には逆らわないやつだ。

 9時55分、駐車地。

いやあ、楽しかったねえ!

早くに帰宅できたので、この日の「サイゼリヤ」も早い時間に「乾杯!」

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2019.10.21 『樽前山』(西山~東山~932mP)  シシャモナイからAyumiを連れて

 21日(月)は私が勤める会社のカレンダーが休みになっている。

そこでこの日は時間の管理が自由なAyumiを誘って、

初めて一緒に登ることにしていた。

Ayumiとは3年前の『神居尻山』で知り合い、

その時点で私の出身高校の後輩であることが判明していた。

その後なかなか一緒に登る機会に恵まれず、

この日はHiromiが仕事のため、

全くフリーの私から声をかけた。

そして「どこに登りたい?」と尋ねると、

迷うことなく「シシャモナイから樽前山!」と言ってきた。

シシャモナイから『樽前山』に登ることが、

数多くある目標の中の一つだったようだ。

また、Ayumiとなかなか登る機会がなかった理由に、

Ayumiの体調不良が挙げられる。

Ayumiは極度の貧血で、その治療に長い時を費やしたようだ。

                      

 月曜の朝、現地集合としていたので、

10分早く到着した私に続いてシシャモナイにやってきた。

Ayumiは住まいがある空知からやってくるので、

運転が大変だろうと気遣うと、

それは全く苦にならないと強調していた。

若いねえ~

 準備を整え、

8時ちょうど、林道ゲートをスタートした。

この先は倒木の嵐で、広葉樹もかなり倒れてしまっているので、

紅葉はまばらにしか目につかない。

そして林道を完全に寸断する地点へ。

横たわった樹木が二重にも三重にも重なり、

その奥行きが深いため大きく迂回して先に出なければならない。

この遠回りに思いのほか時間を費やしてしまう。

今年7月にもHiromiとここを訪れているが、

その時より更に歩きにくくなった気がする。

この倒木群をクリアするのに時間を要している時だった。

森の中でヒグマが吠えた。

いかにも自然の中で生きていることを強調するようなその声は、

二度、三度繰り返され、これにAyumiがヒビった。

そして恐怖の奇声を上げる!
その奇声に私がビビる。

Ayumiの声はとにかく甲高く、

そういう声に慣れていないので、

この後幾度となく驚かされることとなった。

 聞けばこの3年間で結構な山行を重ねてきたようだが、

今回の行程には感嘆の声が次々と飛び出した。

登山道のない樹林帯を歩くワイルド感覚に驚嘆し、

樹林帯を抜けて目にする溶岩ドームの迫力ある光景に感激する。

連れて歩く者としては、

こういうふうに喜んでくれることが一番の楽しみだ。

それにしても高く、細く、大きな声の出し過ぎ~

 この日の行程の核心は外輪山への急登だ。

これには元気いっぱいのAyumiも手こずり、

何度も立ち止まって呼吸を整える。

それを調子が戻った私は先に登って待ち、

しっかりとかっこいい写真を撮ってやる。

10時20分、外輪山北の縁。

Ayumiがこの山に関して未体験だったのはここまでで、

この先は自分で何度も登ってきたようだ。

今回は私の決まったルートに従い、

まずは『西山』へ。

月曜だから人がいないかと思ったら、

少人数パーティーや家族連れなどで、

けっこう賑わっていたので驚いた。

10時45分、『西山』。

天気が良くて気持ちがいい。

風も適度なそよ風で心地よい。

『西山』から『東山』への歩行は、

素晴らしい青空の下で何とも言い様がない爽快さだ。

溶岩ドームと空にスマホのカメラを向けたAyumiが、

「ブルーっ!!」

細く大きく甲高い声で!

は、はずかしーっ!!

