新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医師不足実態調査:しっかりやってくださいorz

2010-04-24 21:44:52 | 医療

さて、もう一つだけ。

 

本題の記事の前に一つ別の記事を・・・。

 

この記事を見てある映画を思い出しました。

重傷の顔すべて他人の顔に、スペインで成功

4月24日19時44分配信 読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100424-00000765-yom-sci  

顔に重傷を負った男性に、亡くなった人の顔面のすべてを移植する手術に、スペイン・バルセロナの病院が成功した。  

顔の移植手術は過去に10例報告されているが、顔のすべてを移植したのは世界初という。  

同病院やAP通信によると、手術を受けたのは30歳の男性。5年前に誤って自分の顔を銃で撃ち、鼻やあごに重傷を負った。自力で呼吸や食事をすることができず、過去9回の手術を受けたが完治しなかった。  

手術は先月末、30人の医師が24時間かけて実施。亡くなった人の全顔面の筋肉組織と、鼻とあごの骨の部分を取り出して、男性に移植した。男性はまだ、話したり食事はできないが、つばを飲み込む程度のことはできるという。

----------------------------------

むかし「フェイスオフ」っていう映画ありましたよね。

あれを一瞬思いだしました。

 

ものは異なると思いますが、医療現場において人のために役立つのであれば、良い技術だと思います。ただ、遺族は複雑な思いをされるかもしれませんね。 もちろん、あの映画と異なりあくまで組織を移植しているだけですけどね。

 

 

さて、続けます。

厚労省の医師不足実態調査に協力-日病協

4月23日21時56分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100423-00000013-cbn-soci

日本病院会など11団体でつくる「日本病院団体協議会」(日病協)の邉見公雄議長(社団法人全国自治体病院協議会会長)は4月23日の代表者会議後の記者会見で、厚生労働省から医師不足の実態調査についての協力依頼を受けたことを明らかにした。調査は5-6月に実施されるという。邉見議長は会見で、「協力するから、ぜひちゃんとした調査をしてほしい」と述べ、病院やその地域で本当に医師がどれだけ欲しいか、正しいデータが出るように、「気合を入れてやってほしいと参加者一同申し上げた」と説明した。  

この日の代表者会議では、厚労省からの調査協力依頼や、レセプトを電子請求している医療機関に対し原則義務化された「明細書」の無料発行に関する説明などのほか、中央社会保険医療協議会の審議報告や、21日に開催された日病協の実務者会議で決定した今後の検討事項についての報告などが行われた。  

実務者会議で決定した今後の検討事項は、▽病院のコスト分析と入院基本料の在り方▽医療保険と介護保険の給付対象の整理▽病院における複数科同日受診の実態と今後への対応▽精神病棟や療養病棟における認知症患者の入院状況の実態と対策-の4項目。 

検討する団体も既に決まっており、順に全日本病院協会、日本医療法人協会、日本病院会が担当。認知症患者の入院状況の実態などについては、日本精神科病院協会と日本慢性期医療協会の2団体で担当する。

----------------------------------

実際のところ…例えばうちの血液内科。

 

大学に配属という形ではありますが、僕は基本的に大学の人事以外で動いていますので近日中にいなくなります。さて、どこに行くのやら・・・。

 

僕の行き先よりも最近心配なのは僕がいなくなった後のうちの血液内科ですよ。本気でそのことだけが心配で、最近は気にしているのはそっちのことばかり。

 

 

僕が来たときはスタッフ数の絡みもあると思いますが「リンパ腫」と「白血病」が半々くらいでしたが、今は移植予定の方も含めて白血病が7~8割ですから、重症度が違います

 

僕がいなくなったあとが少し心配・・・・。

 

それは置いておいて、うちの場合血液内科としてはいかがなものか・・というくらいスタッフ数が少ない

 

教授(50代)、講師(50代)、助教(40代)が各1名ずつ+若手2名。若手2名は別人事で動いている。

 

