新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

備忘録2:どんな風な指導が理想か?

2016-03-13 16:44:53 | 備忘録

こんにちは

 

このまま書いていきたいと思います。医学部の学生の教育などもいろいろあるのだと思いますが、医師の教育もいろいろ考えるべきことはあると思います。

 

僕はおおむね臨床医としてはわが母校の、研究者としては2つの場所で指導を受けています。

わが母校と、前指導を受けたことがある大学は基本的には教育スタンスが異なっていると思います。少なくとも研究に関しては。今は教授が変わっているから、前のところも変わっているのではないかと思いますが・・・

 

偶然ですがこの2つは真逆のスタンスで言っていると思っています。うちはよく言うと自由、放任主義で、前のところはトップダウンの管理体制という感じでしょうか。どちらも一長一短があると思いますが、自分で実行できるメンバーが集まれば「我が校」のようにある程度任されているほうが、良い結果にはつながるのだろうと思います。まぁ、うちは指導者が少ないから放任になっているだけだと思いますが。

 

ですので、僕も基本的には「一定レベルで一任し、ともに歩んで方向修正を少しだけする」というスタンスがよいのだろうと思っています。あまり上が管理していると、下は伸びませんし(何でも聞くようになります)・・・。

 

僕は今日バックアップしているときに研修医の先生から

「○○はどうしたらよいですか?」

ときかれたので、

「どうしたらよいと思う?」

と聞いてみました。

 

僕は昔からそのスタンスですが、研修医のころは

1、患者さんの状況把握

2、病態の推測と検査

3、診断の予測と対応

4、確認

をしなくてはならないと思っています。プランニングするまでが研修医の仕事です。報告だけなら看護師さんでもよいと言っています。緊急事態でなければ僕が現場で受け持ちをしているときは、夜中であろうとこれをやっていました。1時間近く問答していたこともあります。

 

答えを言って、これやれ・・・は楽ですが、自分で考えて実行できるようになるのが研修医の時の目標だと思っていますので、それを成し遂げられるように常に思っています

 

そのあとはまず

1、各専門領域の知識、スキルの習得

2、患者さんの治療の経験

3、疾患(群)の特徴と患者さんの特徴を把握すること

なのかなと思っています。

 

そして恐らく、僕もまだ未熟なためわからないのですが「(目の前にいない人も含む)多くの患者さんのためにできることを行う」ようになるのだろうと思います。

 

きっと100人研究者がいたら、100人のビジョンがあるような気がします。やる気があって、自分が患者さんのために尽くそうと思うのであれば「こういうことを見つけたら患者さんのためになるのではないか?」と思うと思います。

 

僕は常々「この治療で治る人、治らない人が本当に分けられたら」といつも思いますし、そういう目で再発した患者さんたちや治療抵抗性の患者さんたちなどをみています。この人たちをより早く適切な治療に持っていくことはできないのだろうかと。

 

新薬の治験などがやりたいという方はいるのだと思いますが、それはそれで重要だと思います。ただ、自分で(日本で)作成した薬というのでなければ海外の情報が来ていることが多いですからね。日本人では違うという可能性があるから、日本でもやるのですが。

 

ともかくいろいろなビジョンがあると思うのです。

当たり前なのかもしれないのですが、ビジョンを共有したい。

 

完璧に理解できるまで話を聞きたい。そして何が足りなくて、何をしたらより良くなるのかを最初からよく話をしたい。思いつきで動かないようにしたい。人に無駄(かどうかはわかりませんが)な時間を取らせないようにしたい。

 

それがきっと最初なのだろうと思います。最初にそれがなければ、目的地があやふやであれば、そこへ至る道はどれが正しいのかわからないと思います。もし、トップダウンだとトップの考えに依存するのだと思いますが、放任しすぎたらどこへ行っているのかわからなくなる可能性もあります。そもそもそれまでやってきたことを否定する(少なくとも目的地のほうへ進んでいるのであれば、全否定にはなりませんが)ようなことはないはずです。まさに「失敗は成功のもと」にできると思いますが、そういう空気も作り上げたい。

 

研究に当たっては自分が一番メモをするということも重要だと思います。指導する側になるのであれば・・・。

前に話したことと、今言っていることの整合性が取れなくなるようなことはないようにしたい。直接研究をしているわけでなければ、どうしても忘れやすくなると思います。その時に思ったことを言ったりすると思うのですが、一番自分が関わっていないという自覚を持って、知らないことを勉強しメモに残すつもりで(書記のように)やれば、矛盾するような指導はしないだろうと思います。直接指導だったらもちろん、別かもしれません。常に一緒に話し合って、考えているはずですから。

そうでないならば、書いておかなければきっと忘れると思います。

 

ともかくビジョンをしっかり共有し、目的の方向に行っていることを外から確認でき、目的地から遠ざかるような発言を控え、目的地に進む後押しができるようにすること

 

それをやりたいと思っています。

 

あくまで備忘録で、将来の自分への言葉です。今の思いを忘れないようにしたいと思います。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと

blogram投票ボタン

 

それでは、また

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

備忘録1:自分のしたいことは何か?

2016-03-13 15:47:35 | 備忘録

こんにちは

 

今日は病棟のバックアップの後、最近の日課のようになっている内省作業をしておりました。学生時代などは人生の目標などを張り紙にして壁に張ったりしておりましたが、最近そんなことをしておりませんでしたし、職場では研究や臨床に、家庭では初めてできた我が子との時間ばかりで自分自身の時間を取ることがなかなかできていませんでした。

 

まぁ、blog書いているのは自分の時間かもしれませんが、更新頻度はすごく下がっておりますので。

 

最近は自分の時間として朝5時から本を読んだり考え事をしたりしております。学生時代は朝4時でしたが、これはある意味「緊急の用件がほとんどない」ことにより可能であったことと、急にそこまで戻すのはなかなか体が慣れないと思いましたので、まずは5時から慣らし運転です。娘が夜泣きの真っ最中(僕はもともと睡眠が浅いのか、最初に起きるんですよね)で、睡眠時間が寸断されてはいるのですが、どうにかやっていけそうだと思っているところです。

 

さて、今日は備忘録ということで、以来の自分が何らかの振り返りができるように、自分に向けた記事を書いていこうと思っております。

頭の中では昔書いていた「Mission Statementの作成」をと思っていたのですが・・・(Mission Statement作成中

 

人生において自分自身の目的や人生の意義は何かとまず考えました。

当たり前ですが「幸せになること」なのだろうと思います。

幸せとは何か…と今聞かれると、「妻や娘が満足して生きていき、自分自身も発展しながら満足して生きていくこと」だと思っています。

ふとそんなことを書いたことがあると思ったら、やはり書いていました「何に満足し、何に満足しないべきか

 

僕は「自分の妻」「娘」・・・将来的には息子とかもできるのかもしれませんが、家族が「満足できる」「自分がやりたいと思ったら、その実行をサポートできる」ようにしていることは重要な要素だと思っています。

もちろん、妻子が自分でやりたいことをやろうとすることが重要であって、僕が何かを仕向けるつもりはないです。ただ、何かをしたい…といった時に「できる環境」をできるだけ整備することができることなのだろうと思っています。

 

で、自分自身の満足はどうか…と言いますと、基本的に「何に満足し、何に満足しないべきか」にも書いていますが満足して生きているのです

僕は小学1年生の時から生物学に興味があり、高校3年くらいまでは「生物学者」志望でしたが、ひょんなことから医療業界…医師になりたいと思うようになりました。偏差値32からの大学受験ではありませんが(笑)、中3の夏くらいまでの頑張りのおかげで何とか軌道に乗せ直すことができ、医学部に入りました。医学部に入った時も当初は「整形外科志望」で、スポーツ医学に興味がありました。

 

ただ、勉強すると変わるもので病理学などをやっているうちに「病態生理」そのものが非常に面白く感じ、その中でも癌のメカニズム・・・「分子生物学的要素」が楽しいと思い始めました。

 

まぁ、子供のころからいろいろ勉強してきたことの延長戦で趣味のレベルのことが出てきたわけです。

 

そして診療科の内容などを知っていくにつれ、血液内科という領域に触れ、そこを希望しました。

思った通りの面白い分野であり、臨床現場では患者さんとのコミュニケーションなども面白く(僕の中では患者さんへの説明も予後を変えるのではないかと思うくらいです。患者さんが治ろうとする力をサポートするのが医師であれば、治るつもりで治療を受けてもらえることはすごく重要なことだと思っています。まぁ、これは確かめようがないのですけど)、おおむね臨床現場というものには満足して過ごしています。

少なくとも肩書や経験年数とか関係なく、僕を頼りにしてくださっている先生方がいるので、すごくうれしい限りだと思っています。

 

さて、僕はもう一つ「教育」にも重点を置いています

めざす教育:賛否両論だろうな

そんな記事も書いていましたが、教育というのは未来を担う人材を育てることであり、最も重要な活動の一つだと思っています。

それ故、教育者としても生きていきたいと常々思っています。

 

教育者は僕の中では「一定の知識、スキル、ビジョン」を持ち、人の踏み台になってより高みを後世に目指させるものだと思っています。

2段の跳び箱を超えるのであれば、それに合わせた踏み台になり、6段を超えるならばそれに合わせた踏み台になる。

 

また、相手の望むものを理解し、そこへのルート(ビジョン)を作ることができる人間とも思っています。

 

また、教えるためには知識・スキルも持ち合わせていなければいけません。最低限のレベルというものはあると思います。

今、自分自身の中に最低限のスキル・知識が必要にもかかわらず作り上げられていないものがあります。

 

おそらく、これから数年をかけてその分野の知識やスキルを蓄えていく必要があるのだろうと思います。その分野は基礎研究や臨床研究のやり方をもう一度勉強しなおし、論文などの作成技術を身に着けることになります。

自分自身でも必要かもしれませんが、教えるためには「何がポイントで、どうすればよいか」を理解しなくてはいけません。僕はその見地にまだたどり着いていないのです。

 

基礎研究にしても臨床研究にしても「ビジョン」があって、それに向かってそろえるべき情報というものがあると思います。そこをどのように作り上げていくのか。それがまだ見えてこないところではあります。もちろん、最初に描いて絵と違う結果になることはあると思います。僕も大学院生としてやってきた研究は(まぁ、遺伝子的には最後にここに来るかとは思っていましたが)最初の絵とはだいぶ違う絵になってきているのだと思います。

 

ただ、まだまだ勉強しなくてはいけないし、ビジョンの作り方、絵の仕上げ方、相手を納得させる文章などわからないことが多く、後輩の誰かが教えてほしいといってもまだ僕はポイントを伝えてあげることができませんなぜなら自分自身、まだ自信がないからです。

 

この分野でも自分自身に自信が持てるようにすることが重要なのだろうと思っています。

 

それができたら目の前にいる患者さん・目の前にいない患者さんのためにできることを行える、そして自分が思っている教育をできるようにしていけたらと思っています

 

研究と言えば・・・僕は「がん」というものは他の病気よりも早く制御可能になっていくと思っています。その中心にあるのはきっと免疫だと思っているので「がん免疫」にすごく興味を持っています。それを自分の手で追及することはできるかどうかはわかりませんが、研究者としては本来はそこを目指したいと常に思っています。今から目指せるものかはわかりませんが・・・。

それが自分自身でできなくても、それを成し遂げた時に「あの人の情熱や考えはここへの到達に影響した」と言ってもらえるようになりたいものだと思っています。

 

 

ですので、僕のしたいことは

・人としては医師として貢献すること、夫として父として「やりたいこと」ができるように常にサポートすること

・臨床の医師としては目の前の患者さんを大事にし、そこから得た何かを多くの患者さんに還元したい。

・研究者としてはがん免疫をやっていきたい

・教育者として多くの人の「目標」「ビジョン」を共有し、それを達成する踏み台になってあげたい

 

そういうことだと思っています。

ちょっと長くなってきたので、一度切ります。

 

 

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと

blogram投票ボタン

 

それでは、また

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする