新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

骨髄腫の維持療法:追加でpubmedが…(汗

2013-10-01 23:06:19 | 医学系

こんばんは

 

昨日(というか、帰ったのは今日の夜中ですが)は学会の予演会があり、2演題しゃべっておりました。その後指摘事項などを修正していたら、日をまたいでおり、今日もその補備修正に当てておりました。

学会発表がWindowsなのでメールで自宅のパソコンに送り、確認したら文字化けしていました(汗

 

明日再確認ですね。

 

さて、先程このような質問がありました(非公開)。

 

多発性骨髄腫に関しての質問で、ご家族がベルケイドを5クール終了しなんとかCRに行けそうだ・・とのことでした。主治医がすごく血液状態が良いので、ベルケイドの容量を減らして維持を提案されているが、副作用もあり全身状態が少し悪いため、継続するべきかどうか悩んでいる・・・・という内容でした。

多発性骨髄腫の治療に関しては本当に定まったところはありません。もうすぐ、日本版のガイドラインが出る予定ですが、それにも維持療法に関してはやったほうが良いとは書かれない予定だったと思います。

 

では、維持療法をしないほうが良いかといわれると意見は分かれると思います(ガイドラインにどう書かれているかは知りませんが)。理由は骨髄腫が完治するのがまだ難しい疾患であり、どういう形でお付き合いをしていくのかは患者さん個人個人によると思います。

例えば60代の方が骨髄腫になられたのであれば、僕は自家移植、地固め療法、維持療法をやると思います。今後も数年後には新しい薬が出る予定になっており、できるだけ様々な手立てが使えるところまでは引っ張りたいと思うと思います。

しかし、一方で80代の方で、少し元気がないような感じであれば・・・治療を継続した方が生きる時間は長くなるかもしれませんが、元気な時間は短くなるかもしれません。それを考えたら、よい状態まで持って行ったあとは様子を見るというのも選択肢なのかもしれないと思います。

ちなみに、維持療法で有効性が認められているのは恐らくレブラミド(レナリドミド)ではないかと思います。MPR-RとMPRの比較試験でレナリドミドの維持療法をするところから、生存に差が出てくるので維持療法の有効性は間違いないだろうと思います。

ベルケイド(ボルテゾミブ)の維持療法(うちの大学病院としてはボルテゾミブの維持なんですけどね)は基本形がいつぞやのJCO(Journal of Clinical Oncology)に掲載されたボルテゾミブベースの治療の後自家移植をやって、その後に2週おきに維持療法を行うというやつがありますが、逆側の治療法が初期治療の時点で異なっているので、維持療法が良いのかなんなのかわからない内容だったと思います。

ちなみにベルケイドの維持療法を月1回というのも一部の施設(少なくとも2施設以上はあります)では行われています。

 

そういうことで、維持療法をするかしないかというのは難しい判断になると思います。「こうすることになっている」という疾患ではなくて、患者さんごとに合わせた治療になります。

患者さんの情報を細かく知っているわけではないですので、これ以上は書けませんが参考になればうれしいです。

 

さて、先程帰る前にPubmedを見て愕然としました。アメリカの予算の関係で・・・・(汗

 

気になる人は見てみてください(笑

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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なかのひと 

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それでは、また。

コメント (20)
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