25-2-5 NHKより
news watch 9 では、埼玉県知事大野氏の映像(動画)が出る
埼玉 八潮 道路陥没 下水道管に障害物 トラックの運転席部分か
男性1人が安否不明になった埼玉県八潮市の大規模な道路陥没で、県は、現場の下流部にある下水道管の中を調査した結果、転落したトラックの運転席部分とみられるものが見つかったことを明らかにしました。乗っていた男性は確認されておらず県は、引き続き捜索を続けることにしています。
記事後半では、周辺地域への節水の呼びかけなど拡大している地域への影響について詳しくお伝えしています。また埼玉県が設けた電話相談の窓口も紹介しています。
目次
<button class="content--accordion--open js-accordion-open" aria-controls="accordion-2f98a8bd-6be4-4694-bbb8-19a3e65b847e" aria-expanded="false" aria-selected="false">目次を開く</button>1月28日に八潮市で発生した大規模な道路陥没では、深さが15メートルほどの穴ができていて、中には、大きくて重量があるコンクリート製のがれきなどが積み重なり、汚水とみられる水もあふれ出しています。
トラックに乗っていた74歳の男性の安否は依然としてわかっていません。
県は、下水道管が目詰まりして汚水の水位が上がり現場であふれ出しているとみて5日、複数台のドローンを入れて内部を調査しました。
![](https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250205/K10014712791_2502051922_0205192631_02_04.jpg)
その結果、陥没現場のおよそ100メートルから200メートル下流部の管の中で転落したトラックの運転席部分とみられるものが見つかったことを5日夕方に開いた対策会議で明らかにしました。
県によりますと、管の中の空洞部分をドローンを飛行させて見つけたということで、運転席部分とみられるものは白っぽい金属製のかたまりで一部が水につかっている状態だということです。
男性は確認できていないとしていて、県は引き続き男性の捜索を続けるとともに、自衛隊や消防と連携して見つかったものを管の中から出すための方法を検討することにしています。
埼玉県 大野知事「キャビンのようなものに人の姿 確認できず」
埼玉県の大野知事は5日午後6時から開かれた対策会議のあと取材に応じ、下水管の中で行った調査について「陥没現場から100メートルから200メートル下流の地点でキャビンのようなものを発見した。まだ転落した車か分からないし、形が変形している。今のところキャビンのようなものに人の姿は確認できていない。キャビンのようなものは一部が水につかっている状態だ。色は白に見えた」と述べました。
- 注目
【NHK】「空撮映像立体化」技術による陥没現場の様子
NHKでは、1月31日と2月4日、ヘリコプターから埼玉県八潮市の道路の陥没現場を撮影したそれぞれおよそ400枚の画像に立体的な処理を施しました。これは「空撮映像立体化」という撮影技術で、ヘリコプターから撮影した画像に立体的な処理を施し、さまざまな視点で見ることができます。
5日たって現場では2本目のスロープ造りを進めている様子とコンクリート製のがれきなどが積み重なっていることがわかります。
地域への影響は拡大(2月5日)
≪近隣住民の避難≫
崩落が相次ぐ中、県は陥没現場直近の5軒の家の住民たちに避難を要請していましたが今後、コンクリート製の管の撤去工事にともない、さらに広い地域で崩落のおそれがあるため新たに11軒に避難を要請しました。これで避難の要請はあわせて16軒になりました。八潮市は、陥没現場から半径50メートルの範囲に住んでいる人たちに市の体育館「エイトアリーナ」を開放して避難所を設置しています。市によりますと、5日の時点で、6世帯10人が避難しているということです。
≪下水抑制 節水呼びかけ≫
埼玉県は下水道管に流れ込む汚水の量を減らすため県内の12と市と町の住民に節水して排水量を減らすよう求めています。
対象となるのは、八潮市、さいたま市緑区と岩槻区、川口市の一部、春日部市の旧庄和町を除く地域、草加市、越谷市、蓮田市、幸手市、白岡市、伊奈町、宮代町、杉戸町です。
≪水道に濁り水≫
陥没事故の対応に伴い、水道水が濁る可能性があり、八潮市は「濁り水」が出てきた場合はしばらく水を流して濁りがなくなってから使うよう求めています。
≪固定電話≫
NTT東日本によりますと、道路の下に埋められている通信ケーブルが断線したため、陥没事故が起きた1月28日以降、周辺で固定電話が利用できなくなっています。NTT東日本は復旧作業を進めていて、一部の回線は早ければ6日の午後から復旧する見込みで、2月9日までに全面復旧を目指すとしています。復旧までは、携帯電話の電波を固定電話の通信に転用する「ワイヤレス固定電話」や通じなくなっている固定電話にかけてきた相手に携帯電話番号などを伝える「音声ガイダンス」を利用するよう呼びかけています。
埼玉県 専用の電話窓口開設
埼玉県は事故に関する問い合わせや相談に応じる専用の電話窓口を5日開設し、補償に関する相談などが数多く寄せられました。
電話窓口は埼玉県が県庁に設置し、県が行っている12の市と町に対する下水道の使用抑制の呼びかけや今後の復旧工事など、事故に関する問い合わせや相談に応じています。
職員2人が対応にあたり、下水抑制の対象となっている住民からは▽「排水する量を抑えるのはいつまで続ければいいのか」という問い合わせや、▽現場近くで店を経営している人からは「利用の予約がすべてキャンセルとなってしまったが補償してもらえるのか」といった相談などあわせて96件が寄せられたということです。
埼玉県下水道局の西村憲一副参事は「どんなことでも相談してほしい。誠実に対応して県民の不安を解消していきたい」と話していました。
◇電話相談窓口
電話番号:048-830-5988
(受け付け:土日・祝日を除く午前9時~午後5時)
埼玉県 応急的な復旧工事に約40億円の補正予算案提出へ
埼玉県は、この道路陥没を受けて破損した下水道管や壊れた道路の復旧工事の費用、およそ40億円を盛り込んだ補正予算案を今月開会する定例の県議会に提出する方針を固めました。
応急的な復旧工事に充てるもので完全な復旧に向けては、さらに大規模な工事が必要なため改めて予算措置を検討したいとしています。
東京 練馬区で“水道管取り替え工事”見学会
![](https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250205/K10014712791_2502051612_0205162351_02_05.jpg)
陥没事故を受けて、全国各地で下水道管の緊急点検が行われる中、東京 練馬区では水道管の取り替え工事の見学会が開かれ、参加した人たちは工事の進め方を熱心に見ていました。
この見学会は、地下にあって見ることができない水道管が、どのように取り替えられるのかを知ってもらおうと、都が開いたもので、近隣の住民など、およそ20人が参加しました。
![](https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250205/K10014712791_2502051612_0205162351_02_06.jpg)
現場では、53年前に設置された水道管を取り出して、耐震化された新しいものに取り替える工事が行われ、参加者は工事の進め方を熱心に見ていました。また、会場では都の職員が最新の水道管の特徴などをパネルを使って説明していて、参加者はメモを取って話を聞いていました。
埼玉県八潮市の陥没事故では、下水道管の破損などが原因とみられていますが、都によりますと、水道管でも水漏れによって道路が陥没したり水につかったりする事故は各地で起きているということです。
参加した女性は「埼玉の事故があり、水道管について気になっていたが、理解が深まった」と話していました。
![](https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250205/K10014712791_2502051612_0205162351_02_07.jpg)
都水道局 鈴木浩三北部支所長
「インフラに対する関心が非常に高まっていると感じた。これからもしっかりと取り組みを進めていきたい」
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