 

 11時30分、『東山』。

ここはいつものように人だかりなのでスルー。

楽しい細尾根歩きを続けて『932mP』へ。

私はこの行程でこのあたりが一番好きかもしれない。

『932mP』へ続く登山道も美しい。

 12時05分、『932mP』。

ここで昼食とした。

昼食後はこれもいつも通りなのだが、

一旦外輪山方向に下り、

その最低標高辺りから外輪山北斜面をトラバースしながら下降する。

そして溶岩台地の中の登山道に当てる。

これはただショートカットしているだけで、

別に大したことではないのだが、

Ayumiにとってはすごい体験だったようで、

「戻ったーっ!!」

その後は樹林帯に入り、また倒木群の中を時間をかけて下り、

14時30分、林道ゲート。

Ayumiにとってはこの上ない体験ができたようで、

感激して遠路を帰って行った。

ちなみにこの日の全行程が18km。

Ayumiとしては新記録だそうだ。

 

 

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2019.10.20 『雨霧山』(509m)  紅葉街道を行く!

  夕張市の『雨霧山』には林道を伝って登ることができ、

その林道入口は夕張市と栗山側の二箇所となる。

私はこの両方からそれぞれ数度ずつ登ってきた。

頂上のすぐ下まで林道が続く上、

たいして展望も良くはないので、

マイナーで地味な山だ。

しかしそれは私が好きな夕張の山であり、

自宅から近い距離にあるのがなんといっても良い。

またこれまではいつも11月の雪が降りだした頃に登ってきた。

そしてその度に落葉樹が多い「雨霧林道」沿線を歩いて、

紅葉の時期には美しい景色が見られるだろうと想像していた。

今回はこの時期に紅葉への期待を込めて登ってみることにした。

 

 今朝早くHiromiを迎えに行き、

夕張市清水沢の林道入口に向かった。

こちらから登るのは久しぶりだ。

林道入口の舗装道路が切れるところに路上駐車し、

7時05分、スタート。

ここは他の車が訪れることなぞほとんどないので、

路肩に駐車しても誰にも迷惑が及ぶわけではない。

  林道に入るとすぐに鎖で閉ざされたゲートがある。

林道の路面はドロドロだ。

200mほど歩くと分岐となるので、左手の林道を進む。

するとすぐに「雨霧林道」のゲートが現れる。

7時15分、「雨霧林道」ゲート。

この雨霧林道は熊の沢川に沿って伸びている。

林道入口から路面のドロドロが続いている。

今までそんなウェット感を感じたことがなかったので、

首をかしげたが、

考えるとこれまではもっと遅い時期で路面が凍結していたので、

表面がカチカチになっていたのだ。

辺りの木々の葉が赤や黄に染まる。

やはり期待していた通りの紅葉街道となっていた。

そしてこの紅葉街道を楽しむのは、

我々二人だけ!

なんとも贅沢ではないか!

紅葉は標高400m辺りが最も美しく、

今日はここを狙って正解だ。

ただ、路面は倒木や土砂崩れが起きたところもあり、

歩を進めるほどに荒れて行く。

現在は車両が通行することはできない。

それがまた歩いている我々には安心感となる。

  頂上が近付くと木の間越しに遠くの景色が見え出す。

そして標高490mで頂上の真下に到着し、

林道は最高標高点となる。

あとは約20mの標高を稼ぐだけだ。

但し、これまでは深い笹を漕いで頂上に立っていた。

ところが今回は踏み跡が有り、

軽く笹が切られていた。

つまり笹漕ぎの必要がなくなったわけだ。

濡れた笹漕ぎをするために雨具は用意していたが、

全く必要としないで登ることができた。

こんな地味でマイナーな山に登る人が増えてきたということか・・・

  8時30分、『雨霧山』。

この朝夕張まで車で走っていると、

空が暗くなり雨が降りだした。

そんな雨を心配したが、

入山してから雨に当たることはなかった。

時間が短く空腹感もないことから、

写真を撮ってそのまま下山を開始した。

そしてまた紅葉街道を楽しみながら下り、

9時45分、「雨霧林道」ゲート。

9時55分、駐車地。

狙い通りの成果に大満足し、

正午頃帰宅して後片付け。

早い帰宅は時間に余裕ができていい。

そしてこの後「サイゼリヤ」でゆっくりワインを飲むと・・・

俺って幸せだなあ!

