29.07.26 丁 稚 奉 公 NO.1598
昭和20年代の後半まで丁稚奉公という制度が残っていました。
年中無休・お盆と正月にそれぞれ3日程度の間藪入り(やぶ入り)と言って親元に帰ること
が許さるだけの「労働者」でした。
実質24時間拘束みたいで、側雇い主のプライベイトな仕事(子守り・居室の掃除・洗濯)ま
でもさせられました。
決まった給料はなし、食事は使用人専用の粗末なもの(船場汁・・・鯖のあらを出しにしたす
まし汁)とたくわん・麦飯程度。
時たま雇い主の気まぐれでお祭りなどの際に、少しのお小遣いがもらえる程度でした。
それでも、辛抱して丁稚から手代~小番頭~大番頭と階級を登り詰めれば、いずれ一人娘
の婿養子に迎えられたり、暖簾(のれん)分けと言って独立させてくれたり、支店や営業所を
任せられることもありました。
なにも昔が良かったと言っているのではありません。
ただ、苦労して・辛抱すれば何とか道が開けるというささやかな希望があったのです。
ところでどうでしょう。 今の世に中、体も心もボロ雑巾のようになるまでこき使われて、死ん
だ方がましと思って実際に自殺する人が絶えない。
世の中なんでこんなに悪くなって行くのでしょうか?