小言コウベイN

日々感じた風刺等について書いています。

カンダタ

2013-04-15 20:14:46 | 日記
            カ  ン  ダ  タ
 ある日のこと、お釈迦様が極楽池のほとりを散歩されていました。
この極楽池の底が丁度地獄の底にあたるのですが、池の水を透かして見ますと、三途の川や針の山・血の池地獄が見えます。
・・・で池を覗いてみますと、地獄の底には生前に人を殺めたり放火したり、オレオレ詐欺を働いてお年寄りからなけなしの財産をだまし取ったり、甘言を弄して独居男性を保険金目当てに睡眠薬を飲ませて殺害した罪人どもが地獄の責めに耐えかねてうごめいています。
フト見ますと、カンダタという名の男がいます。 この男もご多聞にもれず生前は大悪党でしたが、一度だけ路端で蜘蛛の命を助けたやったことがありました。
お釈迦様はそれを思い出して、極楽に登れる蜘蛛の糸をカンダタのもとに降ろしてやりました。
カンダタ君は一生懸命に這い上がった甲斐があって、もうあと一歩のところで地獄から抜け出せるところまで到着し、フーと一息つき下を見ますと、細い蜘蛛の糸の下の方には数限りない罪人たちが、まるで蟻の行列のようにひしめきあって登って来るではありませんか。
自分一人でさえ切れてしまいそうな細い糸なのに、万一途中で切れたら一大事、そこでカンダタは叫びました。
「こら! 罪人ども、この蜘蛛の糸は俺のものだ! 降りろ! 降りろ!」と。 すると、その途端カンダタがぶら下がってるところから、糸はプッツリと切れて、カンダタは元の地獄へ落ちてしまったのでした。
自分だけが地獄から抜け出ようとする無慈悲な心にバチがあったんだ・・・という(芥川 龍之介=クモの糸の)話です。
さて、いまの日本の国は自分さえよければいいという。 弱肉強食のアメリカ的な社会になっています。 
社会的弱者を「自己責任」だといっていたわる慈愛がなくなっている。
安倍さんが言いてる「日本を取り戻す」とか橋下さんが言ってる「大阪から日本を動かす」なんてさっぱり意味が解りません。
取り戻すべきは、威勢のいい言葉ではなくて日本古来の弱者を思い遣る心ではないでしょうか。
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もぐさ

2013-04-15 13:42:09 | 日記
            も  ぐ  さ
一人前の猟犬に育てるために猟師は犬を訓練する。
野鳥のぬいぐるみの中に針山を入れておいて、それを取ってこさせる。
犬は獲物の中に針山が入っていることを知らないから、最初はガブリとかぶりつく。
そうすると針が口に刺さるから痛さを知る。
次には獲物をきずつけないように、そして自分の口に針山が刺さらないように柔らかに咥えるようになる。
言葉で説明してもわからないからそうせざるを得ない。
父親が子供に授ける教育というものはそういうものだ・・と言う意見がある。
痛さや・苦しさ・辛抱強さ・厳しさ・つらいことを耐えることを教えるのが父親の役目。 お母さんはそうでなくてもよい。
厳しいお母さんもいらっしゃるが、草かんむりに「母」で「苺」(いちご)甘酢っぱく・砂糖とコンデンスミルクをまぶしたお子様向きでいい。
優しさ・物分かりの良さ・時には騙されて小遣いをせびられるお人よしでいい。
ところが、草かんむりに父は「艾」(もぐさ)。 昔子供が寝小便をしたりヒステリーを起こしたり、不作法をしでかした時などには懲らしめとして「お灸」をした。
そのお灸の際に使用したのが「艾」です。
母は苺であってよいが、父親は子供が社会に出て恥をかかないように厳しく社会の常識を叩き込まなければならない。
最近、物分かりのいい・優しいお父さんが多くなったが、それが過剰になって暴走族・登校拒否児・エトセトラ・・・子供が怪しくなってきた。
お父さんも会社の仕事ばかりに没頭してないで、子供の教育にも気を注いでいただきたいものです。
*川柳を一句
 おふくろは もったいないが だましよい。 (親父はそうは行かない)

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