凧

　　　　　　　　　　　　　　　凧　（たこ）
　大空に舞う凧、平然と舞っていられるのは急転回して落下しないように足（おもし）がついているのからなのです。
戦後日本の政権を担った総理大臣には、その政権の中に必ず時の権力者が暴走しないようにブレーキ役を果たす人物が居た。
吉田・・・鳩山　　鳩山・・・石橋　　岸・・池田　　池田・・・佐藤
佐藤・・・田中　　田中・・・福田　　福田・・・大平などなど、
ところが、今の安倍内閣にはそういうブレーキ役がいない。
アクセルを吹かすばかりの陣容で、言ってることがトンチンカンなのに、ブレーキ役がいない。
これはでは、アクセルだけでブレーキのない車みたいで「危ない！」

　「日本の政治を考える市民講座」　２５．３．１９
　　於　中の島中央公会堂　政治評論家　森田　実　氏　談

奴雁

　　　　　　　　　　　奴　　　　　雁　（どがん）
　雁の群れが餌場に降り立って餌を食べている間にも、外敵から群れを守るべく、自分は餌も食べないで頭を高く上げて四方を見回っている雁がいます。
一種の監視役です。　これを「奴雁」と言います。
「学者は国家の奴雁であれ」とは福沢諭吉のことばですが、いまどきそんな学者も政治家もいない。
野球だって９人のうちキャッチャー１人はみんなと反対の方を向いているからプレイができるのですが、今や少数意見は抹殺され孤立してしまいます。
福井　俊彦氏が日銀総裁に就任した時（第２９代　Ｈ１５．３．２０）記者会見で、日銀は日本経済の「奴雁」と表明しましたが、その功績はともかく今の日銀にはそういう気骨も面影もない。

ウサギ税

　　　　　　　　　　　う　さ　ぎ　税　　　　２５．０４．０１
へんな税金がありました。　「うさぎ税」です。
うさぎを繁殖させると儲かるといううさぎバブルが発生し、一羽２０万円くらいに高騰し、庶民は競ってウサギを飼育したので生活は荒廃し、勤労意欲さえ減退して社会問題になった。
そこで東京市（都）は「うさぎ税」を設けて一羽３万円ほどを課税した。
その結果うさぎバブルは崩壊しました。　　明治６年でした。
このように税金は庶民の生活におおきな影響を及ぼします。
タバコ消費税・酒税なども税収を目的とする一方、健康被害を抑止する目的もあります。
ところで「消費税」です。
この税は、明らかに消費を抑制することになりましょう。
消費を刺激して景気をよくしようという政治目的とは逆の作用をおよぼすことになることは明白です。
そのほかにも、この消費税には変なところがあります。
一般庶民は消費税を負担しますが、消費税を「もらう」人達が居るのです。
消費税率が上がれば上がるほど儲かるずるい人が居るのです。
それは輸出業者です。
消費税は内国税ですから、品物を外国に輸出した場合相手の国で日本の税務署のために税金を徴収はしてくれませんから、消費税を払いません。
払わないばかりか、輸出で儲けた以外にインボイス（通関に要する資料）を提出すれば、コストとして支払った消費税相当額の還付を受けることができるのです。
名古屋税務署管内では、庶民が支払った以上の金額をトヨタ自動車１社だけで還付されているのです。
こんなことでは、庶民は窮乏し・国だってそんなに税収が上がるわけでではない。　　でも、トヨタなどの大企業はますます巨利を得て肥大するヘンな税金なのです。
このような状況を中学校で習った、杜甫の「春望」載せてみました。
　　　　　　　　新　　　春　　　望（消費税を詠う）
国破綻して　　大企業在り
民貧困にして　　悩み深し
　時に感じては　円高にも涙し
　　ドル安を恨んでは　為替にも心を驚かす
絶不況　二十有余年に連なり
　年金は　万金にあたる　
　　預金残　見ればさらに少なく
　　　これ死ぬまで　持たざらんと欲す