先日も話をしていましたが、この人数では診療に無理が生じます。せめて大学に「2倍」の人数(常時6名)はいないとちょっとつらい

 

逆にそれだけの人数がいるなら、教育も研究も臨床もある程度はできると思いますが…状況によっては、また余裕のかけらもなくなるのではないか・・・と思ったりしています。杞憂であればよいのですけど。

 

もし、若手が「別人事」ですから帰ってこなかったり、辞めてしまったりしたら教授以下3名での診療になります

 

僕もどうしようか悩みましたからね。人事権を握っている組織は「改善」しようとすることに対して反応鈍いですから。

僕はあれだけ協力しよう、レベルが上がってきたから次のステップに移ろう・・といっても硬直していますしね。組織というのはそういうものだろうとは思いますが。

 

話を戻します。

 

血液内科の前線は結構大変です。特にうちのように末期の患者さんも含めて対応している大学病院は…。 たぶん、同じ医療従事者の方々であれば20~30名(今は20名くらいですね。新システムに慣れるまでは…)の血液疾患の患者さん、しかも白血病ばかりを2名で診るというのは現実的には泊まり込む覚悟がないと不可能です

末期の患者さんを受け入れてくださる関連病院があればまた違うのでしょうけど、血液疾患の緩和ケアをやってくださる病院も近くになく・・・。

 

ついでに言うと・・・僕は救急やICU(レベルの)管理が大好きな血液内科医ですから(流石に心肺停止の患者さんに心臓マッサージしながら、挿管するとかいうのは僕がやる仕事ではないと思いましたが…。あの時はさすがに研修医の先生に挿管させる余裕はなかったです…orz)、急変対処でもなんでもやります

そんな人間が前線に半分泊まる覚悟で居座っているからいいですけど、それって結構大変ですよ。

 

家族持ちだったら、当然家庭のこともありますし…

家族持ちでなくてもそれを永続的にやっていけば倒れますよ(笑

 

僕が大学に帰ってきて1年9カ月になりますが、病院にまったく行かなかった完全フリーの日は13日。学会などを含めたら17日になります。ちなみに明日が久々のお休みですw

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

休めるのかは知りませんが…特別事情だからorz

 

それ以外は病院に出勤しています。 それくらいやって初めて成り立っています。

 

本当に「医療現場」で…何も起きていないときはまだしも、「何か起きた時」や「起きる時に備えているとき」など休める状況ではありません

 

先週から今週にかけてはバタバタしていましたしね。 それが医療現場の現実です。

 

しっかり、確認してほしいと思います。

それでは、また。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自信を持つこと、何故それをしたいのか自覚すること

2010-04-24 20:55:51 | Weblog

こんばんは

 

さて、今日は午前中で引き上げて床屋に行ったり、本屋に行ったりしておりました。明日は諸事情があり病棟にはいかないことになっております。

 

さきほど、コメントに反したことも含めまして、いろいろ思っていることを書きたいと思います。

 

先程コメントに「自信を持つこと」と書きました。

 

僕は「自信を持つこと」は非常に重要だと思います。

また、「他人と比較しないこと」も重要だと思います。

ついでに「自己に対する他人の評価を気にしすぎない」ことも重要だと思いますし、自分が「なぜそれをしたいと思うのか」ということも重要だと思います。

 

 

僕は後輩の指導を結構いろいろ言い、やらせるタイプ(やって見せ、言って聞かせてさせて見て、ほめてやらねば人は動かじ)ですけど・・おおむね

自分のできること、知っていることを全て習得して僕と同じラインよりも高い位置で次のステップに進んでほしい

と思っています。

 

 

僕のこの思いがある限り、僕はある種「教師」としては有能なほうではないかと思っています。

 

ただ、僕が評価もし・・・「同じころの僕よりは上だな」と思っているような後輩たち

「(血液内科として)先生のようになれる自信がありません

などと言ったりすることがあり、僕としては「同じ時期の僕よりは何倍も上だぞ」と思ったりします。

 

