直撃か!とニュースで騒がしかった割りにはたいした被害もなく
台風9号は通り過ぎていった。
雨も止み生ぬるい風の残る夕暮れに牛乳を買いにスーパーへと行った。
いつもの道でいつもの風景と変わってしまった場所がある。
そうか・・・ここにあった家が取り壊されたのか・・・
ここは通称「猫ばあちゃんの家」だった。
春の頃亡くなったと聞いてはいたが、残った病弱の50代くらいの息子
では家を守りきれなかったのだろう。
「猫ばあちゃん」には思い出がある。
いつだったかリュックを背負ったばあちゃんが、電柱にもたれるようにして
蹲って動かないの見かけたときのこと。
どうしたのだろうと、顔を覗いた途端に掛けられた言葉が、
「レイコさん!俺の荷物持っていく気か~!」
勿論私の名前はレイコではない!
生きていることを確認できたので逃げるようにしてその場を去った。
認知症だったのかもしれない。
ばあちゃんはどんな人生を送ったのだろうか。
知る由もないが、きっと幸せな時も一杯あったよね。そう思いたい。
奇妙な空の色に、もの思う夕暮れだった。
夕方6時の空


台風9号は通り過ぎていった。
雨も止み生ぬるい風の残る夕暮れに牛乳を買いにスーパーへと行った。
いつもの道でいつもの風景と変わってしまった場所がある。

そうか・・・ここにあった家が取り壊されたのか・・・
ここは通称「猫ばあちゃんの家」だった。
春の頃亡くなったと聞いてはいたが、残った病弱の50代くらいの息子
では家を守りきれなかったのだろう。
「猫ばあちゃん」には思い出がある。
いつだったかリュックを背負ったばあちゃんが、電柱にもたれるようにして
蹲って動かないの見かけたときのこと。
どうしたのだろうと、顔を覗いた途端に掛けられた言葉が、
「レイコさん!俺の荷物持っていく気か~!」
勿論私の名前はレイコではない!
生きていることを確認できたので逃げるようにしてその場を去った。
認知症だったのかもしれない。
ばあちゃんはどんな人生を送ったのだろうか。
知る由もないが、きっと幸せな時も一杯あったよね。そう思いたい。
奇妙な空の色に、もの思う夕暮れだった。
夕方6時の空