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2019.10.19 「399mP」~「413mP」(点名:平和)  夕張市清水ノ沢ダム奥を探索

 私は今日から四連休。

その初日が雨だ。

しかし明日からまだ三日間遊べるので、

たいして腹も立たないが、

月曜日出勤のHiromiは違う。

昨日まで晴れて今日だけ降り、

明日からまた晴れるという予報に苛立ちを隠さない。

 今朝一泊の準備をしてHiromiを迎えに行った。

どうせ雨が降り出すので遅い時間に出発し、

近場の夕張へと車を走らせた。

今回は夕張市清水沢の「清水ノ沢ダム」から低山を歩くことにした。

この辺りは紅葉の美しいところで、

初めて歩く山であってもそれを期待していた。

昼近くに「清水ノ沢ダム」に到着したが、

車外の雨が鬱陶しく、車の中で昼食を摂ってしばらくウダウダしていた。

そして意を決してレインスーツを着用して外へ。

 

 「清水ノ沢ダム」の敷地にはゲートがあって、

進入禁止となっているので、

ゲートの手前200mほどのところにスペースを見つけて駐車した。

清水ノ沢ダムの敷地に徒歩で入ると、

通行止めの標識の奥に古い林道が続いていた。

これを予定した林道と勘違いして進んだ。

と言うのも、予定の林道は既に笹に埋もれて、

その形跡を失っていたからだ。

勘違いした林道はそれが間違いだとすぐに気づいた。

頭の中に記憶している地形図には,

ダム湖のふちを歩く道はない。

ただ、地形図にないだけに興味が湧き、

そのまま進むことにした。

しかしこの古い林道は既に林道とは言えず、

笹が生い茂り倒木も多い。

車が走れなくなってどのくらいの年月が経過したのだろうか?

林道跡はダム湖の形に沿って奥へと進んで行く。

そしてスタートして3km近く歩いて、

ダム湖から沢筋へと変わった。

するとそこに分岐が現れた。

これは迷うことなく直進をやめて、

上に向かう道に乗り換えた。

笹をかき分けて進んで行くと、

稜線へ向かうかすかな踏み跡を見つけ、

更に笹をかき分けて登って行き、

Co.370で稜線上に出た。

これは当初清水ノ沢ダムから伝ってくる予定だった稜線だ。

従って、今度はその稜線を伝ってダムまで戻ることにした。

これは大変おあつらえ向きな結果。

稜線上にはうっすらと踏み跡が残っていた。

そしてそれは忠実に稜線の頭に続いている。

地形図にあった破線だ。

途中の「399mP」で三角点を見つけたが、

これは公式なものではないようだった。

紅葉が美しい中、笹をかき分けながら進み、

最後は「413mP」(点名:平和)に立つも、

この辺りになると笹の丈が伸び、踏み跡も何もない。

ただただ笹をかき分けて尾根の急下降に入った。

「413mP」に立ったということが私の勘なら、

下降に使った急な尾根も勘に従った。

そしてきっちり清水ノ沢ダムに当てた。

  雨は強く降ることはないが、

終始止むこともなかった。

そのまま夕張に留まるつもりだったが、

天気予報をチェックすると、

その先長い時間止みそうにないので、

一旦帰宅して明日また夕張に向かうことにした。

しかしそれも最寄りの「レースイの湯」に入るなら、

夕張に留まったかもしれない。

「レースイの湯」は10月から入浴料金を700円から1,000円に上げた。

だからもう利用しない。

1,000円に値上がりしたが、夕張市民は460円だと!

まるっきり通りすがりの観光客は相手にしていないということ。

経営が中国変わり何か嫌な予感がしていたが、

結局こういうことだった。

「レースイの湯」なんか、もう行かない方がいいよ~

 

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2019.10.14 『無名山』(804m)~『沖里河山』(802m)  音江連山で紅葉を楽しむ

 

