新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

放射線との因果関係?:被曝線量や被曝後の時間を考えれば低いのではないでしょうか?

2014-06-10 22:55:32 | 医療

さて、追加でもう一つ。

 

僕も妻と一緒に「鉄腕ダッシュ」をよく見ております。それ故、目に入ってきました。しかも、血液内科ですので・・・。

 

「明雄さん」死因は「急性骨髄性白血病」との報道 「放射能のせいだ!」ネットで脱原発派?が騒ぐ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140609-00000001-jct-soci

J-CASTニュース 6月9日(月)13時41分配信

 「ザ!鉄腕!DASH!! 」(日本テレビ系)の「DASH村」でおなじみだった三瓶明雄さんが亡くなったことで、人々に大きな驚きと悲しみが広がっている。

 そんな中、明雄さんの死因が「急性骨髄性白血病」と報じられ、騒ぎになっている。脱原発派と見られるネットユーザーらから「放射能の影響では」との指摘が上がり始めたのだ。

■福島民報のおくやみ欄に死因が載る

 明雄さんの訃報を掲載した2014年6月7日付の朝日新聞、読売新聞、毎日新聞朝刊では死因は書かれていなかったが、福島民報朝刊のおくやみ欄に、「急性骨髄性白血病のため、伊達市の病院で死去」と書かれていた。

 このおくやみ欄を撮影した写真がツイッターで拡散されると、「ご冥福をお祈りします」など追悼のつぶやきに交じって、「福島で、白血病だからアレの影響もあるよね、たぶん」「放射能が猛威を振るい始めたのかもしれません。こわい、こわい」「これでも食べて応援ですか?」など、「放射能の影響」を疑うような声が上がり始めた。大手紙には死因が書かれていなかったことも憶測に拍車をかけたようだ

60歳以上の高齢者に多い病気

 一方、放射能で騒いでいる人々に対して「放射能のせいでとかそんなことで、明雄さんの死を騒ぎ立てるの嫌だな」「人の死にかこつけて大暴れするのやめーや」「頼むからこの悲しみを何かの批判に使わないでくれ」と、苦言も書き込まれている

 エビデンス社が運営するサイト「がんサポート」によると、急性骨髄性白血病とは、「骨髄の中で造られる造血幹細胞から白血球に分化する途中の細胞ががん化し、正常な白血球ができなくなる」病気と書かれている。他のがんと同様、60歳以上の高齢者に多いという。

 また、国立がん研究センター がん対策情報センターが運営するサイト「がん情報サービス」によると、後天的な白血病は、放射線をはじめ、ベンゼン、トルエンなどの化学物質、抗がん剤などの薬剤、HTLV-IやEBウイルスといったウイルス感染による遺伝子異常が原因になりうるという。ただ、原因はまだ完全に解明されたわけではないとも書かれている。

【関連記事】
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まず、ご冥福をお祈りいたします。
 
 
この件に関しては否定も肯定もできないのですが、基本的には可能性は低いだろうと思います。
 
まずは原爆の時のような高線量を浴びてはいないと思います。僕自身、福島に医療支援に行って巡回診療とかもしましたので、そんな高線量を浴びていたら気になりますけど・・・。
 
白血病に関しては被曝線量が多ければ多い程、発症率は高くなります・・・。それ故今回の件で、「被曝→白血病」と行かなくても…と思います。参考までに長崎の原研のサイトと一緒に出てきたサイトをまず紹介します。
 
 
 
また、放射線治療に伴い「骨髄異形成症候群」や「白血病」の発症頻度が増えます。若い人に放射線治療を行いたくないなぁ・・・と僕が極力避けてしまうのは、そういう理由ですが被曝後3年というのはかなり早いです
 
 
また、広島の被曝後調査では3年目からリスクが上がり始め、5~10年をピークにそのあとリスクは低下していくとされています。タイミング的に「原爆の時の被曝線量」で3年目から上昇し始めた…ということを考えれば、100%否定はできないものの因果関係は低いかなと思います。
 
そもそも・・・被曝線量がそこまで大きくないので、リスクが上昇しないのではないかと・・・
 
 
さて、結局4週連続のバックアップ予定ですので、今週末もゆっくり記事を書けるかどうか。後輩が僕のblogの記事が教科書みたいにわかりやすいと言ってくれたので、少し学生などに役に立つ記事を書いてみたいのですが・・・・。
 

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造影剤投与後のアナフィラキシーで死亡:民事はともかく刑事にしないでほしいですね、日本のために

2014-06-10 22:26:22 | 医療

こんばんは

 

先ほど帰ってきました。少し、インターネットで気になる記事がありましたのでご紹介いたします。

 

造影剤投与直後に呼吸困難、市民病院で女児死亡

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140610-00050091-yom-soci

読売新聞 6月10日(火)11時36分配信

 愛知県常滑市の常滑市民病院で今月3日、入院していた同県内の女児(6)が、造影剤を投与された直後に容体が急変して死亡していたことが分かった。

 急性アレルギー反応の「アナフィラキシーショック」を起こしたとみられ、病院は県警常滑署に連絡。同署は業務上過失致死の疑いもあるとみて、投与に問題がなかったかを調べており、今後、担当した医師らから事情を聞く

 関係者によると、女児は高熱が続き、5月下旬から入院していた。3日になって、エックス線検査をするため腕から造影剤を投与したところ、数分後に気分の悪さを訴え、呼吸困難に陥った。医師らが治療にあたったものの、間もなく死亡した。造影剤の投与には家族の同意があったという。

最終更新:6月10日(火)11時36分

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まず、亡くなったお子さんに深く哀悼の意を表するとともに、ご冥福をお祈りいたします

 

病院内で発生したアナフィラキシーショックですが、やはり時々起きる重大な合併症です。僕の担当した患者でも4月末にアナフィラキシーを起こした患者はいましたし、ショックになった患者さんも何名か経験しています。

 

造影剤でなった患者さんもいますし、抗菌薬でなった患者さんも輸血でなった患者さんもいます。そういえば、草刈りをしていて発症した人もいたな・・昔(汗

いずれにせよ、様々な医療行為に伴い、一定の頻度で発生する合併症です。

 

将来のある女の子ですので、もちろん助けられていれば…とは思います。しかし、救命の努力を怠ったわけではないのに、一定頻度で起きた合併症で業務上過失致死の疑いで・・・となれば、数年前の大野事件と同じようなことになると思います

 

そういう意味では民事はともかく、刑事事件のような扱いをしないでほしいものだと思います。

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