30.02.24 鼻 NO.1811
和尚さんは自分の長い鼻がはずかしくって、カッコ悪いと思い
悩んでいました。 短くするために塩でもんだりネズミの小便
をかけたり苦心惨憺の努力をしましたがどうにもなりません。
ところが、ある朝起きてみるとその長いはずの鼻がなぜか普通の
人とおなじような高さになっていたのです。
すると今度は周りの人が不思議そうに和尚さんの顔をジロジロと
眺めるのです。 それで、余計にはずかくなりなした。
ところが翌朝起きると元の長い鼻になっていたので、周りの人は
和尚さんを好奇の目で見なくなりほっとしました。
(芥川龍之介「鼻」より)
奇異なことにひとは目向けますが、自分は自分・人は人という気
持ちが大切なんだという教えのように思います。
下手に格好をつけたり・人の目を気にすることなんかない・・・ということではないでしょうか?