この半年で2年目研修医(血液内科志望)として研修した二人にも、それぞれの特性がありその特性に関しては僕よりは上だと思っています。

 

まぁ、僕が研修医の時にうまく指導を受けられる体制ではなかったこと(指導医の数・・・そして僕の性格もあるかもしれませんがw・・いや、たぶん性格か・・・orz)、どちらかというと経験を多く積んでいただけ・・・という正直、研修としては今よりも悪い状況であったこともあります。

 

・・・・・・ 話を戻します

 

他にも様々な研修医の先生がいて「それぞれの特徴」があったりします。患者さんとのコミュニケーション能力に長け、調整役としても長じている研修医もいましたし・・。

 

それぞれの人の良いところがいっぱいあります

 

ちなみに僕は・・・期待しなかったら怒りません(そりゃそうですね)。 研修医の先生方や後輩の医師に関して・・・僕は自分と同じラインにみんなを引き上げたいだけ。

 

同じ経験値(年数)を持つころには(その時は僕も経験を積んでいるわけですがw)、その当時の僕を優に超えているようになってもらいたいだけにすぎません

 

それが

先生のようになれません

とか

張り合わないといけない。それが疲れる

とか言われてしまうと、僕は正直悲しくなります。

 

なれねぇわけないだろうが!

 

常に自分にある一定レベルの自信を持っていないと「自分を制限」してしまう。それは可能性を広げたいと思っている僕の思いに反することですし、僕は絡まないほうがよいということになってしまいます。

 

ついでに言えば、僕はほぼ全員に対して怒りますが・・・(まったく怒らないのは、本当に完璧なのか、「医者としては」期待していないか・・だと思います)全員を同じ時期の僕よりは(少なくともある部分では)上かな…と思っています。だからこそ、今の僕と比較して僕が上だと思うところを、どんどん指摘して行っているだけにすぎません。

 

他人と比較しても仕方がないです。だって、他人であって自分ではないですから。

 

自分の良いところは良いところですし、他の人の良いところは尊敬すべきところで比べる場所ではないですから

 

比較して「自分に駄目だし」するのはいかがなものかと思います。

 

僕は後輩たちに

これほど手技がいろいろできるやつはいなかったな。僕も研修医の時はこんなにやってはいなかったな~(というよりもやってないです)」

とか

全身管理がうまいやつだな。極端に走るときがあるけど、全体的にうまいな~」

とか

「ちょっと視野が狭くなることがあるけど、細かくて勉強していて…少なくとも同時期のぼくよりは血液学をしっかり学んでいるな~

とか

「本当にコミュニケーション能力に長けているな。患者さんの細かい情報を看護師さんよりも集めてくるな~」

とか

診察が丁寧で、話をよく効くな~

とか・・・ 書き出したらきりがないくらい人の褒めるところは出てきます。

 

自分の良いところを認識して、自分はできると思って自信を持って事に臨む。他人と比較しない。自分の良いところをほめ、他人の良いところをほめる

 

そして他人の評価を気にしすぎないまったく気にしないと「突っ走る」ことになりますので、人の目・言葉は気にかけても、人の評価よりも自分の評価を当てにするほうがよい

 

通常、他人の評価は自分の評価よりも間違っていることが多い。

 

僕に対する評価は…悪い評価は「直そう」と思うところはありますが、それで駄目だと思うことはまずないです。良い評価は「過大評価」だと思っていますので(自分のほうがよくわかる。まだまだ知らないことのほうが多い)。

 

そして何よりも「自分が何故、それをしたいのか」を認識することだと思います。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

 

人の評価がどうであれ、自分の思いがまっすぐなのであれば行うことは決まってくるはずです。

 

僕はそう思っています。

 

 

生意気を書いて申し訳ありません。 ただ、僕はそう思っています。そして、自分のやりたいことを必ず成し遂げようと思っています。

 

それでは、また。

コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする