こんにちは
先程、病棟から帰ってきました。大きなイベントはありませんでしたが、中心静脈カテーテルを後輩が入れるのを指導+見守りをしておりました。2人の患者さんにスムーズに入れてくれたので、こちらとしては一安心です。
昨日は先端血液セミナーという講演会(研究会)に参加しておりました。話している内容も面白く、僕の研究にも刺激になる話をいくつか聞くことができました。さて、あとはどのタイミングで臨床現場から研究の方に下がるか・・・ですが。
さて、先程中心静脈カテーテル(鎖骨下ですが)を入れていたわけですが、こんなニュースがありました(少し前ですけど)
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2014/06/07090016013558.shtml
佐世保市立総合病院(江口勝美院長)は6日、2011年7月、同病院で盲腸がんの手術を受けた同市内の60代の男性患者に点滴をする際、医師が誤ってカテーテル(管)を動脈に貫通させて大量出血させ、患者が一時心肺停止状態になる医療ミスがあったと発表した。
患者は、脳に血液が回らなかったことで高次脳機能障害の後遺症が残り、現在も寝たきりの状態。同病院は今年5月、患者側に約6千万円の損害賠償金を支払うことで和解した。
同病院によると、患者は11年6月に盲腸がんの摘出手術を受けた。7月中旬、患者の栄養状態を改善させるため、男性医師が中心静脈カテーテルを患者の右頸部(けいぶ)に挿入した。
処置の2日後、患者の容体が急変。カテーテルが動脈を貫通して肺にまで達していることが判明した。患者は大量出血でショック状態に陥り、病院側は蘇生措置を施したが、脳浮腫・低酸素脳症による高次脳機能障害の後遺症となった。
医師がカテーテル挿入をミスした原因について、江口院長は記者会見で「処置は医師1人で行った。(手術が連続して)疲れがあったのかどうかなどは分からない。通常ならあり得ないミス」と述べた。
同病院は事故後、カテーテル挿入に関する指導マニュアルを作成。処置する際にベテラン指導医が付き添ったり、研修実施などの再発防止策を取った。江口院長は「患者と家族に深くおわびする。再発防止に努めたい」と陳謝した。
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ちなみに、どれほどベテランになろうと動脈にあたることはあります。僕も数百回は中心静脈カテーテルを入れていますが、数回は動脈にあたったこと(抜いてすぐに止血していますが)はあります。ただ、通常は2日間気が付かなかったというのはおかしな話だとは思います。
そこのリカバリーが(肺に達していたということはいれていた輸液は胸腔内か・・・)できていなかったことが問題だと思います。出血多量でショックなのか、血液が混じっていた輸液が大量に胸腔内に入って、さらに緊張性気胸用の状態(閉塞性ショック)などになったのか気になるところですが(動脈から出血が続いていれば、かなり早期にショックになるでしょう。ついでに術後Hbが下がっていたら、術後の出血なども考えていろいろ調べると思いますので)。
医療行為に伴い合併症は発生します。ただ、それに気が付かずに放置してしまったことが問題だと思います。
そういう意味ではシステム改善が必要だと思います。
さて、次の週末は当直からのバックアップ連続で休めませんので、そろそろ休憩に入ろうかしら。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
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それでは、また。