 月曜の朝、深川市の「音江連山」麓で目覚めると、

外気温は2℃だった。

先週は北大雪の標高700mほどのところで、

早朝2℃だったが、既にそんな低温が標高300mまで下りてきた。

5時に起床したものの、

もう夜明けが遅くてまだ真っ暗だ。

日が短くなっていくのは実に淋しい限りだ。

 5時55分、旧「鳩の湯温泉」そばの駐車地をスタートした。

そのころになると、もう明るくなっている。

登り慣れた音江連山へいつものルートをたどる。

『音江山』登山口を入ると、

木々は黄色く色づきいい感じだ。

そしていきなり急登が始まる。

この急登は529mの「剣山」まで続き、

一気に200mの高度を稼ぐ。

傾斜がきついので地面がよく滑る。

しかしこの日は落ち葉が地面を広く覆っていたので、

それがない時よりは滑らずに済んだ。

Hiromiは相変わらず元気で、

スタスタ登って行き、すぐに見えなくなってしまう。

周りの木々の葉は高度を上げるほどに、

緑中心から黄色や赤へと変わって行く。

それは「剣山」を過ぎると益々美しくなり、

次から次へとカメラのシャッターを切る。

紅葉は「剣山」と稜線までの間が最も美しい。

ただ稜線の「音江山分岐」までがまたきつく、

「剣山」からまた200m高度を稼ぐことになる。

7時ちょうど、稜線上の「音江山分岐」。

いつもはここで振り返って稼いだ獲得標高に満足する。

そしてこの山に近い深川市の人々は、

身近に素晴らしいトレーニングコースがあって羨ましくなる。

ところがこの日はHiromiが既に、

『無名山』に続く登山道を行ってしまっていた。

フツー稜線の分岐で休むべやあ!

いつかHiromiに殺される・・・

 ここの登山道を歩いていつも思うのだが、

常に草刈りがなされ、よく整備されている。

深川山岳会の方々のご尽力によるものと推察するが、

誠にありがたく、心より感謝申し上げたい。

整備された登山道歩きなものだから、

稜線に出てから草が濡れているのに、

ズボンの裾にまとわりつく草がなくて濡らさないで済む。

 アップダウンが続く登山道を進んで行くが、

空は快晴、空気は凛として張り詰めて、

とにかく気持ちが良くて快適だ。

 7時30分、『無名山』。

名がないことをこのように誇る山が他にあろうか?

頂上は360度視界を遮るものがないので、

すこぶる展望がいい。

表大雪や十勝連峰、それに天塩山地まで見えている。

その方角には前日登った『常磐山』も近くに見えている。

そして次に目指す『沖里河山』が目の前にある。

この後『沖里河山』までは小さなアップダウンを繰り返だけで、

大変楽な行程となる。

8時ちょうど、『沖里河山』。

こちらも展望がよく、頂上は展望台となっている。

無料の望遠鏡が備え付けられている。

 

この望遠鏡はその昔有料だったことを思い出し、

改めて本体を見てみて驚いた。

今は塞がれているが、10円の投入口の名残があった。

望遠鏡を覗くのにたった10円!?

いったいいつの頃のことだったのか・・・

 『沖里河山』からはイルムケップスカイラインを下る。

名前はかっこいいが、ただの林道だ。

この林道、前回訪れたときには通行止めのバリケードが設置されていたが、

今回は解除になっていた。

また、この林道の下りで見る紅葉が素晴らしい。

木々の葉だけではなく下草も色を染め、

まるで絵の具を流したよう。

そんな美しい風景の中を楽しく歩き、

9時10分、駐車地。

これで歩行距離がちょうど10km。

何度歩いてもいいルートだわあ。

Hiromiと二人、満たされた気持ちで帰途に着き、

帰宅が早かったので、いつもの「サイゼリヤ」も早い時間にGO!

 

※この日歩いたルートは、

 10月19日(9~13時)にトレランの大会が行われると、

 案内板が立てられていました。

 

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2019.10.13 『常磐山』(593m)  NTT管理道路を登る

 日曜の朝、私が住む江別市では雨が降ることもなく、

台風の影響がないいつもの朝がきた。

しかし、テレビのニュースでは関東、中部地方の大災害を伝えている。

北海道はこれから風雨が強まると言うものの、

台風のコースが若干南に傾いたので、

北に向かえば心配ないと、

8時近くに家を出てHiromi を迎えに行った。

そして深川市納内へ。

空知平野の北の端に、

もうずいぶん昔から気になっている山があった。

緩やかな隆起の頂上部にアンテナが建っている。

それを最近地形図で調べてみると、

『常磐山』とあり、車道があるようだった。

台風一過で落ち着かないなか、

そんな山に登ってみることにした。

目指す山に向かう林道の入口付近には、

大変ありがたい駐車スペースがあった。 

そこで車中泊したいくらい気持ちのよいロケーション。

10時45分、駐車地をスタート。

そしてすぐにエゾシカやヒグマの食害防止用の電気柵で遮られる。

しかし、それは端っこの絶縁体を握って一旦ケーブルを外して侵入する。

舗装された道路を歩いて行くと、

10分ほどで立派なゲートが現れた。 

そこで理解した。 

ここもNTT の管理道路なのだと。

ところが字が違うことに気付いた。

地形図でこの山は「常磐山」と記されているのに、

実際そこに行ってみると、

橋の名前もNTTの看板に表記された文字も、

全て「常盤」となっていた。

う~ん・・・?

それからは歩く道路の雰囲気が、

過去に歩いた同じくNTT 管理道路の、 

  

『紋別岳』や『上真谷地』、

あるいは『落合岳』などとよく似た場面が次々に現れた。

そして高度を上げるほどに、

辺りの広葉樹がその葉の色を濃く染めていく。 

そんな美しい風景が広がっていくのに、 

Hiromi はこの日も変わらず猪突猛進・・・

いったい何がHiromiを急がせるのか?

ただ、私も夏場の不調を脱したようなので追撃し、   

離れずシャッターチャンスを逃さない。  

   

登るほどに木の間越しに見える風景が新鮮だ。

管理道路はNTTの巨大アンテナを目の前にして行き止まりとなった。

そしてその奧にこんもりとした塊が見え、

どうやらそこが最高標高点と思われるので、

多少の草木をかきわけて三角点を見つけた。

11時55分、『常磐山』。

辺りは樹木が覆っているため、

木の間越しにしか展望は効かないが、

初登の山に満足し、用意してきたバームクーヘンをかざす。

  

いやいや、すっかり「シケ」のトレードマークにはまってしまったぜ!

ラーメンタイムをとって下山。  

多少荒れてはいるが、

舗装された道路の下りは楽だぁ。

淡々と下って、

13時35分、駐車地。

う~ん、おもしろかった。

今度は木々の葉が全て落ちた11月に登ってみたい。

木の間越しの風景が楽しめるだろう。

 まだ時間が早かったので、

気持ちの良い駐車地でゆっくり昼寝。

15時過ぎに起きて、深川市音江の「まあぶの湯」に行って汗を流した。

入館の際料金を尋ねると「500円ですが、

65歳以上の方は400円です」と言う。

それで支払った500円から100円を返してくれた。

歳取るのも悪いことばかりじゃねえもんだあ~

 

 

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2019.10.12 『浦臼山』(718m)~『樺戸山』(890m)~『隈根尻山』(971m)  登山道復活に感謝!

 今日から三連休だが、

残念ながらまた三日間晴れてはくれず、

よりによって中日に台風到来などと、

全く意地の悪い空模様となってしまった。

それでも二泊三日の予定で、今朝Hiromiを迎えに行った。

ただ、中日が雨予報とのことなので、

遠くには行かず、空知で遊ぶことにした。

そして『浦臼山』の登山口へ。

二ヶ月ほど前、もう10年ほど前に廃道となった、

『樺戸山』~『隈根尻山』間の登山道が笹刈りされて復活したという報を得た。

それで気になっていた。

それはHiromiも同じで、ここを歩くのを楽しみにしていた。

Hiromiは積雪期に『樺戸山』~『隈根尻山』に登ったことはあるが、

夏道は廃道になっていたので登ったことがなかった。

私はまだ廃道になる前、随分回を重ねて登った。

今はもう山登りをやめて15年も過ぎてしまった我が愛する女房が、

最も好きなルートがこの日のルートだった。

そんな懐かしい思い出を胸に、

8時45分、登山口をスタート。

昔は林道が整備されていて、

車で『浦臼山』の先まで入ることができた。

私も時間がないときは、そこまで車で入って『隈根尻山』を往復したものだ。

スタートしてすぐに鎖のゲートが設けられているのだが、

今はその鎖も地面に落ちたままで用をなさない。

ただ、林道はもう荒れてしまっているので車での走行は無理だ。

ところが歩き出して驚いたのだが、

『樺戸山』~『隈根尻山』間で成されたという笹刈りが、

登山道のスタート時点から始まっていた。

それも広く林道の幅いっぱいに!

もう10年以上前の災害で林道が決壊してから、

下草だけではなく、潅木も林道を覆い始めたのだが、

それらの木々までもが刈られていた。

その草刈りが延々と続く。

日が差してくると暑いので半袖シャツになって登る。

9時50分、『浦臼山』。

この先は見通しが効く。

進行方向左手はほとんど視界を遮ることがなくなるので、

歩いていても楽しく退屈することがない。

そして林道はやがて細い登山道となる。

登山道となると長い稜線上のアップダウンを越えて進む。

これがなかなかの登り下りで、

獲得標高をどんどん上げて行く。

空は曇天で暗いが、風景は美しい。

四季を通して見慣れた風景だが、

樺戸山地の風景は決して見飽きることがない。

10時55分、『樺戸山』。

ここからだ。

ここからの下りで長い間登山道が笹に覆われてしまっていた。

それを行くのはワクワクする。

『隈根尻山』とのコルまで一旦深く下る。

そして太い笹が刈られた跡だ。

これが歩きにくい。

太い笹の切り株と切られた笹の葉や茎が散乱し、

足元が非常に不安定だ。

ただでも下降が得意ではないHiromiは、

もうおっかなびっくりでゆっくり下る。

下り着くと周りには背丈の倍はある笹が密生している。

昔ここでタケノコ採りをしたことを思い出す。

周りの笹を見てわかるように、タケノコ(ササノコ)も太いのだ。

下りきったあとは標高差140mの急登だ。

それを足元の笹が思うように登らせてくれない。

滑るつまずくを繰り返し、一歩一歩登って行く。

背後には『樺戸山』とそこに刻まれた登山道が見える。

そして頂上へと思った瞬間、

前を行くHiromiが先に頂上に着いて、

「こんにちは~!」と声を上げている。

こんなところでHiromiの知り合いかぁ!? 

と思って近付いてびっくり!

なんと「こざるん」じゃないの!

久しぶりの対面は971mの山頂だった。

11時30分、『隈根尻山』。

こざるんは夫と夫婦登山だった。

この夫は若くて私の息子と同じ歳だ。

こざるん夫婦と記念撮影をし、

我々がラーメンタイムの準備をしている間に二人は下っていった。

Hiromiとラーメンを食べながら話してやった。

「あの夫はかつて群馬県警の山岳救助隊に所属していたんだぞ」と。

そしたらこのHiromiが言ったこと!
「どうりで胸板が厚いと思った」

おいっ、そんなとこ見てたんかい!?

全く調子のいいやつだ。

 下山は例の笹が更に滑る、つまずく!

私は一度つまずいてつんのめ、地面に手をついた。

すると恐れていたとおり笹の切り株が手の平に刺さりそうになった。

幸い難は逃れたが怖い。

周りの笹につかまりながら恐る恐る下って、

『樺戸山』へ登り返し、

12時30分、再び『樺戸山』。

このあとは景色の良い稜線歩きを楽しみながら、

徐々に高度を下げて、

13時30分、『浦臼山』。

と、ここで休憩していたこざるん夫婦に追いついた。

そうなるともう一緒に下山だ。

Hiromiとこざるんが肩を並べて歩き、

ぺちゃくちゃとしゃべっている。

Hiromiは人とあまりしゃべらないのだが、

こざるんとしゃべって何が楽しいのかな・・・

4人で楽しく下って、

14時20分、登山口。

いやあ、楽しい下りだったねえ!

こざるん夫婦は早々に引き上げ、

残った我々も、その時点で台風が勢力も進路も変えていないことで、

一旦帰宅して翌日再スタートすることにした。

そして暗くなる前には帰宅した。

 

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